2018年5月23日 テヌータ ディ ビセルノ社 ニコロ フィニツォーラ氏
オルネッライア、マッセートを産み出したアンティノリ伯爵が実現させた新たなスーパートスカン「テヌータ ディ ビセルノ」 |
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「テヌータ ディ ビセルノ」はイタリア最高峰のワインと称される伝説的ワイン「オルネッライア」と「マッセート」を産み出した名門アンティノリ家のロドヴィコ アンティノリ伯爵が「新しい伝説」を実現させたプロジェクトです。トップキュヴェのスーパートスカン「ロドヴィコ」はヨーロッパで既に生産量の10倍のオーダーが入る等、市場では垂涎の的となり、新たなアイコンワインとして既に入手困難なプレミアムワインとなっています。世界最高評価で絶対的存在に築き上げた「オルネッライア」「マッセート」を売ってまでロドヴィコ伯爵が無名の地「ビッボーナ」で挑戦を続ける偉大なワイン造り、伯爵が歴史に名を刻むスーパートスカンを産み出してきた独自の哲学についてテヌータ ディ ビセルノ社のニコロ フィニツォーラ氏にお話を聞きました。 | ||||||||||
テヌータ ディ ビセルノ社 ニコロ フィニツォーラ氏 |
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テヌータ ディ ビセルノ社 マーケティング&ホスピタリティマネージャー ニコロ フィニツォーラ氏 1977年トスカーナ、モンテカティーニ テルメでホテル業を営む家に生まれる。 ホスピタリティとファインダイニングに傾倒し、1995年よりフォーシーズンズホテルにて勤務。 その後コンシェルジュ、フロント、フード&ビバレッジマネージャーとして数々のホテルで経験を経て5つ星ホテル、ファインダイニング、ファインワインの世界で造詣を深める。 サヴォイホテル(フィレンツェ)、バウアーホテル(ヴェニス)、ローズウッドホテル(ニューヨーク、ロンドン)、フォーシーズンズホテル(ミラノ、ロンドン)等 ホテルマンとして、またニコロのパーソナリティに惚れ込んだロドヴィコアンティノリ伯爵によってテヌータディビセルノにヘッドハントされ2015年より現職に就く。ワインの他、料理、旅行、写真が趣味。 |
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「オルネッライア」「マッセート」を産み出したアンティノリ伯爵が実現させた最後の伝説 |
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「オルネッライア」「マッセート」を産み出したアンティノリ伯爵が実現させた最後の伝説 今回初めて日本に来ることが出来ました。テヌータ ディ ビセルノの当主ロドヴィコ アンティノリ(75歳)の兄はトスカーナの名門、アンティノリ家26代目現当主ピエロアンティノリ伯爵です。ロドヴィコ伯爵はこれまでにイタリア最高峰のワインと称される伝説的スーパートスカン「オルネッライア」と「マッセート」を生み出し一世を風靡しました。しかしながら1999年にスーパートスカン「オルネッライア」を売却し、2000年にピエロ伯爵と「自身の最後で最高の夢」として兄弟で新たに「テヌータ ディ ビセルノ」を設立しました。 「マッセート」の土壌にも通じる偉大な畑で新たにカベルネフラン種に挑戦 テヌータ ディ ビセルノの畑は地中海から吹くミネラルを多く含む海風により気温が上がり過ぎず、出来上がるワインもエレガントで調和のとれたスタイルになります。この土地はサン テミリオンとポムロールの特徴を併せ持つ、メルロー種の超高級ワイン「マッセート」の土壌に通じるものがありながら、ロドヴィコはカベルネフラン種の栽培に可能性を見出し、これまでには行っていなかったカベルネフランを主体としたワイン造りを行うことを決断します。ボルゲリの地から生み出してきた伝説的ワイン「オルネッライア」「マッセート」と同様、ボルドースタイルに傾倒しながらも、カベルネフランに可能性を見出した新たな挑戦と言えます。 シンデレラワインを産み出す天才「ミシェル ロラン」をコンサルタントに迎える コンサルタントには「オルネライア」や「マッセート」を一緒に産み出し、フランスの「シャトー ル パン」や「シャトークリネ」、カリフォルニアの「ハーランエステート」等、無名だったワインを一躍高級ワインに引き上げた「シンデレラワイン」を次々産み出した天才ミシェル ロラン氏。長年のロドヴィコ伯爵と友人でもあったロラン氏はこの申し出を快諾します。 女性醸造家エレナ リンドバーグ女史 |
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オルネッライアが有名になる前と売れ方と似ているトップキュヴェ「ロドヴィコ」 |
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# ボルゲリとキャンティ地区の間にアンティノリ家が所有していた古城「ビセルノ」 「オルネッライアが有名になる前の売れ方と似ている」 ヨーロッパでは既にアイコンワインとして認知。トップキュヴェ「ロドヴィゴ」 「マッセート」が3万3000本生産に対し、「ロドヴィコ」は僅か5000~1万本 また本数が限られているワインだという事も影響しています。著名な画家が100枚しか描かなかったリトグラフのようなもので、そういったものには非常に価値があると思います。「マッセート」が3万3000本生産に対し、「ロドヴィコ」は僅か5000~1万本となっています。 生産量に対してほぼ10倍のリクエスト!既に市場では垂涎の的 |
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「天才的な創造力」に富むロドヴィコアンティノリ伯爵 |
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Q.世界的なアイコンワインを次々と産み出すロドヴィコアンティノリ伯爵はどのような方ですか?
まず「天才的な創造力」に富んだ方である事が言えます。DNAの中に書き込まれているような「生まれ持った資質」と言えるでしょう。先を読む才能がある人でもあります。しかし基本的に伯爵は「自分で飲みたいワインを造ってきただけの事」と言います。「オルネッライア」「マッセート」「ロドヴィゴ」のワイン造りの根底にもしっかりと流れています。 「これまでに無かった新しいものを造りだしたい」 ニュージランドでもワイナリーを所有していて、そこではソーヴィニョンブランを栽培しています。トスカーナの小さな造り手が、ニュージランドでワイン造りを行うのは普通では考えつかないようなアイデアだと思うのですが、伯爵の天才的な発想によるものが大きいと思います。 Q.どうして「オルネッライア」、「マッセート」売却してまで新しいワイナリーを立ち上げたのですか? 「オルネッライアを超える新たなワインを造る」 「オルネッライア」初ヴィンテージ1985年から僅か15年程で最高評価を得た伯爵は「最高地点に達し、後は下がっていくだけでは」という思いに駆られたのと同時に、「オルネッライアを超える新たなワインを造る」という新たな想いが産まれました。 折しもモンダヴィから「オルネッライア」に破格のオファーが舞い込む 同じ場所にはとどまらない芸術家、アーティストのような側面を持ち合わせるロドヴィコ伯爵 |
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歴史を変え、新たな現実を造り続ける「スーパートスカンの持つ力」 |
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歴史を変え、新たな現実を造り続ける「スーパートスカンの持つ力」 現在は昔とは状況が変わっていて、サッシカイアしか無かった1960年代後半に比べるとボルゲリも非常に有名なワイン産地となりました。今や生産者も非常に増え、年々ボルゲリ全体のクオリティが上がってきています。今後のますます価値が上がっていくそんな可能性のあるワインが産まれるエリアだと思います。サッシカイアの古いヴィンテージなどは著名なフランスワイン、「ペトリュス」「シュヴァルブラン」と並びオークションで高値で取引されています。歴史を変え、新たな現実を造り続けるスーパートスカンの持つ「力」みたいなものがこのエリアにはあると思います。 ビッボーナの畑はボルゲリDOCとはどのくらい離れていますか? ボルゲリから約1キロ半くらいですね。土壌特性はボルゲリと同じです。標高や土壌構成のちょっとした差はありますがほぼ共通した特徴があります。実のところ、私達はボルゲリDOCには興味がありません。ボルゲリとは違う質のワインを追求しているからです。 無名のワイン産地「ビッボーナ」を伯爵が選んだ訳 ロドヴィコ伯爵はナンバーワンのパイオニア精神を持っています。誰もいない場所に一人でやってきて、素晴らしいワインを造る。他の生産者はあとからやってきました。つい最近ではテヌータ ディ ビセルノの畑の直下にガヤ(カマルカンダ)が5ヘクタールの畑(賃貸畑)でワインを造り始めました。 ワイン造りの中にこそ、伯爵のプレゼンス(存在意義)がある 「情熱」と「仕事」が伯爵の中で双方が一致している。伯爵はお金があるから良いワインが造れると考える方もいらっしゃるかも知れません、しかし仮にお金があっとしても「情熱」と「仕事」のどちらかでも欠けていたら(伯爵は)幸せではなかっただろうし、両方があってこそ「フェリチタ」(幸せ)を感じる事が出来ていると思います。 伯爵は120%ワインに情熱を注ぎこんでいます。例えば、高級スキーリゾートに行くと、必ず伯爵の友人や仲間が居て一緒にテヌータディビセルノのワインを飲んでいる。ドイツの自動車メーカー「アウディ」の社長もロドヴィコ伯爵の友人です。伯爵にとって「遊び」も「仕事」もイコールで、全てが一体となった究極のライフスタイルなのです。 Q.伯爵自身の名前が付けられたトップキュヴェ「ロドヴィゴ」について、エピソードがあれば教えて下さい。 このワインがリリースされる前の事です。伯爵がラベルデザイン、ワインの名前をどうしようかと考えていた所、友人でアルピナBMWの社長であるボーフェンジーペン氏がワインを試飲して「素晴らしいワインだね。このワインがリリースされたら生産量の半分は僕が買うよ。これは何という名前のワイン?」聞かれ、伯爵は「まだ名前は決まっていないが、畑の特徴の「ヴィーニャノルド」(北向きの畑)にしようと思っているのだけど」と。 「そのワインを買うから小切手に好きな金額を書いて構わないよ」 (ボーフェンジーペン氏はアルピナBMWとは別にワインの輸入販売会社も行っていて、テヌータディビセルノのワインは勿論、オルネッライア、マッセートも販売しています) テヌータ ディ ビセルノとミシュラン1つ星「ハインツベック」の素晴らしい料理とのマリアージュ インタビューの前日5月22日は丸の内にあるミシュラン東京2018で1つ星のリストランテ「ハインツベック」さんでニコロ氏とテヌータ ディ ビセルノのワインでディナーを楽しみました。力強くも滑らかでバランスのとれたビセルノのワインと「ハインツベック」さんの非常に美しい盛り付けの芸術的な6皿のメニュー。ビセルノのワインが持つ力強くも完成された美しいハーモニーとハインツベックさんの素晴らしい料理とのマリアージュを体感することが出来ました。 秘めた味わいの深さを見事に引き出したダブルデカンタ―ジュ |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
「オルネッライア」、「マッセート」で世界最高のワインを産み出した稀代の天才「ロドヴィコアンティノリ伯爵」が新たに始めた「テヌータ ディ ビセルノ」は想像を遥かに超える偉大で深い味わいに驚かされました。トップキュヴェ「ロドヴィコ」の生産量はあの「マッセート」の半分以下。既にヨーロッパを代表するアイコンワインとして生産量の10倍のオーダーが殺到しているようです。
オルネッライア、マッセートという世界最高評価の絶対的な存在がありながら、そこに安住することなくきっぱりと新しいチャレンジを行う伯爵の凄さ。天才的な先を読む力と類まれなセンスは75歳になった今も全く衰え知らずのようです。畑から醸造まで、ひいてはニコロ氏とモスクワへセールスに飛ぶ等、世界中にテヌータ ディ ビセルノを精力的に発信をしています。 既に入手が難しくなりつつある「ロドヴィコ」。シンデレラワイン「オルネッライア」、「マッセート」が歩んできた「成功への系譜」を確実に踏襲していく事でしょう。ロドヴィコ伯爵の新しい伝説を目の当たりに出来る今だからこそ、購入しておきたい世界屈指のお宝ワインです。 |
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アンティノリ伯爵が実現させた新たなスーパートスカン「テヌータ ディ ビセルノ」
2018/06/15