2018年11月19日 ルナロッサ社 林 達史氏
「圧巻の完璧主義」から産まれる偉大なアマローネ!「ダルフォルノロマーノ」 |
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ヴェネト州を代表する高級赤ワイン銘柄「アマローネ」において、僅か一代で品質を究極までに高めてみせた人物が、ダル フォルノ ロマーノ氏です。彼のワイン造りの哲学は、「果実味」「新鮮さ」「エレガンス」「ストラクチャー」「余韻」の全ての要素を組み合わせ最高のクオリティーと味わいを生み出すこと。そのワインには、純粋で肉厚な果実の魂、恐ろしいほどの深みと複雑味が濃厚に絡み合う完璧なハーモニー、そして終わりなき悦楽の余韻。そのワインの真価が100%発揮されるには、一体どれだけの時が必要なのか考えさせられる程、果てしないポテンシャルを兼ね備えています。正に完璧と呼ぶに相応しい男が造り出す至極のワインです。ダルフォルノロマーノを日本に紹介するイタリア在住のエージェント、林 達史氏に素晴らしいワインを産み出す秘密についてお話を聞きました。 | ||||||||||
イタリアを代表する素晴らしいカンティーナを長年に渡って日本に紹介する林 達史氏 |
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林 達史氏
イタリア トスカーナ在住 「ダルフォルノロマーノ」「サンジュゼッペ」「フェルゲッティーナ」「サン ルチアーノ」等イタリアを代表する素晴らしいカンティーナを長年に渡って日本に紹介するエージェント。ワイナリーとの親交も非常に厚い。 |
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果実風味、凝縮感、複雑性をワインに表現「ダルフォルノロマーノ」 |
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ダルフォルノロマーノについて説明させていただきます。彼が造りたいワインは、グラスで飲んだ時に「生産者が何をしたかったのか」が解るワイン造りです。ダルフォルノロマーノの持つ果実風味、凝縮感、複雑性をワインに表現したいと思っているのです。 アマローネってアパッシメントをしますよね。どうしても(アマローネ全般的に言える事ですが)若干の酸化傾向のワインになりがちです。それはブドウをカットした時点から(酸化)が始まる訳です。そういった中には、重たさばかりが前面に出て「果実風味」の弱さが感じられるものもあります。ダルフォルノロマーノは甘口スタイルのワインを目指している訳ではないので、出来る限り酸化をさせずに果実風味を閉じ込めて、強い凝縮感、骨格、余韻の長さを表現しようとしています。 |
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アマローネの巨匠「ジュゼッペ クインタレッリ」と出逢い |
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25歳の時、アマローネの巨匠「ジュゼッペ クインタレッリ」と出逢う 彼はヴェネト州、Illasi(イッラージ)近くのCapovilla(カポヴィッラ)1957年に生まれました。3世代に亘ってブドウ栽培をしている家系なんですね。彼が若い時、協同組合にブドウを造って卸すヴァルポリチェッラやアマローネが多い時代でした。つまりブドウ栽培家が多かった時代です。農業学校を卒業した後、ロマーノがお父さんの仕事を継いだのが22歳の時で、彼は(今後)ブドウ栽培をどのようにしてこうかと方向性を考えていました。25歳の時にアマローネの巨匠と呼ばれる「ジュゼッペ クインタレッリ」と出逢う事になります。クインタレッリからアマローネを飲ませてもらったり、(クインタレッリの)哲学、考え方というものを聞くうちに自分のやりたいと思う方向性を見つける訳です。 |
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「いくらアパッシメントしても、本来ブドウに無いものは出ない」 |
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まずロマーノは仕立ての変更や低収量にする等、「畑の改革」から始めました。大胆に改革していくロマーノの姿に周囲の人間は「ロマーノは気が変わってしまったのか」と囁く声も聞こえたそうです。ロマーノの母から聞いたのですが、それまでの一般的な栽培はペルゴラ(棚仕立て)でいかに沢山ブドウを成らせるかが重要とされていた中で、ブドウの収量を落していく事にロマーノの父は激怒していたようですね。しかし父はロマーノの仕事を引き継ぐ事を決心したので、内心は怒りながらもロマーノに進言する事はグッとこらえたそうです。 ロマーノは様々な栽培を試しました。収量を落すだけでは良いブドウにならず、どのタイミングで収量を落すのか、何度も試行錯誤を繰り返したそうです。最終的にグイヨ仕立てになっていく訳です。現在1ヘクタールあたり1万2000本で高さ50センチの低い仕立てで栽培をしています。 「いくらアパッシメントしても、本来ブドウに無いものは出ない」 収穫の時に、他のワイナリーの方を連れて行った事がありますが、皆さん口を開けて驚いていましたね。ロマーノ家族、親戚4名がブドウの各畝に並び、ブドウを一房ずつ手に取って絶対的に健康なブドウだけ残す為に一粒一粒ハサミを入れていきます。この作業をずっと続けていきます。一つとして不健康なブドウは入っていません。皮が破れていたり、不健康なブドウが一つでも混ざっていると、カンティーナでアパッシメント中にそこからカビ菌が蔓延する恐れがあるからです。まさに完璧主義の仕事です。 |
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「圧巻の完璧主義」から産まれるロマーノのワイン |
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次にアパッシメントのシステムですが、ダルフォルノロマーノは近年新たなアパッシメント設備を導入しました。非常に画期的なシステムでどのプラトゥー(プラスチックの保管箱)にブドウが保管されていても均等に乾燥できる機械が導入されています。 非常に広い乾燥室にプラトゥーが2メートルおきに積み上げられています。その隙間に3つのプロペラを備えた自走式の扇風機が端から端までコンピューター管理で往復します。風の方向は全部一定ですが、定期的に変わります。 部屋には湿度センサーがあり、湿度によって自動的に窓が開閉するシステムに連動しています。一般的なアパッシメントではどうしても一部の場所でムラが出てきますが、ロマーノのアパッシメントはまさに「圧巻の完璧主義」です。つまりロマーノはどれだけ果実風味をワインに閉じ込めるか、酸化させないかという事に拘ります。彼は酸化傾向のアマローネを造りたくない訳です。醸造施設のワイン造り、醗酵に至るまで出来る限りブドウが空気と接触しないように特別設計されたカンティーナとなっています。 「自分の目指すこだわりを突き詰めたら、ここに行き着いた」 普通のワイン造りであれば2~3世代かかる所ですが、ワイン造りを初めて一代でここまできたのは凄い事ですし、3人の息子ミケーレ、マルコ、ルカはそれぞれ醸造、経済、栽培のエキスパートで10年前までロマーノが一人で決定していた事を現在3人の息子が集まって決めています。キチンと世代交代が出来ていると思います。 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
長年ダルフォルノロマーノと親交のある林氏のお話で「圧倒的な完璧主義」のワイン造りを詳しく知る事が出来ました。ロマーノ氏はカリスマ的な実力者のイメージがありましたが、現在では3人の息子たちに受け継がれ、キチンと世代交代も出来ているそうです。
今回試飲したアマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ ヴィニェート ディ モンテ ロドレッタ2011年が『デカンター』2018年12月号特集で最高評価99点を獲得し、見事表紙を飾り、「厳格で偉大なバローロと同格!驚くべき深み、煌びやかさを備えた壮大なアマローネ」と絶賛されています。世代が変わってもその揺るがない偉大さ。常に素晴らしいワインを産み出すダルフォルノロマーノ。特別なひと時に開けてみたいワインです。 |
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「圧巻の完璧主義」から産まれる偉大なアマローネ!「ダルフォルノロマーノ」
2018/12/07