2017年2月9日 イ ジュスティ エ ザンツァ社 パオロ エドアルド ジュスティ氏
銘醸メドックを彷彿させるボルゲリ北部の素晴らしいテロワールを見事に表現!「イ ジュスティ エ ザンツァ」 |
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銘醸ボルドーメドック地区と類似する気候を有するボルゲリ北部「ファウリア」でキャンティやブルネッロとは違う新しいトスカーナワインの可能性を追求しているイ ジュスティ エ ザンツァ。1995年にワイナリーをスタートさせ、100点満点エノロゴであるステファノ キオッチョリ氏を招聘し全て手摘み収穫、ビオロジック農法を行う徹底した拘りとポリシーで瞬く間に数多くの一流レストランにオンリストされ、様々なワインジャーナリストから高い評価を得ています。ワイン名にはドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」の登場人物に由来、イタリア工業デザインの巨匠によるラべルデザインで「芸術とワインの融合」された魅力の詰まったラインナップで毎年素晴らしいワインを造りだしています。オーナーであるパオロ エドアルド ジュスティ氏にお話を聞きました。 | ||||||||||
父ブルーノから引き継がれたワイン造りへの情熱 |
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父のブルーノがワインをとても愛した人で自身でもワインを造る程の人物でした。私も幼い頃から収穫の手伝いをしていた事もあり、ワインへの興味が芽生えてきました。
建築の仕事からワイン造りへ |
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ボルドーメドック地区と類似する気候ボルゲリ北部「ファウリア」砂質土壌から産まれる |
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私たちのワイナリーはボルゲリから北に40キロにある「ファウリア」にあります。海沿いの街リヴォルノから10キロ程離れています。畑は標高100メートルでなだらかな丘陵地帯にあり、ボルゲリよりも冷涼で海からの影響を受ける気候となっています。現在35ヘクタール所有していますが、内ブドウ畑は17ヘクタールです。例年年間10万本のワインを生産します。その内赤ワインは90%、白ワインが10%です。この地の特徴と呼べる砂利が混じる砂質が中心の酸性土壌です。ですので、水はけがとても良い畑です。この点はボルドーのメドックと類似する特徴と言えます。ボルゲリは粘土質が強くメルローやカベルネフランに適していますが、「ファウリア」は砂質中心でサンジョヴェーゼやカベルネ ソーヴィニョン、シラーに適した土壌と言えます。乾燥した気候と海から吹く海風のおかげで暑い年でも気温が上がり過ぎずブドウは耐える事が出来ます。 | ||||||||||
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密植度の高い畑から高品質なワインが造られる |
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最高のワインを造るためにワインアドヴォケイト100点を獲得したトゥアリータでもおなじみの栽培醸造両分野のエキスパートであるステファノ キオッチョリ氏を招聘します。キオッチョリ氏の指揮のもと「密植度の高い畑からは高品質なワインが造られる」との信念から、1ヘクタールあたり1万本以上の高密植栽培を行っています。完熟したブドウを全て手摘みで作業します。
有機農法に転換し独自の工夫を凝らしたワイン造り エレガントでバランスの良い「フィネス」を持つワイン |
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芸術とワインの融合 |
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ワイン名のNemorino(ネモリーノ)、Belcore(ベルコーレ)、Dulcamara(デュルカマーラ)はガエターノ ドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」に登場する中心人物の名前に由来しています。ネモリーノは登場する主人公の青年の名前で、Belcore(ベルコーレ)は主人公の青年の恋敵である軍曹の名前、デュルカマーラは劇中で「愛の妙薬」を売る薬売りの名前です。ラベルデザインは戦後イタリア工業デザインに対する世界的評価を高めた巨匠で、オリヴェッティ社のデザイナーとしても活躍した故エットーレ・ソットサス氏(1917-2007)によるラベルデザインで芸術のワインの融合がなされています。 | ||||||||||
イ ジュスティ エ ザンツァを代表するシラー100%「ペルブルーノ」 |
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シラー100%のペルブルーノは父ブルーノに捧げるものとして「PER BRUNO(ブルーノのために)」と名付けられました。設立当時ザンツァ氏と父ブルーノ、私の3人で苦労を重ねながらワインを造ってきました。その後、まだまだ品質も売上も安定しないうちにザンツァ氏がワイナリーから去り、その数年後、父ブルーノ氏が病に倒れて亡くなります。ちょうどその頃2003年に初めてリリースされたのがこのシラー。ワインには「この羽根は落ちないよ!」という父への父へのメッセージが添えられています。フランスのローヌ地方のシラー「コートロティ」がイメージにあります。濃密な果実感とスパイシーさがありながら酸は高めでフィネスを求めたスタイルを目指しています。
年産300本!伝統的スタイルにこだわったサンジョヴェーゼ100%のスーパトスカン トップキュヴェ「デュルカマーラ」 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
試飲の後はパオロ氏と創作和食のお店でイ ジュスティ エ ザンツァのワインを楽しみました。来日後初めての和食だったそうで、出される料理にも興味津々の様子でした。だし巻き卵と「ネモリーノ ビアンコ」白の相性も素晴らしく抜群でした。牡蠣と菜の花の辛子和えを食べて、少し驚かれていた様子。こちらにも白がとても良く合いましたが、ネモリーノロッソも意外と好相性で驚きました。辛み成分がマッチしたのでしょうか。会話も弾み、明日が朝から大阪に向かうとの事。とても物静かな印象のパオロ氏ですが、日本全国を駆け回り自身のワインを紹介したいという情熱がヒシヒシと伝わってきました。ファウリアの地にしっかりと根付いたブドウの溢れんばかりの生命力。厳しいとされるヴィンテージでもしっかりと見事なワインとなっています。高い品質を求めるパオロ氏の拘りが光る素晴らしい味わいでした。 | ||||||||||
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ボルゲリ北部の素晴らしいテロワールを見事に表現!「イ ジュスティ エ ザンツァ」
2017/02/16