2011年11月7日 フェッラーリ昼食会

2011/11/07
突撃インタビュー

2011年11月7日 フェッラーリ昼食会

フェッラーリとの記念撮影
▲ フェッラーリ社長マテオさん(右)と醸造責任者ルーベンさん(左)
フェッラーリ社長マテオさんと醸造責任者で今回初来日のルーベンさんにお会いしました

2011年11月7日、来日されたマテオさんとフェッラーリの醸造責任者ルーベンさんに会ってきました!ルーベンさんは20年以上フェッラーリのワインを造り続けていて、『ガンベロロッソ2011』で年間最優秀醸造家に選ばれるほどの名醸造家。キングオブスプマンテと言われるフェッラーリの品質を守り続ける重責を担っているわけですが、素顔はとても穏やかな紳士です。

マテオさんにお目にかかるのはこれでもう4,5回目になるのですが、会った途端に「また会えて嬉しいです。」とにこやかに声をかけて頂いて感動しました!東日本大震災の後、すぐにメッセージを送って頂いたことの感謝の気持ちをお伝えしたのですが、「日本にはたくさんの友人がいて、とても他人事とは思えなかったんです。非常に心配していたのですが、こうしてまた会えたことと、被災された方々が元気に前向きに生きていらっしゃることに感銘を受けました。」とおっしゃっていただきました。

 
フェッラーリが所有するヴィッラマルゴンと畑
フェッラーリが所有するヴィッラマルゴンと畑
 
食事をしながらフェッラーリのワインを飲んでいったのですが、まず前菜に合わせてスティルワインの「ヴィッラ マルゴン」を試飲。スパークリングから始めるのが普通ですが、そこはさすがフェッラーリ。「メトドクラシコ(瓶内二次発酵)はストラクチャーがしっかりしているから、これを飲んだ後に一般的なスティルワインは弱過ぎて飲めない。もっともこのヴィッラマルゴンは長期熟成型の白なので、ペルレのあとでも大丈夫ですが。」とマテオさん。ヴィッラマルゴンを造るシャルドネはフェッラーリが所有する16世紀のヴィラ(別荘)の周辺に広がる畑で栽培。標高の低い畑はヴィッラマルゴンに、高いところの畑はペルレ用になるとのこと。収穫は、良質なスプマンテには欠かせない酸を確保するためにペルレのほうが1ヶ月ほど早く、ヴィッラマルゴンは十分に熟してから収穫しています。
現在リリースされている2008を飲んだのですが、まだまだフレッシュ。そしてエレガントで優美なスタイルとしっかりとした骨格があり、果実感十分。これからさらに熟成させて楽しめるとのことでした。
続いてペルレ2005。しっかりとした酸と果実味、とがったところが全くない、優美でまろやかな飲み心地。実は残糖は4~5g/リットル程度だそうですが、不思議と甘さを感じるのはそのやわらかなスタイルのため。標高750m程度の高い場所にある畑は特に8月には昼夜の寒暖差が大きいためにアロマと酸がしっかり確保され、スプマンテとしての最高の条件が整っています。ペルレは5年間の瓶内熟成を経てデコルジュマンするのですが、デコルジュマン後もさらに長く熟成することで知られています。この2005ヴィンテージのペルレも、まだまだこれから先ますます美味しくなっているに違いありません。

ピノネロ100%で造るペルレネロにも話が及んだのですが、標高450~800mの、ほとんど山の中にある畑のブドウが使われているとのこと。標高差も大きいのでペルレネロ用のブドウの収穫には1ヶ月近くかかるそうです。

  ペルレ2005
そしてリゼルヴァルネッリが登場!これはフェッラーリが初めて造る、第一次発酵を樽で行う唯一のスプマンテ。このプロジェクトは実現までに15年かかったそうですが、これまでとは異なるキャラクターのワインを造る上で、他のワイン同様「フェッラーリのスタイル=優美さ」を表現するために、さまざまな試行錯誤があったそうです。そして、たどり着いたのがその昔、祖父の時代に行っていた樽発酵というところに行きついたのだそう。ステンレスがなかった時代は当然木樽で発酵するしかなかったわけですが、意図したわけではないのに同じ醸造方法になったということでも深い思い入れがある商品になったそうです。
ルネッリという家族の名前を冠したワインをリリースするにあたって、マテオさんもルーベンさんも、その責任の重さをひしひしと感じられたそうで、無事に発売となってほっとしたとのこと。
リゼルヴァルネッリは、しっかりとした食事と一緒にゆっくり楽しんでもらいたい、という思いから、ミラノでのお披露目のときには4人の偉大なシェフが作る料理と一緒にプレゼンテーションしたそうです。
  昔のフェッラーリの樽
▲昔のフェッラーリの樽

現在の樽
▲現在の樽
最後にトスカーナで造るスティルワイン「テウト」。優美なフェッラーリスタイルを守りながらもサンジョヴェーゼの力強さを表現しています。キャンティクラシコエリアとマレンマの間にあるエリアに土地を購入、オーガニック栽培によってワインづくりを実践。
確かに、濃厚さとなめらかな味わいの優美さの両方を感じる、まさにフェッラーリスタイル。「私たちはスプマンテの経験は100年以上ありますが、スティルワインはまだまだ新米。謙虚な気持ちでトスカーナでのワイン造りを始めました。そういう意味でワインの価格も抑え気味にしていますので、ぜひたくさんの方に飲んでいただきたいです。」とマテオさん。

「それと、これは今回初めて話すことなのですが」という前置きでマテオさんが話してくれたのは、なんとフェッラーリが有機栽培に取り組んでいるということ。「5年前からフェッラーリの畑を有機栽培にしていってます。でも、畑の面積が大きく、いっぺんに全部有機にするのは不可能です。徐々に進めていって、今年ようやく95%にまで達することができました。ここまできて、ようやく「有機栽培に取り組んでいます」と発表できるかな、と思ってます。」とのこと。「現在、有機についてのフェッラーリとしての指針を作り、栽培農家たちに順守してもらっています。有機栽培にしていることで畑の風景もかなり変わりました。」。努力を惜しまず、高みを目指すフェッラーリの姿に、またまた感動した時間となりました。

  有機栽培によって雑草が増えた畑
▲有機栽培によって雑草が増えた畑
 
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