2022年3月23日 トンマーゾ コルトネージ氏 Mr. Tommaso Cortonesi
今、注目のブルネッロボーイズの1人!モンタルチーノの北、北東、南東の3つのエリアで異なる個性を表現!カサノヴァディネリ「チェッレタルト」の隣で造る超コスパなIGTも注目の「コルトネージ」突撃インタビュー |
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次世代のモンタルチーノを牽引するブルネッロボーイズの一員として知られる「コルトネージ」。偉大な造り手たちが拠点を置く北部、北東部、南東部の3つのエリアに畑を所有し、それぞれ異なる個性を表現しています。とりわけ注目なのは東部トッレニエーリ。カサノヴァ ディ ネリ「チェッレタルト」から300mに位置する畑で造るレオヌスは大注目IGTです。なんと、そこでは将来的に新しいブルネッロが造られる予定とのこと。今回は、ワインジャーナリストの宮嶋勲氏に通訳と解説をしてただきながら、当主のトンマーゾ コルトネージ氏にオンラインでお話を聞きました。 | ||||||||||
偉大な生産者が拠点を置くモンタルチーノ北部、北東部、南東部に畑を所有!
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コルトネージは、3つのエリアに畑を所有し、異なるテロワールを表現することに注力する造り手です。各エリアの近くには、偉大なブルネッロ生産者が拠点を構え、それらと同じ好条件の畑でサンジョヴェーゼを栽培しています。 1. コルトネージが拠点を置くモンタルチーノ北部「ラ マンネッラ」は、所有エリアの中で最も冷涼な地域。当主のトンマーゾ氏は「(所有エリアの中で)ラ マンネッラは一番寒暖差が激しいです。昔は高品質ワインを造りにくいエリアでした。しかし、今は温暖化の影響もありエレガントなブルネッロができるようになりました。」と解説します。 冷涼ならではの際立つフレッシュさがワインに与えられ、優美で繊細なブルネッロを生み出します。近隣には、ビオンディ サンティの畑を受け継ぎ真のブルネッロを追求する「ラ ジェルラ」、モンタルチーノの伝統を守る歴史的生産者「カパンナ」、そして古典派ブルネッロの重鎮「サセッティ リヴィオ ペルティマリ」が拠点を構えます。 2. 「今から5~6年前に購入した」というモンタルチーノ北東部に位置する「トッレニエーリ」。何と言っても、世界最高評価ブルネッロの呼び声高いカサノヴァ ディ ネリの最上キュヴェ「チェッレタルト」から300mのところにあります。「粘土質であるこの畑は、耕しすぎなければ水分が保持されるので、温暖化や雨不足に対応できます。2021年は雨が降らなくて困りましたが、ここだけは成果がありました。トッレニエーリは、将来もっと品質が向上していくと思います。」とトンマーゾ氏。 「冷たい風が吹く冷涼気候で、ワインに美しいフレッシュさが与えられます。パワフルだけど、どこか涼し気なトーンがあります。これが一番の特徴だと思いますし、まさにチェッレタルトに近いですよね。」と宮嶋氏は解説します。 3. 「私たちは本拠地である北部ラ マンネッラにずっと住んでいますが、初めて植樹したのは南東部のポッジャレッリです。初代である私の祖父が植えました。ポッジャレッリはワイナリーにとって初の単一畑ワインでもあります。温暖でありながら標高が高く、ガレストロ土壌で水はけがいいのが特徴です。凝縮感と力強さを感じるブルネッロを生産しています。 畑はサンポーロ、ファットリア デイ バルビ、サリクッティと同じエリアです。かつてモンタルチーノでは、複数所有する北と南の畑を補強し合う形でブレンドしていました。しかし、今は栽培や醸造など全ての技術が発達していて、極論どのエリアでも良いブルネッロが造れるようになりました。そのため、私たちはその土地の個性を単一畑で引き出すことにこだわっています。」 |
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父と息子、ほぼ2人だけで作業を行う“真”の家族経営ワイナリー「コルトネージ」
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代々モンタルチーノで農家を営んできたコルトネージ家は、1970年代から所有する畑でワイン生産を行っています。1990年から父マルコ氏が瓶詰めを開始し、本格的にワイン造りをスタート。現在は若き当主のトンマーゾ氏がマルコ氏と二人三脚で家業を継いでいます。以前はトンマーゾ氏の弟さんも手伝っていましたが医療の道に進まれたため、現在はほぼ親子2人で生産から販売まで行っています。「本当の意味で家族経営だから」という理由で、2017年からワイナリー名を「ラ マンネッラ」から家族名を強調する「コルトネージ」に変更しました。 世代交代したコルトネージはブルネッロボーイズと称され、モンタルチーノを牽引する新世代の造り手として知られるようになります。『ワインアドヴォケイト』は、ブルネッロボーイズを以下のように紹介しています。 「モンタルチーノはすでに新世代の手に渡っている」 彼らはブルネッロとその未来における誇り高き番人である。写真は左から、カパンナのアメデオ チェンチオーニ氏、カプリーリのジャコモ バルトロメイ、コルトネージのトンマーゾ コルトネージ、カナリッキオ ディ ソープラのフランチェスコ リパッチョーリ、バリッチのフランチェスコ ブッフィ、レ ポタッツィーネのヴィオラ ゴレッリ、筆者、タレンティのリッカルド タレンティ。ここには写っていないが、カサノヴァ ディ ネリのジョヴァンニ ネリ。」 「ブルネッロの新しい世代は風通しが良く、常に意見や情報を共有しあっています。」 宮嶋氏は、トンマーゾ氏の言葉を通訳した後にこう付け加えます。 |
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3つ目のブルネッロがリリース待ちの北東部で造る注目のIGT「レオヌス」!畑はカサノヴァ ディ ネリ「チェッレタルト」隣の超好条件!
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トンマーゾ氏と宮嶋氏に、それぞれのワインについて解説していただきました。
「まさにモンテヴェルティーネのピアン デル チャンポーロを思わせる」大注目IGT「レオヌス」 ワイナリーをもっと大きくしたい私たちの意向で、新しく購入した“チェッレタルト”から300mの畑で造っています。面積は3ヘクタールで現在はIGTのみの生産ですが、それ以外に5ヘクタール分を追加で植えました。実は新しいブルネッロをリリースする予定で、品質が向上するであろう将来を見据えて投資をしています。」 宮嶋氏: ラ マンネッラの単一畑で造られるロッソ ディ モンタルチーノ 宮嶋氏: 1998年植樹の単一畑ブルネッロ「ラ マンネッラ」 宮嶋氏: 樽が綺麗に溶け込む南東部「ポッジャレッリ」の単一畑ブルネッロ 宮嶋氏: 良年のみ生産するブルネッロ リゼルヴァ |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
モンタルチーノの新世代として今、注目のブルネッロボーイズの1人「コルトネージ」にインタビューさせていただきました。当主のトンマーゾ氏は一貫して「各エリアの個性を出すこと」にこだわっていました。初めて購入した南東部ポッジャレッリ、本拠地の北部ラ マンネッラ、そして新しく購入した北東部トッレニエーリ。実際に試飲してみると、それぞれの個性が見事に表現されていることに気づきました。
インタビュー中から話題になったのは、東部のトッレニエーリで造る注目のIGT「レオヌス」です。宮嶋氏は「まさにモンテヴェルティーネのピアン デル チャンポーロを思わせる」と絶賛。レオヌスは北米を中心に世界的にも人気が高いそうで、コルトネージが新たな挑戦として特に注力するワインです。何と言ってもレオヌスを造る畑は、世界最高ブルネッロの呼び声高いカサノヴァ ディ ネリ「チェッレタルト」から300メートルという超好条件です。そして、そのエリアでは、なんと3本目となる新ブルネッロ2021ヴィンテージがリリース予定とのこと!トンマーゾ氏は「2021年は成果がありました。将来もっと品質が高くなる」と話し、期待は高まるばかりです。 今から数年後に、世界最高峰ブルネッロと評されるであろうワインが輩出されると想像すると非常にワクワクしてきます。そんな話題の新ブルネッロと同じ畑で造られるIGT「レオヌス」、「世界で最もコストパフォーマンスが高い」と評される「ロッソ ディ モンタルチーノ」、3つの異なる個性が表現された偉大なブルネッロ ディ モンタルチーノを、ぜひお楽しみください! |
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今、注目のブルネッロボーイズの1人!モンタルチーノの北、北東、南東の3つのエリアで異なる個性を表現!カサノヴァディネリ「チェッレタルト」の隣で造る超コスパなIGTも注目の「コルトネージ」突撃インタビュー
2022/04/04