2021年10月5日 宮嶋勲氏、ジョルジョ フラジャコモ氏 Mr. Giorgio Fragiacomo
宮嶋勲氏が解説する「第二次黄金期を迎えるクエルチャベッラの進化系ワイン」!伝説の醸造家ジャコモ タキスの助言で名を馳せ、今やビーガンでのワイン造りを徹底する「クエルチャベッラ」オンラインセミナー |
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1974年に創設された「クエルチャベッラ」は、80年代に伝説の醸造家ジャコモ タキス氏と共に造ったスーパートスカン「カマルティーナ」と「バタール」で世界的躍進を遂げました。キャンティクラシコ地区の三つのコムーネに畑を持ち、繊細でエレガントなキャンティクラシコを生産しています。現在は、2代目オーナーのセバスティアーノ氏により、動物由来のものを完全に排除した独自のビオディナミ農法へと完全移行させ、ワイナリーとして第二次黄金期を迎えています。年々磨きがかかるクエルチャベッラの洗練さやエレガンスについて、オンラインセミナーでワインジャーナリストの宮嶋勲氏に解説していただきました。 | ||||||||||
言わずと知れた「サッシカイア」や「ティニャネロ」を造った伝説の醸造家ジャコモ タキスの助言で1980年代から名声を上げてきた「クエルチャベッラ」 |
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伝説の醸造家ジャコモ タキスの助言で見つけたルッフォリ丘で類稀なるエレガントなキャンティクラシコを生産!
クエルチャベッラは、大のブルゴーニュワイン好きだったジュゼッペ カスティリオーニ氏が1974年に創設したワイナリーです。初代オーナーのジュゼッペ氏が、それに負けないエレガントなワインを造りたいという思いで設立しました。 ジュゼッペ氏の友人である「スーパートスカンの父」こと、伝説の醸造家ジャコモ タキス氏に相談したところ、「あなたの希望を叶えるためには、内陸部かつ標高の高い土地にすべき」というアドバイスを受けます。そこで見つけたのが、トスカーナで二番目に高い山グレーヴェ イン キャンティのクエルチャベッラ山のルッフォリという丘でした。 キャンティクラシコの3つのコムーネにあるサンジョヴェーゼをブレンド 「エレガントでみずみずしい洗練された味わい。抜群の安定感でリスクの少ないキャンティ クラシコの造り手」 ワインジャーナリストの宮嶋氏は、クエルチャベッラの特徴をこう語ります。 クエルチャベッラのワインは、キャンティクラシコの中でも独自の個性を持ち、非常に洗練された味わいです。エレガントで繊細なタンニンがあり、決してパワフルで重たいワインではありません。どちらかというとラーモレ ディ ラーモレに似ていますよね。ヴィンテージによってばらつきのあるキャンティですが、クエルチャベッラの場合は全くそれがありません。リスクが少ない造り手の一つで、ワインは抜群の安定感とみずみずしさ、エレガントさが特徴です」 |
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二つの大きな転換期を迎えたクエルチャベッラ
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2004年にセバスティアーノ氏が2代目オーナーに就任 動物由来のものを排除し、徹底されたビーガンでのワイン造りを開始 名声を手にしてきたクエルチャベッラですが、転機が訪れます。創設者であるジュゼッペ氏が亡くなり、息子であるセバスティアーノ氏がワイナリーを引き継ぐことになりました。そして、セバスティアーノ氏が完全菜食主義者のビーガンになり、その考えをワイン生産に持ち込んだのです。ワインを清澄する際の卵由来成分や、畑に散布する調合薬に使う牛の角など、動物由来の物質は一切使わなくなりました。 2010年にも大きな改革を行います。バローロの生産者として有名な「ヴィエッティ」のオーナー、ルカ クッラード ヴィエッティ氏を新しい醸造家として迎えたのです。 「もともとクエルチャベッラは1988年に有機栽培を始め、97年に購入したマレンマの畑ではビオディナミでの生産を開始しています。2000年からは、キャンティクラシコでもビオディナミを始めており、有機栽培、ビオの先駆け中の先駆け的存在です。セバスティアーノ氏が2代目に就任してからは、独自の信念に基づき、俺流のビーガンワインを輩出しています。そして、醸造家にバローロの造り手であるヴィエッティ氏を招き入れ、ピエモンテの血や感性が入ることでワイナリーはどんどん活性化していきます。今現在、クエルチャベッラは第二期黄金時代を迎えていると思います。 今回試飲するヴィンテージは、そのセバスティアーノ氏とルカ氏の両者が手掛ける第二次最高期を迎えるクエルチャベッラの進化系ワインです。今後ワイナリーが目指す方向性や、現オーナーが見据える将来像を感じ取ることができると思います。ちなみに試飲する順番はキャンティクラシコから始まり、最後に白のバタールを飲んでいただきます。 彼らのワインは炭火焼によく合うんです。非常にエレガントで、食事の中で活躍するはずです。トスカーナの郷土料理にも合いますが、インターナショナルな料理にも最適です。高級レストランや鉄板焼きにもうまく溶け込みます。しかし、オーナーはビーガンなので従業員の方たちはお肉料理を少し避けているそうです(笑)」と宮嶋氏。 |
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2022年から導入予定のエリア別呼称により3つのコムーネからグランセレツィオーネを生産できる「クエルチャベッラ」 |
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キャンティ クラシコ協会は、地域の差別化を図り、消費者に特定の原産地をより知ってもらう目的でUGAプロジェクト(Unita Geografiche Aggiuntive/追加地理的単位)を始めます。このプロジェクトにより、醸造学的な認知度、歴史的な信頼性、知名度、生産量などの基準に基づいて11の地区が区分けされています。
宮嶋氏に、2022年導入予定のエリア別呼称の現状と将来予測について話していただきました。 そして、クエルチャベッラは「グレーヴェ」、「ガイオーレ」、「ラッダ」と3つのコムーネに畑を所有しているので、3つのエリアそれぞれを名乗るグランセレツィオーネが生まれる可能性があります。新サブゾーンは11のエリアに分かれているので、明確に特徴の異なる村が出てくると思います。しかし、今のところクエルチャベッラはグランセレツィオーネは生産していません。実は、彼らが造るリゼルヴァは、熟成期間を長く取っているため、本当はグランセレツィオーネと名乗ることはできるんです。キャンティクラシコも同様にリゼルヴァと名乗ることができます。2022年に新しく実施予定のエリア別呼称が導入されると、一つのコムーネからの生産となるので、規定が変わるまではコムーネ単体からは造らないというポリシーを持っています」 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
宮嶋勲さんの解説で始まったクエルチャベッラのオンラインセミナー。ワイナリーの歴史から始まり、テイスティングをしながらのワイン解説、そしてQ&Aといった流れで行われました。途中でグローバルセールスディレクターを務めるジョルジョ フラジャコモさんがサプライズで登場し、今年の天候について話していただきました。今年の夏は乾燥してとても暑かったそうですが、セミナーが行われた前日にようやく恵みの雨が降ったそうです。ブドウは、暑く乾燥していたため凝縮感がありとても良い状態とのこと。
クエルチャベッラのワインを試飲してみると、4本とも共通して奥行きのある味わいでとても印象的でした。宮嶋さんがおっしゃっていたようにラーモレ ディ ラーレのキャンティクラシコと似たエレガントさがありました。キャンティクラシコは、ラーモレと比較すると酸が少し抑えられている分、旨味がある印象です。タンニンが細やかで、赤い果実の風味と旨味が口いっぱいに広がる繊細でエレガントな味わいです。非常に美味しかったです。 2022年から導入予定の「エリア別呼称の未来予想について」の話も印象に残っています。キャンティクラシコが持つ多様なテロワールを広めるために導入される11のサブゾーン。エリアがより細分化されることで、その土地の特徴を認識した上でワインを飲む人が増え、ボルドーのような感覚で「ラッダのワイン」や「グレーヴェのワイン」といった具合に消費されていくだろう、という未来予想をされており大変説得力のあるお話でした。 そして、3つのコムーネに畑を持つクエルチャベッラは、それぞれのコムーネでグランセレツィオーネが生産可能になります。そんなクエルチャベッラが、今後どういった個性を持つキャンティクラシコを造るのか大変興味がわきました。「ブルゴーニュワインにも負けないワインを造る」という情熱のもとワイナリーとしての歴史が始まり、そして2代目オーナーの改革により更なる躍進を遂げ「第二次黄金期」を迎えたクエルチャベッラ。今後目が離せないクエルチャベッラのワインをぜひお楽しみください。 |
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伝説の醸造家ジャコモ タキスの助言で名を馳せ、今やヴィーガンでのワイン造りを徹底する「クエルチャベッラ」オンラインセミナー
2021/10/14