シチリアのアルカモにワイナリーを構え、ビオディナミも取り入れた自然農法のブドウ栽培を行っているアルド ヴィオラ。現地のワインの記事の中では、"自然派ワイン界のパブロ ピカソ"と呼ぶ人もいるくらい個性むき出しの生産者です。このワインはフェウドグアリーニの畑で栽培されたネレッロマスカレーゼ、ペリコーネ、シラーの3種を使用。ロゼワインの製法としてポピュラーなセニエ法で造られた明るい色合いの赤ワインです。

行政からの指導でロッソ（赤）と記載

元々はセニエ法で造られるロゼワインでしたが、色合いが2017年から濃く抽出されてしまったため、ロッソ（赤）と記載するように行政から言われて、赤ワインとしてリリースされています。ブドウはネレッロ・マスカレーゼ40％、ペリコーネ30％、シラー30％を使用しています。10月初旬に手摘みで収穫したブドウを除梗し、ステンレスタンク内で24時間温度コントロール無しでマセラシオン。その後果皮と分離させます。熟成は大樽とステンレスタンクに分けて6ヶ月間。ボトリング時に澱の集中した最後の方のみ軽くフィルタリングを実施しています。

2019年は華やかできれいな味わい

製法は以前と変わらずセニエ製法なので、華やかなエキス感と飲み心地の良さが抜群です。タンニンはほとんど感じない軽やかな飲み心地のワインです。2019年は華やかできれいなタイプに仕上がっています。このヴィンテージからSo2を極少量添加しています。

「ナチュラルでエレガントなロッソ」です！

本当にオススメの淡旨赤ワインです！最高に美味しいです。ロザートだったあの頃が懐かしいほど近年はロッソに仕上がっているセニエ。ネレッロのエレガントさとペッリコーネのギュッとした酸味が際立ってキレのあるワイン。さて今回のVTですが、香りがとにかく色っぽい…もうセクシー。シチリアの色気あるワインと言えばエトナですが、エトナよりもほんのり豊満な肉体美なイメージ。でもちゃんとしなやか。ザクロ、梅、桜の花、バルサミコ、ケイパー、ラズベリーなどがミックスされた香り。酸の推進力が特徴的で旨味と塩気が濃く溶け込んだ果実味が口の中でギュンギュンと広がります。いやいや美味しい。シチリアのしかも猛暑の年に生まれた葡萄とは思えないワイン。エトナとも違う。アルカモのアルドならではの表現を体感できるナチュラルでエレガントなロッソです（インポーターのトレジャーフロムネイチャー社コメントより）。

圧倒的な熱量を放つワインを生み出すシチリアの鬼才

シチリアのアルカモにワイナリーを構え、ビオディナミも取り入れた自然農法の葡萄栽培を行っているアルド ヴィオラ。現地のワインの記事の中では、"自然派ワイン界のパブロ・ピカソ"と呼ぶ人もいるくらい個性むき出しの生産者です。アルドという男と話して一番に印象に残ったワードは"エネルギー"という言葉です。ワインや畑の話しをする時は目を思いっきり開いて強い口調で話します。周りから見ると相当変わっている雰囲気が彼から滲み出ています。ブドウ栽培、ワイン造りにおける彼の考えや行動は、宗教的で彼は殉教者のような行動と発言を行います。自らは畑のエネルギーを如何にしてワインに落とし込むのか、それを最大のテーマにしています。"仕事"では無く"使命"なのだと語っていました。

アルド ヴィオラと初めて会った時は少し難しい人物という印象でした。ですが、彼の考えをしっかりと聞いて打ち解けると優しく、頼りになる人でした。現在イタリアではシチリアの自然ワインでアルドの名前は最初の方で上げられる事が多く、テイスターから評価をされ、自然なワインの若手生産者も彼の栽培を見学に行くなど支持を受けています。

「ワイナリーはビジネスでは無く、それこそが生きる理由」

彼が行っているワイナリーはビジネスでは無く、それこそが生きる理由だと断言します。出来上がるワインにも並々ならぬ愛情を持っています。そんな彼の造るワインには確かなエネルギーを感じます。畑やブドウから来る部分と、ワイン造りに人生を捧げているアルドからのエネルギー、その両方がワインに見事に乗り移っているようです。

シラーもグリッロも飲み人を引っ張るような勢いのあるアグレッシブなワインで、その中に強い熱量が感じられ飲む人を引き込むようです。確かにエネルギーの強さを感じるワインなのですが、どこか穏やかで整ったような印象があり、決して難解なワインではありません。説得力のあるワインなのです。

今まで日本では認知されていなかった生産者ですが、その実力は本物。ぜひ一度そのエネルギーに満ちたワインを味わってみてください。