2014年10月24日 ポッジョトンド社 アルベルト アントニーニ氏
天才醸造家 ポッジョトンド社 アルベルト アントニーニ氏 突撃インタビュー |
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ポッジョトンドは、「天才醸造家」として知られるアルベルト アントニーニ氏自らのワイナリーです。アンティノリやフレスコバルディ、テスタマッタなどイタリアの名だたるワイナリーや世界中でひっぱりだこのアントニオ氏が自分の実家である土地で造るキャンティは彼のこだわりがぎっしり詰まっていました。 | ||||||||||
大昔は海だった土地が隆起してできた土壌。ミネラルと砂質がエレガントなキャンティを造る。 |
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ワイナリーのあるチェッレート グイディ村はフィレンツェの西、レオナルド ダ ヴィンチの生誕地ヴィンチ村の近くにあります。1968年に父が畑を購入してワイナリーを立ち上げました。「ポッジョトンド」というのは「丸く小高い丘」と言う意味で、その名の通りワイナリーはなめらかな丘陵地にあります。
キャンティ地区としては西部にあたり、サブゾーン「モンタルバーノ」エリア内です。この土地の特徴は土壌です。大昔は海だったところが隆起してできているので、貝殻の化石がたくさん出てきます。海のミネラルが豊富で砂質土壌ということで、優しい香りのエレガントなワインができます。これが、石灰質のガレストロ土壌のキャンティクラシコ地区との違いです。 |
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個性的な土壌を生かすためのこだわり。「オーガニック」と「ノーバリック」 |
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私が本格的にワイナリーに携わるようになったのは2000年からで、2001年に父から経営を引き継ぎました。これまでの醸造家としての経験をもとに、テロワールがしっかりと表現された「キャンティらしいキャンティ」を造ることを考えています。
この土地の最大の個性はやっぱり土壌です。この特徴的な土壌をより生かすために2010年からオーガニック栽培に切り替えました。3年が経過して2014年ヴィンテージから認定を受ける予定です。 醸造については余計なものを加えない、バリックは使わない、と言う方向に進んでいます。セレクション酵母は使わず自然酵母だけ、樽も大樽中心にしています。バリックで醸造するとどうしても似た感じのワインが多くなってしまい、この土地のテロワールが生かし切れないと考えたからです。2014年にはバリックはすべて処分しました。 |
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地質学者ペドロ パッラ氏の協力の下、ボーリング調査で細かく土壌を調査 |
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このあたりの土地がもともと海でしたが、場所ごとにその特徴が強く表れているところそうでないところがあります。そこで地質学者のペドロ パッラ氏に依頼して細かくボーリング調査を行い、区画ごとの地質を調べていきました。パッラ氏は私たちがアルゼンチンでワインを造り始める時にも土壌を調べてもらい、品種の選定に多いに貢献してくれた人物です。
ポッジョトンドの畑でも、より多くの化石が出てくる土地はミネラルが多く、その密度が高いほどワインに複雑味が加わります。そのため密度が高い畑で収穫したブドウはキャンティリゼルヴァに使います。リゼルヴァ用のブドウ畑は約4haほどです。トップキュヴェのコンキリエは単一畑で約0.86haほどです。 |
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エネルギーのあるブドウは長熟ワインを造る |
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(一般的なキャンティのイメージとは全く違う、重厚感があり長期熟成できるポッジョトンドのキャンティ。その理由について質問したところ、次のように説明してくださいました。)
長期熟成ができるワインはエネルギーのあるブドウで造られていること。エネルギーのあるブドウを造るためには 【1】生物多様性のポテンシャルを持つ土壌 【2】適切な収穫時期 【3】手をかけすぎない醸造 【4】ノーバリック |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
一般的なキャンティはフレッシュで優しい果実味のミディアムボディ、と言うイメージですが、ポッジョトンドのキャンティはそれらとは一線を画しています。土壌へのこだわり、テロワール、そして醸造哲学。天才醸造家アルベルトさんの意地と誇りがこの違いを生んでいるのだと感じました。
通常のキャンティに比べると確かに価格は高い。でも、スーパートスカンとしてではなく、あくまでもキャンティとして造っていることにもアルベルトさんのこだわりです。「キャンティはイタリアの偉大なワイン。自分たちはキャンティの造り手として最高のキャンティを造りたい。」 キャンティクラシコとはまた違うサンジョヴェーゼの美味しさを再確認できました。 |
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ポッジョトンド社 アルベルト アントニーニ氏来社
2014/10/24