2022年9月6日 タンクレディ ビオンディ サンティ氏 Mr. Tancredi Biondi Santi
ビオンディ サンティ家の新たな歴史の1ページ!独占所有の最高品質ブルネッロクローンBBS11のポテンシャルを最大限に引き出す「カステッロ ディ モンテポ」突撃インタビュー |
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ブルネッロ ディ モンタルチーノの生みの親として知られる名家「ビオンディ サンティ」。「カステッロ ディ モンテポ」は、トスカーナ州南部マレンマ地方のスカンサーノに拠点を置くワイナリーです。1000年代に建てられたというお城「カステッロ ディ モンテポ」を囲うように55ヘクタールの畑を所有。初めてこの土地を訪れた6代目ヤコポは「独自クローンBBS11が最大限に表現できる場所だ」と確信し、1991年に「カステッロ ディ モンテポ」を設立しました。その目算通り、ワイナリー周辺の土壌は、例を見ないほどに多種多様なミネラルが豊富。ピサ大学とフィレンツェ大学の専門家たちが「BBS11に最も理想的な土壌」と評価するほどです。
今回は、そんな唯一無二のテロワールが表現されたワインを試飲しながら、7代目タンクレディ ビオンディ サンティ氏に一家の歴史やワインについて伺いました。イタリア生産者を実際にお招きするのは約2年半ぶりで、コロナ禍以降初となるオフラインインタビューとなりました。直接の対話だからこそお聞きできた、知られざるビオンディ サンティ家の哲学も記事にまとめました。 |
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ブルネッロの歴史と伝統に欠かせない偉大な存在「ビオンディ サンティ」 |
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銘酒「ブルネッロ ディ モンタルチーノ」の生みの親「ビオンディ サンティ」
言わずと知れたイタリアを代表する高級銘柄「ブルネッロ ディ モンタルチーノ」。その生みの親として知られるのがビオンディ サンティ家です。3代目のフェルッチョ ビオンディ サンティ氏により、ブルネッロクローンだけで造るワインの研究を開始。1888年、世界で初めて「ブルネッロ ディ モンタルチーノ」という名のワインをリリースしました。 以降、同家は長きにわたりブルネッロの本家本元としてモンタルチーノに君臨し、世界に知れ渡る偉大な造り手として揺るぎない地位を確立しました。7代目のタンクレディ ビオンディ サンティ氏に、何世代にもわたりトスカーナに根付く名家の歴史について話していただきました。 伝統と革新を繰り返し、発展を遂げてきた一家の歴史 ――早速、始めましょう。今日はよろしくお願いします。 ――私たちもです。実は今回、2年半ぶりとなるオフラインのインタビューなので、とても興奮しています(笑)。 1700年代から1800年代は、モスカデッロ ディ モンタルチーノという甘口ワインを造っていました。初代のクレメンテは、サンジョヴェーゼ グロッソ(ブルネッロ)を使った醸造方法の改革を行い、3代目フェルッチョが革新的な造りでブルネッロを生み出し、今日の伝統あるブルネッロ ディ モンタルチーノを確立したという歴史があります。このように、私たちは伝統と革新を繰り返してきました。80年代後半から所有するカステッロ ディ モンテポにはビオンディ サンティ家の未来があります。これも通過点に過ぎないのです。 ビオンディ サンティ家が独占所有する偉大なブルネッロクローンBBS11(Brunello Biondi Santi 11) ――独自のブルネッロクローンBBS11についても教えてください。もともとモンタルチーノに存在していたのですか? そうです。私たちのモンタルチーノの畑にありました。そのいくつかの苗をヴァロリタリアという機関に送り込み、調査を依頼したことがありました。すると、11番とナンバリングされた私たちのクローンだけが、データベースに存在しないことがわかりました。 “これは他にはないDNAだ”ということで、BBS11(Brunello Biondi Santi 11)と名付け、70年代半ばから80年代初頭にかけてマッサルセレクションを行いました。商標登録もしており、ビオンディ サンティ家のみ使えるクローンなのです。 |
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独自クローンBBS11に最も理想的な土壌を持つ「カステッロ ディ モンテポ」 |
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当時モンタルチーノに拠点を置いていたビオンディ サンティ家が注目していたエリアが、トスカーナ州南部マレンマ地方スカンサーノでした。1980年代末、6代目ヤコポ氏が、1000年代に建てられたというお城「カステッロ ディ モンテポ」とその周辺エリアに一目惚れ。 ミクロクリマや土壌などの研究を綿密に行い「BBS11に最も理想的な土壌」という調査結果を得て、1991年に新ワイナリー「カステッロ ディ モンテポ」を設立しました。カンティーナを囲うように広がる畑では、85%のブルネッロ(BBS11)、15%のカベルネソーヴィニヨンとメルローが栽培されています(2022年9月現在)。 例を見ないほどの多種多様なミネラル分を含む土壌 ――このお城はとても綺麗ですね。 ――なぜこのエリアがBBS11に最適だと思ったのですか? 全体的にモンテポの畑はガレストロ主体の土壌ですが、実は一言ではガレストロとは言えません。このミネラルの違いが素晴らしいんです。土壌をよく見ると小さな破片が層状になっていて、触ると平たい石がぽろぽろと落ちるほど脆いんです。 最新テクノロジーを駆使して気候変動に対応し、持続可能な生産を実現 ――こんなにも土壌が分かれてるんですね。 それらの問題には、ドローンを駆使して対応しています。ドローンを使用することの利点は3つあります。1つ目は、空を飛ぶことで土壌を傷つけないこと。トラクターだと土壌を踏みつけることになります。2つ目は、ディーゼルを使わないことです。太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギーを使用しています。 3つ目は、即座にピンポイントで処置できることです。ドローンには近くまで見れるカメラが搭載されています。ブドウの葉っぱや房を見て、病気になっていないかチェックすることができ、被害を最小限にとどめることができます。水を撒くこともできます。今は全体的に撒いていますが、後々スポット的に撒けるようにする予定です。問題にすぐに気づき的確に処置できることが利点です。 光合成の具合を見るNDVIというテクノロジーも使用しています。これは、畑を上から写した画像です。光合成がきちんと働いてるのが緑、そうでないものが赤です。成長の段階を見ながら、全部が一色になるようにブドウを育てています。伝統、歴史も大事ですが、それをサポートするテクノロジーも大切です。科学は伝統を壊すことはありません。サポートするものです。 |
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「偉大なブルネッロクローンBBS11」×「唯一無二のテロワール」
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独占所有するBBS11クローンで造られたワインを試飲しながら、7代目タンクレディ氏にワインの解説をしていただきました。
6代目と7代目の初コラボレーション「JeT」 ――ジェット2020年です。 このロゼワインには、3つの重要なポイントがあります。まずはヤコポの譲れない2点から。BBS11の100%ロゼであるということと、フェノールが完熟したブドウを造りたいということ。私が考えたポイントは、優しい淡い色を表現するということです。フェノールが完熟すると、どうしても色が出てしまうので、折り合いをつけるのが難しかったです。 アルコール度数も14%、正確には13.89%と高い数値が出ています。バラのような香りがあり、しっかりとした骨格があります。酸味も塩味もあり、完全なる食中酒です。このエリアは意外と魚も食べるので、よく魚と合わせて飲んでいます。生産本数は1万3000本と少なく、限られた国にのみリリースしています。 ――どういう位置づけの畑のブドウを使っているのですか? 6代目ヤコポが表現したかった一家の伝統を引き継ぐフラッグシップ ――サッソアッローロ2019年です。 BBS11という高品質ブドウで造られているので、15年、25年耐えうる長期熟成能力を持っていますが、今飲んでも楽しめる美味しさ、飲み心地があります。それが、父ヤコポが表現したかったことです。サンジョヴェーゼがあまり得意でない人にも親和性のある風味を味わっていただけると思います。リリースしてから31年経ちますが、どこに行っても美味しいと好評です。 サッソアッローロの30周年に際して、研究に研究を重ねた特別キュヴェ ――サッソアッローロ オーロ2019年です。 ――なぜ、今まで造ってこなかったのですか? ――初ヴィンテージの反響はいかがでしたか? 土地に敬意を表して造る高級モレッリーノ ディ スカンサーノ ――モレッリーノ ディ スカンサーノ2019年です。 |
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ビオンディサンティ家が継承する知られざるワイン造りの哲学 |
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モンテポのワインは、飲み心地が良く親しみのある味わいで、分け隔てなく楽しめる雰囲気を感じます。しかし、彼らはブルネッロの生みの親として不動の地位を築いてきたビオンディ サンティ家。なぜ今までの造りとは異なる親和性のある味わいを追求したのか問うと、一家が継承するワイン造りの哲学をお聞きすることができました。
――ビオンディ サンティと言えば世界的に有名な偉大なブルネッロの生産者として知られていますが、全ての人に好まれるというよりは通向きのワインを造っています。 ――そんな造り手が、飲み心地が良く親和性のあるワインを造ろうと思われた理由を教えてください。 そこで、私の父ヤコポ(6代目)がコンセプトとして継承したのが、自身のメンター(指導者)である4代目タンクレディの味わいだったんです。ちなみに私の名前は彼から由来しています。ですから、タンクレディが表現していた“長期熟成力を秘めながらも、今飲んで楽しめる味わい”を父は表現しています。その代表例がサッソアッローロですね。 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
コロナ禍以降初となる、イタリア生産者をお招きして行うインタビューとなりました。なんと約2年半振りです。今回のように直接お会いすることで、会話にオフラインならではのテンポが生まれ、たくさんお話を聞くことができました。心なしか、生産者さんとの距離も縮まったように思い、非常に内容の濃いインタビューになったと思います。
様々なデータが記載された資料も見せていただいたのですが、本当に事細やかにデータが収集されていて、区画ごとのブドウ500粒の数値が毎日出てくるのだそうです。タンクレディ氏にデータに関する具体的な質問をすると、すぐに詳細な情報を答えていただき、まるで研究者のような一面を見せてくれました。「科学は伝統を壊すことはない。サポートするものです」という言葉は鮮明に覚えています。 タンクレディ氏自身のパーソナリティも大変魅力的でした。あのビオンディ サンティ家の7代目という厳格さがありながら、気さくで雰囲気も柔らかく、誰からも好かれるような人柄だと感じました。その姿は、どこかカステッロ ディ モンテポのワインのようにも思えました。ブルネッロクローンBBS11を使った彼らのワインも、しっかりとした骨格がありつつ、果実味豊かな飲み心地の良さがあり、親近感のある味わいです。 特に、初めて6代目と7代目が一緒に造り上げたというロゼワイン「JeT」は、輸入元の日欧商事さんをはじめ、スタッフ一同大好評でした!奥行きのある複雑な香りで、口に含むと非常に優れた骨格にまず驚きます。フレッシュで柔らかい口当たり、ミネラルを感じる奥深い旨味がじわじわとやってきて、非常に美味しかったです。 ビオンディ サンティ家が独占所有する偉大なブルネッロクローンBBS11を使った、飲み心地の良さが光る「カステッロ ディ モンテポ」をぜひご堪能ください。 |
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独占所有の最高品質ブルネッロクローンBBS11のポテンシャルを最大限に引き出す「カステッロ ディ モンテポ」突撃インタビュー
2022/09/16