銘醸地ルガーナとヴァルポリチェッラで確固たる地位を築き上げ、伊ワインの品質向上に大きく貢献した「ゼナート」突撃インタビュー

2021/10/29
突撃インタビュー
 
2021年10月19日 ナディア ゼナートさん Ms. Nadia Zenato、宮嶋勲氏

1960年創業、銘醸地ルガーナとヴァルポリチェッラで確固たる地位を築き上げ、伊ワインの品質向上に大きく貢献した「ゼナート」突撃インタビュー

生産者さん
「ゼナート」は1960年に初代オーナーのセルジオ ゼナート氏によって創設された家族経営ワイナリーです。生産規則の制定前から従来のリパッソ製法を貫き通してきた歴史的な造り手です。ガルダ湖すぐ南のルガーナとヴァルポリチェッラで、ヴェネトの代表的呼称の白ワイン(ルガーナ)と赤ワイン(アマローネ)を生産しています。セルジオ氏が信念を貫いて品質向上に努めてきた歴史や、今回試飲した10種のワインについて、ワインジャーナリストの宮嶋氏に通訳と解説をいただきながら、オーナーのナディア ゼナートさんとブランドアンバサダーのマルコ ミラーニ氏にオンラインでお話を聞きました。

当時無名だったルガーナの可能性を見出し世界的躍進を果たした「ゼナート」!
伊ワイン界全体に大きく貢献したルガーナワインの父セルジオ ゼナート氏

1960年創業、絶え間ない実験と改良により最も古いDOCの一つ「ルガーナ」の地位確立に貢献した「ゼナート」
セルジオ氏「ゼナート」は1960年に、当時19歳の故セルジオ ゼナート氏が地元ヴェネト州ルガーナで立ち上げた家族経営ワイナリーです。初代オーナーのセルジオ氏は、農民の息子として果物や穀物、動物の世話をする家系で育ちましたが、ご自身はブドウ栽培に専念することを決めます。「いつかこのブドウが世界を席巻する」と信じて、ガルダ湖すぐ南のルガーナエリアで、当時はまだ注目されていなかった土着品種のトレッビアーノ ディ ルガーナ(トゥルビアーナ)の生産を開始します。

ルガーナ

そして、セルジオ氏の絶え間ない実験と改良により、彼の作り出すワインは世界にも通用する偉大なワインへと変貌を遂げるのです。1967年にはルガーナがDOCとなるなど、ルガーナワインの発展に大きく貢献しました。ルガーナでのワイン造りに成功したゼナートは、70年代にはヴァルポリチェッラでアマローネ造りに取りかかり、リパッソワインの復興にも全力を注ぎました。また、ガルダ湖の東岸のバルドリーノでもワイン生産を行っています。ヴェネトの代表的呼称の白ワイン(ルガーナ)と赤ワイン(アマローネ)、共に最高品質を誇る稀有なワイナリーとしての確固たる地位を築き上げました。

地図

ナディアさん「初代オーナーはイタリアワインルネッサンス現象の主人公の一人」
2代目オーナーのナディアさんに、土着品種トレッビアーノ ディ ルガーナ(トゥルビアーナ)とご自身のお父様、セルジオ氏について話していただきました。
「トゥルビアーナは非常に柔軟性があります。フレッシュな白ワインにも、複雑なワインにもなります。私の父親は、トゥルビアーナを用いた瓶内二次発酵のスパークリングも造っていました。あらゆるパイオニアでもある父親は、地元に大きく貢献したことが評価され、父の名前が付いた“セルジオ ゼナート”という広場もあるんですよ」

宮嶋さんワインジャーナリストの宮嶋氏は、そんなセルジオ氏をこう称えます。
「ナディアさんのお父様は、イタリアワインルネッサンス現象の主人公の一人で、60年代から“量”ではなく“高品質”を目指していました。1986年、イタリアワイン界を騒がせたメタノールスキャンダルの時にも、ゼナートはその時すでに20年の歴史を持ち、変わらず“質”を探求していました。セルジオさんは、イタリアワインの品質向上に大きく貢献した主役の一人なのです」

元祖リパッソ!生産規則の制定前から従来のリパッソ製法を貫き通してきた「ゼナート」

アマローネの絞りかすを使うヴェネトの伝統的な醸造方法「リパッソ」。リパッソは、通常のヴァルポリチェッラの醸造過程において、一度アルコール発酵させたワインにアマローネの搾りかすを加え、その中に残っている糖分を再びアルコール発酵させる独特の製法です。そんな伝統的なリパッソ製法にゼナートは愛着を持っているそうで、リパッソに対する思いや歴史をナディアさんに語っていただきました。

リパッサ当時は曖昧だった製造方法と区別するためにリパッサと命名
「リパッサはエレガントな女王、アマローネは王様」

「私たちは、ルガーナ以外にヴァルポリチェッラ地区に50ヘクタールの畑(コスタルンガ)を持ち、そこではアマローネという私たちにとって、そしてイタリアにとっても重要なワインを生産しています。一方で、私の父セルジオの時代から信念を持って取り組んできたリパッソにも愛着を持っています。しかし、90年代のリパッソは世間ではあまりイメージが浸透しておらず、造り手独自の解釈で造っていました。ですので、その曖昧だったリパッソと区別化を図るために、あえて“リパッサ”と名付けてヴァルポリチェッラ リパッソ スーペリオーレを生産しています。最終的には、その製法が今の生産規則に則ったものとなり、ゼナートが長い間貫き通してきた製法が採用されて大変誇りに思っています。

アマローネ私たちのリパッサ ヴァルポリチェッラ リパッソ スーペリオーレはエレガントで女性らしさがあり、ヴァルポリチェッラの女王と言えます。“リパッサ”という単語は女性系名詞ですしね。アマローネはもちろん王様ですね」

「リパッソの元祖と言っていいですか?」と問うと、
「まさにその通りです!そう言ってほしかったです(笑)。私の父は、あらゆることを先駆的に行ってきたパイオニアでした」とナディアさん。

 

13年の時を経て限定リリースされる特別ラベル「アルキーヴィオ ストーリコ ゼナート」
初代オーナーのセルジオ氏が造った最後の2008ヴィンテージ

Amarone Archivio Storico 2008
ゼナートは、「アルキーヴィオ ストーリコ ゼナート」と称して、良年のみ造られるトップキュヴェ「アマローネ セルジオ ゼナート リゼルヴァ」をワイナリーで長期間寝かせて、特別ラベルでリリースするプロジェクトを行っています。これは、自身の歴史や貢献、情熱を称える取り組みの一環として行われ、ゼナート独自のエリアや卓越性、アイデンティティを表現しています。

今回、2008ヴィンテージが超限定でリリースされることがわかりました。2008年は、初代オーナーのセルジオ ゼナート氏が造った最後の年と知られ、2500本限定の非常に貴重なワインとなっています。その特別な2008年について、ナディアさんにお聞きしました。

「2008年は5つ星評価のとてもいい年で、ゼナートにとっても重要な年です。その年は父セルジオがワインを造った最後の年で、父に捧げる意味も込められています。そして、このプロジェクトで最初にリリースするが2008ヴィンテージです。もともと良年しか造らないので、次回は2013ヴィンテージとなります。このワインにはシリアルナンバーと私の母のサインがついています。実はオークションに出すことも考えていて、ニューヨークのクリスティーズを考えているところです」

『WE』&『JS』92点!
和食やお寿司に最適なメトドクラシコ!
ルガーナ メトド クラッシコ ブリュット 2017
ルガーナ メトド クラッシコ ブリュット 2017


ナディアさん:「ガルダ湖のすぐ南岸、サンベネデットの畑で造られたトレッビアーノ ディ ルガーナ100%のメトドクラシコです。柔らかさがありますよね。リンゴ、洋ナシ、レモンのクリーンな味わいです。前菜や魚料理、カルパッチョに合います。私は日本食が大好きで、和食料理屋によく行きますが、お寿司にも最適だと思いますよ。」
試飲コメント:黄金色に近い麦わら色。香りはクリーンで柑橘系やリンゴなどのアロマ。口当たりは非常にソフト。レモンやリンゴなどの味わいが口中に広がり、ハチミツのような僅かな甘味と酸味が舌上に心地よく残り続けます。旨味も感じます。

『ジェームズサックリング』93点!
美しい果実味とミネラルが生みだす抜群の飲み心地
ルガーナ サン ベネデット 2019
ルガーナ サン ベネデット 2019


ナディアさん:「4~5ヶ月の間ステンレスタンクで100%熟成してすぐにリリースする白ワインです。フローラルと酸味、ミネラルのトーンの優れたバランスが特徴です。長期熟成にも向いていて、10年ほどは耐えることができます。日本食や白身肉に最適ですね。白ワインはソアーヴェの時代がありましたが、今はルガーナが来ているんです。日本では、このルガーナが来ると思いますよ」
試飲コメント:黄金に近い濃い麦わら色。エキゾチックな香りと、フローラルでミネラルを感じるアロマがあります。柔らかな舌触りで、フレッシュで複雑な風味。繊細でありながら存在感のある酸味、ミネラル、完熟した黄色い果実味の調和が取れており、バランスに優れた味わいです。

3年連続トレビッキエリ!名門ゼナートのフラッグシップ白!
長期熟成ポテンシャルを最大限に引き出した深みのある芳醇な味わい
ルガーナ セルジオ ゼナート リゼルヴァ マグナム 2017
ルガーナ セルジオ ゼナート リゼルヴァ マグナム 2017


ナディアさん:「ルガーナ セルジオ ゼナート リゼルヴァは、家族の密接な関係とテロワールを表す我々の頂点に位置するワインです。初リリースは1993年。一番樹齢の高い、30年以上の区画の畑のブドウを使っています。ラベルに使われてる紙は他とは少し異なっていて、アマルフィの紙を使っています」

宮嶋氏:「このミネラルと酸は典型的なルガーナの特徴ですよね。凝縮感もあるし複雑なワインですから、ブラインドで試飲すると誰もルガーノだなんて思わないのではないでしょうか。黙って出されたらブルゴーニュと思う人もいると思います。高級感もありますよね。持続性のあるミネラルが続き、非常に余韻が長いです。フレッシュで飲みやすさもあります」

試飲コメント:美しく輝く黄金色。まず力強いエキゾチックな南国系の香りを感じ、ハチミツ、バニラ、砕いた石のようなミネラル感、樽由来の甘いスパイスなど非常に複雑なアロマです。しっかりとした骨格がある非常に力強い味わい。パイナップルなどの濃厚な果実味、バニラなどの樽由来のフレーバー、ミネラリーな風味が長い間余韻として残り続けます。

ラズベリーの上品なアロマ!食前酒から食事全般に楽しめるロゼワイン!
バルドリーノ キアレット 2019
バルドリーノ キアレット 2019


ナディアさん:「バルドリーノのロゼです。今イタリアではロゼがブームなんですよ。レストランにはたくさん置いてあるんです。フレッシュで飲みやすさがあるので、どんな料理にも合わせることができます。特に夏のバカンスには最適です。アメリカでも大成功しているワインなんです!」
試飲コメント:綺麗に輝く玉ねぎの皮の色。フレッシュかつ繊細な赤い果実のアロマ。非常に飲みやすいソフトな飲み口で、赤い果実と柑橘類の心地よい風味があります。酸味とミネラルが舌の横側に長い間残り続けるフィニッシュ。

『ジェームズサックリング』92点!
アマローネの名門ゼナートのお値打ちヴァルポリチェッラ
ヴァルポリチェッラ スーペリオーレ 2018
ヴァルポリチェッラ スーペリオーレ 2018


ナディアさん:「私たちはこのワインを非常に気に入っています。親しみのある味わいで、レストランのグラスワインに最適だと思います」

大樽12ヶ月熟成による豊かな風味と芳しい果実のアロマが口いっぱいに広がるお値打ちヴァルポリチェッラ スーペリオーレ。アーモンドやスミレの繊細なアロマからチェリーやベリー系果実の芳しい香りへと広がっていきます。飲むとスムーズな口当たりでしっかりとした骨格と豊かな風味が口いっぱいに広がり、綺麗な果実味の余韻が長く続く飲み心地の良さ。お肉料理全般に合わせてお楽しみください。

試飲コメント:濃いルビー色。香りは甘いチェリーやベリー、潰した花のニュアンス。香り同様の味わいに加え、わずかなミネラルが口中を満たし、心地よい豊かな風味が余韻として残ります。

『ジェームズサックリング』93点!
3匹のツバメのラベル!飲みやすさと飲みごたえを兼備する国際品種の入った陰干しワイン!
アラネラ ロッソ ヴェロネーゼ 2016
アラネラ ロッソ ヴェロネーゼ 2016


ナディアさん:「ブドウの50%を45~60日の短い期間、陰干しを行っています。品種はコルヴィーナ、ロンディネッラ、コルヴィノーネに加えカベルネソーヴィニヨンとメルローの国際品種を入れています。国際的なスタイルにすることで、革新的で陰干しのガツンとした感じと深みが生まれます。イタリアでは収穫時期の秋にもツバメが戻ってやってきます。なぜか、この畑だけにやってくるんです。イタリアには“ツバメが来たからといって春ではない”ということわざもあるんですよ」
試飲コメント:濃いルビー色。香り、味わいともに力強さを持つ濃厚な仕上がり。凝縮果実やタバコ、コーヒーなどの濃厚さとスパイス感のある複雑な味わい。それでいて非常にソフトな飲み口で、親しみやすさと飲みごたえを兼ね備え逸品です。

アマローネの名門ゼナートがコルヴィーナとメルローで造るIGTヴェネト
ミネラル感とフレッシュさが際立つ味わい
コルミ コルヴィーナ メルロー 2018
コルミ コルヴィーナ メルロー 2018


お互いの畑が近いコルヴィーナとメルローが50%ずつブレンドされたIGTヴェネトです。芳しいアロマがあり、赤い果実やブラックベリー、モレロチェリーの味わいがあります。ミネラル感とフレッシュさが際立ち、メルロー由来のまろやかなタンニンによってまとまりを与えます。典型的な地中海料理、ローストやグリルした肉、そしてサラミとの相性が良いです。
試飲コメント:濃いルビー色。樽由来の甘いアロマと赤系果実、黒系果実の複雑な香りがあります。フレッシュで柔らかい味わいの中に程よいタンニンが溶け込んだ、調和の取れた味わいです。

『ジェームズサックリング』94点!
長年ゼナートが貫き通した製法で造る、陰干し由来の風味を贅沢に感じるベイビーアマローネ!
リパッサ ヴァルポリチェッラ リパッソ スーペリオーレ 2016
リパッサ ヴァルポリチェッラ リパッソ スーペリオーレ 2016


ナディアさん:「リパッソは、アマローネの搾りかすを入れて再発酵させるのですが、それによりワインに様々なボディが加わります。フレンチオークで18~20ヶ月の熟成を行った後、6カ月間の瓶内熟成を行います。今は生産規則に組み込まれているリパッソ製法ですが、それ以前はリパッソの解釈が曖昧で、別の方法を取るワイナリーもありました。そして、従来のリパッソ製法は、私たちがもともと信念を持って造ってきた方法だったんです。

ちなみに、“リパッサ”という単語は女性系なので、私たちのリパッサ ヴァルポリチェッラ リパッソ スーペリオーレはエレガントで女性らしさがあり、ヴァルポリチェッラの女王と言えます。アマローネはもちろん王様ですね」

試飲コメント:深みのある濃いルビー色。ぎゅっと凝縮された黒い果実や青い果実と、甘さを感じる複雑なアロマ。味わいも複雑で、香り同様の凝縮果実、チョコレート、ドライフルーツを感じる味わい。どこかナッツや青唐辛子のニュアンスも感じました。濃厚で複雑な風味が余韻として非常に長い間残り続けます。

『ジェームズサックリング』94点!
名門ゼナートの「宝石」!華やかで優美な果実味の洗練されたアマローネ
アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラッシコ 2016
アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラッシコ 2016


ナディアさん:「ゼナートにとって最も重要で最も有名なワインです。クロアティーナが少し入っています。ブドウを4か月ほど陰干した後、3年半から4年の樽熟成をします。昔のアマローネは少し飲みにくく、ジビエ料理くらいしか合わせるものがありませんでした。しかし、近年のアマローネは飲みやすくなりました。今は果実を少し残してエレガントにしていて、残糖があるので東洋の料理にも合うと思います。2016ヴィンテージは5つ星評価で、非常に良い年です。今飲んでも熟成させてもよいです」
試飲コメント:新鮮な果実、ドライフルーツ、チョコレート、甘さなど非常に複雑な香り。少し時間が経つとナッツのニュアンスも感じます。口当たりは柔らかくも、凝縮果実、チェリー、スパイスなどを感じる複雑で濃厚な味わい。余韻がこれでもかというほど長く、飲み終わった後に口を少し動かすだけで風味が広がります。

『ジェームズサックリング』98点!
良年のみ生産する偉大なアマローネリゼルヴァ 2015
アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラッシコ セルジオ ゼナート リゼルヴァ 2015
アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラッシコ セルジオ ゼナート リゼルヴァ 2015


ゼナートが良年にしか造らない特別なキュヴェで、最も古い樹齢のブドウだけで造る複雑かつ温かみのあるアマローネ リゼルヴァです。2015ヴィンテージは、多くの評価誌で高得点を獲得しており、『ジェームズサックリング』では98点の高得点を叩き出しています!

ナディアさん:「1980年が初ヴィンテージのアマローネ リゼルヴァです。2015年は非常に良いヴィンテージで、すごいパワフルなワインになりました。チェリーやフランボワーズ、チョコのトーンを感じます。1時間デカンタする必要があるかもしれませんね。」

試飲コメント:濃い紫に近い深みのあるルビー色。黒系果実や甘い果実の濃厚な香り。全体的にパワフルでしっかりとしたストラクチャーがあります。チェリーなどの凝縮果実、チョコや黒胡椒などのスパイスを前面に感じるリッチで複雑な味わい。
インタビューを終えて
初代オーナーの生まれ故郷ルガーナでワイナリーの歴史が始まり、60周年を迎えた「ゼナート」。今回はワインジャーナリストの宮嶋勲氏の通訳と解説もいただき、「ゼナート」の歴史やイタリアワインへの貢献度、ゼナートファミリーの深い絆について理解を深めることができた大変良い機会となりました。

農家の息子として生まれたセルジオ氏は、自身が19歳の時にワインの道一本で生きることを決意します。まず、その若さに驚きを隠せませんが、当時はまだ無名だった今大人気の白ワイン「ルガーナ」の品質向上に努め、銘醸白ルガーナの礎を築き上げた功績は計り知れません。地元ルガーナに大きく貢献したことが評価され、今ではセルジオ氏の名を冠した「セルジオ ゼナート」という広場もあるそうです。

ルガーナにとどまらず、ヴァルポリチェッラにも進出を果たし、そこでもセルジオ氏は「リパッソ」というヴェネトの伝統的製法に大きく貢献します。ゼナートが貫いたリパッソ製法が生産規定の模範となり、DOCリパッソの元祖としてイタリアワイン界全体に大きな影響を与えたのです。

そんな数多くの歴史と功績を残してきたセルジオ氏には、ただただ敬服するばかりです…!今回そのセルジオ氏が造った最後のアマローネ「アルキーヴィオ ストーリコ ゼナート」2008年が限定入荷します!ゼナートファミリーの想いの詰まった特別ラベルです。セルジオ氏の魂が込められた、二度と手に入れることのできないワインをぜひお楽しみください。

一方で、試飲中の現オーナーのナディアさんの振る舞いも印象的でした。試飲するたびに、優しい眼差しで「どうですか、お気に召しましたか?」と私たちのリアクションを楽しみにしている様子で、不思議と試飲を重ねるごとに場の雰囲気がより明るくなりました。ナディアさんは、大の和食好きでイタリアに行きつけの日本料理屋があるそうです。「このワインは和食にも最適です」とルガーナ メトド クラッシコ ブリュットとルガーナ サン ベネデットの2本をお勧めいただきました。ぜひお寿司など、魚料理とお楽しみください。

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