ブッチ氏:次に、樹齢ですが、私たちは古い樹をとても大切にします。なぜなら、古いブドウの樹は地下深いところにまで根をのばし、土壌の中のミネラル分をたくさん吸収してくれます。その結果、ワインの味わいに深みと複雑味を与えます。古い樹は世話をするのは大変ですが、出来るだけ長生きしてもらうように大事に面倒を見ています。
そして、有機栽培。これは「健康なブドウを育てる=いいワインができる」と考えているからです。化学的な農薬などを使わず、雑草も生える自然な土壌こそが一番なのです。公的な有機認定をとるのに3年かかります。私たちは1999年から取り組み始めて、2002年に認証を受けています。
ゴローザ:ワインのラベルには有機栽培については書かれていないようですが・・・?
ブッチ氏:はい、書いていません。有機栽培はブドウの樹を大切にするために採用しただけのことですから。
さて、この3つのことを大切にしながら、さらに収量をDOCの規定の半分に落とすことで凝縮感のあるワインを造っています。非常に多くのヴェルディッキオのワインが造られていますが、ヴィッラ・ブッチが高く評価を受けているのもこの違いを人々が理解しているからでしょう。
ゴローザ:規定の半分の収量と言うことですが、具体的に教えてください。
ブッチ氏:DOCの規定では1ヘクタールあたり14トンですが、ヴィッラ・ブッチは7トンです。