2018年7月4日 フェルゲッティーナ社 ラウラ ガッティさん
名門ベッラヴィスタの名声を築き上げた「匠」ロベルト ガッティ氏の比類なき拘りが産み出す群を抜くエレガンスと深み!最高峰フランチャコルタ「フェルゲッティーナ」 |
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フェルゲッティーナ社は名門「ベッラヴィスタ」で18年栽培・醸造責任者を務め、一躍トップ生産者に押し上げたフランチャコルタを知り尽くした「匠」ロベルト ガッティ氏が1991年に立ち上げた家族経営のワイナリーです。収穫したブドウを半分に厳選し、更に35%の一番搾りしか使わない贅沢な選別、全てのキュヴェにおいて規定を遥かに超える長期熟成をかける強い拘りから産まれるフランチャコルタは驚くほどの上品さ、深み、群を抜く澄み切った味わいはワインのプロフェッショナルからも高く評価されています。スタンダードキュヴェが日経新聞「何でもランキング」スパークリング第2位(2016年6月)に輝き、「泡の立ち上り方がきめ細やかで味わいのバランスが素晴らしい」と近年世界的に益々評価を高めるフェルゲッティーナ社のラウラ ガッティさんに比類なきフェルゲッティーナ社の拘りについてじっくりとお話を聞きました。 | ||||||||||
名門「ベッラヴィスタ」でフランチャコルタの名声を築き上げた職人 |
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1991年に設立した家族経営のワイナリー フェルゲッティーナ社は父ロベルトが1991年に設立した家族経営のワイナリーです。母、父、弟、私の4名でワイン造りを行っています。家族でやっていますので、畑作業からこうして日本に来て皆さんとお会いする事まで、ワインに関する全ての事を私達家族で行っています。 「フェルゲッティーナ」とはこの土地の古い地図に記された地名です。歴史こそ浅いですが、父はフランチャコルタの名門「ベッラヴィスタ」で20年近く栽培兼醸造責任者を務めていました。 ~ロベルト ガッティ氏~ 名門「ベッラヴィスタ」でフランチャコルタの名声を築き上げた職人 無口で働き者で、「頑固職人」を絵に描いたような性格。生まれも育ちもフランチャコルタ、そして仕事もフランチャコルタという根っからの地元人。 23歳で、著名なフランチャコルタの生産者「ベッラヴィスタ」で醸造、栽培の責任者に抜擢され、家族でベッラヴィスタに住み込みながら、およそ18年間、その高い品質と名声を築き、そして支えてきた経歴を誇ります。彼をなくして今のベッラヴィスタの品質、名声は考えられない程重要な人物。 フランチャコルタ歴は50年を超える長い経験になり、フランチャコルタというワイン自体の、瓶内2次醗酵を始めてからの経験、歴史がそれ程ない頃から、彼は自身の経験と勘、そして自分の舌を信じてここまできました。自社のワイナリーだけでなく、フランチャコルタ地区の礎を築いたともいえます。 ハードワークで無口な職人、人見知り。ゆえに、ワイナリーも販促物、PRなどマーケティングはあまりうまくないこだわりの生産者といえますが、「良い年は誰でも良いワインを造ることが出来る。しかし、フェルゲッティーナでは困難といわれるヴィンテージでも、良年に引けをとらない良いワインを造ることができ、それに対して絶対の自信がある。」と愚直なまでに高い品質を追求する信念の持ち主です。ロベルトガッティの長い経験と実力によって産み出されるフェルゲッティーナ社のフランチャコルタは驚くほどの上品さ、澄み切った味わいが感じられます。 |
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氷河が侵食して出来た「冷たい水がめ」イゼオ湖 |
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イタリアで初めて瓶内二次醗酵スプマンテに定められたエリア Q.ワイナリーの場所はどのあたりですか? 氷河が侵食して出来たイゼオ湖 フランチャコルタは地質学的にも注目されています。この場所は氷河によって形成された場所にあり、北側に位置するイゼオ湖は氷河が侵食して産まれた湖です。水深200メートルを超える深さがあり、南にモンテオルファノ山、東にオーリオ川、西にはコムーネの地理的表示の終わりで、四方を囲まれた場所にあります。 「小さなエリアに畑がギュッと詰まっている、そんなイメージでしょうか」 フランチャコルタエリア内でも土壌特性は大きく分けて10種類にも分けられます 非常に特殊性のある土壌であると思います。フランチャコルタエリア内でも土壌特性は大きく分けて10種類にも分けられる多様性があります。フェルゲッティーナ社では11コムーネ内に広がる土壌特性に富む200ヘクタールに広がる90もの畑を持っています。場所場所で微気候が発生し出来上がるブドウのキャラクターにも違いが産まれます。 来週にはブドウはヴェレゾン期を迎えます。7月前半から中旬ですね。天候、病気も気になります。昨年2016年は非常に難しい年で「3重苦」のヴィンテージでした。早霜、干ばつ、収穫量減となりました。フランチャコルタのみならずイタリア全体でも4割程生産量が減ってしまった影響をうけたヴィンテージとなりました。他の生産者はワインの価格も上がりましたが、私達は長期的な視点に立ち、価格は据え置きにしました。今年良い天候である事に期待しています。 |
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「土地を借りて自分が全て面倒を見る」それが父の考え |
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Q.フランチャコルタ全体の3000ヘクタール中、200ヘクタールを所有しているのですか?
そうですね。フランチャコルタ全体の約7%の畑を私達は所有しています。畑の広さから考えると大きな生産者と思われますが、実際生産されるブドウの半分は売っているので、生産量としては約40万本で規模的には中規模クラスでしょうか。自社用にボトリングする100ヘクタールの畑の内、大体70~80%の畑はいつも決まって収穫、醸造を行っています。残り20~30%はヴィンテージに応じて選り分けていきます。 Q.畑は自社畑ですか? 「土地を借りて自分が全て面倒を見る」 「畑を借りる」となると、皆さんは既に出来上がった畑を借りるというイメージを持つ方もいらっしゃるとも思いますが、父ロベルトは出来上がった畑ではなく、まだ開拓されていない土地そのものを借りていました。つまり、借りている畑であっても、全て自分で選んだクローンのブドウを植えて栽培~醸造、熟成までを行っているのです。父はゼロからワイン造りを始めて今に至るのです。 「土地を借りて自分が全て面倒を見る」それが父の考えで、現在自社畑は約30ヘクタール、借りている畑は170ヘクタールですが、全て私達フェルゲッティーナ社が管理しています。土地の賃貸契約は最小でも30年契約となっていて、とても長いスパンで畑を管理しています。 「人件費、栽培コストがかかったとしても、良いフランチャコルタを自分達の手で造る」 |
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収穫したブドウは厳選して半分のみを使用! |
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収穫したブドウは半分のみを使用!ブドウの出来に応じて良い畑を選んでいける優位性 収穫したブドウは最終的に半分に当たる100ヘクタールのブドウを厳選してフェルゲッティーナ社のフランチャコルタを造ります。残り半分をスティルワイン、量り売り用、他社にブドウを卸しています。私達の強みはバラエティに富む畑があり、ブドウの出来に応じて良い畑を選んでいける優位性がある事です。 「何が出来るだろう」とより良い方向へ常に挑戦を続ける父 フランチャコルタの場合、畑を借りて、ブドウを植えて少なくとも4年の歳月はかかるし、醸造、熟成まで入れるとトータルで10年近く出荷までかかるフランチャコルタもあります。設備投資金額もかかりますし、経営的にも着実性がないといけないのです。そんな父は起業家と言うよりは伝統的な職人タイプの人間でしょうか。 父がベッラヴィスタで醸造責任者を務めていた頃、折しもフランチャコルタが世界的に有名になっていく時期と重なりました。フランチャコルタ地元の人は皆、フランチャコルタを知り尽くした職人としての父の仕事ぶりを知っています。そうした人望から、ワイナリー創業の際に畑をつかってくれないかという話もきました。 |
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全体の僅か35%の一番果汁だけを使用! |
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Q.収穫した後、醸造の部分でこだわっているところは何ですか? 全体の僅か35%の一番果汁のみを使用! 最上のモストが産み出す透明感、上質な果実味と酸 Q.キュヴェの選別で気を付けている事はありますか? 「酸の質」「根底にある余韻の長さ」が重要 強制的に家業を継げとも父から言われたことはありませんでしたが、私達は小さい頃から父ロベルトの背中を見て育ってきました。自然とフランチャコルタ造りに向かっていったと言えます。後継ぎ問題で困っているワイナリーも少なくありません。父は今年65歳(1953年生まれ)で14、15歳の頃から祖父について畑仕事をしていました。ワイン造りに50年も携わっているのです。ワイナリーの歴史こそ30年もありませんが、父は最前線でフランチャコルタにおける歴史をつぶさにみてきたと言っても過言ではないでしょね。 Q.(試飲して)どのキュヴェも非常に柔らかい味わいで丸みがあります。スタンダードも含めて全てのキュヴェが単一ヴィンテージと聞きました。ブレンド用のリザーブワインは使わないのですか? 「毎年天候は異なるのに、毎年同じようなフランチャコルタを造るのか?」という事です。ヴィンテージの個性、たとえそれが小さな個性であったとしても、それも大切にしています。ヴィンテージを問わずワインの個性を横並びにしてしまう事は私達のポリシーではありません。 ヴィンテージが違えども目指すところは、フィネスやエレガンスです。綺麗さ、純粋さ、上品さを追求しています。どのキュヴェにもこのようなコンセプトの下に造られています。先程お話したどのようなブドウを選別していくのかにも繋がります。 「最高の熟成美を表現したい」72ヶ月熟成エクストラ ブリュット 1000日以上の熟成を行うミッレディ 長期間の酵母との接触でより高い効果を得るボトル形状を開発 通常の円形のボトルに比べ、ミッレディのボトルを横置きにすると、平面に酵母が広がっていきます。液体と酵母が接触する面積が通常の円形ボトルに比べて2.5倍以上にも広がります。同じ3年の熟成期間でもミッレディは酵母との接触が増やすことを目的に開発したのがこのデザインのボトルです。 この酵母接触の拡大とボトルデザインの研究は弟のマッテオがミラノ大学農学部醸造過程の卒業テーマとなりました。実際にテーマを発表し大学を卒業、その後ミッレディとして製品化されました。このデザインはヨーロッパとアメリカでは特許を取っています。 日本の旬の素材とのマリアージュ 特にサテン2013ヴィンテージは乾杯からバーニャカウダと抜群の相性でした。幅広く食事と楽しめるサテンの使い勝手の良さを再確認しました。 パ ド セ リゼルヴァ 2009は完熟した果実の風味、滑らかさ、上質な酸が美しい調和を成していて、鮎のグリルととても楽しめました。ラウラさんは「パ ドセは補糖をしていません。フランチャコルタでは補糖をしていないキュヴェに「パ ド セ」、「ノンドザート」、「ドサージュゼロ」の表記が使えますと話してくれました。現在では天然資源であるコルクの確保が問題となっていてワインの品質ともに重要な問題となっているとも話してくれました。 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
収穫したブドウを半分に厳選し、更に35%の一番搾りしか使わず、スタンダードキュヴェであっても単一ヴィンテージ100%のブドウにこだわり、規定を遥かに超える長期熟成をかける他の追随を許さない拘りを持つフェルゲッティーナのフランチャコルタからは驚くほどの上品さ、深みがありながらも群を抜く澄み切った味わいが感じられました。
「ベッラヴィスタ」を一躍トップ生産者に押し上げた偉大な父ロベルト ガッティ氏の揺るぎない拘りが全てのボトルにおいて見事に表現されていました。キュヴェ毎のキャラクターがハッキリと分かれているのも魅力的です。特にフランチャコルタ ロゼはピノネロ100%使った贅沢な味わい。前菜から肉料理まで1本で通せる味わいの豊かさがあります。 「私達が造る全てのフランチャコルタには区別がなく、どれも本当に良いものを目指して造っています。ブリュットもエクストラ ブリュットも、キュヴェは違えども、収穫されるブドウのコストやボトルをはじめとした資材の価格、その他諸経費はどのワインも同じです。違うのは熟成にかかる保管コストだけなんです。」 他の生産者が舌を巻く圧倒的な品質の高さがありながらも、こんなところにも正直さを隠さないおおらかさ。フェルゲッティーナのワインは、企業的カンティーナには無い、「良いワインを造りたい」という純粋な心を持った家族愛がギュッと詰まっています。トップ級の生産者でありながらも家族経営の良心的な価格、胸をすくような清らかさと素晴らしい深みを備えたフェルゲッティーナ。是非多くの方に飲んで頂きたいフランチャコルタです。 |
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比類なき拘りが産み出す群を抜くエレガンスと深み!最高峰フランチャコルタ「フェルゲッティーナ」
2018/07/12