2005年7月11日 突撃インタビュー ビービーグラーツ氏

2005/07/11
突撃インタビュー
 
2005年7月11日 ビービーグラーツ氏

彗星のごとく現れたテスタマッタ!

ビービーグラーツ氏
ヴェロネッリでテスタマッタ2001が
イタリア全土第三位のポイント。
ヴィネクスポで、ボルドーワインなどを相手に
堂々の第一位を獲得!
噂のワインの生産者
ビービーグラーツ氏に会ってきました!

ビービーのワイン造りを一言で言えばその独創性&感性

トスカーナでは、フィレンツェから車で5分の地で育ったビービーグラーツ氏は、その土地、ヴィンチリアータで高品質なワインを造ることに燃えていました。その土地で100年以上も、良いぶどうを作ろうとした人はなく、ビービーグラーツ氏がそのテロワールの可能性を信じて始めた最初のイタリア人。

谷間にある畑は、非常に寒暖の差が激しい土地柄で、非常に力強いぶどうを作るのに適しており、現在15haの畑ではサンジョベーゼが70%、カナイオーロ、コロリーノ、モスカートネーロ、マルヴァジアネラを栽培しています。

独創的栽培方法と醸造

醸造中のビービーグラーツ氏古い農家の人に100年前のぶどうの栽培方法を聞く機会に恵まれたビービーグラーツ氏は、100年前に栽培されたその方法を模倣してみようと考えて、ぶどうの木を植えました。こんなに、楽しい取材はありませんでした。
自分の自由な感性を大事にするビービーグラーツさんは、
本当に素敵な方で、とにかくワイン造りを楽しんでいる
芸術家そのものの姿がありました。

毎日が幸福。そんな、彼ののびのびとした様子に
人をひきつける魅力があります

1ヘクタールあたり2万株という、密度の高い植え方。
ぶどうの木は、50cmおきに、1m間隔で植えつけるという、トスカーナの伝統的栽培方法。
春になると、伸びた若い枝を、上の方に3ヶ所結わえて、葉によく日が当たるようにします。
これはとても大変な作業で、12人の作業員で、この作業をしています。このとき収穫は極力抑えるように努力します。
このことにより、非常に力のあるぶどうが生まれます。

テスタマッタの醸造はすべて、新樽内で6時間のマセラシオン。
すべてぶどう品種ごとに、小さな樽で発酵させているため、ワイナリーは、口の開いた樽だらけ、あまり見かけない光景です。
そこでの発酵が終了すると、今度は、樽内での熟成に移ります。
樽熟成16~18ヶ月。瓶内熟成6ヶ月させるのですが、そのおかげでワイナリーは樽だらけ。作業するのにもとても手狭なので、現在新築を検討中なのだとか。

この地域で質の高いワイン造りをしようとすること。
ぶどうの栽培の仕方、発酵のさせ方など、どれをとっても個性的なので、周りの人たちからは変人よばわりされたとか。
他の有名ワイナリーに見られるような、緻密な検証や計算といったものと、氏のワイン造りは一線を画しているようにも、見受けられます。
計算を超えた、鋭い感性と独創性。それがビービーグラーツ氏の大きな力です。

 

最後に、氏の貴重なお時間を頂戴できたので、直接質問してきました!

ビービーグラーツ氏と会談「あの、なぜ、ワイン造りを始めたんですか?実家がワイン造りをしていたんでしょうか?」

「僕は芸術家一家に生まれ育ちました。父は彫刻家です。
私も大学の専攻はアートで、絵画が専門。当初、大学卒業後は祖父の代から所有している敷地内のお城を、結婚式やイベントに貸し出していました。でも、だんだん、そのことに満足できなくなってきたんです。
もっとクリエイティブなことをしたいと思うようになりました。
敷地には昔から、小作してもらっていたブドウ畑があり、このブドウ畑の面倒を見るのが自分の使命突然思ったんです。」

そして、なにも、わからない、ビービーグラーツ氏がたずねたのが、イル・カルボナイオーネで有名な生産者、ヴィットーリオ・フィオーレさん。
彼のワイン作りへの取り組みを見て、ビービーグラーツ氏は

「人生が変わった」

と言っています。ヴィットーリオ・フィオーレさんのアドバイスをうけながら、熱心にぶどう作り、ワイン造りに取り組むことになったわけです。

そしてできたファーストヴィンテージがテスタマッタ2000。

「ヴェロネッリというガイドがあるから、サンプル送ってみるように言われたんだ。
なにも知らずに送ったら、ある日、ヴィットーリオ・フィオーレが95点をとったという知らせを、ファックスしてくれたんだけど。
そのとき、「ん?なんだ95点か」と思ったんだよね。
その点があとで、イタリア全土で第3位であることをしったんだけど、思わず震えちゃった。」

「その後、ヴィネクスポがあると聞いていってみたら、見知らぬネゴシアンが、1本、コンテストがあるから出してみないか?というので、「どうぞどうぞ~。もっていってください」とあげた1本が、なんと、ボルドーを相手になんと、第一位に輝く快挙。もう、わけがわからなかったよ」

ビービーグラーツ氏と会談ビービーグラーツさん本人が語るように、ワインは彼そのものの表現。
だから自分に似ているのだそうで、何でも徹底的にしたい、極端?な性格ゆえ、テスタマッタは徹底した品質を追及したし、とても親しみやすい性格ゆえに広く友達になってもらいたくて、カザマッタを作った。

ワイン造りを、まるで絵の具で絵を描くかのように楽しんでいるビービーグラーツさんは、幸福そのもので、あふれんばかりの世の中のすべてのものに対する愛情が、ワインにも、表現されている。
そんなワインが、彼のワインです。

そういう彼だから、いろいろな幸運をどんどんひきつけて、これからも、そんな風に、このワイナリーは展開していくはず。

このワインを飲むと、幸福と愛が感じられます。

インタビューを終えて
こんなに、楽しい取材はありませんでした。
自分の自由な感性を大事にするビービーグラーツさんは、本当に素敵な方で、とにかくワイン造りを楽しんでいる芸術家そのものの姿がありました。

毎日が幸福。そんな、彼ののびのびとした様子に
人をひきつける魅力があります。

ビービーグラーツ氏と記念写真
ビービー グラーツのワインはこちら⇒
突撃インタビューバックナンバーはこちら⇒