シチリアのオーガニックワイナリー「フナロ」メーカーズディナー

2018/07/20

ネコのラベルでおなじみ、シチリアのオーガニックワイナリー、フナロ社の3代目オーナー、クレメンテフナロさんが1 年ぶりに来日。7月10日に渋谷のトラットリアドンチッチョさんで行われたメーカーズディナーに行ってきました。クレメンテさんは1年前にトスカニーのオフィスに来て下さっていろいろとお話しをお聞きして以来の再会。「久しぶ りですね。また会えてうれしいです。お元気ですか?」とにこやかに声をかけていただきました。

 

今回料理と合わせて飲んだワインは5種類。シャルドネで造る瓶内二次発酵スプマンテ、シャルドネとインツォリア のブレンドで造るヴェルデリチャ、グリッロ100%のピンツェーリ、ネロダーヴォラ100%のオムニス、そしてジビッボ 100%のデザートワインパッシート。ナロ社はクレメンテさんの祖父の時代からブドウ栽培を行っていて、クレメンテさんたちの代になって2003年に 本格的にワイン造りをスタートさせました。2011ヴィンテージ以降は造るワインはすべてオーガニック認証を取得しています。最近はオーガニックの造り手が増えてきた印象ですが、クレメンテさんにシチリアでどのぐらいなのかと質問したと ころ、100%オーガニックをやっているのは全体の2割程度ではないか、とのことでした。

10042892-n-l食事はスプマンテに合わせて前菜盛り合わせからスタート。スプマンテに使っているシャルドネの品質が年々向上しているということで、以前は瓶内熟成18カ月だったのが現行のヴィンテージ(2014収穫年)では24ヶ月熟成に変えたそうです。果実の上質な甘みがほんのりと感じられる、上品な味わいで、クレメンテさん曰く「泡が抜けても白ワインとして美味しいと言われます」。

 

 

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ヴェルデリチャ 2016 フナロ

続いては白のヴェルデリチャ。これもシャルドネがメインですが、2017ヴィンテージからはシャルドネ100%になるとのこと。やはりシャルドネの質が向上したことが理由だそうです。すっきりとした爽やかな味わいで、一部バリック熟成をしているのですが樽っぽさはほとんど感じません。

 

 

 

 

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ピンツェーリ 2016 フナロ

グリッロで造るピンツェーリは厚みとストラクチャーのある白ワインで、飲みごたえ十分。アルコール度数は14.5%!でも、意外にするっと飲めてしまいます。クレメンテさんは「グリッロはシチリアのいいとこどりのブドウです。今のトレンドをつかんでいると思います。アルコールは高いのに飲み疲れしないですよね。」と説明してくれました。この白2本をグリーンピースとトリュフのスープを挟み、パスタ(ウニのパスタとコッツェ&ボンゴレの2種類)で頂きました。

 

 

オムニス 2014 フナロ

オムニス 2014 フナロ

メインのカジキマグロのステーキと合わせて上級キュヴェのオムニスがサービスされました。オムニスは「全て」という意味のラテン語が由来。フレンチオークとアメリカンオークのバリック(旧樽)で1年間熟成。アタックはややミルキーな印象でしたが、2口目からとても美しい果実味が広がって、エレガントな味わいとなっています。さらにメインの2品目としてタリアータも出てきました。個人的にはタリアータのほうがあっていたように思います。

 

パッシート 2014 フナロ

パッシート 2014 フナロ

最後にカッサータと一緒にパッシートを頂きました。ジビッボを収穫した後、畑のブドウ樹の枝に吊るして乾燥させる手法でパッシート。雨の少ないシチリア(年間雨量が500ml程度)ならではのパッシートの方法です。フレッシュな酸味がきいていて、控えめな甘さのデザートワイン。クレメンテさんは甘党らしく、パッシートワインが大好きなのだそうです。いくらでも飲めるパッシートが狙いとのこと。狙い通りの美味しさでした(笑)。

 

 

imgrc0085130201フナロ社のクレメンテフナロ氏とドンチッチョのシェフ石川勉氏と。

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