イタリアワインを「もっと楽しく」、「さらに身近に」飲んで楽しんで頂きたく、
トスカニースタッフが都内各所に出没いたします!
こんにちは!ロッチャです。
先月10月に都内で行われた自然派ワインのインポーター「トレジャーフロムネイチャー」さんの
試飲会に行ってきました!
圧倒的な赤ワインを産み出すフリウリの巨匠「モスキオーニ」が数年振りに入荷しました!!
「モスキオーニ」と聞いてピンと来る方はよほどのイタリアワイン通の方です。イタリア国内の他のワインと比較しても、モスキオーニの「強靭なボディとタンニン、豊かな味わい」は一度飲むと、記憶に残るインパクトがあります。私が飲んだのは実に12年振り・・・。当時飲んだ時は「10年は触れない方が良い程の圧倒的なボディの強さ」を感じ、その濃厚な味わいを今でも覚えている程。フルボディ好きの方は見逃せない生産者です!
白ワインの最高峰「フリウリ」で赤ワインのみを造る異色のワイナリー
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州ウディネ県チヴィダーレ・デル・フリウリにワイナリーを構えるモスキオーニ。創立は1900年頃にもさかのぼり、非常に歴史のあるワイナリーです。現当主のミケーレは1990年にワイナリーを引き継ぎ、現在は息子のヴァレンティーノと共に畑仕事と醸造を見ています。娘のサブリナも経理関係、顧客対応をしており、家族でワイナリーを切り盛りしています。
樹齢100年を超える土着品種「ピニョーロ」
世界の白ワインの中でも最高峰と名高いフリウリで、モスキオーニは土着品種を使用した赤ワインのみを生産する異色のワイナリーです。彼等はとても高いポテンシャルを誇る土着品種「ピニョーロ」を所有しています。ピニョーロは20年前くらいまではモスキオーニを含めて3蔵しか所有者がいなかった超希少品種です。古いピニョーロで樹齢100年になる古木もあります。
所有する畑は標高150m、南東向きの土地に約14ha。4つの畑に分かれており、仕立ては全てグイヨ。除草剤や乾燥剤等、化学薬品を一切使用せず無農薬栽培を実践。畑に悪影響を及ぼす機械等は一切使用しないという一貫した考えを持っており、2014年にはビオロジックの認証を取得。ブドウに含有する命(酵母)を活かすように心がけています。
5年の熟成期間でもまだまだと言わんばかりのパワフルな果実味とタンニン!
モスキオーニは個性豊かなフリウリ土着品種を用いて堅牢なタンニンを有するフルボディのワインを造ります。全てのワインは大樽内で最低3年間熟成され、その後ノンフィルターで瓶詰め、瓶内でも最低2年間の熟成を行ってからリリースされます。トータルで5年間という長い熟成期間ではありますが、彼のワインはその熟成ですらまだまだと言わんばかりのパワフルな果実味とタンニンを有しており、そのポテンシャルは計り知れません。
巨匠ダルフォルノロマーノに学んだアパッシメント
収穫までの工程は全て手作業で行われ、ブドウは例年、9月中旬~10月終りにかけて収穫されます。収穫量を制限して1つの枝から1キロ以上は収穫しないという徹底ぶりです。収穫後にブドウは軽いアパッシメントを行います。風通しの良い部屋の小箱の中で、追熟させながら5~12日間おき、2~3%ほど水分を飛ばしワインに力強い果実味をもたらします。この考えはヴェネトのワインの巨匠「ダルフォルノ・ロマーノ」にワイン造りを学んだ事がきっかけだったそうです。出来上がるワインは濃密で凝縮感があり、アルコール度数の15%を超える規格外なボディとなります。
モスキオーニのワインの中でのもっともフレッシュで柔らかいワイン
レフォスコ ダル ペドゥンコロ ロッソ 2011 モスキオーニ
チヴィダーレとプレポットの畑で栽培されたレフォスコ100%使用。9月中旬に手積みで丁寧に収穫。ステンレスタンクにて温度コントロールを行わずに天然酵母で発酵。マセラシオンは18日間。フォラトゥーラは定期的に行います。熟成は新樽60%、残り40%は古樽で1年、その後スロヴェニア産大樽で1年、ステンレスタンクで1年。無清澄、ノンフィルターでボトリングしてさらに瓶内で最低2年間の熟成してからリリースされます。モスキオーニのワインの中でのもっともフレッシュで柔らかいワインです
サクランボ、チョコレート、リコリスなどが溶け合ったミルキーで良く練れた果実の甘い香りが充満。土や革のややワイルドな要素も感じられますが、果実の甘い香りと溶け合い丸みのある優しさいアロマを感じます。フルーティーで丸みのある明快な果実味。フレッシュですがコクが強く、酸味も心地よく口の中に広がります。タンニンは豊富ですがざらつきは無く、酸と共に果実の豊かな余韻を引きたてます。
飲み手にグイグイと迫りくるような勢いを持つ異様な魅力を持つ危険なワイン
オフヴィンテージのみ醸造されるワイン。栽培されている全ての品種をブレンドして造られます。9月中旬~10月初旬それぞれの品種の熟度を見極めて収穫。全て品種ごとに開放式大樽内で天然酵母による発酵。マセラシオンは品種ごとに期間は違いますが、15~25日間行われます。新樽で1年間、大樽で2年間。無清澄、ノンフィルターでボトリングして瓶内で最低6ヶ月間(結局このVTは2年近く)熟成してからリリースされます。絶妙なブレンドによるバランス感が備わっています。正直価格以上のスケールを持ったワインです。(ピニョーロ、スキオペッティーノ60%、タッツェレンゲ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン40%)クラシックな大樽の雰囲気と濃密で深いカシスやラズベリーリキュールのような甘い要素と、スパイスやハーブがミックスされた圧倒的なアロマ。堂々とした風格を感じます。
甘味、旨味、酸味が濃縮された驚くほど肉厚で継ぎ目の無い果実味と、はちきれんばかりのタンニンがこれでもかと押し寄せます。飲み手にグイグイと迫りくるような勢いを持つ異様な魅力を持つ危険なワイン。
モスキオーニのワインの中で最もエレガントで最も暴力的な驚愕のワイン
モスキオーニの畑で栽培される品種の中で最も重要な品種といえるピニョーロ100%で造られた最上級ワイン。樹齢の高いブドウで100年の古木。10月初旬~中旬にかけて少し遅積みで収穫。開放式大樽内で天然酵母による発酵。新樽で1年、その後スロヴェニア産大樽で1年、ステンレスタンクで1年間熟成。無清澄、ノンフィルターでボトリングしてさらに瓶内で最低2年間の熟成してからリリースされます。モスキオーニのワインの中で最もエレガントで最も暴力的な驚愕のワイン。
プラム、桃、杉、ミルクチョコレート、コーヒー、ドライハーブなどの香りが飛びかかってくるような感覚。とにかくアグレッシブで魅惑的なアロマに打ち抜かれます。グラスで時間が立つと、肉(燻製ベーコン)干しイチジクのような独特の要素が現れ、向き合えば向き合う程様々な表情が見れます。モスキオーニのワインの中で間違いなく一番美味しい。ピニョーロ特有の暴力的なタンニンとそれに負けない濃厚で旨味が凝縮した甘い果実味が口の中でせめぎ合います。とにかく強いのにエレガントにも思える優美で長い余韻を最後に感じる。想像を超えた美味しさと凶暴性に心を奪われます。
圧倒的な個性を持つモスキオーニのパワフルかつ美しい味わいを是非お試し下さい!!!
以上ロッチャの「行ってきました」でした。次回もお楽しみに!