これぞ「北のサッシカイア」ジャコモタキスが惚れ込んだ「テヌータ サンレオナルド」

2018/07/26
突撃インタビュー
 
2018年7月17日 アントニオ ラ ヴィスタ氏

これぞ「北のサッシカイア」!力強さとエレガンスに富む美しい味わい!ジャコモタキスが惚れ込んだトレンティーノ「テヌータ サンレオナルド」

ボトル画像
「北のサッシカイア」と呼ばれ、イタリア国内外のトップレストランで絶大な支持を得る国際品種ブレンドによるトップキュヴェ「サンレオナルド」。ワイナリーのテヌータ サンレオナルドは北部イタリア、トレンティーノの南端ラガリーナ渓谷で、300年変わらぬ情熱でワイン造りを行っているゴンザーガ侯爵家によって運営されています。偉大なスーパートスカン「サッシカイア」、「ティニャネロ」を産み出した伝説のエノロゴ、ジャコモタキス氏が「フィレンツェより北には行かない」という氏のポリシーを曲げてまで例外的にコンサルタントを引き受けた素晴らしい実力を持つワイナリーです。1982年に初リリースした「サンレオナルド」は比類なきスタイルエレガンスと力強さで『ガンベロロッソ』最高賞の常連となっています。以降『ビベンダ』2006ではイタリア最優秀ワイナリーに選出される等、長い歴史の伝統を受け継いだブレる事の無い偉大なワイン造りを実践しています。2005~2007年までワイナリーの販売戦略の陣頭指揮をとっていたアントニオ ラ ヴィスタ氏にお話を聞きました。

300年変わらぬ情熱でワイン造りを行っているグエリエリ ゴンザーガ侯爵家

畑大

トレンティーノでも比類なきスタイルを守り続けるエレガントでバランスのとれた味わい
地図「テヌータ サン レオナルド」はブドウ栽培において長い歴史をもつトレンティーノの南端ラガリーナ渓谷で、300年変わらぬ情熱でワイン造りを行っているグエリエリ ゴンザーガ侯爵家によって運営されています。そのルーツを中世のマントヴァにまで溯る由緒正しい侯爵家です。

テヌータ サン レオナルドは、17世紀後半にグレスティ修道院から所有畑の管理を任された侯爵家が、後にその畑の購入とともに修道院の跡地に設立したワイナリーで、以来、現在に至るまで300年近く同じ家系に受け継がれており、トレンティーノでも比類なきスタイルを守り続けています。『ビベンダ』2006ではイタリア最優秀ワイナリーに選ばれ、イタリア国内外において絶大な支持を得ています。

トレンティーノでも色素の濃い高品質のワインが造られるエリア

サンレオナルド垂直トレンティーノでもとりわけ色素の濃い高品質のワインが造られるエリア
カンティーナはトレンティーノの南、ヴェネト州よりの場所にあります。ガルダ湖からも近く、微気候をもつ特殊なエリアとなっています。

私がサン レオナルドにいたのは2005~2007年です。私が「サンレオナルド」に入ったきっかけは、どれだけ良いワインを造ったとしても、なかなか売れない時代が続いていました。良いワインを欲する顧客が見つからず、手伝って欲しいと頼まれた事に始まります。

 

 

カンティーナ

僅か25ヘクタールの畑から産まれる珠玉のワイン
「テヌータ サンレオナルド」は300ヘクタール以上の土地を所有していますが、ブドウ畑の総面積は僅か25ヘクタールのみです。そのため畑の手入れは実に念入りに行われています。

標高150~200メートルにあり、低い方の小石の多い土壌にはメルロ、高い方の砂地の中性土壌にカベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン、カルメネーレなどを栽培。カルメネーレは19世紀後半から、メルロやカベルネソーヴィニヨンも20世紀初頭(フィロキセラの再建時期)から植えられています。

この地域はかつて「カンピ サルニ」と呼ばれ、西暦900年頃からブドウ樹が植えられていた歴史の古いエリアで、独特のテロワールを持つことが広く認識されていました。白亜、粘土質の水はけが良く痩せた土壌、河に沿って砂礫が堆積した河岸段丘などが特徴で、トレンティーノでもとりわけ高レベルのアントシアニンを含むワイン、すなわち色素の濃い高品質のワインが造られるエリアです。

 

「北のサッシカイア」と称されるトップキュヴェ「サンレオナルド」

ゴンザーガ侯爵「カルロ グエリエリ ゴンザーガ侯爵」

1938年生まれ。現在の「テヌータ サンレオナルド」のスタイルを確立した人物で、現在のワイナリーを牽引するアンセルモの父。スイスで自ら醸造学を学び、1960年代にはボルドーのシャトーや、近しい付き合いのあったロケッタ侯爵が所有するテヌータ サン グイド(サッシカイア)でもコンサルタントとして活躍するほどの実力の持主。

1972年にワイナリーに戻り、品質向上の為トレンティーノ地方の伝統的なペルゴラ仕立からギュイヨ仕立へと転換を図り、「テヌータ サン レオナルド」は劇的な進化を遂げています。

1984年には、当時アンティノリでコンサルタントを務めていたジャコモ タキス氏を招き、信念をもってボルドー品種を栽培し、比類なきスタイルを守り続けてきました。

ボトル2本「北のサッシカイア」と称されるトップキュヴェ「サンレオナルド」
1982年にリリースした「北のサッシカイア」と称されるトップキュヴェ「サンレオナルド」は『ガンベロロッソ』1992で最高賞トレビッキエリを獲得、それ以降イタリア国内外を問わず、不動の名声を築きあげています。2000年からはタキス氏の推薦によりカルロ フェリーニ氏をコンサルタントに迎え、現在もこの地を牽引する素晴らしいワイン造りを行っています。

継ぎ目のない滑らかさと深遠で非常に長く続く味わい
『ワインアドヴォケイト』95点(2010ヴィンテージ)

 

サンレオナルド1本
「サンレオナルドは2009ヴィンテージは生産されなかった。2010ヴィンテージは(カベルネソーヴィニョン、カルメネール、メルローのブレンド)この収穫年における最高の出来映えを示した継ぎ目のない実に洗練されたワインである。深遠で非常に長く続く味わいがあり、スパイス、レザー、タバコ、ミネラルに富む石のニュアンスが寄り添うダークフルーツのアロマが開いている。現時点では非常に若々しいがリッチで酸とストラクチャーのハッキリとした素晴らしい素性を備えている。熟成により確実に向上していく事は明白だ。実にゴージャスな仕上がりのサンレオナルドだ」

国際品種を使用しながらも、決して重くなく、エレガントで絹のようなタンニン、バランスのとれた味わいがサン・レオナルド ワインの真髄。最新の設備に頼ることなく、熟練された職人の手と経験による伝統的な方法でワイン造りを行っています。

サッシカイアの産みの親!伝説のエノロゴ「ジャコモ タキス」

ジャコモタキスサッシカイアの産みの親!伝説のエノロゴ「ジャコモ タキス」

アンティノリ社をはじめとする様々なワイナリーでコンサルタントを務め、サッシカイア、
ティニャネロ、ソライアの醸造に携わった伝説のエノロゴ(2016年2月8日82歳で逝去)。

「スーパートスカンの父」と呼ばれ、オルネッライア、ソレンゴ等数々の銘酒を世に送り出す。晩年はサルデーニャの土着品種の可能性に目をつけ、カリニャーノ種主体で造る「テッレブルーネ」を産みだす。

「温暖な土地、青い空と太陽が好きだからフィレンツェより北には行かない。」という氏が例外的に「テヌータ サンレオナルド」のコンサルタントを引き受け、1985年から1999年まで、醸造プロセスとブレンドの組み合わせにおける重要な局面で、ワイナリーの発展に貢献してきました。

最高レベルのイタリアワインとして名を馳せる「サンレオナルド」

サンレオナルド1982イタリアにおけるクラシック
な国際品種ブレンドワイン

1968年にサッシカイア、次いで1971年ティニャネロ、1982年にサンレオナルドがファーストヴィンテージをリリースしました。その後にオルネッライアが続いていきます。サンレオナルドは国際品種ブレンドのなかでは、クラシック(初期)ワインといえます。

メルロは1900年代初頭(フィロキセラの再建時期)、カベルネソーヴィニヨンは1978年からこの地域に植えられており、
これらの品種で伝統的にワインが造られてきた為、サンレオナルドにとっては土着品種、クラシック品種として捉えてられています。

また、1800年代後半にフランスから持ち込んだカルメネーレがマッサルセレクションにより今も現存しています。カルメネーレは全ての赤ワインにブレンドされ、サンレオナルドの味わいのキーとなっています。

アントニオラヴィスタ氏「サンレオナルド」の哲学、目指すものは「唯一無二の個性をもつワイン」
「自分達が造るワインは、長い歴史の伝統を受け継いだ偉大なクラシックワインであり、非常にエレガントで洗練された味わいを持ち、強い個性がある。このアイデンティティこそ最も大切なものと考えている」とアンセルモ氏は語ります。

最高レベルのイタリアワインとして名を馳せる「サンレオナルド」
「サンレオナルド」は過去に務めていまして、高級レストランにおいても最高レベルのイタリアワインとして名を馳せています。当時はサンレオナルド、ヴィッラグレスティの2本のみでした。

いかんせん小さなワイナリーであったので、オーナーのマルケージ伯爵は大きなワイナリーにブドウを売りながら、経営の基盤を安定させて更なる「サンレオナルド」の質の向上に務めていました。現在では、もはやそんな事をする必要も無くなっている程の実力と人気を備えていますね。2015年辺りからオーガニック栽培へと転換してます。

清々しく緻密で隙の無いキレのある味わい
ヴェッテ ディ サン レオナルド 2016
ヴェッテ ディ サン レオナルド 2016


樹齢6~15年のソーヴィニョンブラン100%から造られる白。年産75000本。標高100~300メートルの南東向き畑。粗い砂利と砂の土壌。
試飲コメント:「山のソーヴィニヨンブラン」、「山のフレッシュ感」が存分に楽しめる白。複雑かつ洗練された鮮烈なミネラルが印象的です。白桃のフルーツ感にセージやジュニパーベリー、シダ、グリーンペッパーの精緻なニュアンスが重なります。飲むと美しいミネラルと酸に支えられた緻密で隙の無いキレのある味わい。アスパラガスのフリット、野菜グリル、白身魚との相性が良いです。

十分な実力を備えた「サンレオナルドの弟分」
テッレ ディ サンレオナルド 2014
テッレ ディ サンレオナルド 2014


樹齢5~25年。カベルネソーヴィニョン、メルロー、カルメネールのブレンド。年産95000本。南東向きの砂利と砂の土壌。土着酵母で果皮と共にセメントタンクにて醗酵。スロヴェニア産オーク樽(80%)で18カ月、フランス産バリック(20%)で6カ月間熟成。瓶熟6ヶ月以上。
試飲コメント:抜栓して時間が経つにつれ、熟したプラム、甘草、杉の豊かな香りに上品なスパイス香が重なる。非常に洗練さsれたしなやかな口当たりでサンレオナルドの素晴らしい素性を引き継ぐワイン。抜栓数日後も楽しめ魅力的なワイン。

優雅さと飲み応えを併せ持つ「ヴィッラ グレスティ」
ヴィッラ グレスティ 2011
ヴィッラ グレスティ 2011


樹齢10~20年のメルローにカルメネールを少量ブレンド。年産約10000本限定。南東向きの畑で粗い砂利と砂の土壌。土着酵母で果皮と共にセメントタンクにて醗酵。225リットルの樽(新樽25~30%)で12カ月間熟成。瓶熟12ヶ月以上。
試飲コメント:完熟したプラム、甘草、シガー、スパイスの複雑な香りが上品に溶け合っています。丸みのある深い果実感に柔らかなタンニンが心地よく広がります。中盤からレザーや植物根のニュアンスが重なり魅惑的。優雅さと飲み応えを併せ持つワイン。

北のサッシカイア!飲むほどの旨みを実感する逸品
サン レオナルド 2010
サン レオナルド 2010


樹齢20~50年のカベルネソーヴィニョン、カルメネール、メルローのブレンド。南東向きの畑で粗い砂利、砂質土壌。土着酵母で果皮と共にセメントタンクにて醗酵。一部セメントタンクで熟成、一部新樽を使用し24カ月間樽熟成。瓶詰前にブレンド比率を決定。瓶熟12カ月間以上。年産6~8万本生産。
試飲コメント:良年のみ生産される「北のサッシカイア」の異名を持つサンレオナルドのトップキュヴェ。完熟したベリー、カシスにハーブ、スパイス、甘草のニュアンスが寄り添う美しいアロマ。果実味は洗練されていて力強さとエレガンスが共存。上質なタンニンと酸がボディを引き締め、中盤から広がる豊かな風味を支えています。洗練された美しさが見事に感じられるまさに「北のサッシカイア」
インタビューを終えて
2005~2007年まで「テヌータ サンレオナルド」にいたアントニオ氏も、「ジャコモ タキス、カルロ フェッリーニの偉大なエノロゴと共に、地元のブドウ畑を知り尽くす献身的な「真の立役者」ルイジーノ ティネッリ氏がカンティーナに常駐している事がサンレオナルドにとって非常に大きいことだと思います」と話してくれました。技術的専門知識だけでなく、ワイナリーの遍歴を知るプライスレスな“記憶”をもっているティネッリ氏こそ唯一無二の偉大な存在だそうです。

サンレオナルドの弟分「テッレ ディ サンレオナルド」は滑らかな味わいで満足度の高いワイン。抜栓数日後は深みある味わいとなり、ポテンシャルの非常に高いワインで実に魅力的です。

「北のサッシカイア」と評され、レストランのプロフェッショナルに高く支持されるトップキュヴェ「サンレオナルド」。数年ぶりに試飲する機会となりましたが、国際品種を使用しながらも、決して重くなく、エレガントで絹のようなタンニンがあり、素晴らしく優雅な味わいがとても印象的でした。トスカーナのスーパートスカンはまた違う北部イタリア、トレンティーノのテロワールを感じさせる力強さと繊細さ、華やかさ。そのどれもが素晴らしい調和を成していました。「北のサッシカイア」の呼び名に相応しい緻密で隙の無い完成された味わいは過去に試飲した時よりも更に進化している印象を受けました。

イタリアにおける国際品種ブレンドワインの黎明期からサッシカイア、ティニャネロ共に素晴らしい存在感を放つ「サンレオナルド」。ゴンザーガ侯爵家の比類なき拘りで世界中から賞賛を集めています。サンレオナルドの真髄であるエレガントな深み。是非多くの方に知って頂きたい美しき強さをもった素晴らしいトレンティーノワインです。

サンレオナルドスタッフ
テヌータ サン レオナルドのワインはこちら⇒
突撃インタビューバックナンバーはこちら⇒