2013年11月27日 ルーチェ フレスコバルディ社 来社

2013/11/27
突撃インタビュー
 
2013年11月27日 ルーチェ フレスコバルディ社 社長 ランベルト氏 Mr.Lamberto Frescobaldi

集合写真
トスカーナの名門中の名門、フレスコバルディがモンタルチーノで手掛けるスーパートスカン、ルーチェ。このたびフレスコバルディの社長に就任したばかりのランベルト氏がトスカニーに来社。ルーチェ誕生のエピソードやブルネッロをリリースした理由などを直接おうかがいすることができました。

モンダヴィとフレスコバルディ 知識も経験のある2社だから目指すレベルがどんどん上がっていった

言わずと知れたアメリカの大手ワイナリー「モンダヴィ」の経営一族はイタリアにルーツがあります。イタリアで最高品質のワインを造りたいという情熱をもってパートナー探しに来ていたモンダヴィから声をかけられました。モンダヴィもフレスコバルディも知識、経験は十分に持っている会社ですから目指すワインのレベルのハードルはどんどん上がっていきました。

モンダヴィには資力と樽使用の技術があり、フレスコバルディはブルネッロを造るモンタルチーノの土地がありました。モンダヴィの息子のサム モンダヴィは毎月のようにカリフォルニアからトスカーナにやってきて、私たちとディスカッションを続けました。そうやって生まれたのがルーチェです。

ルーチェの名前はマーガレット モンダヴィのひらめきから

ルーチェは1993年に初めて誕生しましたが、そのときはまだ名前が決まっていませんでした。だから1993と1994ヴィンテージのルーチェのコルクにはルーチェの名前が入っていません。ルーチェという名前を決めたのはモンダヴィの奥様であるマーガレットさんです。曇りの日にドライブをしていた時、一瞬晴れ間が出て一筋の光が指したとき、思わず「ルーチェ!(=光)」と叫んだ。そしてこれだ!とひらめいたんです。フレスコバルディとしてはルーチェという名前は実は、いまひとつだなと思ったのです。LUCEはアメリカだと「ルーシー」になるので。でも、生まれたばかりのワインに「ルーチェ」という名前を与え、まるで赤ちゃんを育てていくかのようにワインも育っていったと思います。
 

インパクトのあるラベルデザインは教会の中でひらめいた

サントスピリト協会の祭壇ラベルデザインについてはモンダヴィからも案がいろいろ出ましたがなかなか決まりませんでした。最終的に、フィレンツェにあるサントスピリト協会の祭壇からヒントを得てレオナルドが決めました。ルーチェは光という意味ですが、それを象徴したデザインになっていて今もリリース以来全く変わっていません。

モンダヴィについて

モンダヴィ家はもともとはマルケ州のサッソフェッラートという町の出身です。1908年にアメリカに移住し、ミズーリ州で採掘業に携わりました。当時は禁酒法の時代でしたが、一家に一バレルは造っていい、という特例があり、モンダヴィもワインを造っていました。ワイン用のブドウはカリフォルニア産なので結局、モンダヴィ家はブドウを手に入れやすいからということでカリフォルニアに引っ越したのです。

禁酒法は多くのワイナリーを倒産に追い込みましたが、モンダヴィはチャールズグループというワイナリーを買収、禁酒法がなくなった後、モンダヴィのワインは飛ぶように売れたのです。それで大成功を収めました。そして、母国のイタリアでワインを造りたい、という夢を抱き続け、イタリアにパートナーを探しに来たのです。そしてフレスコバルディがパートナーになったのです。

2004年にモンダヴィはコンステレーション社に買収されたので、ルーチェにおけるフレスコバルディとのパートナーシップ関係は解消になりました。けんか別れをしたわけではありませんので、今でもモンダヴィ家の人たちとは友好関係が続いています。

ルーチェはモンタルチーノで造られていることをもっと知ってもらいたい

「モンダヴィとフレスコバルディが造るスーパートスカン」ということで有名になったルーチェですが、フレスコバルディとしては、ルーチェがモンタルチーノで造られていることをもっと知ってもらいたいと考えています。2003年ヴィンテージからはボトルにも「モンタルチーノ」と記載するようにしました。

ルーチェのブルネッロをリリースしたのも理由は同じです。ルーチェ=モンタルチーノ、とイメージしてもらいたいという思いがあります。

ルーチェ ブルネッロルーチェのブルネッロ
ルーチェ ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2008

ワイナリー「ルーチェ デッラ ヴィーテ」はモンタルチーノの中に55haのブドウ畑があり、そのうち12haがブルネッロ ディ モンタルチーノを造ってもいい土地として登録されています。畑の標高は350~420mと、モンタルチーノの中でも高い位置にあります。さらに、標高が500m以上のところに4haの単一畑もあります。3haでブルネッロを、残りの1haはルーチェで使っています。

ルーチェはモダンなワイン、というイメージを持たれがちなのですが、実はとてもクラシカルなワインなんです。それはモンタルチーノ、という土地のテロワールを表現したワインだからです。

2013年ヴィンテージで21回目の収穫になりました。時間が経つのは本当に早いですね。

2枚の畑の写真
インタビューを終えて
ルーチェがモンタルチーノで造られていることはもちろん知っていましたが、お話を聞いて、フレスコバルディがモンタルチーノにこだわり、誇りを持っていることをとても強く感じました。そして、ルーチェを知ってもらうためにブルネッロを造ったということや、ルーチェはモダンではなくクラシックなワインなんだということ。長い長い伝統を誇るフレスコバルディだからこその強い気持ちを知ることができてとてもよかったです。

今回来られたランベルトさんは8月に社長に就任されたそうで、前社長のレオナルドさんの甥だそうでとてもよく似ていらっしゃいました。フレスコバルディ家のお顔なんですね。

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