2016年11月8日 D&Pセレツィオーニ社 ドメニコ ディ ルッチョ氏
「バローロのスペシャリスト」ドメニコ ディ ルッチョ氏に聞く多様なテロワールを反映するネッビオーロの魅力 |
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多様なテロワールと数多くの生産者がひしめき合うバローロエリア。世界中から常に注目を浴びるエリアにおいて「バローロのスペシャリスト」と呼ばれる人物がいます。著名なワイン商マルク デ グラツィアの片腕として8年間務め、「エリオ アルターレ」「ドメニコ クレリコ」「アゼリア」「カ デル バイオ」「マッテオ コレッジア」といった高名な生産者を世界に発信する窓口として、イタリア国内外で注目を集めるD&Pセレツィオーニ社のオーナー、ドメニコ ディ ルッチョ氏にバローロやロエロ、エリオアルターレによるバローロのモダン化の歴史、地区によって異なる多様なテロワール、最新の2011年ヴィンテージについてたっぷりとお話を聞きました。 | ||||||||||
少量生産で自然を尊重したワイナリー「真実の造り手」のみを扱う |
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家族経営の少量生産のワイナリーのみを扱う 21年間前、ピエモンテのカナーレにあるこの会社を妻と立ち上げました。住まいもカナーレにあり、妻サラはロエロのマッテオコレッジアで働いています。私たちの会社は家族経営の少量生産のワイナリーのみ扱っています。一般的なエージェントの感覚ではなく、私もカンティーナの一人としての意識で話をするので、信頼関係も厚いです。ですので、ワイナリーは何処でもよいという訳ではなく、「真実の造り手」を選んでいます。つきあっているインポーターもキチンとワインをわかっているインポーターとしか付き合いません。カンティーナの情熱を表現する事をモットーにしています。 出来る限り自然な栽培醸造をしている生産者を選ぶ 素晴らしい仕上がりとなった2011年 |
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バローロボーイズを見出したマルクデグラツィア氏の片腕として活躍 |
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過去にバローロボーイズを見出いしたマルク ディ グラツィア氏と8年間共に働いていました。現在グラツィア氏はシチリアでテヌータ デッレ テッレ ネーレで自然を尊重したワイン造りを行っています。私は当時まだ開拓されていなかったアジアのマーケット担当の仕事をメインにしていました。1998年シンガポールにワインを売りたいとドメニコ クレリコから申し出がありアジア地区を開拓したのがきっかけです。 | ||||||||||
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エリオアルターレらによる革命「バローロのモダン化」 |
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クオリティが重視されない時代が続く 1970年代前まではネッビオーロの強すぎる酸と、青いタンニンが残るバローロが多く見受けられ、飲みにくいバローロが多かったです。つまり生産量のことばかりが重視され、「いかに高品質なワインを造るか」といったクオリティが重視されていない時代が続きました。樽も40年近くも使った栗やサクラの樽で衛生的にも良くなく、それが味わいに反映していました。 エリオアルターレらが革命を興したバローロのモダン化 エリオ アルターレは畑で、ブドウの量を減らしていくこと、綺麗な樽、バリックを使う事を始めました。醗酵の段階で低温温度管理を行いました。しかし、グリーンハーベストで未熟なブドウを捨てる作業に強い抵抗を感じたエリオ、ドメニコクレリコの父は新しいやり方に当初強く反対したそうです。その革命的な手法は他の多くの生産者から支持されました。1978年ヴィンテージはクリュバローロの生産が始まった年で、後にクリュの概念が発生しました。 |
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土地の個性をしっかりと反映する品種「ネッビオーロ」 |
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ワインはテロワールによって成り立つ ラ モッラ地区の土壌とセッラルンガ ダルバの土壌がぶつかり合う場所は渓谷となっていて土壌の性質を分けています。 強く言いたいのは、ワインは土地の個性、テロワールによって成り立っているという事です。バローロに関してはバリックや大樽の違いに注目するだけではなく、ブルゴーニュのように村の違いを理解するほうが重要です。 「品種→生産者→地区」という理解ではなく、「地区→生産者→品種」という理解の順が現代のバローロには適切だと思います。 ネッビオーロは土地の個性を確りと反映するブドウ |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
バローロのスペシャリストによる細やかなテロワールの違いが再認識出来た貴重な機会でした。ルッチョ氏はピエモンテの8社のワイナリーと深い交流を持ちつつも、バローロ全体を俯瞰で捉え、土壌に存在する独自のテロワールの特徴、違いを把握され、細やかに説明してくれました。大樽かバリック、古典派かモダン派かと線引きしがちなバローロですが、現在は土地に根付くテロワールを引き出すことがより重要で、ブルゴーニュのように村やテロワールの特徴を理解する事でまた新たなバローロの魅力が発見出来、とても有意義な時間となりました。 | ||||||||||
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「バローロのスペシャリスト」ドメニコ ディ ルッチョ氏に聞くネッビオーロの魅力
2016/11/22