アブルッツォを高品質ワイン産地へと押し上げた先駆者「マシャレッリ」突撃インタビュー

2022/10/14
突撃インタビュー
 
2022年9月29日 フェデリカ ロッソディヴィータ氏 Ms. Federica Rossodivita

1981年、ジャンニ マシャレッリ氏により創業!祖父から譲り受けた2haの「ヴィッラジェンマ」畑からアブルッツォを高品質ワイン産地へと押し上げた先駆者!多様性に富む4つの県の個性を土着品種と国際品種で見事に表現する「マシャレッリ」突撃インタビュー

マリナさん
1981年、ジャンニ マシャレッリ氏によって設立されたワイナリー「マシャレッリ」。当時無名だった地元アブルッツォ州の可能性を信じ続けたジャンニ氏の尽力により、モンテプルチアーノやトレッビアーノの偉大さを全世界に知らしめたパイオニア的存在です。祖父から譲り受けた2ヘクタールの畑から始まったワイナリーは、徐々に拡大を続け、今や同州の各4県に計300ヘクタールの畑を所有。数々のワインが世界的に高い評価を得るまでに至りました。アブルッツォワインの発展に大きく貢献した造り手として、不動の地位を確立しています。今回は、輸出マネージャーのフェデリカ ロッソディヴィータさんをお招きして、輸入元オーデックスの社長、森俊彦氏に通訳と解説をしていただき、歴史やジャンニ氏について、そして、多様性に富むアブルッツォで造られる5つのラインのワインについてお話を聞きました。

当時無名だったモンテプルチアーノを偉大な品種へと育て上げたアブルッツォの先駆者「マシャレッリ」

1981年創業。僅か2haのクリュ「ヴィッラ ジェンマ」から始まり、現在は4県にまたがりワインを生産

「マシャレッリ」は1981年、ジャンニ マシャレッリ氏によって設立されたワイナリーです。アブルッツォ州キエーティ「サン マルティーノ スッラ マッルチーナ」にある約2ヘクタールの畑を、祖父のウンベルト氏から譲り受けたことからワイン造りの歴史が始まりました。その畑は「イタリアを変えた50本」に選出されたフラッグシップ「ヴィッラ ジェンマ」を生んだ単一畑でもあり、まさにアブルッツォの歴史を変えた、マシャレッリにとって非常に重要な土地です。

ワイナリーは「ヴィッラ ジェンマ」で成功を収めると、アブルッツォ州にある4つの県、キエーティ、ペスカーラ、テーラモ、ラクイラと畑を徐々に拡大させ、国内外から高い評価を受ける数々のワインを生み出してきました。現在の所有面積は400ヘクタール、年間生産本数は220万と、マシャレッリはアブルッツォ州を代表する造り手としての地位を確立したのです。

土着品種を用いてアブルッツォの潜在力を世界に轟かせたマシャレッリ
「アブルッツォは、多種多様なテロワールがあるスペシャルな州」

ワイナリーの歴史やアブルッツォの特徴について、輸出マネージャーのフェデリカ ロッソディヴィータさんにお話いただきました。


「マシャレッリは、1981年にジャンニによって設立されたワイナリーです。イタリアではたくさんの家族がワインを造っていますが、彼は他者がやっていないことをやり始めました。それは、当時いいワインができると思われていなかったモンテプルチアーノとトレッビアーノというアブルッツォの品種の可能性を引き出すことです。

彼は、それらの品種を、今日飲むワインとしてだけでなく、長期熟成可能なワインとしても造り上げ、アブルッツォの潜在力を世界に知らしめました。現在、私たちは、国内に半分、海外に半分出荷しています。イタリアで設立して世界に広まったことは、ワイナリーとして非常に大事なことだと考えています。

アブルッツォは、非常に多様性のある土地です。海に向かうにつれてグラデーションのように、山、丘、平地、海という順で標高が下がっていきます。70%が山(丘陵地帯)で、晴れた日にはスキーをしながら海を眺めることができます。多種多様なテロワールがあるスペシャルな州だと思います。私たちは、アブルッツォの4つの県、キエーティ、ペスカーラ、テーラモ、ラクイラに畑を所有し、合計60もの区画があります。それぞれのエリアで造られる5つのライン“ヴィッラ ジェンマ”、“リネア クラシカ”、“カステッロ ディ セミヴィコリ”、“マリナ ツヴェティッチ”、“イスクラ”は、特徴も異なり、『ジェームズサックリング』などで高ポイントを獲得しています」

アブルッツォワインの潜在能力を示した改革者ジャンニ マシャレッリ氏

生産量重視だったアブルッツォで、いちはやく高品質ワイン生産に取り組んだジャンニ氏

祖父から単一畑「ヴィッラ ジェンマ」を譲り受けると、ジャンニ氏は地元アブルッツォを信じて様々な改革を行いました。その一つに、熟成させるためにバリックを用いたことがあります。70~80年代、現地で消費されたり、ブレンド用として北部の産地に送られていた土着品種モンテプルチアーノとトレッビアーノにバリックを使い始めました。今でこそ、白ワインにもバリック(小樽)を使用することは珍しくありませんが、マシャレッリは1990年代にトレッビアーノにもバリックを採用。それまで、トレッビアーノダブルッツォは早飲みワインとして知られていたので、この挑戦は世間を驚かせました。

アブルッツォの可能性を信じてゼロからスタート
「創業当時は、(資本力も)ゼロからのスタートでした。アブルッツォでワイン造りを始めることや、様々な改革に対して周りからは“パッツォ(クレイジー)だ”と言われていたそうです。しかし、彼は明確なビジョンを持ち、この土地を信じ抜き、アブルッツォの可能性を世界に示したのです」とフェデリカさん。

季節労働者として出向いたシャンパーニュに感化

ジャンニ氏と90年代から親交のあったオーデックス森社長にもお話を聞きました。
「ジャンニはトラックやタクシーの運転手の息子として生まれ、ワインと全く関係のない家で育ちました。季節労働者としてフランスのシャンパーニュに行き、ワインの可能性を自分の土地でも考え始めたそうです。無口でしたが、本当に個性の強い人でした。“他のワイナリーはこんなことしてないだろ。俺のほうが先だろう”と常に自慢していました。ボルドーのグランクリュと自社のワインをよく比較していて、“どっちがいい?”とよく聞かれましたね。マリナと結婚したことも、彼の人生を大きく変えましたよね。彼女がいたから今のマシャレッリがあると思います」

妻マリナ ツヴェティッチ氏に引き継がれるジャンニ氏の意志

2008年、ジャンニ氏は52歳の若さでこの世を去ってしまいます。その彼の遺志を受け継いだのは、妻であるマリナ ツヴェティッチ氏でした。ジャンニ氏がいた頃と同じスタッフ(コンサルタントは天才醸造家カルロ フェリーニ氏)が醸造所と熟成庫を管理し、世間の向かい風をものともせず突き進んできた創業者の強い意志や独創性に富むダイナミックな精神と共に、マシャレッリはさらなる発展へ突き進んでいます。

 

多様性に富んだ4つの県にまたがるエリアで見事に造り分ける5つのライン


2ヘクタールの単一畑から始まり、今や300ヘクタールもの畑をアブルッツォの各4県に所有するマシャレッリ。全ての県の中からブドウ栽培に最適な土地を調査して購入しては研究を重ね、その土壌を最も活かせる醸造方法を選び、ワイン造りを行っています。

同じモンテプルチアーノ種からでも全くキャラクターの異なるワインを造るという考え方のもと、複数のラインからワインを生産しています。そのラインナップは幅広く、「ヴィッラ ジェンマ」「リネア クラシカ」「カステッロ ディ セミヴィコリ」「マリナ ツヴェティッチ」「イスクラ」と、5つに分かれています。

マシャレッリが世界に知らしめた偉大な単一畑「ヴィッラ ジェンマ」


ジャンニ氏のスタイルとテイストが表現されたフラッグシップ「ヴィッラ ジェンマ」シリーズ。1984年にモンテプルチアーノ ダブルッツォ ヴィッラ ジェンマをリリース。アブルッツォの最も高貴なブドウをかつてない解釈で表現したワインです。1992年には『ガンベロロッソ』で初の最高賞トレビッキエリを獲得すると同時に、同州のDOCモンテプルチアーノ ダブルッツォとトレッビアーノ ダブルッツォの認知度を上げることに大きく貢献しました。

フェデリカさん:
「モンテプルチアーノ ダブルッツォ ヴィッラ ジェンマは、マシャレッリが最初に世界的に認められたワインです。骨格、力強さが凄まじく、非常に生命力があります。20年は熟成可能です。今でも美味しいですし、何年経っても素晴らしいです。私は3本買うことをお勧めします。1本は自分用、1本は友人と飲む時用、1本は熟成させる用です(笑)。どんな食事にも合わせられるワインです」

デイリーに楽しめる抜群のコストパフォーマンス「リネア クラシカ」


「素晴らしいワインとは、日々楽しめるワインである」というジャンニ氏の哲学を忠実に表現したシリーズ。アブルッツォの伝統と土地固有のブドウの品質を抜群のコストパフォーマンスで味わえます。マシャレッリが生み出すワインの中でも、最も人気があり、多くの愛好家から高い評価を得るワインが名を連ねています。スクリューキャップを導入しており、瓶詰めした時と同じ芳香が保たれています。

フェデリカさん:
「リネア クラシカの位置づけは、お求めやすい値段のデイリーワインです。このシリーズのモンテプルチアーノは、毎年100万本、トレッビアーノは80万本リリースしていて、世界で一番売れているワインですね。大事なことは、高級なもので可能性を示すのではなく、低価格なものでもクオリティを生み出すことです」

400年前に建てられた自然豊かな古城で造られる「カステッロ ディ セミヴィコリ」

2004年に購入した、17世紀の貴族の邸宅だったカステッロ ディ セミヴィコリで造られるシリーズ。畑に囲まれた自然豊かな丘の頂上にそびえ立つお城を改修し、現在はブティックホテル、レストランなどが併設されています。トレッビアーノ、ペコリーノ、モンテプルチアーノ、メルローなど、多くの品種が植えられています。トレッビアーノ ダブルッツォは、『ガンベロロッソ』最高賞トレビッキエリを受賞した実績を持ちます。

フェデリカさん:
「カステッロ ディ セミヴィコリは、キエーティに位置していて、ヴィッラ ジェンマから5~10分のところにあります。このお城は、当初貴族の所有物でした。第二次世界大戦中は軍病院として使われていたこともあります。そして、2004年にマシャレッリが購入しました。昔の雰囲気を残しながら、ジャンニのアイディアで中身を変えていきました。オープンさせたのは2008年でしたが、購入後すぐにワインは造っていました。とても綺麗な場所です。畑に囲まれた立地で、海も見えるし、山も見えるんですよ」


ジャンニ氏の意思を受け継ぐマリナ氏の名を冠したシリーズ「マリナ ツヴェティッチ」

プライベートでもプロフェッショナルとしてもジャンニ氏と強いつながりを持つマリナ氏。「マリナ ツヴェティッチ」は、その彼女の名を冠して生まれたシリーズです。フランス産バリック(225リットル)で熟成され、強烈なパワーを持つワインが造られています。土着品種以外に、シャルドネやメルローなどの国際品種も手掛け、しっかりとした骨格を感じさせるワインです。凝縮感がありながら柔らかさが表現されており、従来のアブルッツォワインにはないようなマシャレッリ独自のテロワールが引き出されています。

フェデリカさん:
「マリナ ツヴェティッチの生産本数は、リネア クラシカよりもっと少ないです。一番多いのがモンテプルチアーノで35万本。シャルドネは1万5000本以下です。このシリーズのモンテプルチアーノ ダブルッツォは、イタリアを含めて世界で一番知られているマシャレッリのワインだと思います。実は、私がマシャレッリで働きたいと思った理由はこのワインにあるんです。味はもちろん、一目でわかるラベルで、とても好きなワインです。キエティにある粘土質で350~400メートルの4つの区画から造られています。225リットルのバリックで少なくとも24ヶ月間熟成。長い間熟成できるワインです。

一方でメルローは、標高の高いラクイラの畑から来ています。特別なメルローです。メルローは世界的に造られていますが、600メートルの高さのものはそれほど多くありません。ラクイラはテーラモと比較すると冷涼です。他の地域のメルローは、ソフトで甘さを感じますが、このメルローは豊かな果実味とエレガンスを生み出す酸味があるんです。

ジャンニは、まずボルドーから勉強をし始めました。繰り返しになりますが、アブルッツォは土地の多様性があります。ミクロクリマが各地域によって全然異なります。そのため、彼はアブルッツォのどこが一番メルローに適しているかを追求していったのです」


コッリーネテラマーネDOCGエリアの最高峰モンテプルチアーノで造る「イスクラ」


スラヴ語で「ひらめき」を意味する「イスクラ」。最初の一口ですぐに魅了される、ワインの独自性を強調したワインです。モンテプルチアーノは、ワイナリーが所有するアブルッツォで最も有名な地区コッリーネテラマーネDOCG地区の標高250メートルに広がる畑で造られています。ここはグランサッソ山とアドリア海の間にある最高条件の畑。素晴らしい複雑味と深みをワインにもたらす最高峰のモンテプルチアーノが造られる場所として知られています。

フェデリカさん:
「イスクラのモンテプルチアーノの畑は、(コッリーネ テラマーネDOCGエリア内の)海に近いコントログエッラにあります。味わいは綺麗な酸味があり、マリナ ツヴェティッチのモンテプルチアーノよりもエレガントです。実は、このイスクラ、最初はマリナ ツヴェティッチのラインでしたが、2~3年前からイスクラになり、ボトルの形状も変わりました。

(イスクラは、これまでのワインと異なるタイプを追求したのか、という問いに対して)
そういうことだと思います。キャラクターが一番現れていますし、マリナ ツヴェティッチと対照的な印象です。合わせる食事としては和牛をお勧めしたいです(笑)。完璧なペアリングだと思います」

優しい爽やかな香りとフルーティーで程よいボリューム感!
リネア クラシカ トレッビアーノ ダブルッツォ 2019
リネア クラシカ トレッビアーノ ダブルッツォ 2019


温度管理されたステンレスタンクで発酵と熟成して造られたトレッビアーノは、気軽ながらも豊かな風味が楽しめるワインです。甘いリンゴ、アプリコットパイ、レモンジュース、柑橘類の豊かな花のような果実の香りが鼻と口に広がります。ミディアムボディ、上品でフルーティーな、ほど良い酸味を感じます。魚や季節の野菜など、夏の料理にぴったりです。
試飲コメント:淡い麦わら色。バナナなどの南国系果実、やや甘やかな果実を感じるふくよかな香り。濃厚さもありながら綺麗な酸味がエレガントさを演出しています。口に含むと、溢れる果実感に満たされます。舌を駆け上がるフレッシュな酸。非常に親しみやすく、じわじわと広がっていく余韻。

丸みのある豊かな果実感を、伸びやかな酸とミネラルが引き締める美しいボディ
トレッビアーノ ダブルッツォ カステッロ ディ セミヴィコリ 2018
トレッビアーノ ダブルッツォ カステッロ ディ セミヴィコリ 2018


低温マセラシオンでポリフェノールを最大限に抽出した後、ステンレスタンクで発酵。最低12ヶ月間、瓶内で熟成させます。ライム、乾燥リンゴ、パパイヤなどの果実の香り。フレッシュさが際立ち、滑らかさ、ジューシーさが表現されています。軽い酸味、豊富なミネラル、長い余韻が特徴的です。
試飲コメント:少し濃い麦わら色。エントリーのトレビアーノより、トロピカルフルーツのニュアンスが強い印象。レモンピール。口当たりはソフトでフレッシュ。酸味が際立っており、香りで感じたレモンの皮のような苦味もあります。デリケートな味わいで、ミネラリーで優れたバランスです。

厚みのある果実感、凛とした酸を兼ね備えたバリック熟成の限定シャルドネ
シャルドネ マリナ ツヴェティッチ 2019
シャルドネ マリナ ツヴェティッチ 2019


アブルッツォ州サン マルティーノ スッラ マッルチーナに、マシャレッリが植樹した初めての国際品種シャルドネ。海と山から強く影響を受け、フェノールがたっぷり含まれた成熟したブドウで造られています。レモン、スパイス、ジャスミン、グアバの皮、バニラ、クローブの香り。バターのような豊かな風味が口の中に広がり、フレッシュなトロピカルフルーツのようなテクスチャーを感じます。上質な酸味が長い余韻を演出します。
試飲コメント:黄金色。パイナップルなどの南国果実、繊細な白い果実のアロマが香り、白胡椒やオイリーな印象。豊かな果実味、バター、わずかなスパイス感など、複雑かつ繊細な味わいが口中に広がります。長く持続する上品な余韻に浸ることができます。

複雑なアロマと力強くリッチな味わいが広がる、別次元のトレッビアーノ
トレッビアーノ ダブルッツォ マリナ ツヴェティッチ 2018
トレッビアーノ ダブルッツォ マリナ ツヴェティッチ 2018


アブルッツォの伝統的な高貴なワインの象徴でもあるトレッビアーノ ダブルッツォ。フレンチオーク樽で熟成され、個性と特性が育まれる理想的な栽培方法で造られています。雄大な渓谷の麓の畑で栽培されたブドウは、高密度の植樹で1ヘクタールの収穫量を低くし、手摘みによる収穫と低温でのマセラシオンにより、バランスの取れた高い濃度のワインに仕上げられています。
試飲コメント:黄金色。非常に力強く複雑な香り。白果実やパイナップルなど熟した果実。味わいも同様に力強く複雑です。ジューシーな果実味、塩味、酸味が見事に調和し、旨味を感じる余韻に満たされます。

マシャレッリの想いが詰まったコストパフォーマンス抜群のモンテプルチアーノ
モンテプルチアーノ ダブルッツォ 2017
モンテプルチアーノ ダブルッツォ 2017


50ヶ国以上にリリースされている、マシャレッリが誇る一番人気のデイリーワインです。一口目は、ダークチェリー、ブラックベリー、ブラックラズベリーなどのベリーの甘くフレッシュな風味。滑らかなタンニンと口当たりの良い酸味に包み込まれます。ミディアムからフルボディの中間で、ジューシーな余韻が残ります。様々な果実の風味を楽しめるモンテプルチアーノ ダブルッツォです。
試飲コメント:ルビー色。軽やかで親しみのある赤い果実の香り。非常に飲み心地が良く、ソフトな口当たり。ピュアで綺麗な果実味と繊細なタンニンのバランスが非常に素晴らしく、いつまでも飲んでいられる味わい。

全世界にモンテプルチアーノの存在を知らしめた上級モンテプルチアーノ ダブルッツォ
マリナ ツヴェティッチ モンテプルチアーノ ダブルッツォ 2016
マリナ ツヴェティッチ モンテプルチアーノ ダブルッツォ 2016


世界にモンテプルチアーノを広めることに大きく貢献したベストセラーワインです。『ワインスペクテーター』の「世界トップ100」に選出されるなど、何年にも渡り多くの賞を受賞。上品で滑らかなタンニンと香り豊かなテクスチャーが特徴で、複雑性を有する、フレッシュでバランスの取れたワインです。奥深く、調和の取れた、類稀な清らかさがあり、年を重ねるにつれて味わいの幅が広がります。
試飲コメント:ルビー色。赤系、黒系果実の心地よく力強い香り。赤い花やスパイシーなニュアンスもあります。口に含むと濃厚で凝縮感のある味わいを感じることができます。凝縮感がありながら柔らかく、フレッシュな酸味が相まって飲みやすさが表現されています。

DOCGエリアで造られる最上モンテプルチアーノ ダブルッツォ リゼルヴァ
イスクラ モンテプルチアーノ ダブルッツォ リゼルヴァ 2016
イスクラ モンテプルチアーノ ダブルッツォ リゼルヴァ 2016


アブルッツォの特別なテロワールの一つで、テーラモ県コントログエッラの一区画で生産されています。口当たりの良い柔らかさと熟した赤い果実の奥深い芳香が溢れます。フレンチオーク樽で熟成をした後、長時間の瓶内熟成をさせます。厚みのあるフルボディで、ブラックベリー、プラム、ブルーベリー、ベリー類のはっきりした芳香が特徴です。ロースト、煮込み、濃い味付けの料理、スパイシーな料理とぴったり合います。
試飲コメント:濃い紫色。潰した花、黒系果実、赤い果実を感じる奥行きのある香り。濃厚さと軽やかさが綺麗に混じり合っています。ハーブのニュアンスも感じます。香りと同様の要素を感じる味わいで、溢れる果実感に加えて繊細でエレガントな美しさも兼ね備えています。余韻として優美な味わいが持続します。

標高600メートルの畑が生む、豊かな果実味やエレガンスが際立つ「特別なメルロー」
メルロー マリナ ツヴェティッチ 2015
メルロー マリナ ツヴェティッチ 2015


畑は標高約600メートル、ラクイラ県グランサッソ山の麓の丘に位置しています。昼夜の激しい気温差と、土壌と標高の特殊性によって、マシャレッリが生み出すラインナップの中でも、高品質で宝石のようなワインです。野性の赤い果実、トマトの葉、香辛料、甘草、皮革という、典型的なワインの芳香を放ちます。力強いボディ、上品でエレガントな深い味わいです。
試飲コメント:ガーネットよりのルビー色。凝縮感のある果実、黒糖、花、土、フレッシュな果実の香り。複雑さ、凝縮感、力強さ、エレガンスが見事に調和していて、上品なバランスは表現されています。エレガントながら濃厚さもあり、最後には伸びやかな酸と果実が余韻として持続します。

「イタリアを変えた50本」に選出!マシャレッリの最高傑作モンテプルチアーノ
ヴィッラ ジェンマ モンテプルチアーノ ダブルッツォ 2015
ヴィッラ ジェンマ モンテプルチアーノ ダブルッツォ 2015


長い歳月の中で驚く進化を遂げる、素晴らしい表現力と並外れた熟成力を持つフラッグシップワイン。豊かな芳香が溢れ、力強くエレガントな味わいが表現されています。メインコースに肉やジビエ、または熟成チーズが理想的なペアリングです。また食後のデザートのダークチョコレートとも素晴らしいマリアージュを奏でます。
試飲コメント:濃い紫色。凝縮果実、シナモン、ドライフルーツ、バニラなど、かなり複雑で力強い芳しい香り。口に含むと、濃密な味わいに支配されつつも、凝縮果実、滑らかなタンニン、樽由来のスパイス感などを一つ一つ感じることができ、それぞれの要素が綺麗に融合していることがわかります。力強さとエレガンスが溶け合った濃厚な風味の余韻に長く浸ることができます。
インタビューを終えて
当時無名だったモンテプルチアーノやトレッビアーノを偉大な品種へと育て上げ、アブルッツォワインの発展に大きく貢献した「マシャレッリ」。

フェデリカさんとオーデックスの森社長からお話を聞いて、創業者ジャンニ氏のワイン造りや地元への情熱を改めて感じることができました。特に森さんのジャンニ氏とのエピソードは非常に興味深かったです。季節労働者としてシャンパーニュに行き地元の可能性を見出したことや、周囲からパッツォと蔑まれながらも地元を信じ抜いたこと、他国の偉大なワインに対抗心を持ち自身のワインと比較していたこと。並々ならぬ強い思いがなければ生まれないであろうそれらの行動に、強く感銘を受けました。

今回試飲したのは9種のワインです。抜群のコストパフォーマンスを誇るエントリーラインの「リネア クラシカ」、バリック由来の強烈なパワーと上品さを兼ね備えた「マリナ ツヴェティッチ」(特にメルロー!)、濃密さとエレガントさが融合するマシャレッリの最高傑作単一畑「ヴィッラジェンマ」。各4県で造り分けられたワインはどれも個性が際立っており、非常に素晴らしかったです。フェデリカさんが「アブルッツォはスペシャルな州です」と言われるのも納得です!

最後に「マシャレッリのワインは、年々エレガントさが増しているように思います」という印象をお伝えすると、フェデリカさんから印象的なお答えをいただきました。
「私たちは、テロワールを表現することとエレガントであることを重要視しています。個性+エレガントです。まさにイタリアみたいでしょう(笑)。それがイタリア人の目標とするものです」

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