2018年12月5日 マッテオ コレッジア社 ジョヴァンニ コレッジア氏
バローロ地区外で唯一の『バローロボーイズ』生産者!高品質ロエロ赤ワインのパイオニア「マッテオコレッジア」 |
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「エリオ アルターレ」「ロベルト ヴォエルツィオ」を中心にバローロ新しい潮流を造った『バローロボーイズ』にバローロ地区外で唯一共に活動した、高品質ロエロ産赤ワインのパイオニアがマッテオ コレッジア氏です。「アメリカに初めて渡ったロエロの赤」、「赤ワインとしてのロエロを初めて商標登録させる」等、世界にロエロ産赤ワインの素晴らしさを知らしめた偉大な人物です。ピエモンテで最も砂質比率の高いロエロ地区土壌由来の「華やかさ、ミネラル、軽やかさ」が表現されたマッテオ コレッジアの赤ワインは力強くも滑らかで美しいバランスを持つ魅力があります。マッテオ コレッジアのご子息で経営と醸造を担うジョヴァンニ コレッジア氏にお話を聞きました。 | ||||||||||
ロエロ最大の特徴「砂質土壌」 |
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バローロ、バルバレスコと分かつ、ロエロ最大の特徴「砂質土壌」 ロエロ地区は粘土石灰土壌主体のランゲ地区バローロ、バルバレスコに近しいエリアですが、これらと分かつ最大の特徴は粘土比率が非常に低く、砂質土壌がメインである事です。ロエロを世界的に有名にした白ブドウ「アルネイス」がありますがこのブドウの生育に重要なキーとなるのが砂質土壌です。ロエロの特徴は、砂質土壌の水はけの良さと砂質特有のミネラルがワインに軽さと、芳香を与えてくれます。またバルベーラとネッビオーロについても砂質土壌がブドウ栽培において非常に功を奏しています。表土の砂質には大量の貝殻が混じり、穏やかなタンニンと上質さを持つ「食事と共にあるワイン」となります。 Q.DOCGロエロ協会が2014年に発足しましたね。 はい、2014年に新たにロエロ協会が発足しました。それまではバローロ、バルバレスコと一緒の協会となっていました。友人であるモンキエロ カルボーネのフランチェスコが協会の会長です。毎年ミラノやボローニャを始め世界各国で販促活動を行っています。 父マッテオ コレッジアの大きな改革「白ワインで有名なロエロで赤ワインを造る」 私達は典型的な農家の家系で、80年程前、祖父と祖母は自家消費用のワイン造りの為のブドウ栽培、果物や野菜も栽培してきました。1980年代半ば、父マッテオ コレッジアが大きな改革を始めます。それは白ワインで有名なロエロの地域で「赤ワインを造る」という事です。父は「砂質の強い地質であっても、間違いなく美味しい赤ワインが出来る」と確信したからです。 1985年、本格的なワイン造りに専念する事を決意 |
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バローロ地区外で唯一!『バローロボーイズ』として活動したマッテオ コレッジア |
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バローロ地区外で唯一!『バローロボーイズ』として活動したマッテオ コレッジア それから父はランゲ地区バローロエリアで名を馳せる醸造家「エリオ アルターレ」「ロベルト ヴォエルツィオ」らと出逢いました。彼らはロエロ地区のワイナリーではありませんでしたが、ワイン造りを一からスタートし、一人で進めていた父を助けてくれました。その頃に形成されたのが、あの「バローロボーイズ」です。 そうした新しい時代の大きな動きの中で、父のみがバローロ地区ではない、バローロを生産していない唯一の生産者でした。「バローロボーイズ」は品質の高い新たなスタイルのバローロを造ろうとした動きでありました。そういった意味では、バローロエリアで形成されたグループの中でロエロの生産者である父は「アウトサイダー」だったのかもしれませんね。 アメリカに初めて上陸したロエロの赤は「マッテオコレッジア」 Q.初めてアメリカに輸入されたロエロの赤ワイン。評判はいかがだったでしょうか? はい、バローロボーイズの活動の一部として父はアメリカに行きましたが、とても良い評価を頂きました。味わいが気に入ってもらえただけではなく、輸入業者の説明、紹介といったものが細部にまで私達のポリシーをしっかり記されたものだった事も成功した要因だと思います。「知られざるワイン」で終わらずに、「高品質なロエロの赤を知ってもらえた」事がとても良かったと思います。「エリオアルターレ」や「ロベルトヴォエルツィオ」も私達と同様に新しい世代に移っていますが現在の世代においても、とても良い友人関係が続いています。 |
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「新しい事を始めるだけでも父は苦労が多かったです」 |
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とにかく父は品質の高い赤ワイン造りに拘っていましたが、当時は白ワインが一般的でありかつ、農民ばかりの閉鎖的なロエロ地区で「赤ワイン造り」。新しい事を始めるだけでも父は苦労が多かったです。第一の壁は「彼の母」でした。イタリア人の母はとても影響力があります。一般的にイタリアにおいて家の外では父親が主権を握りますが、家の中では母親が一番に決定権があります。母に新しい赤ワイン造りを話したところ、いきなり止められてしまったのです。伝統的な旧樽を使うのが一般的だった当時、父は初めて買った新樽を一度友人の所に持ち込んで、樽周りを汚してから、自分のカンティーナに持っていき、母親に「大丈夫だよ、これは一度使った古い樽だからね」と新樽である事を伏せていましたね(笑) 誰もいない日曜日に畑に出てグリーンハーベストを行う | ||||||||||
ロエロ地区で高品質な赤ワイン造りを推し進めたパイオニア |
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そうですね。ロエロ地区で高品質な赤ワイン造りを推し進めたパイオニアだったと思います。現在ロエロ地区では殆どの醸造家が白も赤も造っていますが、当然ながら白ワインの生産が多いカンティーナが圧倒的です。なぜなら白ワインの方が売りやすいですし、コストもかかりませんからね。マッテオ コレッジアは白よりも赤の生産量が多いロエロでは珍しいワイナリーと言えます。私達はネッビオーロだけで3種類のワインをリリースしている事です。これはマッテオ コレッジアだけが持つ唯一無二の個性だと思っています。私達のロエロ ロッソ ロッケ ダンピセ リゼルヴァが世界中に売られている事で、「ロエロ」の地名が世に知らしめている事に役立っている事も有り難い事と思っています。 「父は2001年開墾作業中の不慮の事故により帰らぬ人に」 父マッテオは高品質なワインを造る信念を曲げず、困難を乗り切りました。それから数十年経ったブドウ樹からは品質の高いワインが産まれるようになっています。当時の周囲の方にしたら、こうなるとはきっと想像も出来なかったと思いますね。しかしながら父マッテオは2001年、開墾作業中の不慮の事故により39歳で帰らぬ人となりました。その年2001年はロベルト ヴォエルッツィオやエリオ アルターレ、ラ スピネッタのリヴェッティ達が栽培から醸造まで助けてくれました。父の死後は母親がワイナリーを引き継ぎました。私自身は醸造を勉強しまして、2012年からは私が父の意思、理念を引き継ぎ経営と醸造に携わっています。 「ラベルの風景はそれぞれの品種毎にデザインがすこしずつ異なっています」 「私はワインの道に、妹は芸術の道に」 |
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5万年の歴史の中で変化していった粘土質土壌「ロッケ ダンピセ」 |
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「ロエロのネッビオーロの先駆け」砂質土壌の歴史的畑「ヴァルディプレティ」 元々ネッビオーロ ダルバとしてリリースしていた私達が所有する最も古い畑「ヴァルディプレティ」で2ヘクタールの広さです。一番古い樹齢で80年を超えるブドウ樹も残る、まさに「ロエロのネッビオーロの先駆け」と言える歴史的な畑です。土壌は80%が砂質土壌で粘土質も含まれていますが、1%にも満たないです。このおかげで柔らかいタンニンの優雅な味わいに仕上がっています。「プレティ」はこの地を開墾したカトリックのプレティ司祭から付けられた畑名です。古い畑なので畝間が広く、効率が悪いですが古樹ならではの深みが産まれます。土壌は見ての通り、砂質主体で貝殻が多く含まれた土壌です。 18ヶ月間木樽で熟成し、約1年間瓶内熟成後にリリースします。18ヶ月間木樽で熟成し、約1年間瓶内熟成後にリリースします。ストラクチャーがしっかりとしたワインですが、スッキリとした味わいもあります。年産約1万5000本しか造っていません。 5万年の歴史の中で変化していった粘土質土壌「ロッケ ダンピセ」 この3段階のイラストで説明しましょう。歴史的にタナロ川は北から南に流れていましたが東の方向に大きな支流が伸び、2つに分かれていきます。次に東側に流れる支流の勢いが勝り、長い歴史をかけて大きな1本のタナロ川となっていきました。元々あった支流が干上がってしまった場所が「ロッケ ダンピセ」です。5万年の歴史の中で変化していった水の流れが土壌に粘土質を運んできたのです。 「ロッケダンピセ」の粘土質の土壌は出来上がるワインによりボディの強さを与えます 国立公園内の急斜面に広がる「ロッケ ダンピセ」の畑は東、南、西と約180度開いた3面をもつ畑です。自然保護地区である関係上、農薬は使用出来ません。ブドウ畑を購入したのが1996年で、その年がファーストヴィンテージとなります。砂質と粘土質の比率が特に優れている中腹部分のみを畑にしていて、ここから生まれるワインは、一般的なロエロとは違う雰囲気を持ちます。 あえて6000本しかボトリングしない |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
バローロに新たな価値観をもたらした『バローロボーイズ』の一員として活動し、ロエロ地区で素晴らしい赤ワインが造られる事をいち早く世界に発信、アメリカに初めて渡った「ロエロの赤ワイン」として一躍注目を浴びた「マッテオ コレッジア」。試飲したベーシックワイン「ロエロ ロッソ」はネッビオーロの味わいの深みがありながら、非常に滑らかな飲み心地とベリーの華やかな香りがありこの価格帯では素晴らしい完成度。最高峰キュヴェ「ロエロ ロッソ ロッケ ダンピセ リゼルヴァ」は味わい深くもロエロ地区らしいエレガンスに溢れ、細部に至るまで隙のない緻密な味わいは偉大なバローロにも相通じる素晴らしい素性を感じました。
2014年にはDOCGロエロ協会が新たに立ち上るなど、今後の益々目が離せないエリアです。白も赤も素晴らしい魅力に溢れるマッテオコレッジアのワインは、力強くも柔らかさと優美さを備えていて、イタリア料理のみならず和食や中華など食事とも寄り添いやすい懐の深さも感じました。是非お試しください。 |
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バローロ地区外で唯一の『バローロボーイズ』生産者!高品質ロエロ赤ワインのパイオニア「マッテオコレッジア」
2018/12/27