2023年1月25日 ロレンツォ マッラ氏 Mr. Lorenzo Marra
南のアマローネ! 圧倒的な濃密感とフレッシュさを兼ね備えた逸品!規格外のコストパフォーマンスを生み出すプーリア州ナルドDOCの造り手「スコラ サルメンティ」突撃インタビュー |
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プーリア州南部ターラント湾に面したエリア、ナルドDOCに拠点を置く造り手「スコラ サルメンティ」。1999年にマッラ家とカラブレーゼ家によって設立された比較的若いワイナリーですが、代々ブドウ農家を営みバルク用のワインを造っていました。上級キュヴェ「ディチョット」に使われるのは、創設者の祖父の代に植えられた樹齢90年のブドウ樹。地元ナルドの独特なテロワールを表現することを目的とする彼らは、土着品種をプーリア伝統のアルベレッロ仕立てで造ることに注力します。コストパフォーマンス抜群で、プーリアの温暖で乾燥した気候由来の果実味豊かな濃密なワインを生み出しています。今回は、創設者ロレンツォ マッラ氏にオンラインでお話を聞きました。 | ||||||||||
1999年、地元ナルドに根付く二つの家族が共同で設立
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1999年、代々ブドウ栽培を営む二つの家族が共同で設立
――よろしくお願いいたします。まずは、ワイナリーとその歴史について教えてください。 ――ワイナリーが拠点を置く“ナルド”という街では、昔からブドウ栽培が行われていたということですか? そうです。地元ナルドでは、ずっと昔からブドウ栽培が行われてきました。70年代頃のプーリアは、全ての栽培農家たちが北イタリアやフランスにブドウを出荷していたという歴史があります。そのため、収穫後すぐに輸送できるように鉄道駅近くにカンティーナが建てられていたんですよ。 ポリシーは、ナルドの土地や気候に密着したブドウを表現すること ワイナリーを設立した目的は、ナルドという土地や気候に密着したブドウを表現すること。つまり、テロワールを表現することです。私たちが位置するサレント半島は、海に囲まれていて四方から風が吹きます。平野ですが中央に小高い丘があるという独特なエリアです。その特徴を表現することが私たちのポリシーなのです。 そのため、土着品種をプーリア伝統の仕立てで造ることから始めました。この土地に古くから根付く代表的なネグロアマーロ、プリミティーヴォ、ススマニエッロを、(強い日差しからブドウを守る)アルベレッロ仕立てで栽培しています。所有畑は全てオーガニック認証を取得しているので、化学的なものは一切使用していません。 ――拠点を置くナルドDOCについて教えてください。小さいエリアですよね。(ナルドDOCは1987年に制定) ――平地ということですが、標高はどれくらいですか? ――プリミティーヴォ ディ マンドゥーリアDOCとは、どのくらい離れていますか? |
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プーリアに何世紀も根付く土着品種を一つひとつ丁寧に栽培、収穫、選別
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高樹齢の土着品種プリミティーヴォ&ネグロアマーロ
――品種についても教えてください。ワイナリーが最も多く生産する品種はネグロアマーロですか? 上級キュヴェ「ディチョット」に使用する樹齢90年のプリミティーヴォ 左:樹齢85年のプリミティーヴォ 右:55年のネグロアマーロ このように高樹齢のブドウ樹を、70~80年前から行われるプーリアの伝統的なアルベレッロ仕立てで栽培しています。背が低い樹は、ひざまずかないと収穫できないことからザンパ(足)と呼ばれています。赤土土壌の地面にへばりつくような形状で暑い夏を過ごす、非常に多くのカロリーが吸収されるブドウなのです。 ザンパと呼ばれる背が低い樹 ブドウの乾燥度合いを調整する巧みな仕立てで生み出される 次に、この2つのブドウをご覧ください。これは、同じ日に同じ畑で収穫されたディチョットに使われるプリミティーヴォです。 左:北向き、右:南向き ――この写真は…本当ですか!?(笑) ――なるほど。強い日差しから守るための葉の量なども調整してるということですか? ――そうだったんですね。ディチョットには何%くらい、乾燥ブドウを使用しているのですか? 収穫、選別まで全て手で行う徹底された作業 ――収穫する順番を教えてください。 ――まさか、選別は全て手作業ではないですよね? ――すごい仕事! |
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「スコラ サルメンティ」CEOロレンツォ マッラ氏によるワイン解説 |
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樹齢50年のネグロアマーロ100%で造るナルドDOCのロゼ「オプラ」 樹齢50年のネグロアマーロ100%。フルーティでミネラルを感じるロゼです。白ワインと同じ作り方をしており、搾ったらすぐに果皮と離して醸造しています。余韻にもまたミネラルを感じますね。夏に最適です。魚料理はもちろん、ビステッカなどのお肉料理にも合います。 ――歴史的にもロゼを造られているエリアですよね。 左:オプラ 右:ロッカモラ 飲み心地の良いネグロアマーロ100%のサレント ロッソIGT「ロッカモラ」 ――酸があるので味の幅を感じます。 抜群のコストパフォーマンスを誇る上級ナルドDOC リゼルヴァ「ネリオ」 左:ネリオ 右:ディチョット 南のアマローネ!? 圧倒されるほど力強く濃密なサレント ロッソIGT「ディチョット」 ――圧倒的に力強く濃密で、南のアマローネと言ってもいいくらいですね。ディチョットは良年だけ造っているのですか? ――ディチョットの畑は何ヘクタールで、年間で何本生産していますか? |
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■インタビューを終えて | ||||||||||
「スコラ サルメンティ」の特筆すべき特徴は抜群のコストパフォーマンスだと思いました。一番人気だという赤ワイン「ロッカモラ」は、凝縮感のある果実のアロマが漂い、力強く濃密感のある味わい。「これが1000円台!?」とかなり驚きました。上級ラインのナルドDOC「ネリオ」は、ロッカモラ以上の驚きがありました。ロッカモラよりも濃密感が際立ちながらも酸味の存在感もあるのでバランスに優れた味わいです。それでいて、ロッカモラの価格と大差ありません。試飲しながら驚きの連続でした!
同じ日に同じ畑で収穫されたという上級キュヴェ「ディチョット」の樹齢90年プリミティーヴォ種の乾燥具合の違いも大変印象深かったです。ワインの味わいについても「濃密感がすごい!」「南のアマローネかな」と声があがり、盛り上がりました。 CEOのロレンツォさんが27歳の時に設立した当初の畑の広さは、14ヘクタールだったそうです。それが今や、およそ125ヘクタール(契約畑含む)と拡大させています。「大成功ですね」とお伝えすると、「Certo(もちろんです)!」と満面の笑みで答えてくれたことも印象的でした。新しいカンティーナも現在建築中だそうで、さらなる飛躍が期待される「スコラ サルメンティ」。今後、目が離せなり造り手の一つとなりました! 抜群のコストパフォーマンスを誇るプーリア州ナルドDOCの造り手「スコラ サルメンティ」のワインを、ぜひお楽しみください。 |
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圧倒的な濃密感とフレッシュさを兼ね備えた逸品を生み出すプーリア州ナルドDOCの造り手「スコラ サルメンティ」突撃インタビュー
2023/02/09