2016年10月25日 ヴィエッティ社 フランチェスコ コルデーロ氏
アルネイス種を見出した最大の立役者でカスティリオーネファレット地区初のクリュバローロ「ロッケ」をリリース!テロワールの美しき表現者「ヴィエッティ」 |
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1800年代後半、初代カルロ ヴィエッティがバローロを代表する村のひとつ、カスティリオーネ ファレットでブドウ栽培を始め、1957年4代目のアルフレード氏が更なる高品質なワイン造りに取り組みました。1961年、この地区で初めて単一畑によるクリュバローロ「バローロ ロッケ」をボトリングしました。また、消滅しかけていた白ブドウ「アルネイス」を改めて見出し、見事に復活させアルネイス単一品種で初めてボトリングし「アルネイスの父」と称賛されています。現在では5代目ルーカ氏に引き継がれ、「テロワールに結びついたワイン造り」を目指しランゲ地区のより明確な特徴を表現するワイン造りに注力しています。輸出部長のフランチェスコ コルデーロ氏にお話を聞きました。 | ||||||||||
単一品種のみをボトリング「テロワールに結びついたワイン造り」 |
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ヴィエッティ社はバローロの11ある村の一つ、カスティリオーネファレットで5代続く生産者です。ピエモンテの土着品種であるネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェット、アルネイスをそれぞれ単一品種のみでボトリングしています。ランゲ地方のより明確な特徴を重要視している為で、「テロワールに結びついたワイン造りを行う』事に注力し、収穫されたブドウは区画毎に醸造、熟成を行っています。現在26名がワイナリーに働いていますが、内18名が栽培に従事している体制で、対外的なマーケンティグよりも常に私たちは畑に力を入れています。 | ||||||||||
ワインは「畑」で産まれる |
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「ワインは畑で産まれるもの」です。つまり、良いブドウがなければ良いワインにはならないという訳です。醸造段階で出来る事は、せいぜいワインの品質を落とさないようにする事くらい。それだけ畑での仕事は重要です。私たちの畑があるクーネオ県ランゲのテロワールは山に囲まれた乾燥した気候です。「冬寒く、夏は暑い」特徴があり、ブドウの収穫期ともなると気候は急速に変わりだします。収穫前の9月は昼がとても暑く、夜になると急激に下がります。2016年を例に挙げますと、昼30度まで上がり、夜は3度で落ち込んだ日がありました。一日で27度も差が起きました。これはブドウにとっては理想的な環境で、好ましいアロマやアントシアニンの形成に必要となります。 | ||||||||||
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3段階の厳しい収量制限による優れたブドウのみを収穫 |
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高品質なブドウを厳しい量制限 畑は現在45ヘクタールで年間300万本のワインを生産していますが、ここ数年は、さらに厳しい収量制限を行っています。ブドウのセレクションは3段階で行われます。7月初旬に適切なブドウのみを残し、次にヴェレゾン期の7月末にもう一度、最後は収穫時に手摘みにより品質の優れたブドウのみを収穫しています。さらに区画ごとに醸造、熟成を行います。毎年80ロットにも細分化して区画による個性を見極めています。そしてヴィエッティが造るクリュ バローロの生産量は少なく、バローロ ロッケ ディ カスティリオーネは3905本(2012年)、バローロ ラヴェッラは5500本(2012年)となっています。 |
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1961年にカスティリオーネ ファレットで初めての単一畑バローロ 「ロッケ」をリリース |
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昔から複数の畑の特徴をブレンドして造る伝統的なバローロを生産していましたが、1961年にこの地区で初めて単一畑による「バローロ ロッケ」をリリースします。同じ年に単一畑をリリースしたのがプルノット社の「バローロ ブッシア」で、これは最初にリリースされた単一畑バローロとされています。
当時の周囲の年長の醸造家からは「複数の畑があってこそバローロ」「単一畑では何も産まれない」「一体何がやりたいんだ?」と笑われたそうです。アルフレード氏は「特別な畑には個性があり、個別に醸造することが重要」と考えていました。その決断は正しいものでした。単一畑によるバローロの初リリースから46年後の2007年ヴィンテージ、ヴィエッティ社のバローロ リゼルヴァ ヴィレッロが『ワインアドヴォケイト』において100点満点を獲得しました。 |
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アルネイス種を見出した最大の立役者「アルネイスの父」と呼ばれる |
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4代目のアルフレード氏はカスティリオーネファレット以外に、ロエロやアスティにも土地を購入しました。新しい場所に新しい品種を植え、様々な試みを行いました。実験を重ねた結果、その内のいくつかは醸造を経てボトリングしました。ネッビオーロの古い呼称のブドウ「シャトゥース」やフレイザといったブドウを現在山の麓で試験栽培をしています。
ネッビオーロの畝から見出した白ブドウ「アルネイス」 アルネイス単一品種100%で初めて醸造した「アルネイスの父」 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
今やアルバを代表する白ワインのアルネイス種を見出し、この地区で初めてクリュバローロ「ロッケ」をリリースさせたヴィエッティ。「テロワールに結びついたワイン造り」とともに、伝統だけにとらわれずに常に「最良」のワイン造りに注力しています。対外的なマーケティングよりも「栽培」を重視するワイナリーの理念が確りと反映されたワインからは驚くべきエレガンスとブドウ本来のピュアでみずみずしく、美しくも力強い味わいが備わっていました。「栽培からセラーまでのプロセスが大切で、ブドウの状態や葉の状態まで細やかにチェックしている」と最後の最後までフランチェスコ氏は栽培の話を伝えて下さいました。見逃す事の出来ないピエモンテの真の実力派です。 | ||||||||||
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アルネイス種を見出した最大の立役者でカスティリオーネファレット地区初のクリュバローロ「ロッケ」をリリース!テロワールの美しき表現者「ヴィエッティ」
2016/10/31