2014年4月13日 ポルヴァネーラ社訪問
近年プリミティーヴォの産地として注目を集めるジョイア デル コッレのポルヴァネーラ社訪問 |
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近年、マンドゥリアと並ぶプリミティーヴォの産地として注目を集める「ジョイア デル コッレ」。2014年のヴィーニタリでジョイア デル コッレの素晴らしい造り手ポルヴァネーラと出会うことができました。マンドゥリアのプリミティーヴォとはタイプの異なるエレガントでミネラリーな美味しさに衝撃を受け、どのような場所で造られているのか、がぜん興味がわき、ヴィーニタリ終了後、訪問してきました。 | ||||||||||
近年注目を集めるプリミティーヴォ「ジョイア デル コッレ」を代表する造り手 |
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ポルヴァネーラはフィリッポ カッサーノ氏がプーリア州ジョイア デル コッレのマルケサーナに2003年に立ち上げたワイナリーです。ジョイア デル コッレは何世紀にもわたってプリミティーヴォが栽培されてきた土地ですがあまり注目されていたわけではありませんでした。その状況を変えたのがポルヴァネーラを始めとする小さな造り手たち。標高が高く、カルスト土壌のジョイア デル コッレの特徴を大切にすることで、マンドゥリアにはない洗練された香りとしっかりとした酸とミネラルを持つ、シャープでエレガントな味わいのプリミティーヴォを造ることに成功しました。
ジョイア デル コッレが注目を集めた大きなきっかけがポルヴァネーラの「プリミティーヴォ17 2005」。なんとワインガイド『ヴェロネッリ2008』で初登場にしてイルソーレ(※)を受賞。「完全に桁外れ。熱く、豊かで、地中海的で、そして豪華。」と絶賛されました。 スローフードが出版するワインガイド『スローワイン』では「香りや味わいなどワインそのものの品質に加え、テロワール、環境、アイデンティティを表現している造り手」に与えるカタツムリマークを受賞しています。 ※イルソーレは、その年においてテイスターたちを最も感動させ、驚かせ、喜ばせたワインに贈られる賞。2008版では16000本を超える試飲の中からわずか22本に与えられました。 |
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標高300~450mの高地に広がる畑はすべて有機認定を取得。伝統的なアルベレッロ仕立ての古樹プリミティーヴォ |
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ポルヴァネーラを立ち上げたフィリッポは代々続く栽培農家の出身。19世紀後半にはすでにアルベレッロ仕立てのプリミティーヴォが広く栽培されていた地区マルケサーナの古い農場の畑と建物を購入、手直しを加えながらワイナリーを造りました。
畑は標高300~450mのカルスト土壌。ここはアルタピアヌーラ(イタリア語で高い平地の意味)で、ポルヴァネーラは2000年から2002年にかけて植樹した若いブドウ樹と、樹齢40年から60年のアルベレッロ仕立てのブドウ樹を所有(一部借りている畑も)。全て有機栽培で行っていて、認定も取得しています。 カンティーナは地下約8mまで掘って造ったもの。カルスト土壌の岩石がむき出しのその場所は、1年中温度と湿度が一定した、ワインにとって最適な環境が保たれています。 |
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醸造はステンレスタンクのみ。土壌と樹齢によって4つの異なるプリミティーヴォを造る |
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ポルヴァネーラは伝統的なアルベレッロ仕立ての古い樹齢のものと、比較的最近植樹した若いブドウ樹があり、また畑のある場所によって土壌のタイプが異なります。それぞれの畑の特徴と樹齢の違いから味わいの異なる3つのプリミティーヴォ ジョイア デル コッレと、IGTプリミティーヴォを造っています。
醸造にはステンレスタンクのみを使用。若い樹齢から造るIGTと14からはフレッシュな果実味が、古い樹齢で造る16と17はブドウの熟成感とテロワールがもたらす深みがまっすぐに表現されています。 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
これまでのプリミティーヴォとは全く違う味わいに衝撃を受けたのがポルヴァネーラとの出会い。ジョイア デル コッレは「高地のプリミティーヴォ」と言われ、それが海に近い低地のプリミティーヴォ ディ マンドゥリアとの違いだと説明を受けました。プーリア=南のワインなどとひとくくりには決してできず、またもやイタリアワインの深い世界を知ることができました。
実際に訪問してさらに驚いたのが地下深く掘ったカンティーナ。カルスト土壌の岩石がむき出しで、長い時間をかけてつくられた地層の凄さに圧倒されました。1年中温度と湿度が一定した、ワインにとって最適な環境が造られていて、改めて自然が持つ力を感じました。 これまでのプリミティーヴォの概念を覆すポルヴァネーラのプリミティーヴォをぜひお楽しみください。 |
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2014年4月13日 ポルヴァネーラ社訪問
2014/04/13