2023/11/10
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ルカ チリウーティ氏 Mr. Luca Cigliuti
長期熟成でさらなる進化を遂げたクリュバルバレスコ3種を飲み比べ!クリュの特徴を最大限に表現する偉大な造り手「ラ スピネッタ」突撃インタビュー
「白のバローロ」と呼び声高い大注目品種ティモラッソ
アスティ地区とアルバ地区の違いを堪能するバルベーラ3種
ボンジョルノ。本日はラ スピネッタのワインを中心に試飲します。ティモラッソ、3種のバルベーラ、4種のバルバレスコです。バルバレスコは、4種とも全て2011年ヴィンテージです。早速、ワインを試飲しながらお話をしていきましょう。
白ワインに求める全要素を一つの品種で表現できる大注目の「ティモラッソ」
——よろしくお願いいたします。まずはティモラッソです。
ティモラッソはイタリアを代表する偉大な白ブドウです。果実感、華やかさ、酸味、ミネラル、さらに塩味まで、全ての要素を一つの品種で表現できる強みを持っています。「白のバローロ」とも呼ばれています。
リリース直後もしっかりとした味わいですし、さらに熟成させることで複雑性も増していきます。バルバレスコやバローロに匹敵するレベルの白ワインになります。(いま試飲中のティモラッソの)香りをとってみても、白ワインに求められる要素が豊富に揃っていますよね。と言っても、私が語る必要はありません。ワイン自体が語ってきますからね(笑)。
シャブリなどブルゴーニュのシャルドネが好きな方に受け入れやすい飲み口だと思います。(オーナー兼醸造家の)ジョルジョは、「ブドウ品種自体の特徴はもちろん、縦に伸びる洗練されたスタイルが大事だ」と話しています。
ティモラッソの生産に着手してからまだ間もなく、決して認知度が高いワインとは言えません。しかし、このティモラッソを試飲すると、みなさんの表情がパッと明るくなるんです。ここ数年そんな光景を目にすることが多く、私たちはティモラッソの出来に大変満足しています。今後、畑を拡大し生産量を伸ばしていく予定です。
どんな食事にも寄り添うピエモンテ代表のデイリー赤「バルベーラ」
——次は、バルベーラ3種。「カ ディ ピアン」「ビオンゾ」「ガッリーナ」です。
バルベーラは最も食事との汎用性の高いワインです。ピザ、甘めの料理、辛い料理、塩気の強い料理など何にでも合わせやすいです。その理由は、最初から最後まで酸が持続するからです。ところで、サービス温度が完璧ですね。バルベーラは13度から始めて、温度が上がるにつれて変わる味わいを楽しんでいただきたいです。
カ ディ ピアンとビオンゾはアスティ地区、ガッリーナはアルバ地区で造られています。アスティもアルバも非常に広いエリアで、対照的な特徴を持ちます。アスティは繊細で、アルバはボリューミーで果実味豊かです。土壌も違います。アスティはきめ細かい白い土壌、アルバは粘土質土壌です。
長期熟成も可能!1985年初リリースの歴史的バルベーラ「カ ディ ピアン」
カ ディ ピアンは1985年から造り続ける重要なワインです。アスティ地区のバルベーラ100%で、品種の特徴がきちんと出ています。繊細でフローラルな要素があり、口の中で酸がじわじわと広がっていきますね。私たちのバルバレスコのように長期熟成できるワインだということも、ぜひ知っていただきたいです。
産地の違いを実感するバルベーラ2種飲み比べ
ビオンゾとガッリーナは、グラスを2つ用意して飲み比べてみてください。ビオンゾはアスティ、ガッリーナはアルバなので産地が異なります。両者は10キロ程度しか離れていませんし醸造方法も98%くらい同じですが、はっきりと違いを感じ取ることができます。
酸が縦に伸びるアスティ産バルベーラ「ビオンゾ」
横に広がる瑞々しさ!アルバ産バルベーラ「ガッリーナ」
アスティで造られるビオンゾは、酸が縦に伸びるタイプで、フレッシュかつフローラルなニュアンスが生まれます。カモミールも感じます。また、樹齢90年の古木を使用しているためミネラルも豊富です。
一方でガッリーナは、バルバレスコ(ネッビオーロ)のクリュ畑の一部に植えられた樹齢70年のバルベーラで造られています。ビオンゾよりも黒系果実のニュアンスがあります。ジューシーで横に広がる瑞々しさ、ボリューム感とタンニンが特徴です。
バルベーララバーに最適な「ビオンゾ」
国際品種が好きな方にピッタリな「ガッリーナ」
もともとバルベーラが好きな方には直線的な味わいのビオンゾを気に入っていただけます。バルベーラを飲んでこなかった方や国際品種が好きな方は、タンニンや丸みのあるガッリーナを好む傾向にあります。バルバレスコとバローロのどちらがいいかという議論に意味がないように、純粋にアスティとアルバの違いを感じていただきたいです。
左からビオンゾ、ガッリーナ
長期熟成を経たクリュバルバレスコ3種飲み比べ
「ガッリーナ」「スタルデリ」「ヴァレイラーノ」
——続いて、コチート社のバルバレスコ リゼルヴァです。
コチートは、ジョルジョの古くからの友人エツィオ コチートが手がけるワイナリーです。そのエツィオが所有する畑で収穫したブドウをスピネッタで醸造し、彼が決めたコンセプト通りにワインを造っています。エツィオのスタイルは、繊細で洗練されたネッビオーロです。そのため、甘やかなタンニンで心地良い味わいを引き出すように造っています。バランスに優れたワインで、横に広がる味わいですね。
畑はネイヴェ地区のクリュ「ブリック ミッカ」、樹齢25年の標高400メートルの急斜面です。ファーストヴィンテージは2020年、年間生産量は3000~3500本と非常に少量です。収穫から7~8年後にリリースするワインで、リゼルヴァでしか生産していません。
熟成ヴィンテージの「今」を紐解くクリュバルバレスコ3種飲み比べ
——最後に、スピネッタが誇るクリュバルバレスコ3種です。
今みなさんがご覧になっている3種のバルバレスコは、全て2011年ヴィンテージです。まさに「ワインの遺跡」と言えるでしょう。ワインは時間とともに変化する生き物だと考えているので、ぜひ「今」の状態を味わってください。このような重要なワインは年月を経て常に変わっていきます。
各クリュのイメージが施された3種のラベルカラー
——クリュのラベルは綺麗に色分けされています。それぞれのクリュに何かイメージがあるのですか?
ガッリーナは花や自然を表す緑ラベルで女性的な味わい、スタルデリはアグレッシブな生命を表す赤ラベルで力強い味わい、ヴァレイラーノは高貴さを表す青ラベルで厳格かつ気品のある味わい。
左からガッリーナ、スタルデリ、ヴァレイラーノ
芳醇なアロマが香る女性的クリュバルバレスコ「ガッリーナ」
ガッリーナの畑はネイヴェにあり、標高270メートル、きめ細やかなサラサラとした石灰質土壌です。樹齢は平均70年。実はどんな年でも一定の糖度で成熟が止まる魔法のような畑でもあります。女性的なニュアンスがあって、香り高いアロマと甘やかなタンニンが特徴です。
清涼感も感じる複雑で力強い男性的な味わい「スタルデリ」
スタルデリは、ガッリーナに近いネイヴェの畑です。ギュッと詰まった硬めの石灰質土壌、標高250メートル、平均樹齢70年の畑です。バローロが男性的でバルバレスコが女性的と表現されますが、ガッリーナは女性的でスタルデリは男性的です。
現時点では土やバルサミックなニュアンスを感じます。ハーブなどの清涼感もありますね。やや硬めのタンニンと伸びやかな酸もありながら、ある一定のボリューム感に抑えているスタイルです。時間が経って甘いバルサミックが現れ、より滑らかでとろけるようなタンニンに変わってきましたね。
他のクリュとは一線を画す威厳のあるクリュバルバレスコ「ヴァレイラーノ」
ヴァレイラーノは、最初の二つのクリュとは個性が全く異なります。畑はトレイゾで、標高500メートルと高い場所にあります。土壌はミネラル豊富な石灰質で、平均樹齢は70年。他と比べて口中への広がりも凄まじいですし、威厳のある格式高いワインに感じられると思います。シルキーなタンニンも特徴的です。
人に例えるなら、貴族のような成人男性です。非常にカリスマ性のあるイメージです。これら3つのクリュがリリースされるタイミングは同じですが、その中でもヴァレイラーノは最も閉じているワインです。すでに12年間熟成されていますが、まだまだ熟成期間の序盤にあたりますね。
瓶内熟成ではもちろんのこと、グラスに注いでからも大きな変化を楽しめる逸品
いかがでしたでしょうか。3種のクリュを試飲すると、信じられないくらいの違いを感じ取っていただけると思います。みなさんの気に入ったワインが気になります。
——個人的にはヴァレイラーノです。
2011年のヴィンテージは、ガッリーナがいいと思うことが多いのですが、現時点ではヴァレイラーノも素晴らしいですね。
——どれも本当に素晴らしいです。
これがネッビオーロなのです。少し時間を置くと、ガッリーナが一番グラスの中で変化していますね。バルバレスコのクリュの飲み比べは、ぜひお客様に体験していただきたいです。
今飲むべきベストヴィンテージ!
バルバレスコの過去15年ヴィンテージ解説
繊細なタイプがお好きな方は2005年、2010年、2012年、2018年
——スピネッタのバルバレスコは様々なヴィンテージを手に取ることができます。「今の飲むべきベストヴィンテージ」をお客様に提示したいので、今回試飲した2011年以外のおすすめのヴィンテージを教えていただけますか?
今すぐ飲むということですね。それでは現時点での直近15年ヴィンテージの特徴をお伝えしますね。
2004年は、まだ若いです。
2005年は、今飲むなら完璧です。
2006年は、まだ若く硬いので待つ必要があります。
2007年は、飲み頃を迎えています。
2008年は、リリース直後から飲み心地がよく、今もまだ飲み頃です。
2009年は、暑い年でボリューミー。今飲んでもいいし、寝かせてもまだ熟成します。
2010年は、まさに今が飲み頃。2005年と2012年に似ています。
2012年は、まさに今が飲み頃です。
2013年は、すごく複雑で飲み心地も良いですが、あと20年くらい熟成可能です。
2014年は、涼しい年なので、繊細でソフトなスタイルです。
2015年は、暑い年で素晴らしい香りと酸もありますが、まだ落ち着かせる必要があります。
2016年は、魔法のような年です。まだ若いので飲み頃は迎えていません。
2017年は、素晴らしい酸がありますが、少し待つ必要があります。
2018年は、クラシックな出来になりました。まろやかで飲み心地がいいです。
2019年は、グラスから溢れんばかりにエネルギッシュです。
お客様の好みによってお勧めするヴィンテージは異なると思います。芳醇で骨格に優れたタイプが好きであれば、2013年、2016年がベストです。一方で柔らかく繊細なワインが好きであれば、2005年、2010年、2012年、2018年をお勧めします。あくまで現時点ではですよ。ぜひ「その時」の状態を堪能してください。
キリッとした酸、フレッシュ果実、ミネラル感が溶け合う洗練された白ワイン |
デルトーナ ティモラッソ 2021 |
除梗後、ソフトプレスし小さめのステンレスタンクで温度管理下でアルコール発酵。その後、澱とともに約7ヶ月間休ませ、濾過した後にボトリング。さらに4ヶ月瓶内熟成。アカシアの蜂蜜、オレンジの花と軽い炭化水素の香り。口当たりはエレガントで複雑。花とミネラルのニュアンスに酸味のキレとのバランスが良い。 |
試飲コメント:黄金よりの麦わら色。グラスに注いだ瞬間からリッチで洗練された香りが広がります。南国果実、フレッシュな白い果実、ミネラル感が絶妙に溶け合う心地よいアロマ。口に含むと様々な要素が口中に広がります。キリッとした酸味がありながら柔らかい口当たりで、果実感や塩味が相まって心地よい余韻長く長く持続します。 |
フレッシュ&フルーティでほどよい骨格と優れたバランスのバルベーラ |
カ ディ ピアン バルベーラ ダスティ 2020 |
9月下旬から10月上旬にかけて収穫。6~7日間かけてアルコール発酵をトータリーファーメンターで行う。ミディアムトーストのフレンチオークの樽(一部新樽)で、マロラクティック発酵の後に12ヶ月間熟成。ステンレスタンクで12ヶ月間静置し、ボトリング。濃厚でマラカスチェリーのを思わせる香り。スミレ、プラムのアロマ。フレッシュでフルーティな味わい。酸とおだやかなアルコール感とマイルドなタンニンのバランスが良い。 |
試飲コメント:ガーネットよりのルビー色。やや甘やかな凝縮した赤い果実、わずかに黒い果実の香り。スミレのような花のニュアンスもあります。口に含むと果実味豊かなフレッシュな味わいが口中に広がり、その風味がほどよいボディによって長く持続します。非常にバランスに優れた味わいです。リコリスの要素も感じられます。 |
力強さとエレガントさが溶け合う飲み心地の良いバルベーラ |
ビオンゾ バルベーラ ダスティ スペリオーレ 2019 |
9月末~10月初旬に収穫。温度管理可能なロータリーファーメンターで6~7日間アルコール発酵後、フレンチオークの樽でマロラクティック発酵。ミディアムトーストのフレンチオークの新樽で16~18ヶ月熟成。ステンレスタンクで6ヶ月間静置後、ボトリングし、約6ヶ月瓶内熟成。濾過、清澄はしません。果実の香りにスミレやベリー、ダークチョコレートなどが重なり合う心地よい香り。シルキーなタンニンのあるしっかりとした構成。力強さとエレガントさのバランスが良い味わい。 |
試飲コメント:ルビー色。凝縮感のある黒い果実、熟した果実が香る複雑で奥行きのある香り。口当たりはソフトでありながら、滑らかなタンニンと完熟フルーツが絡み合うしっかりとした骨格があります。飲み心地も良く綺麗な味わいで、ピュアな印象さえも受けます。 |
まろやかで凝縮感溢れる余韻が持続するうっとりするようなバルベーラ |
ガッリーナ バルベーラ ダルバ 2019 |
9月末~10月初旬に収穫。温度管理可能なロータリーファーメンターで6~7日間アルコール発酵後、フレンチオークの樽でマロラクティック発酵。ミディアムトーストのフレンチオークの新樽で16~18ヶ月熟成。ステンレスタンクで6ヶ月間静置後、ボトリングし、約8ヶ月瓶内熟成。濾過、清澄はしません。凝縮感があり黒い果実やトリュフ、花のような香りが華やかに広がる。濃い色の果実や土のニュアンス、スモーキーな風味。なめらかな口当たり、余韻は長く、うっとりするような味わい。 |
試飲コメント:ややガーネットよりのルビー色。ビオンゾよりも濃厚で力強く複雑な香り。凝縮果実、花、腐葉土。口に含むと黒系果実のまろやかな味わいが広がります。こなれたタンニンが長く持続する余韻を演出しています。 |
たっぷりの旨味とフレッシュな味わいが調和するバルバレスコ リゼルヴァ |
バルバレスコ リゼルヴァ 2011 |
10月初旬に収穫。温度管理されたタンクでマセラシオンと発酵を7~8日間。マロラクティック発酵と熟成を中程度にローストされたバリックで20~22ヶ月。濾過は行わず、3ヶ月ステンレスタンクで静置してからボトリング。瓶内熟成を数年してリリース。バラや完熟した果実が、フレッシュなバルサミックのニュアンスと調和が取れている。しっかりとしたボディと骨格があり、柔らかくシルキーなタンニン。余韻が長い。 |
試飲コメント:淡いガーネット色。ドライフラワーや完熟果実が香るフレッシュなアロマ。とても繊細で華やか、そして旨みを感じる味わいです。後からハーブのニュアンスが現れてきます。余韻が非常に長く、いつまでも口中にフレッシュで旨み溢れる風味が持続します。 |
口中に広がるエレガントかつ凝縮感ある洗練された味わい |
バルバレスコ ヴィニェート ガッリーナ 2011 |
10月上旬から中旬にかけて収穫。7~8日間かけてアルコール発酵をロータリーファーメーションで行う。ミディアムトーストのフレンチオークの新樽でマロラクティック発酵、その後20~22日間熟成。ボトリングの3ヶ月前にステンレスタンクに移し、12ヶ月間瓶内熟成。濾過、清澄は行わない。黒い果実やトロピカルフルーツのようなエキゾチックな香り。熟した果実やブルーベリーのアロマに、フローラルな香りと東洋のスパイスの香りがアクセントを添えている。タンニンはしっかりと感じられるが時間の経過とともにまろやかになり、完璧なバランスとなる。 |
試飲コメント:輝くガーネット色。ドライフラワー、フレッシュフルーツ、凝縮感のある果実が香る複雑で洗練された香り。柔らかい口当たりでエレガントかつ凝縮感ある奥行きある味わいが口中に広がります。香りで感じた複雑な風味の余韻が持続します。 |
芯の通った力強さとエレガンスを兼ね備えた充実感に満ちた味わい |
バルバレスコ ヴィニェート スタルデリ 2011 |
10月上旬から中旬にかけて収穫。7~8日間かけてアルコール発酵をロータリーファーメーションで行う。ミディアムトーストのフレンチオークの新樽でマロラクティック発酵、その後20~22日間熟成。ボトリングの3ヶ月前にステンレスタンクに移し、12ヶ月間瓶内熟成。濾過、清澄は行わない。フレッシュなラズベリーやスパイスの効いたミントティーの香り。チェリーやラズベリーなどの果実味にスパイスの香りがアクセントになった、豊かで力強い味わい。余韻が長く熟成を経ることでタンニンが溶け込み、まろやかな味わいになる。 |
試飲コメント:レンガ色に近いガーネット色。フレッシュ果実、ドライフラワー、コーヒー、チョコ、凝縮果実の香り。存在感のあるタンニンがありながら繊細で心地よい味わいです。香り同様の要素に加えて、ハーブのニュアンスもあります。芯の通った力強さとエレガンスを兼ね備えており、非常に持続性のある充実した余韻に満たされます。 |
非常に複雑で洗練された味わいが綺麗に溶け合う持続性ある味わい |
バルバレスコ ヴィニェート ヴァレイラーノ 2011 |
10月上旬から中旬にかけて収穫。7~8日間かけてアルコール発酵をロータリーファーメーションで行う。ミディアムトーストのフレンチオークの新樽でマロラクティック発酵、その後20~22日間熟成。ボトリングの3ヶ月前にステンレスタンクに移し、12ヶ月間瓶内熟成。濾過、清澄は行わない。バラやチェリー、セージ、ユーカリの香りに、リコリスや革のニュアンスも感じられる。しっかりとしたタンニンがありながらもしなやかな味わいで、フルーティな余韻が長く続く。 |
試飲コメント:ガーネット色。熟した果実と華やかな印象が綺麗に溶け合う旨み溢れるクリーンな香り。腐葉土のニュアンスも。口に含むと非常に力強く複雑な香りが広がります。タンニンは存在感があるも滑らかな口当たりで、心地よく洗練された味わい。余韻がとてつもなく長く、香りから味わいまで充実感に満たされる味わいです。 |
インタビューを終えて
また、「まさにワインの遺跡」「ワインは時間とともに変化する生き物」と話されるように、クリュバルバレスコ熟成ヴィンテージの「今」を紐解きながら味わうことができた大変貴重な経験となりました。バルベーラも同様に、産地による味わいの違いを存分に感じることができました。ティモラッソも素晴らしく、香り味わいともに様々な要素が綺麗に溶け合っていました。特に香りはずっと感じていたいと思ってしまうほど美しかったです。
そして、最後のおすすめヴィンテージの解説は大変わかりやすくて参考になりました。熟成を経た偉大なワインの「今」を堪能したくなりましたし、さらなる進化を遂げた将来の姿を想像してワクワクしてしまいました。