アルネイス史上初めて『ガンベロロッソ』最高賞を獲得!「モンキエロ カルボーネ」

2018/12/25
突撃インタビュー
 
2018年11月26日 モンキエロ カルボーネ社 フラチェスコ モンキエロ氏、ルクレツィア モンキエロ女史

アルネイス史上初めて『ガンベロロッソ』最高賞を獲得!
ロエロ協会初代会長でエリアを牽引するリーダー的存在「モンキエロ カルボーネ」

モンキエロ カルボーネ社 フラチェスコ モンキエロ氏、ルクレツィア モンキエロ女史と
アルネイスのワインとして史上初めて『ガンベロロッソ』2018で最高賞を受賞したモンキエロ カルボーネ社の「チェク」。砂質土壌主体の「ロエロ」地区特徴である香りの良さ、エレガントな味わいが素晴らしく表現された美しくみずみずしい味わいで、世界的にも高く注目されています。『ガンベロロッソ』2019でも連続で最高賞を獲得しアルネイスでイタリア最高峰評価を得ています。2014年にはロエロDOCG協会が新たに発足し、協会の初代会長に選任されたモンキエロ カルボーネ社のフランチェスコ氏は名実ともにロエロ地区を牽引するリーダー的存在です。世界的に高品質な赤と白を産み出す産地でTOP5数えられるロエロ地区で「ロエロの名声」をさらに高めんとする情熱的なワイナリー、モンキエロ カルボーネ社のオーナー、フランチェスコ氏と奥様のルクレツィア女史にお話を聞きました。

モンキエロ家とカルボーネ家から付けられたワイナリー名

紋章モンキエロ家とカルボーネ家から付けられたワイナリー名
モンキエロ カルボーネ社は1990年に本格的にワイン造りをスタートさせました。畑は全てロエロ地区にあり現在30ヘクタールの畑を所有しています。ガヴィとモスカートも販売していますが、他の農家や他のワイナリーとコラボレーションして造っています。ワイナリー名はモンキエロ カルボーネとは2つの家族の苗字から付けられています。父の一家がモンキエロ、母の一家がカルボーネです。

「どの家にもドアの後ろには宝物が置いてある」
ラベルに使用されたデザインは元々はモンキエロ家で所有している家のドアについていた古い物です。このドアノッカーをワイナリーの紋章として使うことを決めたのは、ワインを初めてリリースした1990年です。「OGNI USS A L’HA SO TAMBUSS」とは直訳すると「どの家にもドアノッカーがある」と言うピエモンテ州のことわざですが、本当は「どの家にもドアの後ろには宝物が置いてある」という意味で使います。モンキエロカルボーネ家の宝物はワインだから、と言う象徴的な意味合いがこの言葉には秘められているのです。

1918年、曾祖母が最初に購入した0.3ヘクタールの畑「モンビローネ」

畑

祖母1918年、曾祖母が最初に購入した0.3ヘクタールの畑「モンビローネ」
設立こそ新しいですが1918年にブドウ畑をこの地に購入した曾祖母クロティルデ ヴァレンテの時代からのワイン造りの歴史があります。曾祖母が最初に購入した0.3ヘクタールの畑が「モンビローネ」です。曾祖母がこの畑を購入した理由は、第一次世界大戦で夫が戦地に向かっていて正直生きて帰ってくるか分からなかった。もし(夫が)帰ってこなかったら自分で畑仕事をして子供達を養っていこうと考えていたからです。瓶詰めはせず樽でワインを売っていました。

1961年に初めてこのモンビローネの畑のワインを自らボトリングして、「モンビローネ」という名前で販売を始めました。当時は栽培からボトリングまで行って販売するのは一般的ではなくとても珍しい事でした。

醸造学校に通いながらワイナリーの責任者として仕事に従事
私の父は元々ワイン コンサルタントの仕事をしていて、イタリア各地を飛び回っていました。父は所有していた小さな畑と新たに購入した畑をもって1990年に念願のワイナリーを設立しました。それはワイン造りしたかった私の為でもありました。その時、私は醸造学校に通いながらワイナリーの責任者として仕事をしていました。モンビローネを4000本ボトリング、その他に農家からブドウ(ネッビオーロ)を買ってロエロロッソもボトリングしました。

カンティーナピエモンテ、ロエロ地方の土着品種に注力する
1993年には1ヘクタール程の小さな畑を購入し土着品種「アルネイス」使った白ワインを造り始めます。翌1994年、醸造学校を卒業し本格的にワイナリーの仕事に注力していきます。全て自社畑のみのブドウでワイン造りを行っています。買いブドウは使いません。主にバルベーラ、ネッビオーロ、アルネイス、少量ですがファヴォリータ(ヴェルメンティーノ)といったピエモンテ、ロエロ地方の土着品種を中心に栽培しています。シャルドネ、ソーヴィニョンブランも極少量造っています。

地図
小さな丘が続く丘陵地帯で砂質土壌主体のロエロ地区
ロエロ地方の特徴についてお話したいと思います。ロエロはバローロ、バルバレスコで知られるランゲ地区からタナロ川を挟んで北西側に位置します。地名「ロエロ」は中世後半から1700 年代まで、この地を治めていたロエロ公爵の名前に由来し、またこの地区で生産されるネッビオーロ種のワインの名前にもなっています。

標高300メートル程の小さな丘が続く丘陵地帯で、ロエロ地域は丘の南側にブドウ畑、北側には森が残っておりトリュフの生産も盛んです。丘の標高はそれほど高くないのですが、丘自体の面積が狭いので、ランゲの丘に比べると、斜面が急です。

砂質土壌「砂質土壌主体のロエロ地区のワインは香りが高く、タンニンも柔らかく感じられます」
ロエロとランゲの最も大きな違いは地質にあり、ランゲ地区は石灰と粘土質の土壌が多いのに対し、ロエロ地区は砂、石灰が多い土壌が特徴です。かつて海底からアペニン山脈が隆起した時にロエロはバローロ、バルバレスコに比べると後から隆起し、それらのエリアが隆起した時の砂が流れ込んだため今でも地中からは貝殻の化石が見つかります。このため、ピエモンテ州を代表するネッビオーロ種を栽培すると、ランゲ地区のタンニンが強く硬質なワインと比べ、砂質土壌主体のロエロ地区のワインは香りが高く、タンニンも柔らかく感じられます。

 

「ロエロ地区の土着品種」アルネイス

アルネイス「ロエロ地区の土着品種」アルネイス
砂質土壌は特に白ワインには大切な要素となります。土壌に砂質の量が多ければ多い程、とてもデリケートな花の香りや白桃、パッションフルーツ、トロピカルフルーツの香りと表情が豊かなワインとなります。「アルネイス」種は1400年代に産まれた品種で、ピエモンテ全体の約95%がロエロ地方で栽培されています。まさに「ロエロ地区の土着品種」と呼ぶ事が出来ます。30年前、ロエロ全体でのアルネイスの栽培面積は30ヘクタール程でしたが、現在は1000ヘクタール以上にも広がっています。この30年で最も世界的にも知られるようになった品種の一つです。更に、ロエリーナ(ロエロ地区で生まれ育った人の総称)の抜け目のない気質という上質なワインを生むのに理想的な条件がそろっています。ロエロにはブドウ栽培農家が500軒程、ワイナリーは80軒あります。モンキエロ カルボーネはロエロ地区内で中間規模の生産量で年産18万本程です。

インタビュー1 DOCG「ロエロアルネイス」とDOC「ランゲアルネイス」の違い
ピエモンテで造られるアルネイスには2種類あります。DOCGロエロアルネイス、DOCランゲアルネイスです。DOCGロエロアルネイスは100%ロエロ産のアルネイスでなければなりません。DOCランゲアルネイスは85%アルネイス、15%は多品種をブレンドしても良いとなっています。砂質土壌のロエロのアルネイスに比べ、それ以外の地域ではアルネイスの本来持つ香りというものが出にくいので、ソーヴィニョンやリースリングといった他品種で香り豊かなブドウをブレンドする事が一般的のように思います。

ロエロの砂質土壌とバルバーラ、ネッビオーロも相性が良いですね。ロエロのバルベーラ、ネッビオーロは香り、果実味が豊か、タンニンがエレガントでマイルドな味わいです。ピエモンテの偉大な品種「ネッビオーロ」を3つのカテゴリーに分けると次の通りになります。

1.ランゲネッビオーロ(他品種もブレンド可)
2.ネッビオーロダルバ(アルバ産ネッビオーロ100%)
3.3つDOCG(バローロ、バルバレスコ、ロエロ)です。

DOCGになると品種の名前は出て来ません。バローロ、バルバレスコに続き2004年にロエロがDOCGに昇格しました。DOCGのワインを造るには、エリア内にワイナリーがある事やブドウの樹齢、樽熟成期間などの様々な規定があります。

2014年に発足したロエロDOCG協会初代会長に選任される!

ロエロ協会2014年に発足したロエロDOCG協会初代会長に選任される!
ロエロDOCG協会が2014年に新たに発足し、私はロエロ協会の初代会長に選任されました。それまではロエロのワインはそれまではバローロ、バルバレスコ、ロエロと同じ協会に属していました。協会でプロモ―ション活動があったとしても、ロエロはどうしてもバローロ、バルバレスコの次になっていました。

「世界的に高品質な赤と白を産み出す産地でTOP5に入る」
赤ワインが圧倒的に多いランゲ地方と違ってロエロ地方は素晴らしい白ワインも生産されます。高品質な赤ワイン、白ワインどちらも生産されています。トスカーナ、ランゲ、ボルドーもやはり赤ワインがメインだと思います。世界中のワイン産地の中で、赤も白も素晴らしいレベルにあるワイン産地はそう多くは無いと思います。世界的に高品質な赤と白を産み出す産地は赤ピノワール、白シャルドネが植えられているフランスのブルゴーニュ地方がありますが、ロエロ地方も世界でTOP5に入る素晴らしい赤白ワインを産み出す地であり、単一品種での栽培が多いブルゴーニュワインとの共通点もあります。ロエロの素晴らしさをもっと広めていきたい。新たにロエロDOCG協会を造った理由はここにあります。(協会の仕事は)とても忙しいですが、大変やりがいがあります。

アルネイスのワインとして史上初めて『ガンベロロッソ』最高賞トレビッキエリを受賞!「チェク」

チェクアルネイスのワインとして史上初めて『ガンベロロッソ』最高賞トレビッキエリを受賞!「チェク」
「チェク」は100%アルネイスを使用したワインです。2016 ヴィンテージ がアルネイスのワインとして史上初めて『ガンベロロッソ』最高賞トレビッキエリを受賞し、2017ヴィンテージも2 年連続で受賞しました。アルネイスが高品質な白ワインだと認めてもらえて大変嬉しく思っています。

亡き祖父に捧げたアルネイス
名前の由来はカルボーネ家の祖父で、私と同じ名前のフランチェスコのニックネームから付けられています。「チェク」とはピエモンテの方言で「フランチェスコ」を省略した呼び方です。「チェク デラ ビュンガ」(金髪の女性から産まれたチェク)というニックネームで呼ばれていました。(チェクは)特にアルネイスが大好きだった人で、元々アスパラガスを植えていた砂質土壌の畑にアルネイスを植えた祖父を畑を引き継ぎ、砂質土壌の素晴らしいテロワールを活かして、2004ヴィンテージを初リリースしました。その年は、ちょうど祖父チェクが90歳で亡くなった年でもありました。亡き祖父に捧げたアルネイスが「チェク」です。

長期熟成も可能なアルネイス
「チェク」は1400年代、カナーレ伯爵の書物にも白ブドウ栽培が記されている大切な「レネージオ」の丘の畑と「タノネ」の畑のアルネイスを使用したワインです。どちらの畑も砂質を多く含む土壌です。ステンレスタンクで醗酵と熟成を行います。非常に凝縮されたブドウの香りと上品な味わいで、飲んだ後のミネラル、塩味がしっかりと感じられます。白ワインと言えば大体シンプルな魚料理と合わせますが、トマトソースやケッパー等を使用した味わいのしっかりとした白身肉料理にも合わせられます。チェクは長期熟成も可能です。カンティーナには初ヴィンテージの2004年もあります。年に1回試飲をしていますが、年々味わいが深くなるポテンシャルを持っています。

モンビローネ一番最初に売り切れる人気ワイン!単独所有畑バルベーラ「モンビローネ」
モンビローネはバルベーラ100%で造られる、私達家族を代表するワインです。モンビローネの畑は私達が単独所有する「モノポール」の畑で、モンキエロ カルボーネで一番最初に売り切れる人気ワインで、若くとも楽しめるワインであると同時に長期熟成により素晴らしい味わいとなっていくワインです。年産約1万2000本です。

100年以上バルベーラだけが植えられている非常に歴史のある畑
畑の一番古い樹のバルベーラの穂木のみを接ぎ木して増やす(マッサルセレクション)方法を採っていますので、他エリアのブドウ樹等は一切入っていません。マッサルセレクションするに当たっても、選ぶブドウ樹の選定から含めると、ブドウを収穫できるようになるまで少なくとも10年はかかります。

1918年、曾祖母がこの畑を購入した時点で既にバルベーラが植えられていました。曾祖母は購入時にモンビローネの前の所有者、その前の所有者に聞いて回ったところ、ずっとバルベーラを植えていた事まではわかったのですが、それがいつ植樹されたかとなると、解らない位で、100年以上バルベーラだけが植えられている非常に歴史のある畑だったのです。

インタビュー2「フルボディなワインだけれども飲み心地も良い。これこそがモンビローネの特徴です」

モンビローネの畑は粘土質や石灰、砂質が混じる豊かな土壌です。良いヴィンテージしかボトリングしません。バルベーラという品種はデリケートで気候の影響を受けやすいからです。祖母が購入した当初は0.3ヘクタールでしたが、少しずつ畑を購入していき、現在では2.5ヘクタールの広さがあります。丘の南東~南西向き一帯、180度に開いた一番恵まれた条件を持つ斜面で個性の異なる東向きと西向きの畑を所有しているので、冷涼な年も温暖な年も良質のブドウをセレクションする事が出来ます。

例えば非常に暑い年であれば、東向きの畑からフレッシュ感のあるブドウが、西向きの畑はワインにボディを与える力強いブドウとなります。ステンレスタンク醗酵、バリックで18ヶ月熟成します。2016年は少し早めにリリースしました。樽のニュアンスもありますが、ロエロ地区の砂質土壌由来のブドウの豊かな香り、果実味を楽しんで頂けるワインだと思います。バルベーラという品種は非常に酸が高い特徴があります。モンビローネを飲んで頂くと酸はしっかりと感じるのですがボディも強くタンニンとのバランスが取れています。フルボディなワインだけれども飲み心地も良い。これこそがモンビローネの特徴です。

アルネイスのワインとして史上初めて『ガンベロロッソ』最高賞トレビッキエリを受賞!
チェク ロエロ アルネイス 2017
チェク ロエロ アルネイス 2017


100%アルネイスを使用したワインです。2016 ヴィンテージ がアルネイスのワインとして史上初めて『ガンベロロッソ』最高賞トレビッキエリを受賞し、2017ヴィンテージも2 年連続で受賞しました。アルネイスが高品質な白ワインだと認めてもらえて大変嬉しく思っています。

「チェク」は1400年代、カナーレ伯爵の書物にも白ブドウ栽培が記されている大切な「レネージオ」の丘の畑と「タノネ」の畑のアルネイスを使用したワインです。どちらの畑も砂質を多く含む土壌です。ステンレスタンクで醗酵と熟成を行います。

試飲コメント:非常に凝縮されたブドウの香りと上品な味わいで、飲んだ後のミネラル、塩味がしっかりと感じられます。白ワインと言えば大体シンプルな魚料理と合わせますが、トマトソースやケッパー等を使用した味わいのしっかりとした白身肉料理にも合わせられます。チェクは長期熟成も可能です。カンティーナには初ヴィンテージの2004年もあります。年に1回試飲をしていますが、年々味わいが深くなるポテンシャルを持っています。

フルーツの果実味のふくよかさと、樽の香ばしいニュアンスが上手に調和した白
ランゲビアンコ タマルディ 2016
ランゲビアンコ タマルディ 2016


モンキエロカルボーネが一番最初に造った白がタマルディです。シャルドネとソーヴィニョンブランのブレンドです。低めのローストしたブルゴーニュワイン用のフレンチバリック樽でそれぞれ6~8ヶ月熟成しています。

ピノノワール、シャルドネに使用されるブルゴーニュワイン用の樽は、ボルドーワインに使用する樽に比べ一般的にローストが控えめでデリケートな仕上がりになります。特にロエロ地区のワインはエレガントなスタイルが多いのでブルゴーニュワイン用のバリックが適していると思っています。

試飲コメント:重々しい樽のニュアンスは無くフレッシュな味わいが感じられます。完熟したブドウが持つハーブやトロピカルフルーツの果実味のふくよかさと、樽の香ばしいニュアンスが上手に調和した白ワインです。タマルディとはピエモンテの昔の方言で「びっくりする、たまげる」という意味です。ピエモンテは長期熟成と言えば赤ワインの事を指しますが、白で長期熟成出来るワインを造りそれを飲んだお客さんが驚いた、という事から名付けられています。

単独所有する歴史的畑のバルベーラ
バルベーラ ダルバ モンビローネ 2013
バルベーラ ダルバ モンビローネ 2013


モンビローネはバルベーラ100%で造られる、私達家族を代表するワインです。モンビローネの畑は私達が単独所有する「モノポール」の畑で、モンキエロ カルボーネで一番最初に売り切れるワインです。

モンビローネ畑の一番古い樹のバルベーラの穂木のみを接ぎ木して増やす(マッサルセレクション)方法を採っていますので、他エリアのブドウ樹等は一切入っていません。マッサルセレクションするに当たっても、選ぶブドウ樹の選定から含めると、ブドウを収穫できるようになるまで少なくとも10年はかかります。

試飲コメント:(試飲は2016ヴィンテージ)樽のニュアンスもありますが、ロエロ地区の砂質土壌由来のブドウの豊かな香り、果実味を楽しんで頂けるワインだと思います。バルベーラという品種は非常に酸が高い特徴があります。モンビローネを飲んで頂くと酸はしっかりと感じるのですがボディも強くタンニンとのバランスが取れています。フルボディなワインだけれども飲み心地も良い。これこそがモンビローネの特徴です。

砂質土壌の由来の華やかな香りとエレガンス
ロエロ スル 2015
ロエロ スル 2015


「スル」はネッビオーロ100%のロエロDOCGのワインです砂質土壌の由来の華やかな香りとエレガントさがあります。ステンレスタンク醗酵、バリックで18ヶ月熟成後リリースされます。初ヴィンテージはワイナリー創業と同じ1990年です。

当時はまだ醸造学校に在学中で、提出すべき論文を書く為に自分でワインを造る必要がありました。私は「スル」の畑のオーナーからブドウを買い1995年までブドウを買ってワインを造りました。1996年から畑を借りて、畑管理、栽培から本格的に取り組み続け、2015年にようやく「スル」の畑を購入する事が出来ました。ワインを造り始めてから25年かかりました。

試飲コメント:(試飲は2014ヴィンテージ)砂質土壌の由来の華やかな香りとエレガントさがあります。他のエリアで栽培されているネッビオーロはタンニンが攻撃的なワインが多いですが、ロエロ地区のネッビオーロは柔らかいタンニンを持ち合わせていて早い時期からも楽しむことができるロエロのネッビオーロだからこその産まれる個性があります。

『ガンベロロッソ』で9回最高賞獲得!ベルベットのような滑らかさ
ロエロ リゼルヴァ プリンティ 2014
ロエロ リゼルヴァ プリンティ 2014


プリンティは畑名で、ピエモンテの方言で「皇太子」を意味します。モンキエロカルボーネの親戚にあたる前所有者のニックネームです。プリンティの畑は砂質主体の「スル」の土壌と違って、粘土質が多く、砂質が少ない畑の土壌です。

ステンレスタンク醗酵、バリックで24ヶ月熟成させたリゼルヴァとなります。初リリースは1997ヴィンテージです。樽を使っていますが、木の香りをワイン与えているのではありません。私達が樽を使うのはタンニンをマイルドにし、ワインをゆっくりと熟成させるための容器と考えています。

試飲コメント:飲んで頂くと円やかなタンニンがありベルベットのような滑らかさがあります。『ガンベロロッソ』で9回最高賞トレビッキエリを獲得しています。土壌の鉄分がもたらすネッビオーロの力強いタンニンと、ロエロの柔らかさが調和した見事なワインです。
インタビューを終えて
バローロ、バルバレスコばかりが着目されがちなピエモンテにおいて、しっかりと着実に「ロエロ」の素晴らしさを知らしめているモンキエロ カルボーネ。2014年からはロエロ協会が発足し、初代会長に就任したフランチェスコ氏は「ロエロ地方も世界でTOP5に入る素晴らしい赤白ワインを産み出す地であり、単一品種での栽培が多いブルゴーニュワインとの共通点もあります。ロエロの素晴らしさをもっと広めていきたい」と情熱的に話してくれました。

アルネイスのワインとして史上初めて『ガンベロロッソ』2018で最高賞を受賞した「チェク」は砂質土壌主体の「ロエロ」の香りの良さ、エレガントな味わいが素晴らしく表現された美しくみずみずしい味わい。ワイナリーが最も大切にする歴史的キュヴェ「モンビローネ」はバルベーラの酸味と滑らかさ、果実の自然な厚みが素晴らしく調和する抜群の飲み心地がありました。バローロ、バルバレスコに代表されるランゲ地区のワインとは違う、ロエロ地区のモンキエロカルボーネが造る緻密でしなやか、バランスのとれた優美な味わいを是非お試しください。

モンキエロ カルボーネ社 フラチェスコ モンキエロ氏、ルクレツィア モンキエロ女史とトスカニースタッフ
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