新世代が打ち出すヴァルポリチェッラ クラシコへの原点回帰!アマローネの名門「アレグリーニ」

2026/03/16

2026/02/06

エリア アッツォーリ氏 Mr. Elia Atzori

イタリアで最も権威あるワインガイド『ガンベロ ロッソ』においてヴェネト州最多の最高賞受賞!第7世代が打ち出すヴァルポリチェッラ クラシコへの原点回帰「アレグリーニ」

アマローネの名門「アレグリーニ」のリージョナルマネージャー、エリア アッツォーリさんが来日し、改めてその足跡を振り返りました。

アレグリーニは、イタリアで最も権威あるワインガイド『ヴィーニ ディタリア (ガンベロ ロッソ)』において、フラッグシップの「アマローネ」や単一畑「ラ ポヤ」などで、ヴェネト州最多、30を超える最高賞(トレビッキエリ)を受賞しています。これは、名門ワイナリーが多いヴェネト州の名だたる名門を抑えての単独トップ記録です。

その美しくエレガントな飲み心地は「アマローネ界のモダン派」と称されますが、それは決して流行を追ったものではありません。数々の革新と、テロワールを信じ抜いた挑戦が生んだ努力の賜物です。ワイン愛好家から絶大な支持を得る偉大なカンティーナから、今回はエリア アッツォーリさんを迎え、新世代の決意を伺いました。

    目 次
  • 新世代が掲げる、満を持しての「原点回帰」「ヴァルポリチェッラ クラシコDOC」の基準がアレグリーニの基準に追いついた!
  • 山と湖の恩恵を受ける、理想的なテロワール
  • 進化を続ける看板ワイン「パラッツォ デッラ トッレ」
  • 徹底した品質管理が叶える、クリーンでフレッシュなアマローネ
  • 伝統の肉料理から、繊細な「お寿司」まで引き立てるエレガントな味わい

新世代が掲げる、満を持しての「原点回帰」「ヴァルポリチェッラ クラシコDOC」の基準がアレグリーニの基準に追いついた!

アレグリーニは、16世紀にイタリア北東部ヴェネト州のヴァルポリチェッラ地区で創業した、歴史ある家族経営のワイナリーです。現在は第7世代にあたるフランチェスコ氏、ジョヴァンニ氏、マテオ氏、シルヴィア氏の4名が新体制としてワイナリーを率いています。

左からジョヴァンニ氏、マテオ氏、フランチェスコ氏、シルヴィア氏

2022年に惜しまれつつこの世を去った名匠フランコ アレグリーニのバトンを引き継いだ彼らは、自分たちの生まれ育った「ヴァルポリチェッラ クラシコ」への「原点回帰」を掲げました。

ワイナリーの礎を築いた先々代、ジョヴァンニ アレグリーニ
現在のワイナリーの礎を築いたのは、先々代のジョヴァンニ アレグリーニでした。品質よりも収量を重視していた当時のイタリアにおいて、彼はワインの質の向上を追求し、クラシコエリアの優良な畑を購入したり、栽培・醸造においても様々な変革を進めていきました。この地に「クリュ(単一畑)」という概念をいち早く導入した先駆者でもあります。

ジョヴァンニ氏は「コルヴィーナこそがこの地の魂である」と信じていました。この品種が持つ柔らかなタンニンと高い酸は、彼が理想とした「繊細でエレガントな味わい」を実現するために欠かせない、最も重要な要素だったのです。

しかし、当時の「ヴァルポリチェッラ クラシコDOC」の規定では、コルヴィーナの使用比率に制限があり、理想とするバランスよりも低く設定されていました。それでもアレグリーニは「味わいの理想」を優先することを決意。たとえ「クラシコ」を名乗ることが出来なくとも、ワイナリーとして目指すべき品質を妥協せず追い求めたのです。クラシコエリアの最良の畑から採れたブドウを使用しながら、格付けに縛られずリリースするという決断の背景には、揺るぎない信念がありました。

ジョヴァンニ氏の信念を受け継ぎアレグリーニの地位を不動のものにしたフランコ、ヴァルテル、マリリーザ
ジョヴァンニ氏が亡くなった後、その信念を受け継いだフランコ、ヴァルテル、マリリーザの3兄妹によってアレグリーニはアマローネのトップ生産者の地位を不動のものとしました。

特にマリリーザ氏は、ワイナリーの顔として世界中を飛び回ってプロモーションを行い、アレグリーニの名を世界に広めた最大の功労者です。その活動はアレグリーニ社だけにとどまらず、アマローネとヴァルポリチェッラを世界中に認知させ、彼女は「レディ アマローネ」「アマローネの声」と称えられました。

共に歩んできた兄弟、ヴァルテル氏(2003年逝去)とフランコ氏(2022年逝去)との別れを経て、マリリーザ氏はアレグリーニの経営を次世代(第7世代)へと託しました。彼女自身は、これまで心血を注いできたトスカーナの2つのエステート「ポッジョ アル テゾーロ(ボルゲリ)」と「サン ポーロ(モンタルチーノ)」に注力するため、自身の名を冠した「マリリーザ アレグリーニ グループ」を設立。新たな挑戦を続けています。

左から6代目フランコ氏、ヴァルテル氏、マリリーザ氏

時代が追いついた「理想のスタイル」
近年、アレグリーニに大きな転換期が訪れます。DOCの規定が変更され、コルヴィーナの使用比率の上限が引き上げられたのです。これにより、三世代に渡って受け継がれてきた「理想のスタイル」が、そのまま「ヴァルポリチェッラ クラシコDOC」として正当に認められることとなりました。「クラシコ」という称号が、ようやくアレグリーニの信念に追いついたとも言えます。

具体的には、これまで最大60%に制限されていたコルヴィーナの使用比率が、45%〜95%まで認められるようになりました。また、ヴァルポリチェッラエリアの伝統品種「ロンディネッラ」を5〜30%使用することが義務付けられたほか、「コルヴィノーネ」や「オゼレータ」など、その他土着品種の使用も許可されています。

これを受け、アレグリーニはブレンドの構成をブラッシュアップしました。彼らが守り抜いてきたコルヴィーナの比率は「70%」。この核となる比率は変えず、残りの30%を見直しました。

これまでブレンドしていた「オゼレータ」に代わり、規定に沿って新たに「ロンディネッラ」を採用しました。オゼレータは小粒で温暖化の影響を受けやすいため、近年は栽培が難しく、個性が十分に発揮されにくくなっていました。一方、新たに加わったロンディネッラは病害に強く、ワインに鮮やかな酸と、タンニンのしっかりとしたストラクチャーをもたらしてくれます。これにより、今までにもまして安定した品質と、アレグリーニらしさが表現できるようになりました。

新世代が掲げるヴァルポリチェッラ クラシコへの「原点回帰」とは、単に「格付け(クラシコ)を名乗る」という形だけでの回帰ではありません。時代や気候が激しく変化する中で、自分たちが守り抜いてきた味わいが正当に認められた今、さらなる品質向上を模索し続け、名実ともにこの地を代表するワイナリーとして進化を遂げていく。そんな決意が込められています。

リニューアルした3銘柄。左から、『ヴァルポリチェッラ クラシコ』、『ヴァルポリチェッラ クラシコ スペリオーレ』、『グローラ』

山と湖の恩恵を受ける、理想的なテロワール

アレグリーニが誇るエレガントな味わいの背景には、ヴァルポリチェッラ クラシコ地区の類まれなるテロワールがあります。彼らの畑は、北のアルプス山脈から続く山々と、イタリア最大の湖であるガルダ湖の恩恵を受ける絶好の立地にあります。風通しが良くて湿度も低い、温暖な地中海性気候がこのエリアの大きな特徴です。その中でも彼らは古くからブドウ栽培が行われてきた伝統的なエリア「フマーネ」を拠点として、その周辺に極めて質の高い自社畑を所有しています。

新世代の象徴としてリリースする、原点の畑「グローラ」
「グローラ」は、先々代ジョヴァンニ氏が初めに購入した丘陵地のブドウ畑です。1979年当時、耕作放棄されていたこの地の可能性をいち早く見出し、最高峰の畑へと再生させました。標高270~320メートル、ガルダ湖を目前に臨むこの地は、石灰質の強い独特な土壌が特徴的です。土には礫(小石)が多く混じっているので水はけが良く、ブドウの収量を自然に抑えながら、果実の凝縮感とミネラルを蓄えることができます。

ガルダ湖を目の前に臨む丘に位置する畑「グローラ」

素晴らしい立地を誇る「グローラ」ですが、あえて格付けを外れた「IGTヴェロネーゼ」としてリリースされてきた歴史があります。

きっかけは、先代フランコ氏の決断でした。彼は、当時のDOC規定で使用が義務付けられていた土着品種「モリナーラ」ではなく、規定外だった国際品種「シラー」を少量ブレンドすることを選択。格付けから外れたとしても、独自の表現を貫く道を選んだのです。2012年からはシラーを除き、土着品種のみの醸造へと立ち戻りましたが、理想の比率(コルヴィーナ70%)がDOCとして認められていなかったため、IGTのままリリースを続ける道を選びました。

転機となったのは、2022年のDOC規定改変です。コルヴィーナの使用比率が引き上げられたことで、四半世紀の時を経て、ついに「グローラ」はヴァルポリチェッラ クラシコ スペリオーレDOCへと復帰を果たしました。

新世代はこの「グローラ」を、新たなアレグリーニの象徴と位置づけています。リリースにあたっては、近年の温暖化を考慮した品種構成の見直しに加え、20〜25℃の低温発酵と穏やかな抽出を徹底。ピュアなアロマを最大限に引き出すことで、エレガントでフィネスがあり、こなれたタンニンを備えるモダンなアレグリーニのスタイルを余すところなく体現しています。

標高500mを超える石積みの畑「ヴィッラ カヴァレーナ」
もう一つの重要な畑が、標高500mを超えるエリアに位置する「ヴィッラ カヴァレーナ」です。ヴァルポリチェッラ クラシコ地域の中でも標高が高いこの地は、「グローラ」と同じく長い間耕作放棄された場所でした。そこにポテンシャルを見出し、購入を決断したのが先代の名匠フランコ アレグリーニです。彼の手によって、美しい石積みの段々畑がよみがえり、地域で最も権威のあるブドウ畑の一つへと再生されました。高地特有の大きな寒暖差がブドウを安定して成熟させ、非常に品質の高いブドウが収穫できるのです。現在この地で取れるブドウは、アレグリーニの看板ワインである「パラッツォ デッラ トッレ」や「アマローネ」に使用されています。

ユネスコの無形文化遺産にも認定されている技術により、美しく蘇った石積みの段々畑「ヴィッラ カヴァレーナ」

進化を続ける看板ワイン「パラッツォ デッラ トッレ」

1978年の初リリース以来、世界中の愛好家を魅了し、今や生産量の半分を占めるまでに成長したアレグリーニの看板ワインが「パラッツォ デッラ トッレ」です。飲み心地のよさと味わい深さのバランスが秀逸な、アレグリーニの顔ともいえるワインです。

先代フランコ氏が発明した、リパッソとは違う唯一無二の独自製法
このワイン最大の特徴は、ヴェネトの伝統製法である「リパッソ」の手法とは異なる、陰干しブドウを使ったアレグリーニ独自の製法にあります。

通常のリパッソは、アマローネ醸造に使用した「ブドウの搾りかす」を再発酵に用いますが、先代フランコ氏はこの手法に疑問を抱き、さらなる品質の向上を目指しました。フレッシュなブドウ(70%)と、贅沢にも陰干し(アパッシメント)したブドウそのもの(30%)を別々に発酵させてからブレンドする、という醸造方法を確立したのです。

陰干ししたブドウそのものを発酵させた、つまりアマローネと同じ過程を経たワインを使うという唯一無二のスタイルにより、ヴァルポリチェッラらしい軽やかさと、アマローネを彷彿とさせる複雑味が見事に両立した味わいが生まれました。

名だたる専門誌が認めた驚異のクオリティ
そのクオリティの高さは、世界的な評価を得ています。米誌『ワインスペクテーター』では、過去6度にわたり「世界TOP100ワイン」に選出。『ジェームズサックリング』や『ワインアドヴォケイト』等でも、毎年安定して90点以上の高スコアを獲得し続けています。

そして何より、「アマローネのような満足度を、日常の価格で楽しめる」という点も大きな魅力の一つ。様々な料理とも相性が良く、毎日飲みたいヴァルポリチェッラとして、アレグリーニの名を世界的に広める大きな原動力となった一本です。

徹底した品質管理が叶える、クリーンでフレッシュなアマローネ

アレグリーニにとって最も重要なワインは、なんといってもアマローネです。陰干しブドウの凝縮感が詰まったアマローネは、一般的には「リッチで重厚なワイン」と一括りにされがちですが、そのイメージを鮮やかに覆すのがアレグリーニのスタイルです。

アマローネに使用されるブドウは標高450~550mの高地で育まれます。明確な寒暖差が生まれる畑では、安定的に高品質なブドウを確保することができます。また温暖化の影響で果熟が早まる昨今において、何よりも大切なのは収穫タイミングの見極め。完熟の時を見計らい、すべて手摘みで収穫されます。

収穫の際、しなびた実やカビのある実は取り除かれる

先進的な乾燥施設「テッレ デイ フマーネ」
さらに特筆すべきは、1996年に設立されたブドウの陰干し専用施設「テッレ デイ フマーネ」の存在です。

陰干し専用の施設「テッレ デイ フマーネ」

伝統的な陰干し(アパッシメント)製法では、木製の棚にブドウを並べて乾燥させますが、木が持つ湿気がカビの発生を招くリスクがありました。そこで先代フランコ氏は、木製の棚を衛生的なプラスチックのカゴへと一新。果実へのダメージを防ぐため1箱あたりの重量は5kgに制限され、ブドウが重ならないように丁寧に並べられます。

すべてのブドウは小さなカゴに入れられ、丁寧に扱われる

そして施設内では大型の送風機を使用し、部屋の湿度と換気を注意深くコントロールしています。風通しを最適化することでカビのリスクを徹底排除し、ブドウを健全な状態のまま、ゆっくりと均一に乾燥させることが可能になりました。

大型の送風機で湿度をコントロール

飲みごたえとフレッシュさが共存する唯一無二の味わい
約4カ月ほど乾燥させた後は丁寧に圧搾し、ステンレスタンクで厳選した酵母を用いて8℃~22℃の低温発酵を25日間にわたって行います。低温で優しく抽出することでブドウ本来のアロマが溢れんばかりに引き出されており、高いアルコール度数がありながらも、驚くほどフレッシュで透明感のある味わいに仕上がります。リリース時点ですでに飲み心地が素晴らしく、ピュアな果実味が楽しめるスタイルは、まさにアレグリーニの真骨頂といえるでしょう。

また、この「テッレ デイ フマーネ」は、アレグリーニの思いに共感する15の生産者と共有し、共に品質を高め合っています。ヴァルポリチェッラエリア全体の質の底上げに貢献している点も、彼らがこの地の大御所たる所以です。

アパッシメントが完了したブドウ。カビなどはなく、健全な状態を保っている

伝統の肉料理から、繊細な「お寿司」まで引き立てるエレガントな味わい

アレグリーニが追求する「高い酸と緻密なミネラル感」は、料理とのペアリングにおける新しい可能性を広げています。

本来、ヴァルポリチェッラのワインは赤身肉のローストやジビエと合わせるのが王道ですが、雑味を削ぎ落とした「曇りのないクリーンさ」を持つアレグリーニのワインは、赤ワインとしては異例のペアリングを可能にします。

驚きのペアリング 「お寿司」とアレグリーニ
その筆頭が「お寿司」との組み合わせです。一般的に、赤ワインと魚介類の組み合わせは、魚の繊細な旨味をかき消してしまい、生臭さを強調してしまうため難しいとされています。

しかし、アレグリーニのエレガントなワインは、お寿司にも寄り添うことができます。低温発酵と穏やかな抽出が生む綺麗な酸が魚の脂を上品に流し、柔らかなタンニンが赤身魚の持つ鉄分や、醤油の熟成した旨みと見事に調和するのです。

伝統に甘んじることなく、常に洗練されたエレガンスを追い求める一貫した姿勢。クラシックなイタリア料理はもちろん、和食の繊細さにも寄り添える懐の深さこそが、アレグリーニが世界中のトップシェフやソムリエに愛され続ける真の理由なのです。

飲みやすさとフィネスを両立した心地よさ

ヴァルポリチェッラ クラシコ 2024
ヴァルポリチェッラ クラシコ 2024

土地の特徴をダイレクトに伝えることと、エレガンス、フィネスを表現したヴァルポリチェッラ クラシコです。軽やかで飲みやすさがあります。品種構成はコルヴィーナ ヴェロネーゼとロンディネッラ。醸造はすべてステンレスタンクを用いています。畑は粘土質土壌、モンテ デ ガッリの最も低地で若木中心の区画で造られています。
試飲コメント:淡いルビー色。イチゴやチェリー、キャンディを思わせる華やかでフレッシュな香り。口に含むと、その明るい果実味が素直に広がり、軽やかでシンプルながら心地よい余韻が続きます。

伝統品種コルヴィーナの特性を最大限に表現

ヴァルポリチェッラ クラシコ スペリオーレ 2023
ヴァルポリチェッラ クラシコ スペリオーレ 2023

コルヴィーナの特性を最大限に引き出せる畑として見出されたグローラで造っています。畑を取得したのは1970年代半ば。当時は高標高で栽培が難しいとされ、未開拓でした。この畑からはヴァルポリチェッラ クラシコ スペリオーレと、単一畑のラ グローラの2種を生産しています。このワインは、温暖化によりオゼレータのキャラクターが出にくく病害リスクもあるためブレンドから外し、コルヴィーナとロンディネッラの構成です。熟成は大樽6ヶ月、セメントタンク2ヶ月。現在バリックは用いていません。
試飲コメント:ルビー色。やや凝縮感のある赤系果実に黒胡椒のスパイスが重なります。口中では凝縮した果実味と潰した花のようなニュアンスが広がり、ほのかな苦味が複雑さとエレガンスを引き立てます。

「新世代の象徴的存在」
飲み心地の良さが光るクリュ ヴァルポリチェッラ

グローラ ヴァルポリチェッラ クラシコ スペリオーレ 2022
グローラ ヴァルポリチェッラ クラシコ スペリオーレ 2022

優良区画グローラから厳選したブドウで造るクリュ ヴァルポリチェッラです。エレガントでフィネスがあり、こなれたタンニンを備えるモダンなアレグリーニスタイルを示しています。飲み心地の良さがあります。生産量は少なく新世代の象徴的存在です。品種構成はコルヴィーナ、コルヴィノーネ、ロンディネッラ。温暖化の影響により、オゼレータの使用は見送ることが多いです。第一アロマを引き出す低温発酵を用いています。熟成は大樽と、旧樽バリックを半々で2~3年熟成します。
試飲コメント:深みのあるルビー色。凝縮した黒系果実やややジャミーな果実香が感じられます。濃密な果実味に樽由来のバターのような風味が重なり、フレッシュさを伴いながら持続します。余韻には豊かな果実味と心地よさが広がります。

30%アパッシメントワインをブレンド
アマローネの巨匠が生み出した革新的ワイン

パラッツォ デッラ トッレ 2022

パラッツォ デッラ トッレ 2022

アマローネの複雑さと、ヴァルポリチェッラの軽快さ&飲み心地の良さを両立したワインです。「毎日飲むヴァルポリチェッラ」として生まれました。ストラクチャーと複雑味がありつつ、飲み心地が良くアルコール度数が低いという飲み手に寄り添ったスタイルです。70%の通常ワインに、アマローネ同様にアパッシメントで造るワインを30%加えています。それらをブレンドしてから木樽熟成に移行します。ヴィンテージによってはアマローネの残りのブドウを使用することもあります。この手法は、従来のリパッソ製法に疑問を呈した6代目当主フランコ アレグリーニによって構築されました。
試飲コメント:深みのあるルビー色。黒系果実と赤系果実の砂糖漬けや、チョコレート、ハーブのニュアンスが感じられます。口に含むと濃密で甘やかな果実味が広がりながらもエレガントで、後口にはフレッシュな酸が持続します。

クリーン&エレガンス
アレグリーニの品質哲学が詰まったアマローネ

アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ 2020

アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ 2020

アレグリーニ独自の品質哲学を貫いたアマローネです。標高450~550メートルの高地に畑を持ち、明確な寒暖差によって安定的に高品質なブドウを確保しています。なかでも重要なのが、収穫タイミングを精密に見極めることです。温暖化で果熟が早まる一方、フェノール成熟が追いつかないリスクがあるため、畑管理と厳密な選果で対応します。収穫は手摘みで、病気やカビの有無まで確認。輸送はプラスチックカセットを用い、1箱約5kgに制限して果粒の潰れを防ぎます。収穫時点で凝縮が強まりやすい近年の傾向を踏まえ、過剰抽出は避けてエレガントスタイルに仕上げています。約100日のアパッシメント。旧樽を用いて熟成しています。リリース時点ですでに飲み心地がよく、フレッシュで飲みやすいアレグリーニらしいスタイルを体現しています。
試飲コメント:ガーネットがかったルビー色。甘やかで濃密な果実やドライフルーツ、胡椒のスパイスが重なり、力強く複雑なアロマが広がります。口中では豊かで重厚な味わいが広がり、ドライフルーツのような凝縮感が際立ちます。余韻は長く、濃密さとエレガンスが調和しながら続きます。

インタビューを終えて

「コルヴィーナこそが、この地の魂である」
と信じた父ジョヴァンニの信念を引き継いで、品質重視のワイン造りにまい進した故フランコ アレグリーニ氏。彼は20代という若さで家業に携わり、当時のヴァルポリチェッラの「常識」を次々と打ち破る革新を巻き起こしました。

当時の「ヴァルポリチェッラ クラシコDOC」の規定では、コルヴィーナの使用比率に制限がありました。彼が理想とする「コルヴィーナの気品を最大限に引き出すバランス」を実現するには、あえてDOCを名乗らない(格下げする)という道を選ばざるを得なかったのでした。この決断は当時、大きな話題となったことでしょう。

さらなる高みへ進むことを誰もが期待していたフランコ氏でしたが、2022年、65歳という若さで急逝されました。その情熱を引き継いだ4人(3人の息子と姪)は、2019年の法改正でコルヴィーナの使用比率の上限が95%に引き上げられたことに着目し、再びアレグリーニのワインに「ヴァルポリチェッラ クラシコDOC」の名を名乗ることを決意しました。
時代がやっとアレグリーニに追いついてきたという訳です。

アレグリーニが本来名乗るべき名前に戻ったことは、彼らにとっても、そして地域全体の質を高める意味でも、非常に大きな意義があったのではと感じています。

エレガント系アマローネの革新者である「アレグリーニ」。フランコ氏が築き上げた偉大な功績に敬意を表するとともに、新世代が切り拓くアレグリーニの新たな物語を、私も一人のファンとして楽しみに見守りたいと思います。