現代のフランチャコルタはフランコ ヅィリアーニ氏がグイド ベルルッキ社と瓶詰を行った1961年からその歴史がはじまりました。わずか60年足らずでイタリアを代表するスパークリングワインへと昇りつめました。このシンデレラストーリーは“フランチャコルタの奇跡”とも呼ばれています。
秀逸した品質「フランチャコルタ」
翌年には自主的に更に厳しい規則を制定。その秀逸した品質は、のちに特に高名なワインとしてDOCGの表記無しで「フランチャコルタ」とだけ名乗るよう指定を受けます。
フランチャコルタの歩み
フランチャコルタという名前は、ラテン語で「免税地」を意味するフランカエ・クルテス(Francae Curtes)が語源といわれています。イゼオ湖は、氷河の浸食作用によって残された湖で、周辺は様々な土壌が積み重なってできた氷堆積土壌。この地域は土地が瘦せており農作物の栽培には不向きで、関税免除の領地とされたという11世紀の話が由来の一説となっています。
痩せた土地でブドウは根を深く伸ばしました。湖畔地方にみられる温暖な気候と山々からの冷涼な風は、この地を果実味に溢れた良質なブドウの生産地としました。1500年代には、アルバマッタ(※エルバマット)に関する記述や発泡ワインについての記述が残っていますが、この地は長年“庶民のための赤ワインの産地”として歩みを進めていました。
コルテ・フランカ村に農園を持っていたベルルッキ氏は、ワインの品質向上のため若き醸造家に助けを求めます。その若き醸造家フランコ ヅィリアーニ氏は、シャンパーニュのようなワインをつくりたいと夢を持っていました。ふたりの出会いは形となり、1961年にフランチャコルタが誕生。ベルルッキ社は大成功を収めます。
恵まれた自然環境・経済都市ミラノからの実業家の参入などの人的要因・時代の流れなどの様々な要因が重なり、フランチャコルタは、わずか60年という歳月で庶民のワイン産地からイタリア随一のスパークリングワイン産地へと変身を遂げました。これが“フランチャコルタの奇跡”と呼ばれる物語です。
※エルバマットは長年忘れ去られていた品種で、2017年にフランチャコルタでの使用が認められました(最大10%・サテンを除く)。シャルドネやピノ品種に比べ晩熟で、高い酸が特徴的です。
躍進を続けるフランチャコルタの強みと取り組み
取り組みのひとつとして、その個性を把握するためにフランチャコルタ協会が行った栽培のゾーンの調査研究には、目を見張るものがありました。フランチャコルタの生産地域は、60種類ほどの土壌が集結している世界にも稀に見る複雑な土壌を持っています。その研究結果から大きく6つの土壌に分けられ、適正品種の見極めやより土壌の個性を生かすための栽培方法などを確立しました。
フランチャコルタの種類
サテンを除くフランチャコルタに使われるブドウ品種は、シャルドネとピノ・ネーロ、ピノ・ビアンコとエルバマットの4品種です。品種の使用制限やガス気圧、残糖度のなどの規定が設けられておりますが、大きくは最低熟成期間の違いがあります。
・フランチャコルタ
最低瓶内熟成期間18月以上
・サテン
シャルドネとピノ ビアンコのみ
ブリュットのみ
最低瓶内熟成期間24ヶ月以上
・ロゼ
最低瓶内熟成期間24ヶ月以上
・ミレジマート
単一の収穫年のブドウを85%以上の使用によりラベルに収穫年が表示できます。
最低瓶内熟成期間30ヵ月
・リゼルヴァ
最低瓶内熟成期間60か月以上
残糖度による分類
・ドサージュゼロ/Dosaggio Zero:0~3g/リットル(完全な辛口)
・エキストラブリュット/Extra Brut:0~6g/リットル(極めて辛口)
・ブリュット /Brut:0~12g/リットル(辛口)
・エキストラドライ/Extra Dry:12~17g/リットル(ソフトな辛口)
・セックもしくはドライ/SecもしくはDry:17~32g/リットル(ほのかに薄甘口)
・ドゥミセック/Demi Sec:33~50g/リットル(甘口)
フランチャコルタの楽しみ方
果実味溢れるフランチャコルタはテラスでのランチにピッタリです。特別な日にはミレジマートやリゼルヴァをお選びください。シチュエーションに合わせてフランチャコルタの多様性を是非お楽しみください!
フランチャコルタのリーダー的存在のカ デル ボスコの定番「キュヴェ プレステージ エディツィオーネ」 |
カ デル ボスコ |
フランチャコルタ キュヴェ プレステージ エディツィオーネ 45 |
フランチャコルタの世界的名声を築き上げた「カ デル ボスコ」のスタンダードキュヴェとして圧倒的な支持を集める「キュヴェ プレステージ エディツィオーネ」。心地よいフレッシュ感と酸味のある、バランスの取れたクラシカルなフランチャコルタに仕上げられています。エディツィオーネの後ろの数字は、カ デル ボスコがノンヴィンテージをリリースしてから何年目であるかを意味しています。 |
フランチャコルタの筆頭格!ベラヴィスタが誇る高品質スタンダード「グランデ キュヴェ アルマ ブリュット」 |
ベラヴィスタ |
フランチャコルタ グランデ キュヴェ アルマ ブリュット |
フランチャコルタを代表する生産者ベッラヴィスタのスタンダードキュヴェ「フランチャコルタ グランデ キュヴェ アルマ ブリュット」。果実と花の繊細な香り。芳醇で円やかな味わい。調和のとれたバランスの良さが魅力です。「アルマ」とは「愛情のこもった」という意味で、フランチャコルタの素晴らしいテロワールへの敬意を込めて名付けられています。 |
匠の技で造り出すフランチャコルタの最高峰フェルゲッティーナのフラッグシップ「フランチャコルタ ブリュット」 |
フェルゲッティーナ |
フランチャコルタ ブリュット |
「ベッラヴィスタ」で長年責任者を務めたベテラン職人が自身で立ち上げた「フェルゲッティーナ」の「フランチャコルタ ブリュット」。清々しいグレープフルーツのようなフレッシュ&フルーティなアロマに、涼しげなミネラルとハーブの香り、奥底に感じる豊かな蜜のニュアンスが美しい層を成しています。フランチャコルタを知り尽くした職人が匠の技でつくる限りなく上品で繊細、澄み切った味わいです。 |
銘醸「ベッラヴィスタ」が手掛けるよりカジュアルに楽しめるフランチャコルタ「コンタディ カスタルディ」ブリュット |
コンタディ カスタルディ |
フランチャコルタ ブリュット |
フランチャコルタの名門ベラヴィスタが“よりカジュアルに楽しんでほしい”という想いで設立した「コンタディ カスタルディ」のスタンダードキュヴェ「ブリュット」。華やかでバランスの取れた、誰もが美味しいと思える親しみやすい味わいで人気です。名門ならではの高品質!コストパフォーマンスに優れています。 |
“三大フランチャコルタ”と称される「カヴァッレーリ」のスタンダードキュヴェながらあくまでもフラッグシップの「ブラン ドゥ ブラン ナチュール」 |
カヴァッレーリ |
フランチャコルタ ブラン ドゥ ブラン ブリュット ナチュール |
カ デル ボスコ、ベッラヴィスタとともに“三大フランチャコルタ”と称される「カヴァッレーリ」の「ブラン ドゥ ブラン ナチュール」。フランチャコルタらしい華やかさと果実味の甘やかさ。ナッツのニュアンスやより芳醇に感じられる完熟シャルドネの風味があります。イタリアワイン特有の陽気さや親しみやすさだけでなく、きちんと繊細さを備えた味わいです。カヴァッレーリの発泡性の白はすべてシャルドネのみ、シャルドネのエキスパートとも呼べる存在です。 |
ワイン通に評判のヴェッツォーリがつくる「エルブスコのテロワールを最大限に表現した」サテン |
ヴェッツォーリ |
フランチャコルタ サテン |
100年以上にわたってブドウ栽培をしてきたヴェッツォーリ家が、フランチャコルタの中心地エルブスコの畑からつくるサテンです。香りはとてもチャーミングな印象。クリーミーで繊細な泡が口の中を広がり、その舌触りはデリケートでとてもなめらか。きれいな酸とミネラルの調和のとれた素晴らしい味わいです。ワインガイドの受賞を断ったりとメディアへの露出も少なく、生産量も多くはないため、知名度こそ低いものの通の間では評判なフランチャコルタです。 |
102ヶ月瓶熟!厳しいセレクションで造られるヴィッラ最上フランチャコルタ「セレッツィオーネ」 |
ヴィッラ |
フランチャコルタ ブリュット セレッツィオーネ ミレジマート |
まだフランチャコルタに10軒の造り手しかなかった時代の1978年からボトリングを開始した歴史ある造り手ヴィッラのフランチャコルタ ブリュット セレッツィオーネ ミレジマート。シロップ漬けの桃、ジンジャーブレッド、ブリウォッシュの複雑で深い香り。飲むと横に広がる果実感、縦に伸びる酸とミネラル、中盤から広がる豊かな風味、余韻に感じる塩味とミネラルが見事に調和しています。102ヶ月瓶熟で他のフランチャコルタには見つからない独自の個性を感じます。並みのヴィンテージシャンパーニュを凌駕する偉大な味わい。 |
名門アンティノリがつくる最高峰の美泡!「フランチャコルタ ロゼ モンテニーザ」 |
モンテニーザ |
マルケーゼ アンティノリ フランチャコルタ ロゼ |
トスカーナの名門アンティノリが手掛けるフランチャコルタです。モンテニーザの優れたテロワールと、イタリアきっての名門一族の実力が融合。ピノノワール100%を使ったパワフルなロゼです。ザクロの果実香やドライフラワーの妖艶なアロマが特徴的です。 |
老舗「バローネ ピッツィーニ」がエルバマットをブレンド!“バローネピッツィーニの魂”を表すフランチャコルタ「アニマンテ」 |
バローネ ピッツィーニ |
フランチャコルタ エクストラ ブリュット アニマンテ |
ロンバルディア州で1870年からの長い歴史をもつ「バローネ ピッツィーニ」。2018年収穫分より、古代自生品種エルバマットをブレンドしています。14社ほどがエルバマットの栽培に取り組んでいますが、実際にフランチャコルタに使ったのはバローネ ピッツィーニが初めてです。涼し気なミネラルにアプリコットやドライフルーツの香りが綺麗に重なります。ドライでキレの良さが光りますが、芯には確りと熟した果実味が存在し、クリーミーで繊細な泡立ちと相俟って、クールでべた付かない豊かな飲み心地があります。 |
1972年に生まれたフランチャコルタの名門モンテロッサの「カボション フランチャコルタ フオリセリエ」 |
モンテ ロッサ |
カボション フランチャコルタ フオリセリエ |
「モンテ ロッサ」のフラッグシップ「カボション」がシリーズとなり、「フオリセリエ」となって生まれ変わりました。ミレジマートからNVへ、リザーブワインを20%まで使用しています。深みのある柑橘系フルーツとミント、ユーカリ、アーモンド、プラリネ、ハーブティーの香りがグラスから溢れだします。上品に鼻から抜けていくハチミツのニュアンスに上質さを感じます。リザーブワイン由来の厚みと42ヶ月もの長期熟成により、溶け込んだ泡と複雑味、凛とした酸味が素晴らしいフランチャコルタです。 |