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2014年4月14日 リブランディ社 パオロ リブランディ氏
リブランディ社 パオロ リブランディ氏 突撃インタビュー
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イタリア半島のつま先カラブリア州を代表するリブランディ社。カラブリアは紀元前8世紀のギリシャ統治時代からワインの産地として知られ、オリンピックの勝者に「チロ」が捧げられていたほど。
リブランディはそのカラブリアのリーディングカンパニーとして世界中で愛されています。今回は特に土着品種グレコビアンコやガリオッポについてお話を聞くことができました |
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6haで始まった畑が現在は232haまでに!200以上の土着品種の研究、『ガンベロロッソ』2013年最優秀栽培家に選出
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父ニコデモと叔父のアントニオです。残念ながら叔父は2年前に亡くなりましたが、私の祖父が残した6haの土地を父と叔父の二人が広げ、カラブリアで最も有名なワイナリーになりました。私で3代目になりますが、現在は232haの畑を所有しています。創設当時の6haの畑のブドウは現在も「ドゥーカ サン フェリーチェ」に使われています。
こちらの畑で200品種ほどあるカラブリアの古い土着品種の研究を行っています。私達の研究の成果で選別されたガリオッポのクローンがワインのクオリティを著しく上げたという成果も出ています。
この円形の畑の植え方ですが、一つの線でうずまき状に植えられています。実験の畑なので、外側から回っていくと最後に結果にたどり着くようにという願いを込めています。こうした土着品種への取り組みも評価されて、父ニコデモが『ガンベロロッソ』2013年の年間最優秀栽培家に選ばれました。
畑での仕事が評価される賞なのでこれまでは10~15ha規模の造り手が受賞していたのですが、私達のような200ha以上の畑を所有する造り手が受賞するのは初めてで、大変栄誉なことです。 |
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グレコビアンコ、ガリオッポ、マリオッコ。カラブリアを代表する土着品種について
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グレコ・ビアンコ
「チロビアンコ」に使われる土着品種グレコ・ビアンコです。ギリシャから持ち込まれた品種なので「グレコ」と名付けられたのですが、カンパーニャのグレコとは起源が異なります。どちらかというとファランギーナの方が特徴が近いと思います。肥沃でない痩せた土地、そして他のブドウが育ちにくい暑くストレスのかかる場所を好むので、適した場所を選んで植えています。
ガリオッポ、マリオッコ
ガリオッポは、ネッビオーロやピノ・ネロに特徴が近いと思います。ボディは中程度でタンニンの出方は異なりますが、色が薄いところや香りの特徴などはよく似ています。一方マリオッコは色が濃く、シラーやマルベックのような凝縮感が特徴です。
『神の雫』で韓国料理に合うと紹介されて以来、韓国へも輸出され始めました。カラブリアは食卓に唐辛子が置いてあるぐらい唐辛子料理がポピュラーなので、私たちのワインは唐辛子を使った料理には全般的に合います。
※写真左ガリオッポ、右マリオッコ
ここから試飲をしました。 |
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Decanter誌「Top 50 wines of the year 2013」に選出された中で最安値。土着品種グレコビアンコで造るチロビアンコ |
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チロ ビアンコ 2012 |
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畑が海から50mぐらいのところにあり、海の影響を受けているのでミネラルが豊富です。私たちのワインには赤も白も共通したミネラルの印象が感じられます。南イタリアということでひとくくりにされてしまいがちなのですが、シチリアやプーリアは暑く乾燥しているのに対して、カラブリアは比較的涼しく白ブドウの栽培に適しています。 |
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試飲コメント:さすがものすごいコストパフォーマンス。塩味のあるミネラル感が印象的。白い花のアロマなど、南らしいニュアンスはあるが酸味がとても綺麗でエレガント。 |
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最初は好奇心で植えたシャルドネとソーヴィニヨン。プレス時の温度にもこだわった豊かなアロマ |
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クリトーネ カラブリア ビアンコ 2012 |
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このワインはシャルドネ90%ソーヴィニヨン10%のずっと変わらないセパージュで造られています。ファーストヴィンテージは1986年。当時は、カラブリアでは白といえばグレコしか飲まれていなかったので、最初は好奇心で造っていたのですが結果的に受け入れられたわけです。
カラブリアのワインはフレッシュさを楽しむべきという考えがあるので、ブドウ本来のアロマを大切にして造っています。白ブドウを収穫する8月中旬は気温が30度以上になるのですが、アロマを逃さないよう、ブドウを運搬するパイプ内で15秒の間に8度まで冷却してからプレスするようにしています。 |
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試飲コメント:10%しか入っていないとは思えないほどソーヴィニヨンのアロマを感じる。チロ同様ミネラリー |
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地元カラブリアでは一番人気。イチゴのアロマがチャーミングなロゼ |
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チロ ロザート 2012 |
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ガリオッポ100%で造るロゼです。カラブリアで一番よく飲まれているワインです。ロゼに苦味やえぐみが出る原因はブドウをプレスする際に、皮や種からそういう成分が出てしまうからなのですが、セニエ法の場合マセラシオンするだけなので、そういった要素をワインに出さずにすみます。夏には、桃を入れたカラフェに注いで楽しむのもおすすめですよ。 |
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試飲コメント:最初に説明があった通り、ピノネロに似たイチゴのアロマがチャーミング。雑味のない綺麗な味わいなので幅広い食事に合いそう |
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フレッシュさを楽しむため樽を使わずステンレスタンクで熟成 |
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チロ ロッソ クラシコ 2011 |
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ガリオッポはピノネロやネッビオーロと同じくデリケートで栽培が難しい品種なので、畑での作業が大切です。ブドウを破砕するときの温度も高いと良くないので、収穫は涼しい10月になってから行うようにしています。また、フレッシュさを表現するため樽は使わずステンレスタンクで熟成します。ピッツァなどカジュアルな料理全般に合わせられます。 |
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試飲コメント:とても味わいの要素が多いのに、可愛らしい香りとフレッシュな飲み口でスイスイいける飲み心地のよさ。 |
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ガリオッポ100%のリゼルヴァ。ワインの味わいがイメージしやすいようにブルゴーニュ型のボトルに変更 |
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ドゥーカ サンフェリーチェ チロ ロッソ リゼルヴァ 2010 |
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創立時からの6haの畑と、契約農家の樹齢最高70年になる古樹のブドウで造っています。カラブリアの伝統でもありますが、樽は使わずステンレスタンクで熟成しています。地中海のイメージを表現したかったので、すべてのエチケットに地中海を象徴する植物である”アガベ”のデザインを入れました。シールも冷えたときに剥がれにくい素材に変更しています。また、ボトルの形からワインの味わいがイメージしやすいよう、クリトーネとドゥーカサンフェリーチェはブルゴーニュ型のボトルにしました。 |
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試飲コメント:まさにブルゴーニュを思わせるエレガントな味わいに改めてびっくり。ピノネロ好きにもオススメ。 |
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ガリオッポとカベルネのブレンド。カラブリアで初めてトレビッキエリを受賞したワイン |
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グラヴェッロ カラブリア ロッソ 2010 |
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ガリオッポ60%、カベルネ・ソーヴィニヨン40%で造るグラヴェッロです。カラブリアで初めてトレビッキエリを受賞しました。今日試飲していただいた中では唯一木樽(バリック)を使っています。
このワインが生まれた当時は、スーパートスカンなどそういう背景もあり、カラブリアでもカベルネを植えてみようということになったのです。カベルネとガリオッポ、両方の特徴が表現されているワインです。 |
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試飲コメント:華やかなアロマが印象的。ガリオッポの上品な美味しさとカベルネの力強さのハーモニーが素晴らしい。 |
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■インタビューを終えて |
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リブランディと言えば、パオロさんのお父さんのニコデモさんがトラックいっぱいにワインを積んでコペンハーゲンまで売りに行ったというエピソードを思い出します。当時から世界に目を向けていたニコデモさんは各地で出会ったワインやブドウ品種を「カラブリアで造ったらどうなるか?」と言う好奇心を常に抱き、取り入れていったのだそうです。
ブルゴーニュ、フリウリ、アルトアディジェ、ヴェルディッキオとエレガント系のワインが好きだというパオロさん。リブランディのワインにもエレガントな魅力があふれていると感じました。旅行コンサルタントをしているオーストリア人の奥様とともに、世界中の人にもっとカラブリアのワインを飲んでもらえるよう広めていきたいと、ニコデモさんの想いを引き継いで頑張っていらっしゃいます。 |
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