2016年10月25日 ベルタ社 エンリコ ベルタ氏
バチカン市国御用達の最高峰グラッパ!長期熟成の圧倒的な深みと飲み手を魅了する芳醇な味わい「ベルタ」社 |
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2017年で創業70周年を迎えるグラッパ最高峰のメーカー「ベルタ」社。戦後間も間もなく、多くの人が望みを失っていたこの時代に、希望をもって栽培を続けたブドウ生産者と常に未来の消費に向け、歩みを止めなかったベルタ社は1979年、これまでの常識を打ち破るバリック長期熟成によるグラッパ造りに取り掛かり、グラッパ最高峰の地位を確立、その豊潤で高貴な味わいは有名イタリアレストランに必ずオンリストされています。国際的もVIPにこよなく愛され、アメリカのオバマ大統領の就任パーティで開けられた他、バチカン市国御用達としても知られています。まさに「キング オブ グラッパ」の風格を持つベルタ社。オーナーであるエンリコ ベルタ氏にお話を聞きました。 | ||||||||||
日本で30年近く販売しているベルタのグラッパ |
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日本でベルタ社のグラッパが販売されるようになったのが1989年で、日本に来るようになって27年が経ちました。現在世界74ヶ国以上で販売されていますが、日本はTOP5に入る大切な場所です。昨年来日した時は桜の綺麗な季節でした。そこからインスピレーションを得て現在、桜の樽熟成したグラッパ研究しています。 | ||||||||||
良質な部分しか使わない徹底ぶり |
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良質のヴィナッチャが必須条件 ベルタグラッパの造り方についてですが、私たちのカンティーナはピエモンテ州北西部に位置しています。この地はブドウ栽培が盛んで、ワイン醸造に使われたヴィナッチャ(皮と種子の着いたブドウの搾りかす)を蒸留して造られるのがグラッパです。良いヴィナッチャとは、プレスされ過ぎていないマスト(果汁)が残っていることが必須条件です。ピエモンテを中心にイタリア全土の有能なワイナリーから酸素が入らず新鮮な状態でヴィナッチャを保てるベルタ社オリジナルの容器(特許取得)で運ばれ保管されます。 良質な蒸留部分しか使わない徹底ぶり クラシックを聴かせながら熟成される158万リットル貯蔵可能な偉大なカンティーナ |
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兄ジャンフランコに捧げる限定グラッパ「ソーロペルジャン」 |
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また研究発展の為にオーク以外の樽も実験をしています。栗、サクラ、トネリコの樽を試しています。近年さらに新しい試みで100リットルの小樽を使いグラッパを熟成しています。昨年亡くなった兄のジャンフランコに捧げるプロジェクトグラッパです。看板銘柄であるトリソーレトレ、ロッカニーヴォ、ブリックデルガイアンの3つをブレンドさせた限定品「ソーロ ペルジャン」です。このグラッパの収益はイタリア国内において若年層の就業をサポートする財団に寄付しています。1200リットル樽で8年、100リットル樽で2年間の計10年熟成させています。 | ||||||||||
1979年「ブライダ」からバリックを分けてもらいバリック熟成を導入 |
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ベルタ社がグラッパにバリックを導入したのは1979年です。父の代は大樽でグラッパを熟成していましたが、1978年、ベルタの友人であったブライダの創業者ジャコモ ボローニャ氏がアンジェロ ガヤ氏、カ デル ボスコのマウリッツィオ ザネッラ氏と共にブルゴーニュに渡りバリック熟成を学びます。ブライダは「ブリッコ デル ウッチェッローネ」で初めてバルベーラをバリック熟成させたことがきっかけとなり、ブライダのバリック樽を分けてもらい熟成を始めたところ、円やかで味わい豊かなグラッパが出来ました。当時バルベーラやグラッパをバリック熟成させる生産者はいなかったです。現在ではイタリア国内のみならず、海外においてもベルタのグラッパを高く評価していただいた事を誇りに思っています。 | ||||||||||
エンリコ氏が教えるベルタグラッパをより楽しむ為の『秘訣』 |
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大きなグラスで少しずつ楽しむ ベルタのグラッパを楽しむにはまず、グラッパ用の小さなグラスでは香りと味わいが立ちません。出来れば大きなグラスで楽しむ方が良いです。注がれたグラスをそっと手で包み、温度を上げる事です、人間の体温と近づける事で、飲んだ時のアルコールの強さを、より柔らかく感じる事が出来ます。そして、すぐにたくさん飲まずに、一口目は少しだけ飲み、口中にアルコールを慣らせます。2口目から香り、味わいをゆっくりと楽しみます。 グラッパと楽しむスウィーツ、シガー |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
圧倒的な深みと豊潤な味わいで世界中のVIPを魅了するベルタ社。戦後の失望感漂う中、常に希望をもってグラッパを造り続けた強い意志と情熱を持つ生産者と言えます。またグラッパという限られたジャンルの中で、1979年に「バリック熟成」という新しいメンタリティを持ち込んだ革新的な生産者とも言えますが、決して急いて販売することなく、長期熟成を経てリリースする事でこれまでにはなかった新たな最高品質のグラッパを求めました。その結果、グラッパ最高峰の造り手として常に賞賛される存在となっています。最後にエンリコ ベルタ氏は「ベルタ社には醸造所の他に歴史的博物館、8ヘクタールの公園、宿泊施設、リストランテがあります。グラッパが産まれた土地、風景も楽しんで欲しいと思い設立しました」と話してくれました。エンリコ氏の情熱的なお話とベルタ社グラッパの芳醇な香りが立ち込め、世界最高峰「キング オブ グラッパ」にすっかり魅了された一時となりました。 | ||||||||||
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ベルタ社の長期熟成最高峰グラッパ!飲み手を魅了する芳醇な味わい
2016/11/08