2016年11月18日 ロダロ社 パオロ ロダロ氏
ブドウ栽培の歴史を守り続けた「フリウリの守護」と讃えられる伝統的生産者 ロダロ |
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ロダロ社はフリウリ東部「白ワインの聖地」とされるコッリ オリエンターリで1500年代から続くロダロ家が1846年に創業したワイナリーです。オーストリア、スロヴェニアに接するフリウリ東部地域では古来オーストリア帝国の貴族達が消費するための文化的なワイン造りが行われてきた歴史を持つ銘醸地です。オーストリアやハンガリーに権力や変化し続ける時代に翻弄され、フリウリから離れていった生産者も多い中でもロダロ家は先祖から受け継いだ土地と伝統を頑なに守り発展させてきました。1960年代以降、高品質イタリアワインの生産地として確固たる地位を築いてきたフリウリですが、ロダロは「フリウリの守護」と讃えられ、この地区のワイン造りの伝統を守りその重要な役割を果たしてきました。ロダロの歴史がフリウリワインの歴史でもあるといっても過言ではありません。6代目でオーナーのパオロ ロダロ氏にお話を聞きました。 | ||||||||||
1846年創業。フリウリワインの伝統と歴史を頑なに守り抜く |
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コッリオリエンターリで1500年代から続くロダロ家が1846年にワイナリーを創業しました。私たちの住むエリアはスロヴェニアとオーストリアに接するフリウリ東部コッリオリエンターリ地区で、その昔ハンガリー、オーストリアに支配されていた時代もあり、翻弄されていた歴史を持ちます。その間この地を離れていく生産者もいましたが、私たちロダロ家は先祖から受け継いだ大切な土地とブドウ栽培の伝統を頑なに守り抜いてきました。
この地域は古来よりオーストリア帝国の貴族達が消費するための文化的なワイン造りが行われてきた歴史を持つ銘醸地です。ロダロは現在私で6代目となります。伝統的な土着品種の栽培を中心に国際品種を植えています。 |
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化学肥料、農薬は一切使用しない有機栽培 |
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畑は全部で50ヘクタール、標高130~180メートルの日当たりと風通しの良い丘陵地にあり、フリウラーノやリボッラジャッラ、希少品種であるピコリットやピニョーロ等の土着品種を栽培しています。農薬や化学肥料は一切使用せず、有機栽培で育てたブドウを丁寧に手摘みで収穫しています。
現在の生産規定では品種表示の85%以上が使用されていれば良いのですが、ロダロでは全て100%単一品種で造りブドウの持つ本来の味わいを表現する事をモットーにしています。2014年は夏に雨が多く、非常に冷涼な気候で困難なヴィンテージとなりました。特に平野部でのフリウラーノの状況はひどいものでしたが、私たちのフリウラーノ、その他土着品種の畑は丘陵地にあり被害を免れました。 |
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コッリオリエンターリを代表する「ポンカ」土壌 |
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コッリ オリエンターリを代表する土壌はポンカと呼ばれ、特に白ワインに適した豊富なミネラルを含む石灰泥灰土とカルシウムを含む差砂石が混ざった水はけの良い混合土壌で、日照条件、気候、風通しが良い気候でローマ時代からワイン造りが行われてきました。コッリオリエンターリでは生産量の70%が白ワインで「白ワインの聖地」と呼ばれていますが、私たちは白と赤の生産比率は約半分ずつで、赤ワイン用の土着品種のレフォスコ ダル ペドゥンコロ ロッソやピニョーロも栽培しています。 | ||||||||||
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■インタビューを終えて | ||||||||||
普段は寡黙に言葉少なく栽培、醸造に打ち込むパオロ ロダロ氏だそうですが、自らの哲学をゆっくりと丁寧に話してくれました。試飲した全てのワインに共通する彫りの深いミネラルとキレのある旨みレベルは非常に高いもので、単一品種での表現とは思えない程の豊かさがありました。特に新たにリリースした熟成白「レヴォルート ディ パオロ ロダロ2010」試飲の時は「今まで経験してきた醸造技術の向こう側にチャレンジしたいと思ったんだ」という言葉が印象的でした。伝統的な名声を得ているロダロですが、常に挑戦を続けるストイックな姿勢、強い心と行動力がヒシヒシと伝わってきました。今回が初来日だったそうで、「昨日は鮮魚の刺身と天ぷらを楽しんだが、私の造ったソーヴィニョンは他にどんな日本料理が合うのか?」と代表的な和食のマリアージュのみにとどまらず、日本料理との深い相性を知りたいと気持ちの高さ、エノロゴでありながらも実際に日本でワインを楽しむシーンまで頭に描こうとする姿勢に驚かされました。今後さらなる進化を続けていく見逃せないワイナリーだと思います。 | ||||||||||
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「フリウリの守護」と讃えられる伝統的生産者 ロダロ
2016/12/28