ほろ苦さ、花のアロマ、きりっとした酸が特徴のピノビアンコ「タリス」

1929年から続く家族経営のカンティーナで、フリウリ「コッリオ」で最も偉大な造り手と言えば間違いなく名前が挙がる「ヴェニカ エ ヴェニカ」が造るピノビアンコ「タリス」です。

マセラシオンしなくても十分に存在感のある彼らのワインは何も加えず、何も隠さず、テロワールを最大化するようなクリーンでフレッシュ、そして繊細さを持つ素晴らしい味わい。造り手の性格が現れるサイン入りの作品と言うより、コッリオのテロワールの表現者としての職人のような彼らが造るピノビアンコ「タリス」。タリスとはタンポポという意味です。春、タンポポの葉をサラダにして食べるのですが、ピノビアンコのほろ苦さによく合います。花のアロマ、きりっとした酸が特徴です。かつてシャルドネと似ていると言われていましたが全然違います。ピノビアンコは粒と粒が密接して病気になりやすいので東向き斜面にだけ植えています。

彼等のワインはフレッシュ＆フルーティーの単一品種ワイン(黄キャップシール)から、区画アッサンブラージュ（オレンジキャップシール）。そしてコッリオを代表する単一畑、ソーヴィニョン・ブラン、ロンコ・デッレ・メーレとフリウラーノ、ロンコ・デッレ・チメ(グリーンキャップシール)というイタリアを代表する白ワインまで基本的な醸造は同じ哲学で造られています。

それにもかかわらず、出来上がるワインは全く異なる個性。品種は勿論ですが、「28ヘクタールの畑に55種類のミクロクリマがある」と彼等が言うようにテロワールという言葉でしか説明がつきません。

豊かで洗練された香り、酸と果実味のバランスに優れた味わい

豊かで洗練された香りには野花やリンゴのアロマが感じられます。酸と果実味のバランスに優れた味わい。余韻には上品なほろ苦さがあり、魚介の前菜、白身魚、アスパラガス、フキノトウ、山菜等ほろ苦さのある野菜の天ぷら、フレッシュなチーズと相性が良いワインです。

プロフェッショナルが認める食事とのペアリングの良さ

ヴェニカ エ ヴェニカのワインがレストラン、ワインのプロフェッショナルに常に高い人気を誇るのはお食事とペアリングさせた時の、綺麗に寄り添う純度の高いブドウの個性、透明感、その伸びやかな味わいにあります。

90年の歴史を誇るイタリアを代表する白ワインの造り手

フリウリ、コッリオで最も偉大な造り手と言えば間違いなく名前が挙がる偉大な生産者。ヴェニカ エ ヴェニカは、1929年に「ダニエレ ヴェニカ」が古いカンティーナと周辺の畑を購入して始まった90年の歴史を誇るイタリアを代表する白ワインの造り手です。

創業当初、周辺にカンティーナは殆ど無く、ダニエレは条件の良いコッリオの優れた畑を贅沢に所有する事ができたと言います。以来、一度も外部の資本が入る事なく家族経営が続けられ、代々の当主が醸造を担当。現在はジャンニの息子で4代目のジャン カルロに引き継がれています。ジャンカルロはイタリアだけでなく、コント ラフォン等ブルゴーニュでも学び、ビオディナミにも精通。現在はジャンニの妻「オルネッラ」がカンティーナの隣でアグリツーリズモを経営しています。

自然環境の保全にまで心血を注ぐ稀有な生産者

2006年から太陽光パネル、2007年からは葡萄樹等を原料にした暖房設備を導入。カンティーナのほぼ全ての電力と暖房をまかなっています。2011年にはV.I.V.Aサステイナブル ワインに加入し、排出CO2量等、環境への影響を最小限に抑えるワイン造りを実現しています。畑ではビオロジックが導入され、一切の除草剤、防虫剤、ホルモン剤の不使用は勿論、重金属である銅の使用も極小量に抑えられています。単にビオディナミを導入するだけでなく自然環境の保全にまで心血を注ぐ稀有な生産者です。

コッリオ最良の畑ロンコ デッレ チメ」「ロンコ デッレ メーレ」を所有

現在所有畑は28ヘクタールに広がりました。今でも「ロンコ デッレ チメ」や「ロンコ デッレ メーレ」といったコッリオ最良の畑を所有しています。自社ブドウのみで畑はドレーニャ デル コッリオの中に全て位置していて、厳密に55種のミクロクリマに分類する事ができます。区画毎のミクロクリマと土壌を把握し、栽培品種、仕立を変えます。また、収穫も5～10回に分けて行われるので発酵用タンクは小さいものを沢山必要とします。

コッリオのテロワールの表現者「何も加えず、何も隠さず」

丘の最上部、ロンコ デル メーレ畑は標高の低い暖かい区画から収穫し、西斜面、北西斜面、斜面上部と4～5回に分けて収穫。醸造がシンプルで味付け要素が極めて少ないので収穫するタイミングと選果が最も重要と考えています。これは初代から変わらない考え方です。基本的にステンレスタンクで仕上げ、澱との接触期間は5～6ヶ月と短いのは果皮や澱の長期接触は果汁そのものの個性を覆い隠してしまうと考えているからです。何も加えず、何も隠さず、テロワールを最大化するようなヴェニカ エ ヴェニカのワインはまさにコッリオのテロワールの表現者的存在となっています。