2014年5月29日 メディチ エルメーテ社 アルベルト氏
メディチ エルメーテ社、「ランブルスコの伝道師」アルベルト氏 突撃インタビュー |
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大人気ランブルスコ「クエルチオーリ」の造り手メディチ エルメーテの4代目、アルベルトさん。世界中にメディチのワインを紹介するのが彼の仕事だそうで、まさにランブルスコの伝道師。 高品質ランブルスコにいち早く取り組んだメディチのワイン造りについて詳しくお話を聞くことができました。ルネサンス期のフィレンツェで最大の権力をもっていたあのメディチ家の血筋を引く人、とお会いする前はちょっと緊張していたのですが、とっても気さくな人で安心しました。 |
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19世紀に自家用のランブルスコを造ることから始まった |
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メディチ エルメーテは110年の歴史がある家族経営のワイナリーです。曽祖父のレミジオはパルマに3つのオステリア(民宿とワインバーが一緒になったもの)を経営していたのですが、レッジャーノ地区に畑があり、オステリア用にランブルスコを造りはじめました。
彼には3人の息子がいたのでそれぞれにオステリアを残しました。その1人エルメーテは自分のところだけでなく、他のオステリアにもランブルスコを販売し始め、事業を広げていったのです。 今はエミリア ロマーニャ州の主要なワインを造る生産者として3つのワイナリーを持っています。 |
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ランブルスコブームに惑わされず、品質を大切にしていたメディチはランブルスコに「単一畑」の考えを取り入れた |
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1970~80年代、第1次ランブルスコブームがありました。エミリア地方は肥沃で、ほっとくとブドウはどんどん成長して大量の房をつけます。そのため大量生産のワインが簡単にできました。「イタリアのコカコーラ」とも言われたぐらい流通していました。でも、大量生産だったことから低品質のものが多く、次第に見向きもされなくなってしまいました。
メディチ エルメーテはブームの時も、ブームが去っても品質重視のワイン造りを目指しました。ブドウが育ちすぎるのを防ぐため、仕立ての古い畑をすべて植え替え、収量を下げるためにコルドンスペルナートの仕立て法に変えました。 また、単一畑でランブルスコを造るという考えから「コンチェルト」を造りました。所有している農園のひとつ「テヌータランパータ」の畑のランブルスコサラミーノだけで造っています。収量は11000~12000kg/ha。DOCの規定が18000kg/haなのでいかに低いかがわかると思います。 コンチェルトは「ひとつのワインにひとつのテロワール」と言うのがポリシーです。このような考えで造られているランブルスコはほとんどありません。『ガンベロロッソ』の2010年版でランブルスコ史上初のトレビッキエリを受賞し、以来5年連続獲得しています 。 このポリシーのもと、ボッチオーロ、アッソーロも同じコンセプトで造っています。 |
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かつて100以上の種類があったランブルスコ種。現在は淘汰されて10以下に。 |
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ランブルスコはバリエーションが多く、100年前は100種類以上ありました。現在は淘汰されて10以下です。ランブルスコは「美食街道」と言われるエミリア街道沿いに広がるエリアで造られますが、レッジョエミリア地区とモデナ地区では土壌が異なり、同じ種類のランブルスコでも異なる味わいになります。
例えばサラミーノ種はレッジョエミリア地区に適していて、ボディと香りの強いワインになりますが、モデナ地区だとやや弱い感じになるため、甘口のランブルスコにしか使いません。 グラスパロッサ種はモデナ地区の南部エリア、ソルバーラ種はモデナ地区の中央部でその個性を発揮します。 |
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コストパフォーマンスを絶賛されるクエルチオーリライン2種 |
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クエルチオーリラインは所有する4つの農園のブドウをセレクションして造ります。ブドウはランブルスコ サラミーノとランブルスコ マラーニが半々です。サラミーノはボディーと果実味を、マラーニは酸味をワインに与えます。
クエルチオーリは飲み心地の良さを重視した、ベーシックラインのランブルスコです。もちろんストラクチャーもあるし、香りも味わいもしっかりしているので消費者の方からもジャーナリストからもコストパフォーマンスを評価されますね。 ここから試飲をしました。 |
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■インタビューを終えて | |||||||||
ランブルスコはエミリア地方でずっと昔から愛されているワインで、それは今も同じ。造られるランブルスコの大部分は地元で飲まれているそうです。食事の友として愛され続ける、まさに地ワインの代表格ということを改めて認識しました。
それにしても5年連続のトレビッキエリのスーパーランブルスコ「コンチェルト」はやっぱり只者ではなかったです。 |
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2014年5月29日 メディチ エルメーテ社 来社
2014/05/29