2018年11月14日 ヴィエッティ社 ルカ クッラード ヴィエッティ氏 エレナ ペンナ クッラード女史
単一畑バローロの先駆け的存在!「究極のモノ造り」の哲学が産み出す美しき伝統的バローロ「ヴィエッティ」 |
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1800年代後半、初代カルロ ヴィエッティがバローロを代表する村のひとつ、カスティリオーネ ファレットでブドウ栽培を始め、1957年4代目のアルフレード氏が更なる高品質なワイン造りに取り組み品質への高い拘りを魅せる生産者「ヴィエッティ」。1961年、「偉大なワインを造る為には最高の畑が必要」と、この地区で初めて単一畑によるクリュバローロ「バローロ ロッケ」をボトリングした単一畑バローロの先駆け的存在です。今回来日した5代目ルーカ クッラード氏、エレナ夫妻によるバローロ テイスティングセミナーに参加し、お話を聞きました。 | ||||||||||
ルカ クッラード ヴィエッティ氏と>エレナ ペンナ クッラード女史 |
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ルカ クッラード ヴィエッティ氏 現在ヴィエッティの醸造責任者を務める。 先代のアルフレッド氏の息子で、 醸造学校卒業後、カリフォルニアの シミ ワイナリーやオーパスワン、 そしてボルドーのシャトー ムートン ロートシルトで、 醸造に携わりながら見聞を広め経験を積む。 ヴィエッティの他、トスカーナのクエルチャベッラ社、 エレナ ペンナ クッラード女史 同じく1994年8月に、ヴィエッティのオーナー兼醸造家であるルーカ クッラード ヴィエッティ氏と結婚。 2005年からはワイナリーでの仕事に専念。また新たなマーケティングプロジェクトの責任者として従事する一方、社のホスピタリティ業務も担当。 |
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カスティリオーネ ファレット村で5代続く「ヴィエッティ」 |
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バローロ地区で高品質なワイン造りを最初に目指したワイナリー 1870年代、私達の祖先はアメリカに働きに出かけました。当時はよくある事でした。私の曾祖父は技師としてアメリカで働き、1917年にイタリアに住む兄弟が亡くなった事を契機にアメリカから戻ってきました。農園の運営を継続させなければいけなかったからです。ヴィエッティ家の歴史でこれは非常に重要な事でした。曾祖父は技師であり農夫でもありました。つまり大西洋を渡った「世界を見てきた農夫」と言えます。曾祖父はそれまでの一般的なワイン造りでは、ヴィエッティのブランドは有名にはならない、もっと違う栽培や醸造をしなければならないと考えました。先見の明があった人と言えます。 |
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現在20の単一畑グランクリュの内、15ヵ所をヴィエッティが所有 |
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現在20の単一畑グランクリュの内、15ヵ所をヴィエッティが所有 曾祖父はバローロエリアの11ある村から最高の畑でワインを造ろうと決心しました。100年経った今、バローロ協会公式の単一畑を記した地図が出来ました。現在167の単一畑が記されています。その中でも最上とされる畑「グランクリュ」の単一畑をヴィエッティほど多く所有している生産者は稀であるという事です。20あるグランクリュのうち、15ヵ所にヴィエッティは畑を所有しているからです。それは何世代にも渡り高品質を目指してきた結果、素晴らしい畑を買い集める事が出来たのです。単一畑でリリースするのはブルナーテ、ラヴェッラ、ラッツァリート、ヴィレッロの畑です。 トップワインに成りうる単一畑を惜しげもなくベースとなるバローロにブレンド ブレンドをするという事は音楽と似ていると思います。より音の大きい楽器だけを集めるのではなく、それぞれの個性が集まって良い音楽となる事が重要なのです。それがバローロ カスティリオーネのブレンドです。 |
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カスティリオーネ、ラヴェーラ、ラッツァリートの3種のバローロをテイスティング |
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今日は試飲をしながら3種のバローロについてご説明します。 試飲1. 60~70年代を彷彿させる厳格さとシャープさ 試飲2. 「2000年を最後にラヴェーラを造るのは10年間止めました」 ラヴェーラ1999年がファーストヴィンテージでヴィエッティの単一畑の中では新しいワインです。1999、2000年と造ったのですが、2000年に関しては『ワインスペクテーター』で98点まで頂きましたが、自分たちは納得いく出来映えでは無かったので造るのを止めました。確かに美味しかったのですが、自分たちが考えるラヴェーラの表現が出来ていなかった。2000年を最後にラヴェーラを造るのは10年間止めました。 復活したラヴェーラ2010年で『アントニオガッローニ』が100点満点を付ける 100点満点を取った事で需要も上がりました。しかし、元々使っていない2/3のブドウを使うつもりはありません。1/3のみのブドウを使います。 「自分たちが思い描くラヴェーラでは無かったから」 例えば高級なショッピングストリートで高級な靴を買うとしますね。家に持ち帰って履いてみたらそれほどシックリとこない。つまり自分にとってラヴェーラは心地の良いものでは無かったからです。一般的なラヴェーラのバローロとしては良いのだけれど、自分たちが思い描くラヴェーラでは無かったからです。10年もの間、売れるはずのものを造らない訳ですから当然経済的損失が生じましたが、今は自分たちが思うシックリとくるラヴェーラが造れています。2014年はフレッシュさ、タンニン、塩っぽさが感じられます。本当に喜びを与えてくれるワインです。私はラヴェーラを試飲するたびに微笑みがこぼれてしまいます。若いヴィンテージの厳格さと固さが解って頂けると思います。3年熟成された2011年は様子が変わってきていますスパイスやミントの香りが感じられます。 試飲3. ブドウ栽培も昔から行われている歴史的な環境「ラッツァリート」 「ラッツァリートをグランクリュと呼ばないのならば、何をグランクリュと呼ぶのか」 「力強いワインを造る事は簡単だがエレガントなワインを造る事はとても難しい」 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
『ワインスペクテーター』で98点の高評価を得ながら「自分たちが思い描くワインでは無かったから」と何と10年もバローロ ラヴェーラをボトリングしなかったヴィエッティ。右に並ぶものがない「究極のモノ造り」の哲学がヒシヒシと伝わってくるセミナーでした。10年振りにリリースする事になったバローロ ラヴェーラ2010年は『アントニオガッローニ』が100点満点を付け、最上の評価で復活を称えています。
「偉大なワインを造る為には頭を使うだけでは無くて、「勇気」が必要」という言葉も印象的でした。時代が変わろうとも決して信念を曲げる事がない偉大な生産者ヴィエッティのワインからは伝統的な美しく力強いバローロの味わいがしっかりと感じられます。 |
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単一畑バローロの先駆け的存在!「究極のモノ造り」の哲学が産み出す伝統的生産者「ヴィエッティ」
2018/12/14