フリウリ ヴェネツィア ジュリア州に長くから拠を構える白ワインのスペシャリスト、アステム社のトップキュヴェ「チチニス」。しっかりとしたアロマ、厚みのある味わいにミネラルとシャープな酸が調和するしっかりとした味わいがお楽しみ頂けます。

2024年4月、輸出部長アルベルト オレンジャ氏にお話を聞きました。

「チチムスはアテムスのトップキュヴェになります。コッリオ地区のソーヴィニョン100％です。トロピカルフルーツやハーブなどのしっかりとしたアロマ。厚みのある味わいでコクがあり、しっかりとしたミネラルとボディとともにシャープな酸とスパイシーなニュアンスも感じます。余韻も長いですね。除梗せずにプレスしてフリーランジュースだけで造ります。発酵は50％を卵型のセメントタンク、10％バリックの新樽、40％旧樽で行い、9ヶ月間シュールリーで熟成します。マロラクティック発酵はやりません。」

コッリオの単一畑「チチニス」のソーヴィニョン100％

DOCコッリオエリアの中心にある「チチニス」と呼ばれる丘の標高153メートルにある単一畑から収穫されたソーヴィニヨンブラン品種を使用した、アテムスのアイコンワインです。8月下旬から9月中旬に手摘みで収穫されたソーヴィニヨンブランは、セメントタンクとバリック（新樽50％、古樽50％）で20日間醗酵、9ヶ月間シュールリーで熟成後、リリースされます。柑橘、サルビア、森の香りに、バニラ、焼いたパン、コーヒーなどのブーケがアクセントとなって重なります。ミネラルを感じられ、余韻も長く楽しめる1本です。

イタリアの北東部、オーストリア及びスロヴェニアに隣接する国境の州フリウリ ヴェネツィア ジュリア。アテムスは、このフリウリのゴリツィア県ルチニコの地に1106年から続く長い歴史のある家系で、フリウリの中でも最も古いワイナリーです。ルチニコに現存する公文書には、アムテスの、当時のフリウリの地における活動や地元での社会的、政治的な強いつながりと、献身的なワイン造りに関しての記述を見ることができます。

1960年代頃までイタリアは赤ワインの産地で、白ワインで知られているものはほとんどありませんでした。そんな状況の中、フリウリが今日のように白ワインの重要なエリアになったのは、1964年にコッリオ協会が設立されてからです。アテムスの当主ドグラス アテムス伯爵はコッリオ協会設立メンバーの一人として、イタリアに高品質な白ワインができることを証明する重要な役割を果たしました。

ドグラス アテムス伯爵はトスカーナで醸造を学んでいた時にフレスコバルディ家に世話になり、以来フレスコバルディ家と懇意にしていました。彼にはひとり娘しかおらず、ワイナリーの後継者がいなかったため、2000年にフレスコバルディ家がアテムスを購入し、アテムスのワイン造りをさらに発展させています。アテムスは、フレスコバルディがトスカーナ以外で初めてワイン造りを始めたワイナリーになります。

現在はコッリオ地区とイソンツォ地区に64haの畑を所有。ゆるやかな傾斜のある段々になったブドウ畑から年間約40万本のワインを生産しています。『光、天候、ポンカ土壌』この3つの要素がアテムスのワインの特長。畑は海に程近いところに位置し、太陽光の反射と昼夜の寒暖差のおかげでブドウは理想的に成熟します。また、「ポンカ」と呼ばれる泥灰土と砂石が混じった柔らかな土壌はブドウの生育に良い影響を与えています。