アリアニコデルヴルトゥレの世界を変えた「カンティーネ デル ノタイオ」

2017/11/06
突撃インタビュー
 
2017年10月30日 カンティーネ デル ノタイオ社輸出部長 パメラ フォルトゥーナさん

『ガンベロロッソ』2年連続最高賞!
アリアニコデルヴルトゥレの世界を変えた「カンティーネ デル ノタイオ」

カンティーネ デル ノタイオ社輸出部長 パメラ フォルトゥーナさんと
トスカニー直輸入のカンティーネ デル ノタイオは南イタリア、バジリカータ州DOCアリアニコ デル ヴルトゥレに1998年に設立されたワイナリーです。エリアを代表するブドウ、アリアニコ種を使い赤、白、ロゼ、スプマンテを産み出しています。ヴルトゥレ山の麓、標高400~600メートルに位置するノタイオの畑は南イタリアの温暖なイメージとは程遠く、1~3月には毎年畑に雪が降る程の冷涼な気候が特徴。収穫も10月中旬~12月上旬にかけて行います。この特別なヴルトゥレ山のテロワールから産まれるノタイオのトップキュヴェ「イル シジッロ」は『ワインアドヴォケイト』で95点のハイスコアを叩き出し、「南部イタリアで最も重要なワインの一つ」と言わしめる程です

トレビッキエリ今回、カンティーネ デル ノタイオが造る赤「イル レペルトリオ」が『ガンベロロッソ』2017、2018で2年連続最高賞トレビッキエリを受賞。10月31日に開催された『ガンベロロッソ』最高賞ワインが一同に会する世界的一大イベント『GAMBERO ROSSO trebicchieri TOKYO』試飲会にカンティーネ デル ノタイオと出展、エキスポートマネージャーであるパメラ フォルトゥーナさんと一緒に大勢の来場者の方にノタイオのワインを試飲して頂きました。

バジリカータ州の北部に位置するDOCアリアニコ デル ヴルトゥレ

オフィスでパメラさんと『GAMBERO ROSSO trebicchieri TOKYO』試飲会の前日の10月30日、トスカニー東京オフィスでパメラさんのお話を聞きながら、ノタイオのアリアニコ4種を試飲しました。

バジリカータ州の北部に位置するDOCアリアニコ デル ヴルトゥレ
日本へは2回目で2年前の5月に一度来ました。カンティーナ デル ノタイオで働いて7年目となります。ワイナリーは南イタリア、バジリカータ州の北部に位置するDOCアリアニコ デル ヴルトゥレにあります。

同じバジリカータ州でも北部と南部では気候が異なります。同じアリアニコを使ったワインだとしても、北と南ではキャラクターの異なるワインとなります。私の出身は同じくバジリカータ州にあるメンフィ村で、カンティーナからとても近く、約10キロ程離れた場所にあります。

地図

きっかけは、ジェラルド氏の祖父の持っていたブドウ畑の存在
カンティーネ デル ノタイオのワイナリー設立までの歴史をお話しましょう。カンティーネ デル ノタイオは1998年創業しました。現オーナーのジェラルド ジュラトラボッケッティは大学を出てカンティーナを設立するまで、バジリカータにある放牧、牧畜を行う生産者を取りまとめる団体の長をしていました。まずきっかけとなったのは、ジェラルド氏の祖父の持っていたブドウ畑の存在です。祖父の畑を相続し、それ以外にも畑を購入しブドウ畑を広げていきました。

エリアを代表する「アリアニコ デル ヴルトゥレ」を造りたい
ジェラルドが目指したのはエリアを代表する「アリアニコ デル ヴルトゥレ」を造りたいという思いからでした。ワイナリー名となった「ノタイオ」はジェラルド氏の父が行っていた公証人の仕事を指しています。

アリアニコとカンティーナバジリカータのアリアニコは他州にブレンド用に売られる事がほとんどだった
当時、バジリカータのアリアニコは単体でワインを造るというよりは、ブドウをバジリカータ以外の他州にブレンド用に売られる事がほとんどでした。それと合わせて、カンティーナを立ち上げた約20年前は、周辺にワイナリーは3、4程しかなかった状況でした。認知度が上がり、今でこそ沢山ワイナリーも増えましたが、それくらいワイン造りをヴルトゥレで行う生産者はとても少なかったのです。ジェラルドは情熱をもって、このヴルトゥレのアリアニコを造り始めたのです。

土地を代表するアリアニコ種で赤、白、ロゼ、スプマンテを醸造
畑は全部で約33ヘクタール、ヴルトゥレエリア内に5ヵ所に点在しています。一帯で畑を所有トスカーナ等と違い、バジリカータの畑は区画そのものがとても小さく、私達はそれぞれ離れた小さな区画を所有しています。アリアニコ種をメインにモスカート、シャルドネ、マルヴァジア、ソーヴィニョンを植えています。白ワインのブレンドの中に、黒ブドウであるアリアニコを入れて、白ワイン的に造っています。ロゼやスプマンテも造っていますが、全てアリアニコ種で造っています。カンティーナの地下にある貯蔵庫は1600年代のもので当時から冷蔵庫代わりとして使っています。

DOCアリアニコ デル ヴルトゥレには「唯一」と呼べる特別な生態系、独自のミクロクリマが広がる

Q.今年2017年の収穫はどうでしたか?

「とても暑い年でしたが、バジリカータのヴルトゥレは特殊な気候のお陰で安定した収穫となりました」
2017年はイタリア全体でとても暑い年で一部の州では収量が安定しなかったそうですが、バジリカータのヴルトゥレは特殊な気候のお陰で安定した収穫となりました。ヴルトゥレエリアの良い所は、他エリアがとても暑い年であったとしても、そこまで気温が上がりません。

それはヴルトゥレ火山が重要な役割を果たしています。ヴルトゥレの畑は火山性土壌ですが、その層の下にある凝灰岩土壌があり、水分をためるスポンジのような役割を果たしています。その水分を凝灰岩が保持することができるので暑い年の水不足であっても地中深く根を下ろしたブドウは水分を得られるのです。ですので、ヴィンテージに影響されにくく、限りなく自然な状態のままでブドウを育てる事が出来るのです。

ブドウ栽培に理想的な一日の寒暖差が発生
そしてこのエリアはブドウ栽培に理想的な一日の寒暖差がある事です。夏になると昼は35度まで上がりますが、夕方は20度にまで下がります。ですので、一日中暑いという事も無く、また一日中寒いという事もないので、ブドウがバランス良く成長する事が出来ます。

畑

Q.DOCアリアニコデルヴルトゥレの標高の高さは?

バジリカータ州北側に位置するDOCアリアニコ デル ヴルトゥレはヴルトゥレ山周辺の裾野にある小さい村々に広がっています。ヴルトゥレ山が標高1250メートル、山の麓に広がるブドウ畑は1~3月頃まで雪も降ります。だいたい春先位までは山の頂上には雪が残っています。ブドウ畑の標高400~600メートルに広がります。400メートルを下る標高の低い場所ではこのDOCの畑はありません。同じアリアニコ種を使ったワインであったとしても、ヴルトゥレとバジリカータ南部の畑では性格が全く異なります。

Q.このような綺麗な山でブドウを造る。こんな畑はきっとイタリアでも珍しいですよね?

そうですね。同じような火山のブドウ畑が広がるシチリア州にエトナ火山がありますが、ヴルトゥレ山とは大きさ、特徴が異なります。両方とも火山ですが、エトナは活火山で、ヴルトゥレは休火山です。休火山であるヴルトゥレにはカルデラ湖が形成されていて、火口に湖があり、水が溜まっている状態となります。特に暑い年には、湖がある事でブドウも良い影響を受けます。

山頂にカルデラ湖がある事で、特殊な気候環境がヴルトゥレにはあります。特に湖周辺では、程よい湿気がある事で、多様な虫や植物が生きる自然な生態系があります。ヨーロッパでは見かける事の無い蝶が生息していたので調べたら、実はアジアにしか生息していない種類の蝶だったこともあります。

DOCアリアニコ デル ヴルトゥレには「唯一」と呼べる特別な生態系、独自のミクロクリマが広がる
そういったことから、DOCアリアニコ デル ヴルトゥレには「唯一」と呼べる特別な生態系があり、独自のミクロクリマが広がっています。私たちは畑では全てビオロジックの認証(ICEAとDemeter)を取得しています。化学肥料や除草剤は使用せず、有機栽培による生態系を尊重した持続可能な農業を行っています。

 

アリアニコ種は遅摘みにすることで、本来のポテンシャルを発揮する

チームノタイオ

Q.畑について教えてください。ブドウをあえて遅摘みにすることは初めから行っていた事ですか?

5つの村の畑のアリアニコを使用しています。5つの畑の特徴が極端に違うという事はありません。ブドウの成熟具合もそれほど差がありません。ですので、私達が造る4つの赤ワインはブドウを収穫するタイミング、樽熟成期間がそれぞれに異なります。そうすることで4つのワインのキャラクターを分けています。同じブドウで造っているけれど、それぞれに異なる個性があります。

ジェラルドはずっと畑とワイン醸造の事を考えて来ました。アリアニコ種は遅摘みにすることで、本来のポテンシャルを発揮すると当初から思っていました。雨が降る等、ブドウの悪影響を及ぼす事がない限りは出来るだけ待ってからブドウを収穫しています。ブドウを遅摘みにするラフィルマ(収穫時期11月上旬)、イルシジッロ(収穫時期11月末~12月初旬)の2本がワイナリーを代表するワインとなっています。

Q.11月末位になると、アリアニコのブドウはどうなっていますか?

アマローネに見られるような陰干しで水分が半分近く落ちたようなブドウにはなりません。私たちが11月末からイル シジッロを収穫する時のブドウの状態は、若干水分量が減る位です。ブドウは木になったままの状態で収穫を待ちます。ブドウの水分量の状態はヴィンテージよって若干変わります。今年2017年はイル シジッロ以外はブドウの収穫は全て終わりました。あとはイル シジッロの収穫を待つばかりです。

Q.エノロゴはいますか?

収獲のタイミング、醸造については全てジェラルドが決めています。専門は元々農学で博士号を取っているので、ブドウ栽培の知識にも長けています。アリアニコ種自体は熟成に向くブドウで、特にボトルでの熟成により変化を遂げていきます。1ヶ月ほど前にラ フィルマ2005年を飲みましたが、本当に素晴らしい状態でした。購入後ワインを長く保管できるようでしたら、より美味しくなっていきますし、より飲み心地も良くなっていきます。

トリュフ、エゾシカと見事なマリアージュ!ノタイオのアリアニコ

都内イタリアンでノタイオのワインと料理のマリアージュ
オフィスでインタビュー後、都内半蔵門にあるイタリア料理店「エノテカドォーロ」さんで『ガンベロロッソ』トレビッキエリ獲得の「イル レペルトリオ」2014年、トップキュヴェ「イル シジッロ」2011年を持ち込ませて頂き、ソムリエによるノタイオと料理のマリアージュを堪能しました。

料理とマリアージュ

トリュフと見事なマリアージュ「イル レペルトリオ」
「イル レペルトリオ」には旬のトリュフを使った手打ちパスタ タヤリンを合わせて頂きました。トリュフと言うとピエモンテ州のバローロ、バルバレスコと合わせるのが一般的ですが、火山性土壌のヴルトゥレの酸とミネラル、アリアニコ種のタンニンが溶け込んだ「イルレペルトリオ」は抜栓2時間を経過して、立ち上る香りの豊かさ、複雑味のある引き締まった味わいがあり見事にトリュフと寄り添ってくれました。同じアリアニコでも濃密なカンパーニャ州のタウラージとは違い、「イル レペルトリオ」には緻密かつクールな印象があり、無理のない自然な組み合わせで、パメラさんも納得のマリアージュ。

エゾシカと完璧なマリアージュ「イル シジッロ」
「イル シジッロ」には北海道エゾシカ ロース肉のグリルを合わせて。一同「これは完璧」といえる絶妙なマリアージュ。イル シジッロの甘やかな香り、強靭なボディがありながらも、滑らかなタッチで広がる重厚なコクと風味、鹿肉の旨みとワインが持つタンニンが溶け合い見事なハーモニー。噛む度にお肉の旨みがジワリと広がり、そこで飲む「イル シジッロ」のグリップの効いた旨みが染みていきます。鹿肉とアリアニコのマリアージュは初めてでしたが、ピエモンテやトスカーナとは違うヴルトゥレの素晴らしさを改めて教えてもらったような気がしました。『ワインアドヴォケイト』が95点を与え「南部イタリアで最も重要なワインの一つ」と称賛、『スローワイン』が「カンティーネデルノタイオほどアリアニコ デル ヴルトゥレの世界を変えた造り手はいない」と絶賛する理由も納得の素晴らしさで、これまでのアリアニコの概念が変わる、そんな素敵なディナーでした。

世界的一大イベント『GAMBERO ROSSO trebicchieri TOKYO』に出展

試飲会の様子

ノタイオブース世界的一大イベント『GAMBERO ROSSO trebicchieri TOKYO』

翌10月31日は、『ガンベロロッソ』最高賞トレビッキエリ生産者のみが一同に会する世界的一大イベント『GAMBERO ROSSO trebicchieri TOKYO』試飲会。トレビッキエリ生産者であるカンティーネ デル ノタイオのワインを来場されたワインのプロの皆様に試飲提供を行いました。

ガンベロロッソ社が発行する世界的に権威のあるイタリアワインガイド、『ヴィーニ ディタリア』にて最高賞「トレ ビッキエリ(3グラス)」を受賞したワイナリーの厳選された最高品質のイタリアワインを紹介するプレミアムな試飲会です。最高賞ワイン100銘柄と、イタリアの早々たる生産者が東京に集結する世界的一大イベントとあって、会場は全国各地からワインのプロが集い、大いに賑わいました。

トレビッキエリ東京『ガンベロロッソ』2017トレビッキエリ受賞「イルレペルトリオ」
カンティーネ デル ノタイオが『ガンベロロッソ』2017トレビッキエリ受賞した「イルレペルトリオ2014年」にワインのプロの皆様が、「バランスが良いので和食にも合いそうですね」、「ハーブのような清涼感も感じます」等、南イタリアワインに抱く「重くて濃い」イメージが良い意味で裏切られたようで、飲む方も洗練されたノタイオの味わいに興味津々の様子でした。

受賞ワイン「イル レペルトリオ2014年」の他に、黒ブドウのアリアニコを使った白「イル プレリミナーレ」(参考出品)には特に驚かれていたようで、「北イタリアのワインかと思った」、「非常にドライでミネラリーな辛口」、「黒ブドウアリアニコの白ですか?」とこちらも好評。

トップキュヴェ「イル シジッロ」は収穫時期を11月末~12月上旬とお伝えすると、「南イタリアでそんなに遅い収穫をするのですか?」「熟成期間は?」と試飲されるプロの方も興味津々の様子でした。

極僅かに用意した「イル レペルトリオ2015年」(参考出品。何と『ガンベロロッソ』2018最高賞!2年連続の快挙!)。同じワインでヴィンテージを違えて飲んで頂いた事で実力の高さを感じて頂きました。

アリアニコ デル ヴルトゥレの標高や土壌、熟成方法、収穫時期等、プロの皆様らしい話が飛び交う等、終始賑やかで活気のある試飲会となりました。

アリアニコの豊かな果実味を最高に楽しめる
濃厚ながらやさしい飲み心地の衝撃の美味しさ
ラット バジリカータ 2015
ラット バジリカータ 2015


カンティーナ デル ノタイオで最初に楽しんで欲しいワインです。2014、2015、2016は良いヴィンテージとなりました。2015年は10月初旬に収穫しました。樽熟12ヶ月間です。ラットは飲み心地が良くて、値段的にもお買い求めやすいヴルトゥレです。
試飲コメント:若い赤い果実やスパイスのアロマ、果実味たっぷりのフレッシュで心地よい味わい。繊細なタンニンがしっかりとした骨格の中にきれいにとけこんでいます。アリアニコの豊かな果実味を最高に楽しめ、甘やかさも感じるエレガントな美味しさ。濃厚ながら優しい味わい。ずっと飲み続けたいアリアニコです。

『ガンベロロッソ』
最高賞トレビッキエリ獲得!
冷涼な気候でゆっくりと完熟する豊かな果実感と心地よいタンニンの完成されたアリアニコ
イル レペルトリオ アリアニコ デル ヴルトゥレ 2014
イル レペルトリオ アリアニコ デル ヴルトゥレ 2014


収獲は10月中旬~下旬。樽熟12カ月間です。イルレペルトリオは2014、2015もトレビッキエリを獲得しています。赤身のお肉、お魚ではマグロとも合わせます。5つの村の畑のアリアニコを使用しています。5つの畑の特徴が極端に違うという事はありません。ブドウの成熟具合もそれほど差がありません。ですので、私達が造る4つの赤ワインはブドウを収穫するタイミング、樽熟成期間がそれぞれに異なります。そうすることで4つのワインのキャラクターを分けています。同じブドウで造っているけれど、それぞれに異なる個性があります。
試飲コメント:熟したチェリーやプラムのエレガントさに甘草やスパイスのニュアンスが溶け合っています。飲むと、アリアニコらしい豊かな果実味が口いっぱいに広がる味わい。香りの印象そのまま感じる果実感と心地よいタンニンが素晴らしいバランスを成しています。ヴルトゥレで育つアリアニコの個性を存分に楽しむことができる素晴らしいワインです。お肉料理全般と相性が良いですが、牛や羊などのローストした肉料理とは抜群です。サービス温度は18度程度、ボルドーグラスでお楽しみ下さい。

偉大な厚みと優美さが際立つ洗練された味わい
圧倒的な存在感をみせつける「ラ フィルマ」
ラ フィルマ アリアニコ デル ヴルトゥレ 2010
ラ フィルマ アリアニコ デル ヴルトゥレ 2010


ワイナリーが出来た時当初から造ってきたワインです。ワイナリーにとっても重要なワインです。収獲は11月上旬。樽熟、瓶熟共に1年。計2年間の熟成を経てリリースされます。香りが特にアニス、甘草、スパイスのニュアンスの香りが感じられます。羊、ヤギ、イノシシと合わせられます。
試飲コメント:黒い小さな果実のジャムやリコリス、様々なスパイスが感じられる複雑な香り。飲めばしっかりとした厚み、力強いタンニンがとてつもない存在感で迫ります。その後、驚くほどになめらかで洗練された美味しさが口いっぱいに広がっていき、バランスのとれた心地よさに包まれます。飲んだ後の長い余韻には心地よいアロマが感じられます。

アリアニコ デル ヴルトゥレの最高峰!
重厚かつ濃密な味わいの「アリアニコのアマローネ」
イル シジッロ アリアニコ デル ヴルトゥレ 2011
イル シジッロ アリアニコ デル ヴルトゥレ 2011


収獲は11月末~12月上旬にかけて行います。樽熟、瓶熟共に2年ずつ、計4年間の熟成を経てリリースされます。アリアニコ種自体が酸をしっかりと有するブドウです。皆さんアリアニコはとても力強いワインとイメージされますが、イル シジッロはかなり遅摘みですが、酸とミネラル、タンニンもしっかりあるので、飲むと甘さを感じると同時に酸も感じられるモルトエレガンテ(とてもエレガント)なワインです。牛肉のステーキ、等お肉料理と相性が良いですが、カカオをベースにした甘くないビターなデザートや料理にも好相性です。デリケートさもあるのでマグロとも合わせる事が出来ます。
試飲コメント:美しいガーネット色の外観、森の果実のジャムやチョコレート、黒コショウのニュアンスのある濃密で深みのある香りが華やかに広がります。甘みのあるたっぷりとした、そしてエレガントな味わいで、タンニンがとてもきれいに溶け込んでいるまろやかでなめらかな口当たり。フィニッシュはとても長く、スパイスやリコリス、ブラックチョコレートを感じます。圧倒的に優美な美味しさ、そして乾燥ブドウならではの複雑味と濃密感。是非数年セラーで熟成させてみたい偉大なポテンシャルを備えたワインです。
インタビューを終えて
『ガンベロロッソ』最高峰評価を得た「カンティーネ デル ノタイオ」。当日の試飲会にはあのスーパートスカン「パレオロッソ」、幻のブルネッロ「ポッジョ ディ ソット」も名を連ねていて、改めて『ガンベロロッソ』評価の偉大さを知りました。ごく限られた生産者にしか与えられない賞ですが、ノタイオの「イルレペルトリオ」は2014、2015と2年連続最高賞獲得しました。来場された方にも非常に評判が良くて、バジリカータの素晴らしさを知って頂くとても良い機会となりました。

『ガンベロロッソ』では日本で試飲会を開催する位置づけとして、「日本は世界の都市の中でもイタリア料理とワインに際立った興味を示しています。この日本人の感性は、素晴らしいイタリア料理店の数々によって促されているといえるでしょう。新鮮な材料、シンプルな調理法、そして香りや風味に最も重きを置いている点は、和食とイタリア料理に共通した基本的要素であり、双方とも尽きることのない幅広いワインと料理の格好のペアリングを提供しています。」としています。日本人の嗜好とイタリア料理の嗜好が近しい事を話されていて、普段の食事とイタリアワインを楽しむ者として、とても嬉しくなりました。

今回のパメラさんの来日でヴルトゥレ山が持つ「特別なテロワール」を知って、アリアニコ デル ヴルトゥレをもっと色々な料理と楽しんでみたくなりました!一般的に知られたカンパーニャ州のアリアニコ「タウラージ」とはまた違う洗練されたスタイル、ノタイオがこだわる見事な完熟ブドウの素晴らしいポテンシャルは鹿肉にもトリュフにも見事に寄り添ってくれました。ノタイオのアリアニコ。是非多くの方にその素晴らしさを楽しんでもらいたいワインです。

カンティーネ デル ノタイオ社輸出部長 パメラ フォルトゥーナさんとトスカニースタッフ
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