2018年6月11日 フォルミージネ ペデモンターナ社 アレッサンドロ サティン氏
『ベーレベーネ』で国を代表するお買い得ランブルスコの栄誉に輝く!
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カンティーナ フォルミージネ ペデモンターナはエミリアロマーニャ州のモデナで1920年に設立した100年近くランブルスコを造り続ける生産者協同組合。良心的な価格ながら、ガンベロロッソが発行するお買い得ワインガイド『ベーレベーネ』2010年版にて最も栄誉ある賞「プレーミ クアリタ プレッツォ ナツィオナーリ」(国を代表するお買い得ワイン賞)を「ロッソ フォスコ」が獲得。ランブルスコではイタリア国内外に知れ渡るコストパフォーマンスが素晴らしい実力派です。地元の方へ量り売り販売も行う等、モデナの土地に根ざした良心的なカンティーナです。輸出マネージャーのアレッサンドロ サティン氏にお話を聞きました。 | ||||||||||
「ユネスコ世界遺産」エミリアロマーニャ州「モデナ」にあるワイナリー |
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エミリアロマーニャ州「モデナ」にあるワイナリー 今日はお時間をいただきありがとうございます。東京は今回で2回目になります。 私達「フォルミージネ ペデモンターナ」はトスカーナ州の北に位置するエミリアロマーニャ州のモデナにあるワイナリーです。 モデナは農作物に適した環境が揃っています。モデナで造られる名の知れた物を挙げるとバルサミコ酢、パルミジャーノレッジャーノチーズ、サラミ、プロシュート、そして私達が造っている「ランブルスコ」。フリッツァンテ(弱発泡性)のワインで知られたエリアとなっています。 モデナの街について語る時は「食べる」、「飲む」だけではありません。モデナの持つ文化、ストーリーを語らずにはいられません。 先ずモデナ自体がユネスコ世界遺産に認定されている街である事、他にもイタリアの宝として誇れるものがありまして、その一つが「フェッラーリ」ですね。フェッラーリの博物館もあります。そのフェッラーリ博物館から10キロ程離れた凄く近い場所に私達のカンティーナはあります。そして音楽からは20世紀後半を代表するテノール歌手「ルチアーノ パバロッティ氏」(1935~2007)がモデナの出身です。それだけの魅力に富む土地で造られるワインがランブルスコなのです。 |
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49名の栽培農家から始まった生産者協同組合 |
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それではカンティーナの歴史についてお話しましょう。1920年に49名の栽培農家達が一緒になって出来た生産者協同組合です。現在では380の組合員がブドウ栽培を行っています。組合員の畑はトータルで約600ヘクタールで、1人の組合員が広くても2ヘクタールの畑を管理しています。 ワイナリーにとって主要なワインがDOC「ランブルスコ グラスパロッサ ディ カステルヴェトロ」です。ワイナリーが醸造する80%がランブルスコ グラスパロッサ種になります。私達は20種類のワインを造り、年間の総生産量は約120万本になります。 |
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地元でこよなく愛される量り売りランブルスコ |
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カンティーナにショップを併設。量り売りでランブルスコを購入 ワインの販売先は地元のレストランから海外輸出まで行っています。カンティーナにショップもあってワイン販売も行っています。特に地元のお客様に愛されていて、皆さん車にワイン用の大きな容器(ダミジャーナ)を積んできて、量り売りでランブルスコを購入しています。タンクからホースを伸ばして、車の中の容器に入れる。その様子はガソリンスタンドの様ですね。年の初め1~3月辺りに量り売りをしています Q.量り売りで買うお客様のランブルスコは発泡しているのですか? 量り売りのワインで買ったタイミングでは1~3月の冬シーズンなので酵母の活動も鈍くまだ発泡していません。ランブルスコを買って、それぞれのご自宅で栓をして置いておくと瓶の中で2次醗酵が始まり、時間を経て結果的にフリッツァンテ(弱発泡)になります。このエリアでは伝統的にこの方式でランブルスコの量り売りを行っています。結局のところ、糖分が残った醗酵前の状態なので品質に特に問題がありません。糖分が残っている分アルコール度数的には低く、大体9%程でしょうか。醗酵によって1.5%程度上昇するかと思います。 買って飲んでいる方は、購入後直ぐに飲みつつも、発泡するまで待たれる方も多いかと思います。発泡した方が美味しいですから。 例えば、とある家族が1年間で100本のワイン(75リットル)を飲むとします。その家族は75リットルの量り売りを購入していく訳です。1年を通してそのワインを飲んでいくので、全て醗酵するまで待っているという訳ではありません。もし、それでも飲むワインが無くなったとしたら、きっと私達がボトリングして販売しているワインを買ってくれると良いのですが(笑) Q.量り売りランブルスコを買う方が持ち込む容器の大きさはどれくらいですか? 28リットル容器はざらにあると思いますよ。1~3月にカンティーナに来て下されば、多くの方がやってきてワインを積めて帰る光景を見る事が出来ますよ。私達だけではなくこのエリアの殆どのワイナリーが量り売りは行っていると思います。 2006年に最新設備にリニューアル |
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モデナ周辺で造られる3つのDOCランブルスコ |
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モデナ周辺で造られる3つのDOC イタリアの中でもモデナ周辺のDOCワインはとても長い名前になります。 ランブルスコ グラスパロッサ ディ カステルヴェトロDOCはモデナの南部にある限定された場所となります。私達のカンティーナがある場所です。モデナの北部にはランブルスコサラミーノ ディ サンタクローチェがあり、中部にはランブルスコ ディ ソルバーラがあり、南部にランブルスコ グラスパロッサ ディ カステルヴェトロとなります。 私達のカンティーナがあるカステルヴェトロの畑は平野から丘になる場所に広がっています。少しだけソルバーラDOCにもブドウを栽培していますが、ほぼカステルヴェトロのエリアでワインを造っています。私達の組合員達の畑もカステルヴェトロの南西部、平野から丘にかけて多いですね。 一口にランブルスコと言っても、モデナの周辺でどのようなDOCに分かれ、ブドウ品種も異なっているかをかお分かり頂ければと思います。 北部:DOCランブルスコサラミーノ ディ サンタクローチェ 中部:DOCランブルスコ ディ ソルバーラ 南部:DOCランブルスコ グラスパロッサ ディ カステルヴェトロ ※最も生産量が多いランブルスコはレッジョエミリア県で造るDOCランブルスコ レッジャーノ。アマービレ(半甘口)、ドルチェ(甘口)が多く大量に輸入されています。 |
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『ベーレベーネ』2010で「国を代表するお買い得ワイン賞」獲得の辛口ランブルスコ! |
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『ベーレベーネ』2010で「国を代表するお買い得ワイン賞」獲得!辛口ランブルスコ「ロッソフォスコ」 ロッソフォスコは『ガンベロロッソ』が発行するお買い得ワインガイド『ベーレベーネ』2010年版にて最も栄誉ある賞「プレーミ クアリタ プレッツォ ナツィオナーリ」(国を代表するお買い得ワイン賞)を獲得しました。 「ロッソフォスコ」はグラスパロッサ カステル ヴェトロ種100%のワインです。辛口で仕上げたタイプで残糖は1リットル当たり10グラムとなります。完熟した優しい果実のアロマ、泡も細やかで心地よい風味の広がりがあります。タンニンも滑らかで嫌味がなく素直に美味しい辛口ランブルスコです。 「土地」「人々」「人生」へのオマージュ「パッシオーネ」 有機栽培で造られたブドウのみを使っています。DOCはランブルスコ グラスパロッサ ディ カステルヴェトロとなります。このワインは3つパッション(情熱)の意味を込めて造ったワインとなります。1つ目のパッションは「土地への愛」、2つ目は「人への愛」、3つ目は「人生への愛」を込めています。 「どのラベルが入っているか?ある種の楽しみ」 Q.「パッシオーネ」は味わいがとても柔らかく感じます。 味わいに濃密感、ボディもありながらフレッシュさを失っていません。「パッシオーネ」は有機栽培の力強いブドウを使っている事、マロラクティック醗酵を行っている事で、味わいがより柔らかく感じられるのではと思います。一方マロラクティック醗酵をしない「ロッソ フォスコ」からはスッキリとしたシャープさがあります。「パッシオーネ」からは円やかで柔らかい酸を感じて頂けるのではと思います。それに付随して、ガス圧は2.5バール、残糖度が12グラム/1リットル。「ロッソ フォスコ」(3バール、10グラム/1リットル)に比べるとやや控えめです。ほんの僅かなガス圧、残糖度の差により、「パッシオーネ」の上品な柔らかさが感じられると思います。 Q.収穫から醸造までランブルスコの生産のサイクルについて教えて下さい。 エミリアロマーニャ州の一般的なワイナリーでは例年9月にブドウを収穫、11月までには醗酵まで終わらせてボトリングをする。この流れが一般的です。例えば、10月にランブルスコを買いに来たお客様がいたとしたら、当然ながら新しいランブルスコは手に入らない訳です。その前にボトリングしたランブルスコを買う事になるのですが、瓶詰してから9カ月以上も経っています。 これは極普通の事のように思えますが、私達のカンティーナではそのような造りはしていません。収穫後、果汁にした後に一次醗酵させないで低温で果汁を大きなステンレスタンクで管理します。管理温度はほぼ0度。フレッシュな果汁が長期間保つことが出来ます。 私達は注文が入ったら、その量に応じてフレッシュな果汁を使い醸造する事が出来るので、例えば「8月に出荷しなければならない」という場合でも新鮮なランブルスコを提供する事が可能です。どんなに長くとも、ボトリングから数えて2カ月以内にはランブルスコを輸出しています。裏ラベルやコルクに瓶詰めのロット番号が記されているので、いつボトリングしたのかが、直ぐに分かるようになっています。 果汁をランブルスコにするのは勿論、もう一つ、ノンアルコールのブドウジュースも造っています。ブドウジュースには有機栽培で育てたグラスパロッサ種を使っています。 Q.フレッシュさにとても拘る製法ですね。凄い量の果汁を蓄えているのですね。このような造り方は他の生産者も行っていますか? そうですね。私達のカンティーナは「ワインがいっぱいある」という状況ではなくて、「果汁がいっぱいある」という状況です。(このような製法は)他の生産者ではあまり見かけませんね。これはランブルスコの生命線でもある「フレッシュさ」を出来る限り楽しめるように行っている事で、勿論キャンティやバローロ等ではこのような製法はやるのはナンセンスです。 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
量り売り販売のランブルスコの話はこれまで聞いたことが無かったので、こちらも新しい発見の連続でした。自宅で醗酵を待って飲まれるランブルスコ。どんな味なんだろうかと、ついつい想像してしまいます。
フォルミージネ ペデモンターナは自分達のランブルスコの魅力について、「ランブルスコは酸が綺麗な品種で発泡ワインには最適。海外でも95%以上が甘口のランブルスコばかりですが、伝統的なクラシックな味わいのランブルスコを世に広めていきたい。勿論コストパフォーマンスが優れているのが大前提で」と意欲的です。 『ベーレベーネ』2010で「国を代表するお買い得ワイン賞」獲得の辛口ランブルスコ「ロッソ フォスコ」はスッキリしたドライなスタイルのながら、充実した果実の厚みと豊かな風味、粗さやブレのない緻密な味わい。良い意味でランブルスコの概念を変える完成度の高さ。1000円台で買える価格にカンティーナの「良心」を感じます。肩肘はらずに最高品質が楽しめる素晴らしいランブルスコです。 有機栽培で造られるランブルスコ「パッシオーネ」は角のない柔らかな丸みのある味わいが素晴らしく、こちらも価格を超える素晴らしさ。造り手の有機栽培へ思いが詰まった白眉の出来映え。「高くはなくとも、しっかりと喜びが詰まっている」そんな心温まる魅力に満ちたランブルスコ。是非多くの方に試して頂きたいワインです。 |
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『ベーレベーネ』最高評価!極上コスパランブルスコ「フォルミージネ ペデモンターナ」
2018/06/25