2022年10月24日 ジュゼッペ ガブリエッリ氏 Mr. Giuseppe Gabrielli
ラツィオとプーリアで数々のコストパフォーマンスに優れたワインを生み出す「ポッジョ レ ヴォルピ」突撃インタビュー |
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ローマ南東部フラスカーティでメルジェ家によって設立された「ポッジョ レ ヴォルピ」。本拠地ラツィオとプーリアに拠点を構える同ワイナリーは、『リアルワインガイド』永遠の旨安大賞を受賞するなど爆発的な人気を誇るワインを数々生み出しています。多くの方から愛されるプリミティーヴォ ディ マンドゥーリアに始まり、王様&王女様ワインだというバッカロッサとドンナルーチェ、「マスカデルタッコ」による偉大なブティックワイン「ルリ アッパッシーテ」など。彼らが造るワインは、全てにおいて飲み心地の良さと優れたバランスが引き出されています。今回は、各ワインを試飲しながら、輸出マネージャーのジュゼッペ ガブリエッリ氏にお話を聞きました。 | ||||||||||
爆発的人気を誇るベストセラーワインを数多く生産!
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リピーター様続出の言わずと知れた大人気生産者「ポッジョ レ ヴォルピ」。1970年代にアルマンド メルジェ氏により設立された同ワイナリーは、ローマ郊外の丘陵地帯「コッリ アルバーニ」のモンテ ポルツィオ カトーネにあります。この地にキツネがよく現れていたことから、「ポッジョ レ ヴォルピ(キツネの丘)」と名付けられています。
『ルカマローニ』高得点常連の大好評ワインを生み出す「ポッジョ レ ヴォルピ」 ――それでは、今日はよろしくお願いします。 今日はお時間をいただきありがとうございます。ポッジョ レ ヴォルピは、メルジェ一家が手掛ける家族経営ワイナリーです。(1970年代の)設立当初はボトリングしておらず、ローマのオステリア用に樽ワインを販売していました。1990年代になると状況が変わり、革新的な設備を導入するなどして、ポッジョ レ ヴォルピブランドを立ち上げました。 ワイナリーは、ローマ南東部のフラスカーティ(フラスカーティ スーペリオーレDOCGも含む)エリアに位置しています。古代ローマ人がワインを造っていた場所と言われています。ミネラルが豊富な火山エリアで、気候は典型的な地中海的気候です。夏は暑すぎず、冬は寒すぎず。標高は400メートルあり、程よく風が吹きます。それらの条件が重なり、フラスカーティはもちろん、フラッグシップでもあるドンナルーチェとバッカロッサが生まれます。それらは、『ルカマローニ』最高99点など数多くの高評価を得ています。 1990年代にプーリア州のポテンシャルを見出し、90年代後半にプーリアへ進出!
――マスカ デル タッコはいつから始められたのですか。というのも、昔Vinitalyに行った時に「これはなんだ!?」と思って問い合わせた記憶があるんです。 ――ラツィオに拠点を置きながら、プーリアに注目し始めたのはいつ頃ですか。 1990年代です。当時、プーリアに畑を持っていませんでしたが、量り売りのワインを購入していて、プーリアのポテンシャルは理解していました。それで2000年頃に畑を買い、古いカンティーナを買い、マスカ デル タッコを設立しました。 ――ラツィオとプーリア、合わせてどれくらいの畑があるのですか。 |
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長年愛され続ける超コスパのラインナップ!
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ラツィオとプーリアに拠点を構え、両州で抜群のコストパフォーマンスを誇るワインを数々と生み出す「ポッジョ レ ヴォルピ」。『ルカマローニ』最高99点常連のドンナルーチェとバッカロッサ、人気ランキングで常にトップに立つプリミティーヴォ ディ マンドゥリア、プーリアで手掛ける「マスカ デル タッコ」のルリ アッパッシーテなど、そのラインナップは非常に豊富です。そして、どれも大変人気。そんな各ワインについて、輸出マネージャーのジュゼッペ ガブリエッリ氏にお話していただきました。 『ルカマローニ』最高99点常連の極上エレガント白「ドンナルーチェ」 「私たちのラツィオのワインの中で最も重要なワインです。個人的には、名前の通り女性的なワインだと思います(ドンナは女性の意)。香りもいいしデリケートですしね。マルヴァジア デル ラツィオという、マルヴァジアの中でも高貴なものとして知られる品種が主体です。華やかでアロマティックなマルヴァジアに、グレーコとシャルドネを加えることでバランスを取っています。1杯で終わるのではなく、飲み続けられる心地よさを表現しています。 香りだけなら北イタリアのトラミネルのような印象を持たれるかもしれないですが、その香りに反して味わいがしっかりと辛口になっています。花や果実のアロマティックな香りがあり、味にも厚みがあります。フレッシュさだけでなく熟した香りも感じられる複雑なワインです。余韻には苦みも感じます。普通のパスタやお肉料理にも合わせることができます。まさにこのワインのお得意様は日本です。イタリア料理だけでなく、和食にも合わせられます。ローマだとカーチョエペペがいいですね」 プーリアのピノネロ100%で造るロゼ「ローズィ」 「プーリアのピノ ネロで造るロゼワインです。(なぜピノ ネロかというと)プーリアという地でプリミティーヴォを造るのはシンプルすぎるということもあり、チャレンジングなワインです。ピノ ネロは暑い地域では難しいので、赤ワインではなくロゼにしました。2万本くらい生産しています。スイカやイチゴ、メロンなど夏の果実の香りがプーリアのワインからは感じますよね」 人気ランキングNo.1!プリミティーヴォ ディ マンドゥーリア 「ベーシックラインのプリミティーヴォ ディ マンドゥーリアです。このワインは、1杯目にも最適です。品種特有の甘やかさ、滑らかさ、エレガントなタンニン、柔らかな果実味、赤い花が感じられます。ブドウの品質や熟成の違いによって、同じプリミティーヴォでも味の違いが生まれます。実は、このワインの2番目の市場となっているのが日本です。1番はスイスです。イタリア人が大変多く住んでいますし、低価格ですしね」 マスカ デル タッコが手掛けるフルボディで複雑なプリミティーヴォ「ル ラッパイオ」 「マスカ デル タッコとして造っているプリミティーヴォ ディ マンドゥーリアDOCです。ラッパイオという名前は、プーリアの方言でブドウの房を意味しています。プーリアでは多くのIGTワインを生産していますが、IGTはDOC(DOCG)よりも生産における制限が少ないです。そのため、ラッパイオは、マスカ デル タッコとして生産するワインの中では数少ない制限の厳しさを持つワインです」 偶然の産物によって生まれた希少古代品種ススマニエッロ 「古代品種と言われるススマニエッロです。実は、プリミティーヴォだと思われる約10ヘクタールの畑を購入した際、“これはプリミティーヴォではない!”と気づいたことがあったんです。そこに植えられていたのはススマニエッロだということで、“じゃあ造ってみようか”となりました。そういった経緯もあり、特殊なボトルにしました。私たちが、このボトルを最初に採用したのがススマニエッロです」 豊満で濃密な味わいに満ちた上級プリミティーヴォ「タトール」 「タトールは、(プーリアの新ワイナリー)マスカ デル タッコができる前から造っていました。新ワイナリーができてからは、少しだけラベルデザインも変えて、タトールはタトールとして独立した形でリリースしています。名前や手のデザインは作業している農夫を表しています。私みたいにオフィス仕事をしてきたような手ではない力強い手です(笑)。ラベル下にある赤文字の“METODO PASSULE”はアパッシメント手法の意味です。このワインにとって特に大事な要素である甘やかさが引きだれています」 抜群のコストパフォーマンス! 「ネグロアマーロ、シラー、カベルネソーヴィニヨンのブレンドです。ネグロアマーロはプリミティーヴォとは反対に、サグランティーノのようなタンニンの強さを持つ品種です。そのため、そのタンニンを緩和する意味で他の飲酒をブレンドしています。私たちのワインは、全体的にバランスを意識しています。甘さだけでなくバランスの取れた味わいにすることで飲みやすさを表現しています。ルリという名前は、ルチェップの畑と、リフィリティの畑と掛け合わせているところから取っています」 『ルカマローニ』高得点の常連!ポッジョ レ ヴォルピの王様「バッカロッサ」 「ネーロブオーノ100%で造っている赤ワインです。私たちは、バッカロッサのことを“古い王様”と呼んでいます。王女様はもちろんドンナルーチェです。というのも、最近はローマロッソのほうが偉くなってしまっていて、そちらのほうが上級キュヴェと思われてきたからです。しかし、今年はガンベロロッソ2023でバッカロッサの2020ヴィンテージがトレビッキエリを受賞したので、真の王様として復活しましたね(笑)」 |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
イタリア随一のコストパフォーマンスを誇る生産者「ポッジョ レ ヴォルピ」。彼らが造るワインを試飲して改めて感じたのは、「全てのワインにおいて、色、香り、味わいに至るまで統一感があり、非常にバランスが優れている」ということです。お手頃価格で飲み心地が良く、そして高品質。まさにデイリーにピッタリです!
新登場したピノネロ100%ロゼ「ローズィ」も素晴らしかったです。フレッシュで親しみがありながらも、赤い花や白い花を感じるやや複雑で華やかなアロマ。繊細かつ厚みのある味わいで、じわじわと華やかな風味に満たされました!食前酒としても濃厚なソースの魚料理のお供としても最適な、汎用性の高さを個人的に感じました。 ベストセラープリミティーヴォをはじめ、上級プリミティーヴォ「タトール」、『ルカマローニ』で高得点を取り続ける偉大なブティックワイン「ルリ アッパッシーテ」など、多くの大人気ワインを生み出してきた「ポッジョ レ ヴォルピ」。ぜひ、彼らのワインをご堪能ください! |
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「ポッジョ レ ヴォルピ」突撃インタビュー
2022/11/14