2013年10月9日 イ ジュスティ エ ザンツァ社オーナージュスティ氏
イ ジュスティ エ ザンツァ社オーナージュスティ氏来日突撃インタビュー |
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絵画のように美しく印象的なラベルに、歌劇「愛の妙薬」の登場人物の名前が付いたワインなど、造り手の個性や想いがストレートに出ているイジュスティエザンツァ。でもそんな表に見える部分だけでなく、ワインも飲んでいて本当にバランスがよくていいなあと感じます。今回、オーナーのジュスティ氏に来ていただいてこの美味しさの秘密を理解することが出来ました。 | ||||||||||
1haあたり10000本の高密植で始まった |
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ボルゲリの北、35kmのところにワイナリーがあります。海からは12km程の距離にあります。ボルゲリは多くのワイナリーがありますが、ここは私たちがほぼ唯一のワイナリーです。ボルゲリとの大きな違いは土壌ですね。粘土質のボルゲリは凝縮感にあふれたワインが出来ますが、私たちのところは砂質が主体で酸性で、それほど凝縮感が強くなく、エレガントな感じに仕上がるのが特徴です。
もともとカンティーナだったところを購入して1995年にイ ジュスティ エ ザンツァを設立しました。1996年から新しくブドウ樹を植え始めたのですが、その段階から高品質のワインを造るために密植度をあげることに決めていました。1haあたり10000本植えました。 |
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砂質土壌で品質を上げるには密植がベスト、という理由 |
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高品質のブドウを造るにはどうすればよいのか。ここは砂質なので水はけがとても良い土地です。そして夏は乾燥するためブドウの根は水のあるところを目指してどんどん深く根を伸ばしていきます。ブドウ樹同士の間隔が狭ければ狭いほど、根を深く伸ばすわけです。すると地中の栄養分をたくさん吸収する。1本のブドウ樹には少ない房しか残さないようにしているので根が吸収した栄養をひと房に凝縮することができます。つまり、砂質土壌で高密植にすることは高品質のブドウを造るためにプラスに働くのです。
その昔、イタリアでもブドウは高密植で栽培されていました。1本同士の間が狭いので機械は入りません。結果、品質の良いブドウが出来ていました。ところが第2次世界大戦後、イタリアとフランスは別々の道を歩みます。フランスは品質重視、イタリアは生産量重視。その結果、イタリアでは機械作業がしやすいように樹と樹の間隔をあけ、1本あたりにたくさんの房を付けるやり方が主流になってしまいました。私たちは昔のやり方に戻して、品質を上げることを一番に考えたのです。 もちろん、場所によっては高密植がいつもプラスに働くとは限りません。湿気の多い土地では逆に病気の原因になることもあります。でも私たちの土地は海と山に挟まれた土地で常に風通しが良くて乾燥しているので高密植が良い結果になっています。 |
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カベルネ100%のデュルカマーラが最初のワイン |
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(元々エンジニアだった、というジュスティ氏。なぜここにワイナリーを立ち上げようと思ったのかその理由をお聞きしました)
生まれたのはリグーリアの州境に近いマッサカッラーラで、このあたりのことはよく知っていました。自分でワインを造るために畑をトスカーナの北から南まで見て回りましたがここが一番だと感じました。もともとブドウ畑はたくさんありましたし、逆に他の作物には向いていない土地です。 1996年が初ヴィンテージで、カベルネソーヴィニョン100%のデュルカマーラを1000本造りました。実は日本の次に韓国に行くのですがそこで1997年のデュルカマーラを飲むことになっています。イタリアを出る前に97年を試飲しましたが、今、とても美味しく飲みごろになっています。 ここから試飲をしました。 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
イタリア人には珍しい、自分から進んで話さないジュスティ氏。理論に基づいた彼の丁寧な説明はとても分かりやすく、脱線することがほとんどないインタビューとなりました。向かうべきゴールがはっきりと見えていて、あとはそこに向かっていくにはどうすればいいかを考え、実行に移す。まさにそれを徹底してやっている人だなと感じました。 | ||||||||||
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2013年10月9日 イ ジュスティ エ ザンツァ社 来社
2013/10/09