2014年10月27日 サパイオ社 マッシモ ピッチン氏 Mr.Massimo Piccin | ||||||||||
1999年設立のボルゲリの新星ワイナリー、サパイオ。年ごとにワインのレベルが上がり注目を集めています。オーナーのマッシモ氏はヴェネト出身のエンジニアからワイン造りの道に入ったということで、ワインへの情熱と、そして気になるリカーゾリとの関係についてもお話をお聞きしました。 | ||||||||||
コッリオやマレンマ、キャンティクラシコなどを探し回った後に出会ったボルゲリの土地にほれ込んだ |
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サパイオは1999年に設立のボルゲリでは比較的若いワイナリーです。私は出身はヴェネトで、家族もワイン造りとは無縁ですが、ずっとワインに対する情熱がありました。それで、30歳の時に自分でワインを造ることを決意して、土地を探し回りました。フリウリのコッリオやトスカーナのマレンマ、キャンティクラシコなど見て回りましたが、ボルゲリのこの土地に出会い、「ここだ!」と決めました。
そしてこの土地を旧友のルイジヴェロネッリに見てもらいました。私はワイン造りは未経験なので醸造家が必要で、誰がいいか相談したところ、この土地ならばカルロフェッリーニがいい、ということで彼を紹介してもらいました。それ以来、ずっとカルロにお願いしています。 |
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テロワールの異なる3か所の畑から20以上のワインを造る |
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畑があるのはカスタニェート カルドゥッチとビッボーナにまたがる場所です。最初は8haで、少しずつ購入して現在は25haです。畑は3つに分かれていて、それぞれ近い場所にありますが、土壌のタイプが異なり、できるワインも違いが出ます。ボルゲリは国際品種が向く土地で、私たちもカベルネ ソーヴィニョン、プティヴェルド、メルロー、カベルネ フランの4品種を植えています。3か所ともそれぞれこの4品種を育てています。
ボルゲリは一般的には海に近いほど砂質が多く、離れると粘土が多くなる傾向があります。砂質土壌からはエレガントでアロマティックなワインになり、粘土質からは香りが強く、力強いボディのワインが生まれます。また、乾燥した年は粘土質のものが良く、雨の多い年は砂質の方がいい。私たちはこの異なる土壌の3つの畑から品種や特徴ごとに細かく分けて別々に醸造し、20以上のワインを造ります。 |
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トップキュヴェのサパイオにするためにすべてのブドウを育てている |
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それぞれのワインを約14ヶ月間バリックで熟成させた後、テースティングをしてトップキュヴェのサパイオに使うワインを選びます。つまり、サパイオ用の畑、と決めているわけではなく、その年、その年の出来具合を見ながらより良いものをサパイオにしています。
収穫して、ブレンドする前の段階のワインはだいたい1200ヘクトリットルぐらいできます。ざっと16万本分ぐらいですが、そこからサパイオにするワインを選びます。サパイオは約2万本造ります。その次にヴォルポロ用のワインを選びます。この2本で合計10万本ぐらいです。残ったワインからマニェーテを造ります。 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
元々エンジニアだったマッシモさん。ボルゲリに土地を買ってワイン造りを始めるというのは本当にすごい決断だったと思います。ラベルの王冠のデザインは土地への感謝、協力者への感謝の気持ちと同時に、ワイン造りのバックボーンが全くなかった自分自身へのエールも込めているそうです。
実はサパイオはリカーゾリが新しく取り組んでいるボルゲリワインを造っています。でもこの2つのワイナリーはそれぞれ求める味やスタイルが違うので、同じ畑のブドウからでも違う個性が出る。「同じ土地から生まれていることは共通しているけど、明らかに違うワイン」になっています。興味のある方は是非サパイオとリカーゾリを飲み比べてみてください。 |
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2014年10月27日 サパイオ社 マッシモ ピッチン氏来社
2014/10/27