2014年6月4日 ラ ヴァッレ社 ステファノ カミルッチ氏
ラ ヴァッレ社 ステファノ カミルッチ氏 突撃インタビュー |
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フランチャコルタのこだわりの造り手ラ ヴァッレ。ミラノ工科大学で建築を学んだステファノさんは2002年からお母さんが始めたフランチャコルタ造りの道に入り、強い信念のもとワイン造りを行っています。その確固たる哲学についてお話をお聞きしました。 | ||||||||||
海底が隆起したミネラル豊富な土壌。畑(テロワール)の特徴を表現するフランチャコルタを造る |
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ラヴァッレはロデンゴ サイアーノに構える家族経営のワイナリーです。1890年からワイン造りを行ってきましたが、フランチャコルタを造りはじめたのは1990年からです。この間、約100年間はスティルワインを造ってきました。現在、畑は全部で6haありすべて自社畑です。ワイナリーの名前のLA VALLE(ラヴァッレ)は一番古くて重要な畑の名前です。
フランチャコルタには年間100万本以上造る大手ワイナリーと、ラヴァッレのように数ha程度で数万本の生産本数の小さいワイナリーと、その中間のワイナリーがあります。ひとくちに「フランチャコルタ」と言っても土壌の違い、日照条件、植樹方法などで個性が変わります。 フランチャコルタは海底が隆起した土壌で、私たちの畑からはアンモナイトなどの化石が出てきます。海に由来するミネラルが豊富な土壌です。そして私たちの畑はフランチャコルタの中でも標高の高い250mのところにあります。ラヴァッレの畑で造ったブドウだからこそ表現できる香りや味わいを大切にすることが私たちの信念です。 |
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2つの強い哲学で造るフランチャコルタ |
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フランチャコルタを造るにあたって私たちには2つの哲学があります。まずひとつめは自然でピュアな味わいを表現すること。そのために木樽は使いません。そして2つ目はマロラクティック発酵を行わないことです。
シャンパーニュではマロラクティックは当たり前ですが、それはシャンパーニュに適した収穫時期ではまだ熟していないためで(糖度にしてアルコール度数が9%程度)、ブドウはまだ酸っぱく、マロラクティックを行うのです。一方、フランチャコルタは日照量が多く、しっかり熟したブドウ(糖度にしてアルコール度数11%)が収穫できます。だから果実の特徴、すなわち畑の特徴が表れたブドウが得られるのでマロラクティックをしてその個性をなくすことはしません。そしてドサージュはワインと糖だけで、一般的なスプマンテやシャンパーニュのようなリキュール類は加えません。 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
ブドウそのものの味を大切にしたい、と言うのがラヴァッレの信念。だからマロラクティックをやらず、樽も使わず、ドサージュもリキュールは一切加えないという、その一貫した醸造哲学が素敵だと思いました。大手にはできない、小さな造り手ならではの味わい深いフランチャコルタ。これから注目を集めてくると思います。
そして印象に強く残ったのがエキストラブリュットのフランチャコルタ「ナチュラリス」。飲むほどに惹きつけられる魅力的で癖になる美味しさ。フランチャコルタの奥の深さを実感しました。 |
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2014年6月4日 ラ ヴァッレ社 ステファノ カミルッチ氏来社
2014/06/04