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2021年7月27日 パオロ コトロネーオ氏 Mr. Paolo Cotroneo ヴィンチェンツォ メルクリオ氏 Mr. Vincenzo Mercurio
自社畑・土着品種・有機栽培で「ここにしかない」テロワールを鏡のように映し出す造り手!地元カンパーニャ愛が詰まった唯一無二のワインを生産する「ファットリア ラ リヴォルタ」突撃インタビュー
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ファットリア ラ リヴォルタは、1997年の世代交代により現オーナーのパオロ コトロネーオ氏が指揮を執り、本格的なワイン生産を始めます。同年に土着品種のみの栽培を開始し、翌年98年に有機栽培をスタート。以降、鏡のように映し出されたベネヴェントのテロワールとカンパーニャ愛が詰まったワイン生産を行っています。ラ リヴォルタにしか表現できない「自社畑・土着品種・有機栽培」を用いたワイン造りについて、オーナーのパオロ コトロネーオ氏とエノロゴのヴィンチェンツォ氏にオンラインでお話を伺いました。 |
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1997年の世代交代により、カンパーニャの固有品種に尽力して躍進を遂げた「ファットリア ラ リヴォルタ」
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ファットリア ラ リヴォルタは、カンパーニャ州ベネヴェントのタブルノ山の麓に拠点を置き、3世代に渡る歴史を持ちます。現オーナーの祖父母の代が1812年に建てられた農園を購入したことから始まります。転機は世代交代が行われた1997年。現オーナーのパオロ コトロネーオ氏が指揮を執ることになり、本格的なワイン造りに着手します。それまでに植えられていたブドウを土着品種のみに絞り、「カンパーニャの財産、土着品種の財産を生かすことに情熱を注いでいる」というパオロ氏の意向により、ベネヴェントのテロワールを最大限に反映したワインの生産を始めます。 |
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「自社畑」「土着品種」「有機栽培」で、“ここにしかない”ベネヴェントのテロワール全てを表現
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ベネヴェントでも珍しい標高の高い、メリハリのある気候の恩恵を受けるラ リヴォルタの一枚畑
ラ リヴォルタは、自社畑で土着品種のみの栽培にこだわり、かつ有機栽培で生産を行い、ベネヴェントのテロワールを100%表す稀有な造り手です。畑は、標高250~500メートルで粘土石灰質土壌。カローレ川に向かってなだらかに広がります。冬は厳しく夏は温暖で、1年通じて常に北風が吹き抜けるため、昼夜の寒暖差があります。これにより凝縮感がありアロマ豊かなブドウが栽培できる理想的なミクロクリマを生んでいます。ベネヴェント内でこの標高の高さを誇る畑は非常に少なく、川に向かってどんどん標高が低くなり粘土質が薄れていきます。このことから、ラ リヴォルタの畑が希少で恵まれていることがわかります。
土着品種というカンパーニャの財産、個性を引き出すことに情熱を注ぐラ リヴォルタ
現オーナーのパオロ氏に、カンティーナを受け継いですぐに土着品種に専念した理由を伺いました。
「イタリアほど多くの土着品種を持っている国は少ないです。その土着品種を生かさない手はありません。97年以前、自社畑には“イタリア”の土着品種も植えられていました。しかし、私がオーナーに就任して以来、それすらもやめてカンパーニャの品種だけに専念しました。私たちが、ここカンパーニャにいるという資産、財産を生かしたかったのです。私はワインの血(情熱)を持って生まれてきました。フランスなどを旅行していくうちに、ワインがどんどん好きになっていき、ワインの世界により情熱を持つようになりました。土着品種の財産を生かすことも情熱の一部なのです」
2009年からエノロゴを務めるヴィンチェンツォ氏のアイディアで、木樽の使用を極力避けています。これは、土着品種の個性をそのまま生かすため、自身の土地の特徴を最大限に反映させるためのものです。これにより、土着品種のそれぞれの特徴がワインに映し出され、この土地にしかない味わいが表現されています。グレコはとても明るい親しみのある味わい、フィアーノは熟成可能で複雑な香り、アリアニコはとてもなめらかでシルキー。どのワインにも共通する特徴は、酸味、ミネラル感、そして豊かな香りです。
「私の人生の哲学はビオです」と話す、薬剤の仕事をされていた過去を持つ現オーナーのパオロ氏
ラ リヴォルタを手掛ける前、現オーナーのパオロ氏はナポリで薬剤関係の仕事をされていたそうです。そういった過去をお持ちだからこそ現在の有機栽培があるのかと問うと、こう答えていただきました。
「そうですね。有機栽培のアイディアは自然と湧き出ましたし、化学物質の知識が高いこともあってすぐに思いつきました。私の人生の哲学はビオなんです。普段からビオ食品を食べていますし、何より健康が一番なので有機栽培は大事だと思います」
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もう一つの哲学「ガストロノミア」。どんな食事にも合わせられるワイン造り
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「土着品種を用いてカンパーニャのテロワールを表現すること以外に、もう一つ重要視することがあります。それがガストロノミア(料理文化)です。つまり、いろいろな食事にも合わせられるようなワインを造ることを意識しています」と話すパオロ氏。
パオロ氏とヴィンチェンツォ氏は日本食にも興味を持っているようで、グレコを試飲する私たちに「このグレコには、どういう日本食が合うと思いますか?」と逆質問。私たちが「ナスの煮浸し」「天ぷら」「とんかつ」「チキンカツ」などと答えると、「なるほど」と納得している様子でした。
パオロ氏から以下のペアリングをお勧めしていただきました!
タブルノ グレコ
ロブスターやカニなどの甲殻類/野菜類全般/フレッシュチーズ
サンニオ フィアーノ
リゾット/冷製パスタ/乳製品(特にモッツアレラ)/蒸し野菜/デザート
ソーニョ ディ リヴォルタ ベネヴェンターノ
熟成チーズ/白身肉/魚スープ
ピエディロッソ
シンプルな料理/トマトソースパスタ/ピザ |
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どんなお料理にも合わせやすい!『サクラアワード2021』ゴールド受賞! |
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ファットリア ラ リヴォルタ |
タブルノ ファランギーナ 2019 |
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ビオロジック農法でワイン造りを行っている造り手ファットリア ラ リヴォルタが、ファランギーナ種で造るミネラルと骨格のある味わいが特徴のすっきり系辛口白ワインです。白い花やトロピカルフルーツ、柑橘系などの果実の香り、セージやミネラルのアロマが感じられ、フレッシュな果実の味わいが印象的です。口いっぱいにミネラルと骨格のある味わいが広がります。幅広いお料理に合わせていただけるフレッシュで爽やかな1本です! |
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試飲コメント:輝きを持った麦わら色。香りは力強さと華やかなアロマがあります。アーモンド、白い花、柑橘類、桃、ハーブ、後から仄かにムスクの香り。口に含むと鮮やかな酸味がスッと舌の上を駆け上がり、際立つミネラルを感じるキリっとした飲み口。存在感のある柑橘系の味わいが口中に広がります。 |
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リンゴやハチミツを思わせる果実のニュアンス!甲殻類との相性が抜群! |
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ファットリア ラ リヴォルタ |
タブルノ グレコ 2019 |
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カンパーニャの固有品種にこだわり、ビオロジック農法でワイン造りを行っている造り手ファットリア ラ リヴォルタが造る「タブルノ グレコ」。グレコ種100%で造られ、リンゴやハチミツを思わせる果実のニュアンスに、美しい酸があり、バランスが取れた味わいのすっきり系辛口白ワインです。熟成に伴いアプリコットや桃を思わせる果実味も感じられるようになります。グレコを用いたワインは淡い黄色を発し、アプリコット、パイナップル、モモといったフルーツのアロマを持っています。なめらかで心地よい酸と、豊かな果実味のバランスの取れた味が特徴で、余韻も長く続くワインに仕上がります。またミネラルが豊富なことから、長期間の熟成にも耐えます。 |
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試飲コメント:非常に濃い黄金色。抜栓後の香りは繊細でしたが徐々に力強さが現れます。白い花、ミント、柑橘系の皮、レモン、アーモンドの香り。レモンなど柑橘系のフレッシュな酸味とミネラルが豊富な味わい。 |
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完熟系果実と美しい酸が際立つ「サンニオ フィアーノ」2017年!
ラ リヴォルタが造る長期熟成ポテンシャルを秘めた白! |
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ファットリア ラ リヴォルタ |
サンニオ フィアーノ 2017 |
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ベネヴェントのテロワールを見事に土着品種で映し出す造り手「ラ リヴォルタ」がフィアーノ種100%で造る「サンニオ フィアーノ」です。完熟した洋ナシやナッツ、ハチミツなどが広がる豊かなアロマ。口当たりはまろやかで、穏やかで美しい酸のある、たっぷりとしたエレガントな味わいが楽しめる白ワインです。フィアーノは、南イタリアでもっとも古くから栽培されるブドウ品種の1つです。ローマ人の間でフィアーノを使ったワインは、アピアニスの名で知られており、アピアニスとはラテン語で「ミツバチに愛された」という意味があり、フィアーノの香り高いブドウの特徴を表しています。口当たりもまろやかで、穏やかで美しい酸のある、たっぷりとしたエレガントな味わいが楽しめます。 |
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試飲コメント:黄金に近い麦わら色。桃やハチミツ、完熟系果実の香り。口あたりは柔らかくエレガント。味わいはとても複雑で、フレッシュでありながら日本の柑橘系(ミカンやデコポンなど)の奥行きのある旨味を感じます。 |
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複雑な香りとしっかりとしたボディ!
ファランギーナを主体にフィアーノとグレコをブレンドして造る「ソーニョ ディ リヴォルタ」 |
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ファットリア ラ リヴォルタ |
ソーニョ ディ リヴォルタ ベネヴェンターノ ビアンコ 2017 |
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「革命」が名前の由来となった「ラ リヴォルタ」が造るブレンド白。ファランギーナを主体にフィアーノとグレーコを絶妙にブレンドして造られています。複雑な香りとしっかりとした骨格のふくよかな白ワインに仕上げられており、2017年はワインアドヴォケイトで89点を獲得しています!スパイスのニュアンスがあるため、熟成チーズや白身肉など、しっかりとした味わいがある食事にも合わせることができます。エノロゴを務めるヴィンチェンツォ氏のアイディアで、テロワールを最大限に引き出すために木樽の使用を極力減らして造られています。 |
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試飲コメント:麦わら色に近い美しい黄金色。香りは複雑です。第一にフローラルと完熟系のフルーティな香りがあり、後から追ってスパイスやハチミツなどの甘い香り、白コショウ、石などのミネラルも現れます。しっかりとしたボディでまろやかな飲み口、ハーブやハチミツを感じる風味です。香りと味わいのバランスが非常に優れています。 |
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年々生産数が減少するカンパーニャの古代品種ピエディロッソ100%!
プラムなどのベリー系果実にほのかなスパイスの香り |
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ファットリア ラ リヴォルタ |
ピエディロッソ 2018 |
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カンパーニャ州で固有品種のみを使用したワイン生産を行うファットリア ラ リヴォルタが、ピエディロッソ種100%で造る赤ワインです。ミディアムボディ。新鮮な果実の味わいと、ほのかなタンニンが感じられるフレッシュな味わいが特徴。通常は他の品種とブレンドして使われることの多いピエディロッソ種を、あえて単一品種で造ったワイン。プラムなどのベリー系果実にほのかなスパイスの香り。新鮮な果実の味わいと、優しいタンニンの感じられるみずみずしい果実の風味を楽しめるワインです。 |
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試飲コメント:プラムやチェリー系果実のフレッシュな香り。白コショウなどのスパイスもあります。香り同様、フレッシュな果実味を感じる軽やかな飲み口。香りと味わいのバランスが非常に優れているクオリティの高いワインで、シンプルなトマトソースパスタと合わせたい逸品。 |
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アリアニコ種由来の果実味とスパイスの余韻が溶け合う味わい! |
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ファットリア ラ リヴォルタ |
アリアニコ デル タブルノ 2017 |
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ベネヴェントのテロワールを見事に土着品種で映し出す造り手「ラ リヴォルタ」が、アリアニコ種100%で造る「アリアニコ デル タブルノ」。チェリーやプラムなど品種由来の典型的な香りと、滑らかなタンニンのある果実味溢れる味わいのミディアムボディの赤ワインです。発酵はステンレスタンクを使用し、オークの大樽とバリック(新樽20%)を使用して18カ月熟成。チェリーやプラムなど品種由来の典型的な香りと豊富な果実味。タンニンはワインに滑らかに溶け込んでいて口当たりも心地いいバランスのよい味わいです。 |
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試飲コメント:透明感のあるルビー色。香りはとても複雑です。プラム、チェリー系果実、木樽由来の甘いスパイス、ジャスミン、白い花、ハーブ、白コショウ、石などのミネラルな香り。「タブルノ ファランギーナ」2019年のように、口に含むと直線的でフレッシュな酸味が舌上を走ります。調和のとれた味わいで、果実味とスパイスの余韻と程よいタンニンが溶け合います。 |
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リヴォルタがベネヴェントの“土地”を表現した最高級赤ワイン「テッラ ディ リヴォルタ」
「私たちの土地と品種の力全てをこのワインに注ぎ込む」 |
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ファットリア ラ リヴォルタ |
テッラ ディ リヴォルタ アリアニコ デル タブルノ リゼルヴァ 2012 |
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カンパーニャ州で固有品種のみを使用してワイン生産を行うファットリア ラ リヴォルタが造る「テッラ ディ リヴォルタ」。樹齢の高いアリアニコで造る最高級赤ワインです。2012年はワインアドヴォケイトで92点を獲得しています!標高400mにも及ぶ畑の樹齢30年のアリアニコ100%を発酵させ、フランス産の新樽で18ヶ月、その後ステンレスタンクで18ヶ月間熟成させて造られます。凝縮感のある樹齢の高いアリアニコから収穫されたブドウは、プラムやチェリーのジャムを思わせます。わずかにコショウやカカオのようなスパイスのニュアンスがあり飲みごたえのある逸品です。 |
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試飲コメント:透明感のあるルビー色。「アリアニコ デル タブルノ」2017年に力強さと複雑さがさらに増した香り。プラム、ジャム、凝縮した果実、木樽由来の甘いスパイス、ジャスミン、白い花、ハーブ、白コショウ、石などのミネラルな香り。パワフルかつまろやかな味わいで、豊かな風味の余韻が長く続きます。 |
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■インタビューを終えて |
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ラ リヴォルタは、地元ベネヴェントの土地で土着品種を用いて有機栽培によってワインを造る、“正真正銘の地元ワイン”生産者です。
山の麓で標高が高く寒暖差があり、粘土質を豊富に含んだエリアに位置するラ リヴォルタ。そのカンティーナ周辺にはあまり造り手がいないそうです。そう考えると、今回、ラ リヴォルタのワインを試飲し、“ここでしか生まれない”ベネヴェントのテロワールを感じることができたのは、非常に貴重な体験だったと思います。
パオロ氏は、オーナーに就任してすぐに土着品種のみの栽培を開始しました。木樽の使用を極力減らすなど、品種の特徴をそのままワインに反映させています。また、品種の成分を分析したり、直近では他の造り手のフィアーノ(83年ヴィンテージ)を試飲したりするなど、土着品種に対して非常に研究熱心だと感じました。
ラ リヴォルタは、カンパーニャ州ベネヴェントのテロワールの特徴を表現する数少ない造り手です。飲み頃の早さと長期熟成を併せ持ち、地元愛が詰まったラ リヴォルタのワインをぜひお楽しみください。 |
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