2015年2月4日 スキアヴェンツァ社 ヴァルテル アンセルマ氏
セッラルンガ ダルバに3つのクリュを所有。野生酵母によるセメントタンク発酵、大樽熟成で造る伝統的バローロの造り手「スキアヴェンツァ」 |
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バローロの銘醸地セッラルンガ ダルバの家族経営ワイナリー、スキアヴェンツァ。3つのクリュ「チェレッタ」「プラポ―」「ブローリオ」から、クリュそれぞれの特徴を表現する素晴らしいバローロを始め、複数の区画のブレンドによるクラシックなバローロを伝統的な方法で造っています。3つのクリュを飲み比べながら、それぞれのクリュの特徴やワイナリーの歴史などについてお話を聞きました。 | ||||||||||
祖父の代から続くブドウ栽培。セッラルンガダルバで1956年から本格的な元詰を開始 |
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スキアヴェンツァは、私の妻(エンリカ)の祖父マッジョーリ アレッサンドリアが土地を購入したことが始まりです。1920年にモンフォルテ ダルバからセッラルンガ ダルバへ移住してきた祖父は、現在の畑とカンティーナを購入しました。モンフォルテ ダルバに暮らしていた頃からバルク売り用のワインは造っていて、それはセッラルンガに移ってからも続いていました。
祖父にはウーゴとヴィットリオという二人の息子がいました。1956年に息子たちが「フラテッリ アレッサンドリア」と言う名前でボトリングを始めました。今、フラテッリアレッサンドリアと言う名前のワイナリーがありますが、そことは全然関係はありません。アレッ ウーゴにはマウラとエンリカと言う娘がいます。マウラの夫のルチアーノピラーが今のオーナーです。ルチアーノはもうかれこれ30年以上、ワイナリーで働いています。 1965年、ワイナリーの名前は「スキアヴェンツァ」になりました。スキアヴェンツァとは「小作」を表すピエモンテ地方の方言に由来しています。 |
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伝統的な造り方を続けるスキアヴェンツァのワイン。造り方はどのバローロもすべて同じ。 |
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スキアヴェンツァのワインを現在のようにバローロを中心としたものに変えたのがルチアーノです。昔は日常的に飲めるドルチェットやバルベーラが主流でした。ルチアーノがワイナリーに入ってからは畑も買い足していき、全部で9ヘクタールほどになりました。
ワインは伝統的な造りを続けています。発酵はステンレスタンクではなく、セメントタンクで行います。そしてセレクション酵母は使わず、ブドウの粒に付いた野生酵母を使います。セメントタンクから3000~4000リットルの大樽に移し替えて3年間熟成させます。 バローロの造りはどのクリュも同じです。畑の仕事はそれぞれの場所にあった世話をしますが、収穫してからはどれも同じやり方です。だからクリュの特徴の違いがよくわかると思います。 |
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畑の個性を表現した3つのクリュバローロと、複数の区画をブレンドしたクラシカルバローロ |
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9ヘクタールの畑のうち、8ヘクタールがセッラルンガダルバにあります。バローロ デル コムーネ ディ セッラルンガ ダルバは、チェラーティにある5つの区画とメリアーメの畑のネッビオーロをブレンドして造ります。異なる土壌のブドウをブレンドしているので、バランスの良いクラシカルなバローロになります。 クリュは3つです。ブローリオは南東向きの粘土質土壌。肥沃な土地なのでほっておくと1本の樹にたくさんのブドウが実をつけます。ブローリオは12ヘクタールほどのクリュで、そのうちスキアヴェンツァが1.5ヘクタール所有しています。 チェレッタは、昔は「ブリッコチェレッタ」と呼ばれていた非常に小さいクリュで2ヘクタールほどでした。スキアヴェンツァとエリオ アルターレの2社だけが所有していました。でも、あまりに小さいクリュだったので周辺の畑も含めて「チェレッタ」というクリュに変更されたのです。全部で40ヘクタールほどのクリュになります。標高は390メートル。やせた土壌でタイプとしては砂質です。 プラポーは南東向きの畑でやせた土地です。ここの標高は350メートルほど。チェレッタよりも標高が若干低い所にありますが、プラポーの方がフレッシュさが出ます。 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
セメントタンクによる発酵、大樽による熟成。伝統的な造りを続けるスキアヴェンツァのバローロは想像以上に飲みやすく、親しみが持てました。
丁寧な畑仕事から得られたブドウを同じ方法で造っている3つのクリュバローロは、同じセッラルンガダルバの中にありながらキャラクターが全然違い、本当に面白いと思いました。価格も比較的控えめなので、クリュの飲み比べをぜひ楽しんでいただきたいと思います。 |
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2016年2月4日 スキアヴェンツァ社 ヴァルテル アンセルマ氏突撃インタビュー
2016/02/10