ドメニコ クレリコのチーフ醸造家ジャンマッテオ ライネリ氏らが2005年に創業したバローロの新星「ライネリ」。彼らがモンフォルテ ダルバの畑を中心に造るランゲネッビオーロ「スナルト」です。野イチゴやプルーンの果実の香り。豊かな果実味とはつらつとした酸味が調和した味わいです。しっかりとしたタンニン分を後から感じさせます。

モンフォルテ ダルバ由来のボディ感とクリーンネスを兼ね備えたランゲ ネッビオーロ

2023年11月、当主のファブリッツィオ ジラウド氏にお話を聞きました。

「ランゲ ネッビオーロは、ライネリのエントリーラインです。ほとんどのブドウはモンフォルテ ダルバエリアからできています。ステンレスタンクで発酵を行います。熟成の80％はステンレスタンク、20％はバリックで数ヶ月間行います。それにより、香り味わいともにフレッシュが保たれ、モンフォルテ ダルバ由来のしっかりとしたタンニンをまろやかにさせることができます。非常に飲み心地の良いシンプルな美味しさが表現できています。2021年は、ドルチェット同様に素晴らしいヴィンテージです」

2023年11月にランゲ ネッビオーロ2021ヴィンテージを試飲しました。淡いルビー色。赤系果実の明るくエレガントな香り。口に含むと香り同様の明るい味わいが口中に広がります。非常にフレッシュでエレガントな印象ですが、タンニンの存在感もあり食事と合わせたくなります。徐々に黒い果実のニュアンスも現れます。クリーンな風味の余韻が持続します。

ライネリは2005年創業。当主のジャンマッテオは、トリノ大学で醸造過程を終え、ドメニコ クレリコのもとで醸造家として働き、現在はチーフエノロゴを務めながら、ジャンマッテオの父が所有していたファッリアーノの畑のドルチェットでワインを造り始めることで自身のワイナリー「ライネリ」をスタートしました。同じくランゲ育ちのファブリッツィオ ジラウドとともに伝統をリスペクトした自然なワイン造りを行っています。

2006年に義父が所有していたモンフォルテ ダルバのペルロの畑を購入し、ネッビオーロの生産を始めました。2014年に念願のカンティーナをノヴェッロのパネロールに完成。カンティーナは見学に適したとは言えませんが、醸造家であるジャンマッテオの研究心を感じさせるロータリーファーメンターからアンフォラまで充実した内容となっています。特筆すべきは小樽を個々の製造会社の特性を踏まえ、7社を使い分け、目指すスタイルを表現しています。

創業の当初より所有していたファッリアーノのクリュ、ゾヴェットの他、バローロの生産地域ではモンフォルテ ダルバとセッラルンガ ダルバを中心に15か所の地所に分かれて7.5ヘクタールを所有しています。仕立ては全てグイヨ方式。畑の標高は概ね350～400mに位置します。栽培品種はネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェットの他にピノネーロも栽培。白ブドウはシャルドネとアルネイスを栽培しています。