2018年4月27日 アレグリーニ社 サヴェリオ デ ルカ氏
歴史に名を刻む2つの偉大なトスカーナ!名門アレグリーニの強い情熱から産まれたボルゲリ「ポッジョ アル テゾーロ」とブルネッロ「サン ポーロ」 |
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『ガンベロロッソ』で通算31回の最高賞トレビッキエリ(歴代5位)と「ワイナリー オブ ザ イヤー」2016を受賞で、「イタリア屈指のアマローネ」と最高評価を得るアレグリーニ社。2001年にトスカーナ「ボルゲリ」、2007年に「モンタルチーノ」に土地、ワイナリーを購入したマリリーザ アレグリーニ女史。新たな地で、新しい品種による挑戦にも関わらず、『デカンター』2017年最優秀トスカーナの栄誉に輝いた別格のスーパートスカン「ソンドライア」、『デカンター』ブルネッロ特集で最高得点96点(2010ヴィンテージ)を叩き出した「サンポーロ」等、歴史に名を刻む偉大なワインを次々と産み出しています。アレグリーニの素晴らしさが光る2つのワイナリーについて、エリアマネージャーのサヴェリオ デ ルカ氏にお話を聞きました。 | ||||||||||
サッシカイア、オルネッライアと並び合う絶好の畑「ポッジョアルテゾーロ」 |
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ボルゲリ「ポッジョ アル テゾーロ」、モンタルチーノ「サン ポーロ」を購入 アレグリーニは現在4つワイナリーを所有しています。「アレグリーニ」と同じヴェネトで新しい歴史を持つ「コルテジャーラ」、トスカーナ州ボルゲリ地区に「ポッジョ アル テゾーロ」(2001年購入)、モンタルチーノ地区に「サン ポーロ」(2007年購入)しました。 それではまず「ポッジョ アル テゾーロ」からお話をしましょう。 ボルゲリで5番目に大きなワイナリー ボルゲリの中でも5番目に大きなワイナリーとなっています。トップはアンティノリ、続いてオルネッライア、サッシカイア、ガヤ、そして私達「ポッジョ アル テゾーロ」です。 サッシカイア、オルネッライアと並び合う絶好の場所 ポッジョ アル テゾーロはサッシカイア、オルネッライアと並び合うボルゲリの中でも絶好の場所にあります。私達にとっても非常に重要な畑です。なぜなら私達は「ボルゲリの中で最高品質のワインを造りたい」からです。 栽培責任者ウォルターの突然の訃報 家族の悲しみを乗り越えて迎えた「ポッジョアルテゾーロ」 |
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カベルネフラン100%で造る亡きウォルターに捧げたワイン「デディカート ア ウォルター」 ポッジョアルテゾーロでは白、ロゼ、赤3種を造っています。最も重要なワインはカベルネフラン100%で造る亡きウォルターに捧げたワイン「デディカート ア ウォルター」です。本当に少量しかボトリングしていません。2012ヴィンテージが『ガンベロロッソ』最高賞トレビッキエリ、2013ヴィンテージが『ジェームズサックリング』で2017年の「イタリアワインTOP100」に選出され、96点のハイスコアを出しています。 Q.アレグリーニが所有する4つのワイナリーそれぞれにエノロゴがいるのですか? ヴェネトのアレグリーニとコルテジャーラはマリリーザの兄弟の一人、フランコ アレグリーニが担当しています。ポッジョ アル テゾーロにはフランコの教え子ロレンツォ氏が、サンポーロにはリカルド フラットン氏が務めています。 100点満点エノロゴ「ルカダットーマ」がコンサルタントを務める スーパートスカン「パレオロッソ」も手掛ける ボルゲリでカベルネフラン100%は「パレオロッソ」と「デディカート ア ウォルター」のみ! Q.レマッキオーレのパレオロッソの畑とは近いですか? |
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WA最高得点白&『デカンター』2017年最優秀トスカーナ赤「ソンドライア」 |
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サッシカイアのブドウが最初に植えられた畑と程近いヴェルメンティーノ100%白「ソロソーレ」 「ポッジョアルテゾーロ」では白ワインも造っています。ボルゲリ産ヴェルメンティーノ100%のワイン「ソロソーレ」です。「太陽のみ」という意味があり、ボルゲリの日照条件の良さを示した名前となっています。ヴェルメンティーノの畑は海から3キロしか離れていない砂質の土壌です。畑のすぐ近くにはサッシカイアが運営する乗馬場と、サッシカイアのブドウが最初に植えられた歴史的な畑があります。 「サッシカイア伝説の始まり」とされる馬に愛情を注いだマリオ インチーザ デッラ ロケッタ侯爵の興味深いエピソード 「フランス人だけが良いカベルネ、メルローでワインを造っていると思わないでくれ」 1960年代の事だったのですが、この事がボルゲリの輝かしいワインの歴史が始まった瞬間です。それから約40年後の2001年にマリリーザ アレグリーニがポッジョ アル テゾーロを購入しボルゲリに新しいワインの歴史を造りました。 『ワインアドヴォケイト』でイタリア白ワインの中で最も高得点の92点を獲得した「ソロ ソーレ」 涼しい夜中に収穫を行う「ナイトハーベスト」 収穫した畑からカンティーナに運ぶ間にも気を配ります。氷を入れた箱を使い、運搬中に起きるブドウの急な温度変化を避けています。カンティーナに届いたブドウはまず、5度に保たれた冷蔵室に入れてから醸造に入ります。ブドウのフレッシュさ、香りや味わいを失わないように冷却された状態を維持して醸造に持っていきます。 10年以上の熟成にも向く 『デカンター』2017年最優秀トスカーナ赤「ソンドライア」 様々なスーパートスカン、ブルネッロなどがトスカーナからリリースされていますが、その中で『デカンター』の頂点に輝きました。私達にとってはとても重要な意味のある受賞で、サンポーロはまだ若いワイナリーであること、そしてここ何年間で評価が上がってきている中での最優秀トスカーナ赤の受賞だからです。 「オルネッライアのカベルネフランを使用」 小さな区画毎に別々に醸造し、別々にブレンド 通常のワイン造りで考えられない70パターンもの樽を使用 |
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モンタルチーノ南東部に購入した「サンポーロ」 |
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続いて、2007年にモンタルチーノに購入した「サンポーロ」についてお話しましょう。
モンタルチーノ南東部22ヘクタールのオーガニック栽培の小さな畑 カンティーナをあえて地下に建設。美しい景観と自然を最大限配慮した造り ブルネッロ南部でありながら、ワインに上質な酸と複雑性を与える「標高の高さ」 イタリアワインの歴史の中でも3人のみ!『ワインスペクテーター』の表紙を飾るアレグリーニ ここに書かれている内容はアレグリーニの誕生からのストーリー、ボルゲリ、モンタルチーノでの挑戦に至るまでが綴られています。 「情熱さえあるのなら何だって出来る事を知った」 |
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2014年のブルネッロは生産量僅か5000本!例年の90%減までして高い品質を保つ |
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ロッソ2014年とブルネッロ2012年 ロッソ ディ モンタルチーノ2014年です。サンジョヴェーゼの非常にエレガントな香りです。バリック樽とトノー樽で1年間木樽熟成をしています。規定によりロッソ ディ モンタルチーノは収穫した翌々年の1月1日以降でしか販売が出来ません。2014年あれば2016年の1月1日以降のリリースになります。 サンジョヴェーゼは私の故郷(トスカーナ)のワインですので落ち着きますね。サンジョヴェーゼで成長したようなものですから(笑)。本当に小さかった頃、田舎に住んでいた僕のおばあちゃんが、一切れのパンにサンジョヴェーゼのワインとお砂糖をかけて食べていたのを覚えていますよ。 Q.2014年のブルネッロは造っていますか? 例年であれば5万本ブルネッロを造っていますが、2014年は1/10の5000本しかボトリングしませんでした。通常ブルネッロに使うブドウの大半をロッソに廻したので2014年のロッソは例年より品質が高い仕上がりとなっています。2014年はブドウの選別が必要な厳しいヴィンテージだったので、ブルネッロのブドウをロッソ廻してとはいえ、ロッソの本数は例年も比べ少しだけ多い仕上がりにしかなりませんでした。 続いてはブルネッロ ディ モンタルチーノ2012年です。ブルネッロは収穫した5年後のリリースが規定として決められています。リゼルヴァは更に1年長いです。リゼルヴァは良い年にしか造りません。近年でリゼルヴァを造った年は2010、2012、2013年です。2013年は来年の1月以降のリリースとなります。 畑には2001年、1991年に植樹したサンジョヴェーゼを使用しています。つまり2007年にワイナリーを購入した時にはサンジョヴェーゼが既に植えられていた状態となります。ロッソ以上に複雑な香りです。力強くタンニンもしっかりと感じられます。今でも楽しめますが。長期熟成も期待できます。 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
全く隙が無く、緻密で美しい豊かさを持つボルゲリ「ポッジョアルテゾーロ」、クラシカルなサンジョヴェーゼの優美さが光るブルネッロ「サンポーロ」の素晴らしさに圧倒させられたインタビューとなりました。アレグリーニは元来ヴェネトでアマローネ、パラッツォ デッラ トッレで名を馳せる生産者。「ボルゲリ」と「モンタルチーノ」ではどうなのか?という考えはものの見事に吹き飛びました。むしろ全てにおいてトップクラスの味わいが感じられました。
トップクラスのフリウリ白を彷彿させる美しいミネラルの「ソロソーレ」。抜栓直後から艶やかな深みを魅せる「ソンドライア」。フレッシュさと目の詰まった旨みが心地よく広がる「ロッソ」、力強い果実感がありながら美しいベールを一枚纏ったかのような極めて滑らかなタッチがジワリと胸に染みる「ブルネッロ」。 『ワインスペクテーター』誌で「飲み手に喜んでもらおうとする情熱さえあるのなら何だって出来る」と語るマリリーザ女史の突き抜けた情熱が見事に表現された素晴らしいテイスティングとなりました。 お話を聞いたエリアマネージャー、サヴェリオ氏はトスカーナのフィレンッェ出身の32歳。印象的だったのが、試飲中に「サンジョヴェーゼは私の故郷のワインですので落ち着きますね。サンジョヴェーゼで成長したようなものですから。本当に小さかった頃、田舎に住んでいた僕のおばあちゃんが、一切れのパンにサンジョヴェーゼのワインとお砂糖をかけて食べていたのを覚えています」と、いかにもイタリアらしい「土地」、「ワイン」、「人」の強い結びつきを嬉しそうに話してくれました。 |
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名門アレグリーニの強い情熱から産まれたボルゲリ「ポッジョ アル テゾーロ」とブルネッロ「サン ポーロ」
2018/05/18