フリウリの歴史的生産者アントヌッティ突撃インタビュー

2024/06/28

2024/06/19

エレナ カッタロッシ氏 Ms. Elena Cattarossi

親しみやすく食事に寄り添うバラエティ豊富なクラシックライン!フリウリで100年以上の歴史を持つ家族経営ワイナリー「アントヌッティ」突撃インタビュー

アントヌッティは1921年に創業したフリウリ ヴェネツィア ジュリア州の家族経営ワイナリーです。ウディネ近郊グラーヴェ地区の広大な平野に50ヘクタールの畑を所有し、その土地に根差した土着品種と国際品種を生産しています。クラシックライン「リネア アントヌッティ」は、そのバラエティ豊富な品種をそれぞれ単一品種で造るシリーズ。カラフルなラベル同様に親しみやすい味わいで、フードフレンドリーなワインに仕上がっています。抜群のコストパフォーマンスも特徴の一つです。今回はアントヌッティ社のエレナ カッタロッシさんをお迎えして、お話を聞きました。

フリウリのテロワールを表現する家族経営の歴史的ワイナリー

――本日はよろしくお願いします。まず簡単にワイナリーの紹介からお聞かせください。

アントヌッティは、1921年に創業した家族経営ワイナリーです。ラベルに描かれた3つの星は、歴代当主の3世代を表しています。(30~40代の)4代目は、もっと働く必要があるのでまだ星はついていません(笑)。

ワイナリーの場所はフリウリ中央部(ウディネ)の平野が広がるグラーヴェ地区にあります。主に砂質土壌で、特に白ワインに適した産地です。その中でも所有畑は3つのエリアに分けられていて、それぞれ白ワイン、赤ワイン、またはその両方に特化しています。

白ワインだけを造るバルベアーノ。レフォスコやピニョーロなど赤ワインだけを造るクラウイアーノ。赤と白を造るカンティーナから最も近いメレート ディ トンバです。

カンティーナはパシアン ディ プラート近郊(画像中央)

世界的に人気の高いピノ グリージョ
イタリアと日本で人気のピノ グリージョ ラマート

――畑の広さと、赤と白の生産比率を教えてください。

畑は合計50ヘクタールほどです。生産比率は白ワインが60%ですね。世界的に人気が高いのは、白はピノ グリージョとソーヴィニヨン、赤はメルローとピノ ネロです。イタリア国内では、ピノ グリージョ ラマート(※)が人気なのですが、日本でもラマートがとても人気ですよね。
※果汁に果皮を漬けこみ、色素とアロマを抽出する伝統的醸造

フリウリの品種の個性と親しみやすさを表現!
クラシックライン「リネア アントヌッティ」

白はステンレスタンク、赤はトノー樽で引き出す食事に寄り添う味わい
私たちのクラシックライン「リネア アントヌッティ」をご紹介します。各畑で栽培する様々な品種をそれぞれ単一品種で造るシリーズです。フリウリ独特の品種であるリボッラ ジャッラやフリウラーノ、レフォスコをはじめ、フリウリに適した国際品種も造っています。

白ワインはステンレスタンクのみで造り、赤ワインはトノーを用いています。木のニュアンスを抑えた樽を使用して、赤白ともに品種の個性が出るように仕上げています。食事と相性のいい味わいも特徴です。

品種の個性、イメージに合わせたラベルカラー
――ラベルが印象的ですよね。

一つひとつのワインの特徴を表したラベルデザインにしています。例えば、リネア アントヌッティはカラフルなラベルで各品種をイメージしています。ピノ グリージョ ラマートは、グリージョ(灰色)という名の通りグレーにしています。

また、ピノ ノワールと聞くと高級ワインを連想しますが、わかりやすいモダンなラベルにすることで手に取っていただきやすくしています。味わいも同様に、親しみやすくフルーティさがあります。

原点回帰で人気上昇中!
果皮を漬けこみ色と風味を抽出する伝統的醸造ラマート

――ピノ グリージョ ラマートについて教えてください。

昔からある伝統的醸造で、マセラシオンをして造られたピノ グリージョです。もともとイタリアのピノ グリージョはこの造り方が主流でした。一晩皮を漬けて(銅)色と風味を抽出しています。国際的な市場では色付けをしないモダンなピノ グリージョが人気ですが、最近は原点回帰といった観点で伝統的なラマートも伸びてきています。

ピノ グリージョ ラマートと色付けしないピノ グリージョ

瑞々しい果実が広がるフードフレンドリーなピノ グリージョ

ピノ グリージョ

ピノ グリージョ

エレナ氏:
「マセラシオンをしていないピノ グリージョです。リンゴなどの青っぽいフルーティな香り、カリっとしたフレッシュな果実を表現したワインです。ステンレスタンクのみで造っていて、各品種の個性が出るようにしています。食事との相性が非常にいいのも特徴の一つです」
試飲コメント:淡い麦わら色。青リンゴ、洋梨などを感じる瑞々しい果実の香り。白い果実のクリーンな印象に加え、黄金リンゴのようなふくよかさも若干感じます。柔らかい口当たりで、フレッシュかつしなやかな酸が広がります。香り同様の要素を感じるエレガントでバランスに優れた味わいです。

インタビューを終えて

今回試飲したのはマセラシオンをしないピノグリージョのみでしたが、後日に各キュヴェを試飲させていただきました。アントヌッティのワインはどれもバランスに優れて飲みやすさがあります。どんな料理にも合わせられ、気軽に楽しめる味わいだと感じました。

クラシックラインのリネア アントヌッティは非常に種類が豊富です。2種類のピノ グリージョ、リボッラ ジャッラ、フリウラーノ、ソーヴィニヨン、レフォスコ、ピノ ネロ、メルローなどと、異なる単一品種の個性を楽しむことができます!

コストパフォーマンスの良さも特徴なので、贅沢に多くのキュヴェを同時に飲み比べて違いを堪能していただきたいです。ぜひ、アントヌッティのワインをお楽しみください!