2014年5月27日 クエルチャベッラ社 ジョルジョ フラジャコモ氏、ステファニー クアドラさん | ||||||||||
独創的で印象的なラベルデザインのクエルチャベッラ。グレーヴェインキャンティで小さな畑から始まり、その後、有機栽培に移行、そして現在は新しいビオディナミの考え方の元でワイン造りを行っています。 ワイナリーの歴史、オーナーのセバスティアーノさんのポリシー、そして、キャンティクラシコとマレンマ。盛りだくさんのお話を聞くことができました。 |
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クエルチャベッラの歴史には4つの段階がある |
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クエルチャベッラについてお話しするうえで、まず、ワイナリーには4つの段階があることをお話ししたいと思います。
第1期はワイナリー設立の1974年から1987年までの期間です。クエルチャベッラは一般的なワイナリーとしてのワイン造りを行っていました。1974年、グレーヴェインキャンティで創業したのですが、この頃のキャンティは白ブドウを20%使う決まりで、それほど重要なワインとはみなされていませんでした。そこで、白ブドウを使わず、しっかりとした赤を造るべきだ、と言う動きが一部のワイナリーで始まり、スーパートスカンの誕生につながります。クエルチャベッラのカマルティーナはその頃造られました。初期スーパートスカンの1本です。創業して数年後にはキャンティクラシコの中でも一目置かれるようになったのです。 第2期は1988年から2000年。1988年に有機栽培に切り替えました。そして12年後にはビオディナミへと向かいます。 2000年から2008年の第3期はビオディナミを進めた期間です。そして、2009年からの第4期は動物性のものを一切排除し、植物だけをベースにした新しいビオディナミの考え方でワインを造っています。 現オーナーのセバスティアーノの父は最高品質のワインを伝統的な方法で造ることを目指しました。一方、セバスティアーノは偉大なワインには環境が必要と言う考えで、まず、畑の環境を整えることを重視したのです。 |
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有機栽培とビオディナミの違い。クエルチャベッラはさらに新しいビオディナミを実践している |
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有機栽培は化学的なものを排除した栽培方法ですが、ビオディナミは畑にあるすべての要素と畑を取り巻く環境をすべて結びつけて考える栽培方法で、ある種、哲学的な考えのもとで栽培することを意味します。そのため、ビオディナミにはいろいろな方法があります。
伝統的なビオディナミは例えば秋に牛の角や水晶を砕いて埋め、春にそれを掘り起こす。また、月の満ち欠けに基づいて栽培を行います。クエルチャベッラも2008年まではその伝統的ビオディナミをしていました。オーナーのセバスティアーノは菜食主義者で、その思想をビオディナミにも取り入れました。それが動物性のものを一切排除したビオディナミです。畑には30種類以上の植物が生きていて、そのひとつひとつに役割があります。虫を駆除するもの、受粉を促すものなどです。 |
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キャンティクラシコ地区とマレンマ地区。どちらもすべてビオディナミ |
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クエルチャベッラはキャンティクラシコ地区のガイオーレ ディ キャンティ、ラッダ イン キャンティ、パンツァーノ、そしてグレーヴェ イン キャンティの4つのコムーネに畑を持っていて、すべてビオディナミです。1990年代の終わりにマレンマ地区にもワイナリーを購入しました。ここはキャンティクラシコ地区とは全く違い、海とゆるやかな丘の後ろの標高20mのところの、とても穏やかな気候の畑です。 | ||||||||||
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■インタビューを終えて | ||||||||||
オーナーのセバスティアーノ氏がいかに完璧主義者かを物語るエピソードとして紹介して下さったのですが、セバスティアーノ氏は大の日本好きで、言葉や料理、芸術など、日本のあらゆることに造詣が深いそうです。ところがまだ日本には一度も来たことがない。その理由が「まだ日本に行く準備ができていないから」と知ったステファニーさんはとても驚いたとか。
自分が信じる強い哲学を貫いて造られているクエルチャベッラのワインは以前に比べてよりエレガントさが増した印象がしました。 そして、今回はサプライズワインとしてキャンティクラシコの1999ヴィンテージが登場。まだまだ成長を続けている若々しい味わいにびっくり。ミネラルと驚くほどにフレッシュな酸があって、これからますます美味しくなる予感。販売するほどの量はないのが何とも残念でしたが、クエルチャベッラのキャンティクラシコのポテンシャルを実感できました。 |
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2014年5月27日 クエルチャベッラ社 ジョルジョ フラジャコモ氏、ステファニー クアドラさん 来日セミナー
2014/05/27