ウンブリアの地で伝統と革新を融合させたアプローチでワイン造りを行う"スポルトレッティ"の「ヴァッレグローリア ビアンコ」です。土着品種グレケットとシャルドネをブレンドして、バリック樽で発酵と熟成を行っています。白い花や柑橘類、蜂蜜の香り。樽熟成に負けないポテンシャルの高いブドウを使用しているため、非常に均衡のとれたバランスの良さを感じます。シルキーで力強い味わいの白ワインです。

228Lのフレンチバリックで発酵と熟成を実施

グレケットは、この地域の数少ない土着品種のひとつ。このワインは樹齢約16年のグレケット50％とシャルドネ50％をブレンドしています。畑は標高約400mにある中程度の固さの砂質傾向の土壌。8月の下旬より収穫されたブドウは、セラーに運ばれすぐに除梗。ドライアイスを使用して約8-10度まで冷却（クリオマセラシオン）。ソフトプレス後に228Lのフレンチバリックで発酵と、マロラクティック発酵を行い、そのまま酵母とともに5ヶ月熟成。ボトリング後に12ヶ月以上の瓶熟成を経て出荷しています。

非常に均衡のとれたバランスの良い、シルキーで力強い味わい

緑がかった黄金色の麦わらの色調。白い花、ハチミツ、ヘーゼルナッツ、バター、バニラ、ピンクグレープフルーツやエキゾチックフルーツのアロマ。力強い味わいながら樽を使用しているため、落ち着きのあるニュアンスが感じられます。並のワインであれば樽のニュアンスが強く主張しますが、ブドウの高いポテンシャルを感じる非常に均衡のとれたバランスの良さで、価格以上の上質さが感じられます。バルサミコのような後味が残る、シルキーで力強い味わいです。

スポルトレッティはこの地に何代も続く農家でしたが、本格的にワインを生産するようになったのは1970年代からです。ウンブリア州ペルージャ郊外スペッロからアッシジにかけての丘陵地に僅か26ｈａの畑を所有する、家族経営のワイナリーです。

畑は標高400ｍという比較的高い場所にあり寒冷期に充分な雨を得る事が出来、夏は日照量が豊かですが、涼風のため、温度が上がり過ぎるという事はなく、理想的な栽培環境であると言えます。1998年よりリッカルド コタレッラがエノロゴとして参画し、高品質のブドウこそが重要という考えのもと、密植度を高め、収量を落とし、この地で育ってきた品種の個性がより表現できるクローンの選択など徹底したブドウ畑の研究と管理を行っており、近年スポルトレッティは劇的に進化を遂げています。

またスポルトレッティは時代に先駆けたグリーンエネルギープロジェクトを推し進めています。2007年よりワイナリーの屋根の上に太陽光を蓄積するパネルを作り化石燃料を使用せずに、太陽光から電気エネルギーに変換する設備を造りました。スポルトレッティは可能な限り環境への影響を考慮しています。伝統と革新、自然と技術の調和を目指すイタリアでも最も近代的なワイナリーのひとつである言えます。