|
|
|
|
|
|
|
2012年4月20日 クズマーノ社オーナー ディエゴ氏
クズマーノ社オーナー来日セミナー
|
|
|
|
2000年に設立後、文字通り瞬く間にシチリアを代表する人気ワイナリーになったクズマーノを訪問したのは2005年のこと。
オーナーのディエゴさんとはそのときあまりお話をすることができませんでしたが今回はクズマーノのワイン造りについてゆっくりお話をきくことができました。 |
|
「シチリアワイン」とひとくくりにしていることが問題。特徴の異なるテロワールがいくつも存在する。
|
|
「シチリアワイン」は近年注目されるようになってきましたが、私は「シチリアワイン」と言う呼び方でどんなワインもひとまとめで説明していることに問題があると思っています。ご覧の通りシチリアはとても広いし、場所によって標高差もあります。南のアグリジェントでは7月ぐらいに収穫時期に入りますが、エトナ山だと収穫は10月。3ヶ月もの差があります。
トスカーナだとキャンティクラシコエリア、ブルネッロのエリア、ピエモンテならバローロ、バルバレスコなど、それぞれの地区のアイデンティティがあります。私はシチリアの生産者として消費者の方々に土地の違いを明確に伝える責任があると思っています。 |
|
|
|
3つの地域の特性を生かしたクズマーノのワイン
|
|
クズマーノは「フィクッツァ」「サンジャーコモ」「プレスティ・エ・ペーニ」の3つの地域に畑を所有して、それぞれのテロワールを生かしたワインを造っています。ワインの説明をしながら土地の話もしていきましょう。
※試飲ワインの画像は当時のものとは異なります。 |
|
|
|
|
|
|
アンジンベ |
|
|
フィクッツァにある畑で造っているインツォリアとシャルドネをブレンドしています。
フィクッツァの畑は標高約700mにあって周りは森に囲まれています。高いところでは780mにも達します。これぐらい標高があると冬は雪が降りますし、氷点下になるので、これはエトナ山同様、ブドウ栽培にとって難しい場所です。一方、ブドウはゆるやかに熟していくので酸と糖のバランスを見ながら収穫できるメリットがあります。
アンジンベはインツォリアとシャルドネのブレンドですが、香りはソーヴィニョンを思わせるように華やかで、標高の高さを感じる上品さがあります。 |
|
|
|
ワイン名にも入れたいと考えている「フィクッツァ」の畑 |
|
|
ヤレ シャルドネ |
|
|
ヤレはフィクッツァの畑で造るシャルドネ100%です。畑の周りの森に吹く風がブドウにアロマをもたらし、ハチミツやトロピカルなニュアンスを感じさせます。
私は本当は「ヤレ シャルドネ」と言う名前ではなく、「ヤレ フィクッツァ」という名前にしたい。それだけ、テロワールが重要だと思っているからです。残念ですがフィクッツァはまだまだ無名なので誰にもこのワインが何なのかがわからない。だから今は「ヤレ シャルドネ」にしています。フィクッツァは素晴らしい土地ですが、ここでワインを造っているのは私たちともう1社しかありません。 |
|
|
|
|
|
|
ベヌアーラ |
|
|
シチリアの北西部「プレスティ・エ・ペーニ」の畑で造るネロダーヴォラとシラーのブレンドです。
ここは土の色が黒色で、特に素晴らしいシラーができる土地です。
シチリアならではの力強さ、シチリアの深みが表現されています。 |
|
|
|
クズマーノのメッセージを伝えるネロダーヴォラは「ブテーラ」のもの |
|
|
サガナ ネロ ダーヴォラ |
|
|
ブテーラ「サンジャーコモ」の畑に育つネロダーヴォラ100%で造っています。ここは真っ白い石灰質の土壌で、ネロダーヴォラに最適です。標高400mの位置にあり、官能的でエレガントなタンニンが生まれます。
シチリアの品種として最も重要なネロダーヴォラについて、私たちのスタイルを伝えてくれるのはこの「ブテーラ」のネロダーヴォラです。「プレスティ・エ・ペーニ」のネロダーヴォラは力強さが出ます。それぞれに特徴があるのでどちらが優れているというわけではありませんが、クズマーノとしてのスタイルはブテーラのネロダーヴォラです。 |
|
|
|
|
|
|
ノア |
|
|
ネロダーヴォラ、メルロー、カベルネソーヴィニョンのブレンドです。畑はベヌアーラと同じ「プレスティ・エ・ペーニ」にあります。粘土質でミネラルが豊富で、傲慢なほどに力強いワインができます
国際品種とのブレンドで、モダンで力強さがありますが、逆にサガナほどには上品さはありません。 |
|
|
|
|
■インタビューを終えて |
|
今回、ディエゴさんの話を聞いてシチリアワインの特徴の違いをもっとしっかりとお客様に伝えていかなければならないと痛感しました。
設立10年ちょっとのワイナリーですが、それだけ若い感覚で力強く発展を続けていける力があるのだと思います。
シラー100%の長期熟成タイプのワインを開発中だったり、滅亡してしまった品種の復活に力を入れたりとそのエネルギーに感心しました。広いシチリアに点在して畑を所有してそれぞれのテロワールに適した品種でデイリーに楽しめるラインから、ワインガイドで最高賞をとるようなハイレベルなワインを造り出す。
クズマーノの限界のない挑戦を目の当たりにして、これからの発展に目が離せません。 |
|
|
|
クズマーノのワインはこちら⇒ |
突撃インタビューバックナンバーはこちら⇒ |
|