イタリアワインを「もっと楽しく」、「さらに身近に」飲んで楽しんで頂きたく、トスカニースタッフが都内各所に出没いたします!
こんにちは!ロッチャです。今やリリースする度に完売する大人気のシチリア自然派ワイン生産者「フランク コーネッリセン」。そのフランク氏の奥様で日本人のAkiさんが来日されました!先週横浜にある有名な自然派ワインバーでフランク氏のワインやエトナ産地についてお話を伺ってきました!
鬼才フランケッティ、マルクデグラツィアとほぼ同時期にエトナでワイン造りをスタートさせる
以前はベルギーやオランダへのワイン輸入の仕事や、豊かな語学力を駆使しインポーターにワイナリーを紹介するエージェントの仕事をしていたフランク コーネリッセン氏は2001年からシチリアエトナ山の北側斜面でワインを造り始めます。それとほぼ同時にワイン造りをエトナで始めたのが、鬼才アンドレアフランケッティ氏、バローロボーイズのマルク デ グラツィア氏と、今やエトナを代表する世界的な生産者がほぼ時を同じくしてエトナでワイン造りをスタートさせたそうです。
あまり知られていない話ですが、フランク氏はワインの仕事に携わる前、20代の時に日本のアウトドア関連の企業がヨーロッパへ進出するサポートの仕事もしていたそうで、関西に数ヶ月間滞在していたこともあったそう。フランク氏と日本の意外な結びつきがあった興味深いエピソードです。
早速ワインを飲みながらお話を聞いていきます☆☆☆
理想的なヴィンテージとなった2014年
「ムンジェベル ビアンコ 」
2014年は1年を通して理想的な天候に恵まれ、素晴らしく均整のとれたブドウが獲れたそうで、フランクをして今までの手掛けてきた中でも最良のヴィンテージの1つとのことです。飲むと充実した果実感とフレッシュな酸味があり、既にとてもスムーズな飲み心地があります。その飲みやすさに驚きでしたが、Akiさん曰く、「2014年のビアンコは試行錯誤して産まれました。綺麗な味わいのスタイルになっています。これまでに比べ醸造設備なども、整ってきています」との事。
コルクの変化
「ビアンコも含め2014年ヴィンテージのいくつかのワインにはこれまでの天然コルクから「アルデアシール社」の合成コルクを使用しています。様々な意見がありますが、今後他のラインナップも変えていく予定です。少なくともコルク不良の心配が無い事と、酸素の交換量に優れている点があるからです」との事。
ロッチャとしては、天然コルクから急に変わったのでビックリしましたが、、後々で調べたら「アルデアシール社」のコルクの材質、国際的評価は高く、アルデアシールを採用しているブルゴーニュ最上ドメーヌの一つ、 ポンソを始め、イタリア、フランスの自然派生産者も採用しており、高い信頼を得ています。
フレッシュなブドウの香りと複雑で厚みのある味わい
「コンタディーノ テッレ シチリアーネ ロッソ」2014
「コンタディーノ」はムンジェベル等に使われることのなかったネレッロマスカレーゼに、畑に一緒に植えられている他のありとあらゆるブドウ(サンジョヴェーゼ、ミネッラネーラ、カリカンテ、ミネッラビアンカ、カタラット、グレカニコドラート)を混醸したワインです。ファーストヴィンテージは2003年。2014年は2万3000本も出来ました。フレッシュなブドウの香りと複雑で厚みのある味わい。数日後にはよりしなやかで円やかな味わいに。2014年のコンタディーノ、美味しいです。
毎回ボトルに手書きで書かれるトップキュヴェ「マグマ」
標高1000メートル、エトナの噴火で流れ出たマグマにより形成された火山性土壌で強烈なインパクトを残すトップキュヴェ「マグマ」。一度見たら強く記憶に残るボトルに描かれた鮮烈な「MAGMA」の文字。実はAkiさんと従業員の方が1500本近く毎回手書きで仕上げているそうです。ボトルによって多少筆跡が違うことに気が付かされます。マグマの畑では冬の段階から厳しい剪定を行い、シチリア伝統のアルベレッロ仕立てで栽培されたブドウの木1株に僅か2~3房だけ残します。直近でリリースした2012年のマグマは数ヶ月前にフランクが飲んだ時にはかなり近づきやすい味わいになっていたようです。
素晴らしいスタンダードキュヴェ「ムンジェベルロッソ」
「ムンジェベル ロッソ」2014
コーネッリセンの赤ではベーシックラインのムンジェベルロッソ。力強いタンニンがありますが、充実した果実感と豊かな香りです。イキイキとした酸味と複雑味と厚みが感じられます。当たり年の豊かな味わいがしっかりと感じられます。素晴らしいスタンダードキュヴェだと思います。開けても良し、少し寝かせて良しの万能型です。これはお肉料理が欲しくなります☆☆☆
エトナのクリュを明確にした地図を造っていく活動
また、フランク氏はエトナDOCに広がる類まれなテロワールをフランス・ブルゴーニュのように区域や畑毎に個性が違う「クリュ」として捉えています。現在、「テッレネーレ」のマルク デ グラツィア氏と共に、標高や畑の違いを明確にした地図を造っていく活動を行っています。エトナの発展の為にワイナリー同士で協力して活動している事に感激しました。ピエモンテのバローロ、バルバレスコのように、クリュでエトナが語られる日をそう遠い話ではなさそうです。
フランク氏が表現するエトナの高いポテンシャルを持つワイン
今も活動を続けるエトナ火山の麓で造られるワインの高いポテンシャルを改めて知る事が出来ました。現在コーネッリセンでは全てのワインをほぼ1年以内にボトリング、ワインの移し替えなどの作業時も酸素との接触を極限まで断つような方法を採っているそうです。飲んだワインは溢れ出るような果実味と、エトナならではの味わい深いミネラル感やシャープさ、力強さが感じられ、かつ味わいのバランスがあり、とても洗練されている印象を受けました。
一緒に来てくれた娘のクララちゃんは今年で7歳。今、エトナで柔道を習っているそう。日本に興味があるんですね。クララちゃんは日本の「あんこ」が大好きのようで、近くにあった和菓子屋さんの焼き立てのどら焼きをとても美味しそうに食べていました。Akiさん、クララちゃんありがとうございました☆☆☆
以上ロッチャの「行ってきました」でした。次回もお楽しみに!