2017年9月21日 フェッラーリ社 ルネッリファミリー
イタリアンスパークリングワインを牽引するフェッラーリ社が主催するFerrari Trentodoc Camp 2017(フェッラーリ トレントDocキャンプ2017)参加レポート・・・Part 2 |
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Ferrari Trentodoc Camp(フェッラーリ トレントDOCキャンプ 以下、フェッラーリキャンプと記載)は、「キング オブ スプマンテ」として知られるフェッラーリ社が、世界各国のワイン業界関係者(インポーター、酒販店、ソムリエ、ジャーナリスト等)を対象に開催しているプロモーション活動のひとつ。2017年9月、7回目となるフェッラーリキャンプに参加するためにトレンティーノ アルト アディジェ州のトレントに行ってきました。
Part1に続き、今回は2日目の午後に行われた実験的試飲の様子と、ルネッリファミリーが手掛けるスパークリングではない(つまりスティルワイン)の紹介についてレポートします。 |
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フェッラーリのワインはソフトプレスによって最初に得られた「モストフィオーレ」だけを使用 |
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モストはいずれも2017年収穫分。2017年は例年に比べて非常に暑い年だったため収穫も早く行われました(私たちが訪れた9月の下旬には畑にはブドウは全く残っていませんでした)。このモストは1週間前に搾ったものを冷蔵保存していたものです。シャルドネ、そしてピノネロ、さらにロゼ用のピノネロのモスト。フェッラーリのワインになるモストはいわゆる「モストフィオーレ(第1セレクション)」だけです。ソフトプレスによって得られるのは全体の60%ほどです。残りをもう一度プレスしたセカンドのモストは他社へ販売します。
シャルドネのモストは48時間タンクに入れ、自然にデキャンタージュします。そうしてモストが透明になったら発酵が始まります。ピノネロは、白ワイン用にするものは、梗にもブドウの重要な要素がありますので除梗せずにソフトプレスを行います。一方、ロゼ用のピノネロはプレスは非常にデリケートな作業が必要となるので除梗します。 ゆっくりと1次発酵を行ってできたベースのワインは翌年の1月頃までステンレスタンクに保管します。バトナージュの回数はヴィンテージによります。自然にマロラクティック発酵が始まるまで続けます。その後、使用するキュヴェを決め、ブレンドし、3月頃からティラージュを始めます。 |
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ノンドサージュとドサージュ。フェッラーリの新たな試み |
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フェッラーリのワインはこれまでドサージュで造っていますが、今回は実験的にノンドサージュ(すべて昨日の朝デゴルジュマンしたもの)と、現在リリースしている通常のボトル(2015年にデゴルジュマンしたもの)を比較試飲しました。
試飲したワインは、ノンドサージュが①マキシムブリュット、②ペルレ2011、③ペルレロゼ2011、④ペルレネロ2009、⑤リゼルヴァルネッリ2008、⑥ジュリオフェッラーリ2006。そして通常のワインが①ペルレ2007、②ペルレロゼ2007、③ペルレネロ2006、④ジュリオフェッラーリ2004です。 ノンドサージュは当然ながら全てが残糖値がほとんどない辛口です。しっかりとした酸とエレガントな果実味が際立つ、上質なエキストラブリュット、という印象。特にペルレネロはピノネロの持つ力強い骨格がより一層引き立っていたように感じました。 そして、ノンドサージュの後に飲んだ通常のラインは、ひとつひとつにワインとしての旨味を強く感じました。今回の比較では個人的にはドサージュをして造る通常ラインのほうが好きですが、商品として今後リリースされていくであろうノンドサージュのフェッラーリのワインの完成形を見たくなりました。 |
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醸造家ルカ ダットーマ氏を迎え、ルネッリファミリーがトスカーナとウンブリアで手掛けるスティルワイン |
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2日目(9月21日)のディナーはトレントを象徴する歴史的建造物、Castello del Buonconsiglio(カステッロ デル ブオンコンシーリオ)で開かれました。この夜の主役はルネッリファミリーが手掛けるスティルワインです。
フェッラーリ社は全てが有機栽培で行っていますが、それはトスカーナの「テヌータ ポデルノーヴォ」と、ウンブリアの「テヌータ カステルブオーノ」でも同様で、オーガニックと生物多様性の保存という哲学でワイン造りに取り組んでいます。 テヌータ ポデルノーヴォがあるのは、斜塔で有名なピサの近くのテリッチョーラという土地。ワイン産地としての知名度はありませんが、ルネッリファミリーは「歴史や名声のある場所ではなく、新しい場所でチャレンジしたい」という情熱からこの土地を選びました。200万年前は海だったため、非常にミネラルが豊富なリッチな土壌です。土の中から貝の化石が多く出てきたことから、貝殻をデザインしたロゴマークになっています。
カンティーナの設計は有名な彫刻家であるアルナルド ポモドーロ氏に依頼しました。ポモドーロ氏とは、トレントのフェッラーリのワイナリーにも彼に依頼した作品があるなど、古くからの友人です。私たちはこのカンティーナのことを「カラパーチェ(甲羅)」と名付けました。 2015年からは有機栽培によりいっそう力を入れるため、醸造コンサルタントとしてルカダットーマ氏を迎えました。 |
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トレンティーノの郷土料理をメインに、テヌーテルネッリのスティルワインを楽しむディナー |
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ディナーはトレンティーノの郷土料理「カネーデルリ(テンティングラーナチーズ入り)」、「ベニソンのポレンタ添え(ストーロ村産)」、「チョコレートプリン」。今回も夕食前のアペリティーヴォに何種類ものフィンガーディッシュが用意されていたのでややお腹いっぱい気味でディナーがスタートしました。
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■インタビューを終えて | ||||||||||
2日目(9月21日)の午後のプログラムが終了しました。フェッラーリのモスト(果汁)を試飲したのはもちろん初めて。特に、シャルドネのモストがピノネロに比べてとても甘かったのが印象的でした。モストという、いわばフェッラーリの品質の源を私たちに知ってもらいたいという熱意を感じました。
ノンドサージュとの実験的な比較試飲も驚きの体験でした。そして、フェッラーリキャンプの終了後、ほどなくしてフェッラーリ社初となるノンドサージュワイン「ペルレ ゼロ」のお披露目のニュースが飛び込んできました。早く飲みたいです。 そして、1日中、スパークリングワインと向き合った後、夜はルネッリファミリーが造るスティルワインを堪能しました。醸造コンサルタントにルカダットーマ氏も同席してのディナーで一緒に写真を撮らせていただきました。 それにしても、ディナー会場にトレントの歴史的建造物であるカステッロデルブオンコンシーリオを使うなんて、本当に洒落ていますよね。 |
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テヌータ マルゴン (ルネッリ)のワインはこちら⇒ | ||||||||||
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テヌータ カステルブオーノ (ルネッリ)のワインはこちら⇒ | ||||||||||
フェッラーリ トレントDocキャンプ2017参加レポートPart 3はこちら⇒ | ||||||||||
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フェッラーリ トレントDOCキャンプ2017 参加レポートPART 2
2017/10/16